歴史マンガの感想・レビュー1574件<<2728293031>>女性たちが日本を動かす話大奥 よしながふみ名無し作者のキレイな絵のファンで読み始めた。 この大奥はキャラクターが独創的でストーリーがとにかくいい。大河ドラマとして面白いので、いろんな人に読まれてほしい一作。何重にも楽しめる名人芸滝田ゆう落語劇場 滝田ゆうhysyskこれを読んでから落語の動画を観ると、情景が想像できて楽しい。さらに演目にまつわる歴史や形式の違い、噺家のことを調べているとどんどん沼にはまっていく。浅草周辺の土地勘もあるとより感慨深いと思う(吉原に向かう人たちが追剝に遭う辺りに住んでいたことがある)。昔話というほど遠い昔でなく、今も少し感じられるくらいの距離感が良い。 『青菜』がとても面白く、風情もあって好き。忍者漫画かと思ったら忍犬漫画だった風魔 白土三平名無し※ネタバレを含むクチコミです。ターゲットチップカードから引いといてくれエリア88 新谷かおるneko注釈に『預金通帳みたいな物』と書かれていたけど、 本当に存在するのだろうか? 創作だとしたら、凄くカッコいいネーミングだと思う。 岩元先輩が帰ってきた!! 軍からの命で超常現象を調査セヨ岩元先輩ノ推薦 椎橋寛たかあの読切が連載化ということでメチャクチャ興奮してます…! 時は大正。超常現象の軍事利用を図る帝国陸軍の命を受け、主人公である陸軍栖鳳中学3年の岩元胡堂は黒い雪が降る村へと向かう。 「お前のような中学生がいるか!!」と思わず突っ込んでしまうほどの美貌と貫禄を備えた岩元先輩にまた会えて嬉しい…!! 相変わらずのカリスマぶりで読んでるこっちも「先輩…!!」と人望にメロメロになってしまいました。 大正時代とか、軍部の特殊な任務とか設定だけでたまらないですが、それに加えて絵がメチャクチャ耽美で演出が決まっててキャラが立っててストーリーの起伏が見事で、とにかく全部最高。 超常現象を起こす能力に苦しむ子供たちを、同じような経験を保つ先輩たちのいる中学へ推薦する岩元先輩。次回はどんな子が登場するのか楽しみです…! ▼読切版 https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331614853730まずタイトルがかっこいい空気の底 手塚治虫hysysk暗い話が多い短編集ではあるが、通底して投げかけられているのは人間や愛とは何なのかという問いである。 白人と黒人の臓器が入れ替わったら何人になる?意識はそのままで姿形が動物になったら?血の繋がりってそんなに重要か?妄想の幸せも幸せか? この短さで十分にその物語を成り立たせている世界観を構築する力量はさすが。しかしそれはステレオタイプだったり、皆が共有している価値観を利用する(というかそれを作ったのは手塚自身とも言える)ことと表裏一体であり、現代的な感覚からすると少し物足りない原因でもある。15年ぶりぐらいに全部読んだ風雲児たち みなもと太郎マンガトリツカレ男相変わらず面白い。江戸幕府の創立前から幕末前までを江戸幕府からの視点でなく、各時代に生きた「風雲児」を通して歴史を知ることができる。何回読んでも解体新書のところはいい ちょうど「大奥」読んだし、グランドジャンプで「伊能忠敬」を読んでいるのでより楽しめたと思う 今更気づいたけど20巻の表紙の今まで見たことがないメガネをかけた人が出ているがこれみなもと太郎なんだな 昭和まんが史を刻む快作ルーザーズ~日本初の週刊青年漫画誌の誕生~ 吉本浩二六文銭双葉社「漫画アクション」の初代編集長の話。 いわゆる、漫画家漫画の派生、漫画関係者漫画ともいえるジャンル。 編集者とか出版業界系を扱ったこの手のジャンル、自分好きなんですよね。 非効率でアナログな時代に、それでも何かを表現したくてたまらない人間たちの情熱とか、それを見抜くセンスとか読んでいて熱くなるのです。 本作も、そんな内容。 モンキー・パンチをみて何かを感じ、後に漫画アクションをつくり、はては双葉社の社長にまでなる男の話。 双葉社。控えめにいっても、大手ではない中堅出版社ですが、だからこそ飛び道具といいますが、王道ではないところで勝負にでて、結果を出していく様は、読んでいて痛快でした。 自分の価値観やセンスを信じるしかない。 これは、別に編集者だけではないと思います。 仕事も全て、最後は、自分の価値観、センス、いわゆる自分の中にある美学的なもので腹をくくるシーンが必ずでてくると思います。 特に、サラリーマンでも中堅を超えてくると決断を迫られるシーンが多々あるので。 そうした意思決定のプロセスも垣間見える作品で、読んでいてグッとくるものがありました。 自分の価値観を信じて動くって、実はとても怖いことなんですけどね。 だからこそ、最後は大きくはっていくしかないんでしょうね。 