ダンジョン飯

初めて読んだ時の衝撃

ダンジョン飯 九井諒子
六文銭
六文銭

大好きな作品の1つです。 九井諒子先生自体 「九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」 で初めて知ったのですが、オチが予想できないというか、童話のようなハッとする発見があって、めちゃくちゃ感動したんですよね。 今まであまり読んだことないタイプの衝撃でした。 その後も「ひきだしにテラリウム」など短編をあさってましたが、いかんせん作品数が少なくて悶絶していた中で、 この「ダンジョン飯」が連載開始! ということで、1巻から小躍りしながら楽しんで読んでおります。 上記短編同様、独特の発想力が本作でも健在。 「ダンジョンで何を食べているのか?」 というゲームやっている人間なら誰しもがもつ疑問を 「モンスターを食べている」 という斜め横の展開を見せつけてくれました。 しかも、誰が参考にできるのか?と言いたくなるようなレシピまで載っている丁寧さに感服しました。 ここまで非現実的なことやっておいて、例えば、クラーケンについた寄生虫を蒲焼きにして食べて、その寄生虫に食あたりおこすといった、ごく普通に食中毒を起こす描写もあるので(モンスター食べたらどれも食中毒起こしそうだし)、謎のリアリティも出してくるから、より面白くなるんですよね。 神は細部に宿る と言いますが、細かい設定を丁寧に描いているから全体がまとまっている感じがします。 思い残すことといえば、 笑い飯がM1決勝までいって何度も優勝逃したように、ダンジョン飯もマンガ大賞に何度もノミネートされて結局とれなかったのが、個人的に残念でした。 それくらい斬新で面白かったのですけどね。 11巻で、物語も最終章?に突入とのことですが、最後まで目が離せない展開なのと、結局何が一番美味しかったのかライオスが総括してほしいなぁと思いました。

くるくるくるま ミムラパン

今いちばん好きなグルメ漫画 #1巻応援

くるくるくるま ミムラパン 関野葵
nyae
nyae

移動式パン屋「ミムラパン」が巻き起こすハートフルな人情漫画ですが、あえて"グルメ漫画"として推したい。そのくらいパンが美味しそうに描かれています。そして単行本には登場するパンのレシピも掲載されています。ミムラパンのパンが家でも食べれるなんて!と思いますが、パン作りは難しいので慣れてない人にはハードルが高いかもしれないですね。でも読めばきっと挑戦したくなるはずです。 この漫画は、背景の描き込みが凄まじく、また漂う空気とか人の感情の移り変わり等の効果の表現が特徴的でどこかファンタジーな雰囲気があります。それでいて生きるうえで大切な「美味しいものを食べる喜び」もしっかり伝わるように描かれてます。 作中でも言われてますが、パン作りは本当に難しい。ましてや商売にしようとすれば挫折は当たり前。そんな中で、どうして諦めずにミムラさんがパン屋を続けているかという問いにたいして答えた言葉がものすごく響きました。つらいことばかりでも、何があっても忘れることのない「楽しい瞬間」。もしかすると1秒もないかもしれないその瞬間のために頑張れるって、誰にでもあると思います。 パンに限らず、なにか美味しいものを自分で選んで買って、気分ををあげようという気持ちにしてくれる漫画です。

今宵、グランディール神殿で夕食を

小学生男子2人の自炊withマンションのご近所さん

今宵、グランディール神殿で夕食を 林らいす
たか
たか

Pixiv漫画でいつのまにかフォローしてたやつ(いつフォローしたのか全然覚えてない)があって気になって読んでみたら最高だった。ありがとういつかの私……! 母子家庭の一郎太は料理を作るのが大好きな小学6年生。お隣のおっさん家で勝手にパスタを作って一緒につくって晩ごはんを食べる…という驚異のコミュ力でたくましく生きている。 そんなある日、グランディール新田に新しく父子家庭が越してきてそこの子・和と一緒にご飯を作るようになるというお話。 私が通ってた高校の隣の駅が「〇〇新田」で、よく「『〇〇神殿』だったら名前超ウケるな〜」としょうもない考えてたのでこの作品のネーミングにはすごく共感してしまいました。 大胆な一郎太と料理初心者で慎重な和というコンビは見ててニッコリしてしまう。 絵の描き込みが素敵でご飯が本当に美味しそう!そのご飯というのが、一郎太の豪快で大胆な性格を反映した分量や切り方や時間気にしない、気楽にテキトーに作るご飯なのがまたいい。土井善晴2世……! マンションの住人たちがみんな個性的で、奔放に生きてるアンナちゃんとお姉様のカップルが特に好きです。 2019年から連載しているようですが単行本の発売はまだみたいで残念。早く売ってくれ〜!

しあわせは食べて寝て待て

何かを失っても、何かを得られる#1巻応援

しあわせは食べて寝て待て 水凪トリ
六文銭
六文銭

表紙から醸し出すそこはかとない「ロハスちっく」さに、 ジャンクまみれな自分は遠ざけていたのですが、読んでみてたら、これがすごく良かったです。 「凪のお暇」とか「サチのお寺ごはん」が好きなので、 同じような方はハマると思います。 主人公は病気によってフルタイムで働けなくなった女性。 描いていた自分とのギャップに鬱屈した日々を過ごしていたところに、 引っ越しの内見で、少しおせっかいだけど素敵な大家さんと出会う。 お隣に住んでいる大家さんの家には、息子と称する男性がいて、薬膳など健康的な料理に詳しく、心身ともに少しづつ回復していくという流れ。 ほんわかした絵柄とマッチした内容に、読んでいてとてもほっこりします。 主軸はあたたかい人間関係ですが、健康によさそうな食事なども出てきて、グルメ漫画の要素もあります。 現実は、色々挫折したり、悲しいことも多いけど、なんてことはないという気にさせてくれ、元気になります。 何かを失っても、その分何かを得られるし、今まで見えてなかった世界が広がるんだと思います。 そこに、人間の想像力というか、生命力の強さを感じます。 健康をテーマにしつつも、大家さんの息子(実際はアレですが…)さんと、職場の上司との関係も何やら発展しそうで、今後が楽しみです。