歴史マンガの感想・レビュー1574件<<2829303132>>最高に面白い連作短編ニッケルオデオン 道満晴明狐優曇華1話完結の短編集がそれぞれ繋がっているタイプのやつ。こういうの個人的に大好物。 ちょい(?)エログロ、ちょっと切なかったり、ちょっと感動したりしながら3冊読むと、また最初から読みたくなって、3冊読んでしまう、そんな宝石のような作品ですね最後まで難解だったが本格派な諜報マンガが好きな人には堪らないと思うサガラ~Sの同素体~ かわぐちかいじ 真刈信二starstarstarstarstarひさぴよ※ネタバレを含むクチコミです。焼け野原の男達!あれよ星屑 山田参助猫あるく戦後の煤けた街に生きる男たちの生きざま、人の営みストレートに描いていて、悲壮感よりユーモラスで力強い生活感をリアルに感じる事ができる作品でした。不老不死の仙楽を探しに未知の島へ主人公達が行く 地獄楽 賀来ゆうじ名無しラジオで面白いと聞いたのをきっかけに読みました。 主人公の画眉丸が始めから強く、情が厚いところが魅力。その他のキャラクターの設定がストーリーが非常に好みでした。 悪人が味わったのは極楽なのか地獄なのか…ヒトデナシ-大江戸畜生稼業- 忠見周 村田燕昇名無し江戸の悪名高い女郎屋が、極悪人を懲らしめるピカレスクロマン。作画は「竜侍」「幕末イグニッション」の忠見周先生ということで、江戸風俗の描写もめちゃくちゃ上手いです。 女主人の”お仕置き”の仕方が作品の肝だと思うので詳細は書きませんが…悪人は最後に少しイイ思いをしすぎている気がしましたね。もっと非道い苦しみを与えても良かったのではないでしょうか。引っかかった点はそこだけです。 最近はお江戸モノを見ないので漫画ゴラクで連載化してくれたら嬉しいです。本宮ひろ志流の歴史SFこううんりゅうすい〈徐福〉 本宮ひろ志名無し※ネタバレを含むクチコミです。読後感は▶︎ピザとコーラマージナル・オペレーション キムラダイスケ 芝村裕吏漫画の海テーマは重いのに、スピーディーで読みやすく、アクション映画のよう。夢中になれる。 始皇帝が中華統一する過程キングダム 原泰久山口Netflixでアニメを見てストーリーの面白さを知ったことで読み始めました。 主人公の大将軍になるまでの成長や、周囲に関わっている人々との交流から、明確な作者のメッセーが伝わってきます。 スイス独立の物語狼の口 ヴォルフスムント 久慈光久猫あるくものすごく暗くて救いが無い物語なんですけど結末が気になって読み続けてしまう。積み上げられた小さな力がどこで解き放たれるのかじりじりとさせられてくる。 人の命が簡単に消費される恐ろしさも麻痺してくるくらいに人がどんどんと死んでゆきます。諸行無常の響きあり狂人関係 上村一夫野愛天才浮世絵師・葛飾北斎という圧倒的な存在を軸に、弟子・捨八や娘・お栄らの生活を描いた作品。 捨八と彼を取り巻く女達の姿が艶っぽく、移ろいゆく四季と相まって心を掻き乱されるのです。 捨八への想いを内に秘めたまま彼を見守るお栄と、派手好きで大胆なお七、正反対のような女2人がなんとも魅力的。 どちらも激しくて悲しくて、どうしようもないくらいに「女」として描かれています。 個人的に一番感嘆したのはお栄の手の描写です。冬は北斎や捨八の世話を焼く手があかぎれだらけになり、だんだん暖かくなるにつれてもとの白い手に戻っていく。綺麗になった頃にはまた厳しい冬がやってくる。 季節の移り変わりとともに、お栄という女の強さと儚さがこの描写に凝縮されているように思います。 手が綺麗になっても、男と女が関係を持っても、浮世絵が完成しても、終わりに向かっているだけである。失われていくだけである。 激情に満ちていながらも、根底に流れる諦念のようなものが美しく儚い作品でした。純文学に出会えました。 決して理想的ではないけれど捨八に惹かれてしまうのは女の性だし女の業ですね。狂おしいほど好きです、捨八。 アフタヌーン2021年3号で最終回マージナル・オペレーション キムラダイスケ 芝村裕吏名無し※ネタバレを含むクチコミです。ちば先生もすごいがちばプロもすごい!あしたのジョーに憧れて 川三番地かしこ有名漫画家のアシスタントをされていた方の回顧録ってたくさんありますが「ちばプロダクションはレベルが違う…!」と思いました。ちばてつや先生がすごいのは言うまでもありませんが、先生を支えていたアシスタントさんの熱意と技術もすさまじかったんですね。読んでいて熱くなりました。