情熱を武器に、仲間を集め、自分の信じる道を行く。 昭和の激動のなか、小さくもアツい男たちの生き様に感動しました。百姓からなる一撃必殺隊物語、完結いちげき 松本次郎 永井義男さいろく松本次郎作品はどれも好きだが割とどれもぶっ飛んでいてたまについていけなくなる時があった。 でも本作はそんなことなかった、原作付きだからかもしれないけど。 そして、めっちゃいい最後だった。これはネタバレにならないはず。。 最後までちゃんと読んでよかった。 個人的には謎のままのところがちょっとあるけど、分かる人には分かったのかもしれない。 百姓が侍に憧れ、侍がお上を護り、お上が時代を変えていく。 その変化の煽りをモロに受けるのは一番遠い百姓たちなんだということ。 百姓が憧れた侍は、しっかり侍なやつもいたし、みんな平等に人間なので同様に切れば死ぬということ。 色々なことを考える作品でもありました。あといっぱい血が出るよ! 一番好きなキャラは伊牟田です! 松本次郎先生の女子は可愛いのだが本作はほぼ出てこないからそういう意味では期待しないほうがいいぞ! 追記:謎だったところ、7巻のキャラ紹介に書いてあったので謎じゃなかったです!よく見ようね!家庭と仕事と戦争。妻と夫の戦時日常物語 #完結応援東京物語 滝沢聖峰たか東京・国立の文化住宅に暮らす若い夫婦の暮らしを描いたお話。「日常もの」と思って読んだら下巻で予想もつかない衝撃の展開が2回もあり打ちのめされています。つらすぎる…。 戦闘機のテストパイロットである夫の仕事と、妻が家で行う家事に戦争が影響を及ぼす様が描かれていて読み応えがあります。 白河夫妻の関係、そして2人が住む洋間がある和風住宅がが本当に素敵でまるで朝ドラを観てるみたいでした。 だからこそ、下巻での2度の衝撃は読んでいて堪えました…。 本当にあまりにも唐突すぎて、正直こんなの物語としてありかよという気持ちになりました。しかし、戦時だろうと平時だろうと時代が変わろうと、こうやって大事な人が納得できない形で突然いなくなる可能性はいつでもあるんですよね…。 夫婦の温かい日常を描きながら受け入れ難い事実を突きつけてくるいい作品でした。 4巻以降はすごい好きお~い!竜馬 小山ゆう 武田鉄矢霧兵衛よかった点 ・幕末の感じと小山ゆうの人間臭い描写があっていて好き ・以蔵の最後は何回読んでもいい 総評 ・1から3巻が苦手で読み返す時はいつも4巻以降から読むが傑作だと思う ・「武田鉄矢」が嫌いだから読まないというのは勿体無い全く記憶と違ったぞ羅生門 石川賢マンガトリツカレ男『羅生門』『蜘蛛の糸』『トロッコ』はおそらく芥川龍之介の小説をそのままコミカライズしたものだと思う。『新羅生門』はさすが石川賢だな思わせる内容だった。 昔にこの「羅生門」を読んだ覚えがあって羅生門の老婆がタイムトラベラーでサイボーグと戦っていた気がしたのだが全くそんな内容ではなかった。 調べてみたら「桃太郎地獄変」に収録されていた「山姥」と勘違いしていたっぽいな...奈良時代×ミニマリスト…!あをによし、それもよし 石川ローズたか もうホント作者の着眼点がすごい!奈良時代とミニマリストの異常な親和性の高さに笑ってしまう…! 主人公の山上(やまがみ)は現代でミニマリストとして暮らしていた。そんな彼がタイムスリップした先は、超ミニマルな奈良時代。何もない貧しい奈良時代の生活も、全てのものが無農薬・無添加の夢のような世界だった。たまたま出会った役人の老(おゆ)と暮らしていくうちに、山上は山上(やまのうえ)として馴染んでいく。 https://twitter.com/ishikawarose/status/1154326454659764224?s=20 立派な木造建築がある一方で、まだ物質的に豊かではなく竪穴式住居も残ってて、布を税金として収めたりして、ひらがな・カタカナすらない。それが奈良時代。私は日本史なら古代が好きなので、奈良へのタイムスリップものというだけでワクワクがとまりません! ギャグシーンをやっている裏に、まだ未発達な文明社会の過酷さ・侘しさが見え隠れするところが趣深くてすごくいい…いとあはれ。 ゴチャゴチャした現代に疲れたときに読みたい、超ミニマルな奈良ギャグ漫画です! 完結したので読んだ大奥 よしながふみマンガトリツカレ男昔に3巻ぐらい読んで長くなりそうだなと思って待ってたらいつのまにか19巻まで続いていた。あらすじは謎の奇病で男性の数が減ってしまった江戸時代の大奥が舞台。将軍も男性ではなく女性になったため大奥が女性ではなく男性がいる世界になっている。 最初の方は女性が多い場合の世界観や独自の文化(御内証の方/お褥すべり)など細かい点を楽しんでいたが7巻あたり吉宗編から一気に面白くなった。