とくに印象に残ったのは見開き1ページをアシスタント5人で分割して仕上げた話、新人の田中くん(川三番地先生)が原稿にインクをこぼしちゃった話、あしたのジョーを描いていた頃のアシスタントさんがポーズ研究をする為に使っていた鏡の話でしたが、まるで職人のようなちばプロ勢が「少女漫画家のところは点描を丸ペンで描いている(しかも点は絶対に綺麗な丸じゃないとダメらしい)」と噂しているのと、講談社が主催したちば先生の漫画家生活20周年パーティーで20万年前の南極の氷が振る舞われていたのがちょっと面白かったです。戦争中の国のリアリティ軍バリ! 韓国兵役実戦部隊 イ・ヒョンソク イ・ユジョンhysysk韓国人の友人に話の流れで徴兵制について聞いてみたことがある。 「ああ、韓国人男性が飲み会で絶対盛り上がる話で、韓国人女性が一番聞きたくない話ですね」 宿舎の寝室が寒く、新人は特に寒い入口付近で寝て階級が上がると奥の方で寝られるとか、軍楽隊の楽器で殴られたとか、やはり武勇伝的というか体育会系的な話で、確かに盛り上がる人とうんざりする人に分かれそう。 この漫画はフィクションだけど、北朝鮮の潜水艦が座礁して、特殊工作員が韓国に上陸したというのは実際にあったことだ(漫画よりも凄惨)。日本の戦争漫画は自分が生まれる前に起きたことなので、完全に切り離して読めてしまうけど、アニメを観てゲームで遊んでいる自分と同じようなタイプの人が、一転して生きるか死ぬかの瀬戸際に追い込まれる様子には背筋が凍る。 原作者は日本への留学経験もあり、宮台真司のゼミに所属していたそうだ。宮台が徴兵制の是非について言及するようになったのも彼との出会いがきっかけらしい。電子版には対談が掲載されていないので、読みたい人は紙(1巻しか出てない)を手に入れよう。 チェーザレという男がイタリア統一を目指す話チェーザレ 破壊の創造者 惣領冬実 原基晶名無しマキャベリがチェーザレを『君主論』の主人公にしていたことをきっかけに読み始めました。本書はチェーザレの行動力や意志力の素晴らしさがよく伝わる内容です。そば 人情話そば屋幻庵 かどたひろし 梶研吾名無しそばの蘊蓄より、そばに纏わった人情話が温かで面白い。何度も読める作品ですね⚾️「石の花」読みました石の花 坂口尚かしこ作者の坂口尚さんはすごく心の綺麗な人なんだろうなと思いました。ユーゴスラビアの歴史についての知識を得てから読んだ方がよかったかな…という反省点はありますが、戦争と平和という巨大なテーマを描きながらも作者が本当に読者に伝えたかったことはものすごくシンプルなことなんじゃないかと思います。もし自分が戦時下の極限状態に置かれたとしたらクリロやフィーのように生きるなんて無理だとしか思えないのですが、何物にも流されることなく自由でいる為には常に問われ続ける人生の選択に対して必ず一度立ち止まり自分自身で考えなければならないというメッセージだったら私でも実行できるかもしれないと思うのです。でもクリロとフィーもフンベルバルディンク先生との出会いがなかったら途中で挫けることもあったかもしれませんね。フンベルバルディンク先生って一体何なんだろう。度々読み返して考えてみたいと思います。 7人のシェイクスピアについて語ろう7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT ハロルド作石名無し※ネタバレを含むクチコミです。日本美術史の大まかな流れを知るのに良い美どらま 日本美術史ナナメ読み 真船きょうこhysysk日本の昔の美術ってなんか地味で暗くてかっこ悪い…長らくそう思っていたが、その理由はやはり冒頭で話している通り、そもそも日本には「美術」という概念がなく、むしろ工芸に近かったからだろう。そしてその地味で暗いものにも歴史があり、ドラマがあり、ある時代の考え方や生き方を知る手掛かりが刻み込まれている。特に高村光雲の『老猿』は実物をみたくなった。天竺を救った外交官、王玄策という男のロマン天竺熱風録 田中芳樹 伊藤勢ANAGUMA中国史に詳しい方なら王玄策という人物をご存知なのでしょうか。 一行でまとめるなら彼は「出先のインドで投獄されたから脱獄して内戦に介入し、解決に導いた一介の外交官」といえます。「そんなマンガみたいなやつがマジでいたのか?」と思って読むわけですが、どうやら居たようです。完全に居た。『天竺熱風録』を読めば分かる。 より興味を持っていただくためにもう少し王玄策のことを紹介しましょう。 7世紀・唐の時代、玄奘三蔵法師とほぼ同時代の人物だといったらわかりやすいはず。王玄策も三蔵法師と同じく、天竺(インド)の地を踏んだ人物です。もっとも彼は僧侶ではなく修好使節団のリーダー、すなわち外交官でした。 本作で描かれるのは王玄策の二度目の天竺行で、これがなんとも波乱に満ちた旅となります。 やっと辿り着いたインドは交流のあったハルシャ王が死去しており、得体のしれない集団が王権を握っている状態。玄策は簒奪王アルジュナに仲間を殺されたうえ、使節団まるごと投獄されてしまいます。 極限状況で彼が導き出したプランは、 ①脱獄して隣国ネパールに向かう ②ネパール王に助力嘆願して兵力を借りる ③友軍とともに天竺の首都カナウジに舞い戻る ④アルジュナをボコる ⑤仲間を救う。HAPPY!! という大胆不敵なものでした。詳しく書くほどに「マンガか?」となるわけですがどうやら歴史上の人物らしい。 彼がどう決断し、次に何を見せてくれるのか「一体どうしてこんなことが出来ちゃったんだ?」と結果がわかっていても常にワクワクドキドキです。伊藤勢先生が「外交山師」と評するとおり、武力に頼るのは必要最小限、血を流さず知恵によって状況を打開しようとするスタンスも魅力的なんですよね。 そして賢い彼を取り巻くキャラクターも全員キレ者揃いでとにかく話が早い。頭のいいキャラクター同士が会話しているときの気持ちよさがずっと続きます。 特にネパール軍のラトナ将軍が超イカす!気がつけば彼女の麾下の兵士と声を揃えて将軍を全力で推していることでしょう。 当時の軍事状況や地政学的な知識に裏付けされた描写も圧巻で「7世紀のインドってこんな雰囲気だったんだろうな」という説得力が半端じゃありません。インドを旅したこともあるという伊藤先生のあとがきは本編を読み解くうえで最高のコラムです。 一方でマンガ的なケレン味もバッチリ備わっていて、具体的には怒りのデスロードを爆走しているかのような象戦車とかが出てきます。歴史の知識がしっかりあるから遊び心も映えるんだなぁ。 「原作を読んだときにぱっと絵が浮かんだ」と語られるラストカット、これがまた最高にシビれるのでぜひ最後まで読んでいただきたい次第…インドの風を感じながら、ロマンあふれる男の生き様をド級のエンターテインメントとともに味わえる快作です。 今川義元がかっこいいセンゴク外伝 桶狭間戦記 宮下英樹名無し名将であったことが分かる作品『昭和天皇物語』が新連載昭和天皇物語 能條純一 永福一成 志波秀宇 半藤一利名無し※ネタバレを含むクチコミです。問題作「超みだれ筆」を含む中村珍短編集ちんまん 中村珍starstarstarstarstarウマタロシャーペンセックスマンガ「超みだれ筆」を含む、中村珍の短編集。 作者の絵が苦手だという人もいるかもしれないけど試しに読んでみてほしい。 自分も「羣青」のイメージが先行していて、そこまで好きになれなかったのだが、短編集を読んで印象が変わった。強い情念を持ちながら、とても幅広い物語を描く才能があると思った。 ちなみに「超みだれ筆」は単行本の最後に収録されている。 こちらのサイトでも公開されているので、興味のある方はどうぞ。 https://ching.tv/super-midare-fude/ すごいよかった闇鍵師 赤名修 中島かずきstarstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男『勇午』の赤名修はよく読んでいるので知っていたが中島かずきって名前はなんかで見たことあるがいまいち思い出せなかったので調べたら、「今のところ、日本で一番石川先生(石川賢)の単行本を作った編集者」だった。これが面白いのは当たり前だったという気持ちでしかないな。 あらすじは評判の腕利きの錠前屋錠之介が江戸の魔を錠に封じて江戸の守っていくという内容で赤名修の絵とすごいあっていた。主人公のスタンスが大きな悪と戦う為ではなく、江戸の市民を守るというの一貫していて好感も持てた。”枢り屋”の謎を残しながら終わってしまったのが残念だ。たまにシリーズ連載してほしいくらいだ。 昔同じアクションで連載していた「明楽と孫蔵 幕末御庭番」といいアクションの江戸マンガは面白いのがおおいな駿河城御前試合は面白いなあ腕KAINA~駿河城御前試合~ 森秀樹 南條範夫名無し駿河城御前試合は面白いなあ シグルイでは藤木と伊良子の試合だけで終わっちゃったけど、ガマの試合とかもあってよかった ページ数をすごい割いてるわけじゃないけど、ガマの心境はこの顔でシグルイ以上に染み入るものがあった<<2829303132>>
1話完結の短編集がそれぞれ繋がっているタイプのやつ。こういうの個人的に大好物。 ちょい(?)エログロ、ちょっと切なかったり、ちょっと感動したりしながら3冊読むと、また最初から読みたくなって、3冊読んでしまう、そんな宝石のような作品ですね