謎の奇病の正体の解明/将軍家内の権力争いの表現や謎の奇病である赤面疱瘡の解明や治療方法、治療後の世界観、諸外国や各藩に対してどのように対応していくかやラストも含めてすごい面白かった。 風雲児たちを読み返してからもう一回読もうかと考えているヴェルサイユ宮殿×惣領冬実マリー・アントワネット 惣領冬実かしこ漫勉neoで「チェーザレ 破壊の創造者」の制作現場に密着されていた時も思いましたが、惣領冬実先生の描き込みはすごいですね。ちなみに今作はヴェルサイユ宮殿が取材や資料提供の協力、衣装・建築・王宮儀礼の監修されてるそうで、本物の臨場感があります。多くの日本人が持っているマリー・アントワネット像はベルばらが基になっていると思いますが、これを読むとイメージが変わるかもしれません。特にルイ16世が長身のイケメンだったのには驚きました。2人のやり取りが少女漫画のようにキュンとして微笑ましかったので、物語はフランス革命が起こるよりずっと前で終わりますが物足りなさはありませんでした。漫勉neoで「海外の人が評価してくれるのがモチベーションになってる」とおっしゃられてましたが、こんな傑作を描いてくれたらフランス人も嬉しいに決まってるよ…!「麒麟がくる」ロスな人に捧げたい#1巻応援カンギバンカ 恵広史 今村翔吾六文銭大河ドラマ「麒麟がくる」が終わってしまいましたね。 イチ視聴者として、控えめにいっても最高でした。 「麒麟がくる」の中で個人的に名脇役といえたのが、吉田鋼太郎演じる松永久秀。 彼の松永久秀らしい豪胆な造反っぷりが実に素晴らしかったことは記憶に新しいと思います。 本作は、そんな梟雄松永久秀を描いた歴史小説「じんかん」をベースにした漫画です。 蒼天航路における曹操のように、歴史上の悪人=本当に悪なの?みたいな話になるのかな?と思いますが、まだ1巻なので生い立ちくらいの展開。 今後が楽しみなのですが、いかんせんターゲットが狭そう(松永久秀自体、一般的に結構マイナーすよね?)なので、麒麟ブームにのっかって売れることを願うばかりです! こんな風に生きてみた…くはないけど、考えさせられる私説昭和文学 村上もとかhysysk太宰治、永井荷風、梶井基次郎、坂口安吾をそれぞれ主人公にした短編集。作者の解釈が入った「私説」ではあるが、彼らの人となりが鮮やかに表現されている。今の自分の年齢で太宰が亡くなったと思うと、つきつけられるものがある。 共通するのは皆、女性が好きだなというところ。しかしそれは単なる情欲とも違う、複雑なもの。母親からの愛の渇望、聖なるものへの畏怖、儚さ、あるいは禁忌を犯す背徳感などもあるだろう。 そういった複雑な感情を漫画なりの文学的表現に昇華できるところに作者の力を感じる。仏様の一生ブッダ 手塚治虫名無し名著作との評価があったので。ブッダの生涯を描いた話。感動しました。 タッタの生き様がとにかくすごい。第一巻から圧倒されました。 ブッダにも、出家した直後には迷いもあり、いろんな困難に遭うということが読んで知ることができた。開始2秒でグッときた忘八武士道 小池一夫 小島剛夕starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男小池一夫と小島剛夕の武士ものだから面白いに決まってんだろと思ってページを開いたら第一話のタイトルが「明日死能」の時点で傑作だなと確信しながら読んだ。ここまでグッときたタイトルは小池一夫だとからぁ怒の「びゅうびゅう血しぶき ジャリリン斬った」サハラの「弾ス ウィズ ミー」以来だな タイトルのある忘八とは人としての八つの徳目「孝、悌、忠、信、礼、義、廉、恥」の八つを忘れた人間に対する言い方で昔このタイトルと同名の映画があったはずだが関連は不明。 主人公の「明日死能」が女郎屋に雇われるところから始まるが内容に関しては小池一夫っぽさ満載だし、有名な拷問「ぶりぶり」も登場する。終わり方も含め傑作だった。iPhoneで読むと文字が細かくて読みづらいので大きめの画面で読んだ方がいいです。 そういや仁義八行だと「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」だけどこれだと「孝、悌、忠、信、礼、義、廉、恥」なんだがこの辺って詳しい資料ってあるのかな 武士道といふは、死ぬことと見つけたり葉隠物語 藤原芳秀 安部龍太郎マンガトリツカレ男発売当時に読んでいたけど久しぶりに読んだ。あらすじにあるとおり武士道の代名詞たる『葉隠』を佐賀鍋島藩の成り立ちと数多の“曲者”たちの物語として描いた傑作歴史小説を『拳児』を描いた藤原芳秀がコミカライズしたもの。こういう人間はどう生きるかを描いたエピソードのマンガはいつ読んでも面白いな。 九州が舞台は武士マンガは「葉隠物語」といい「薩摩義士伝」といいすごい名作が多い 羌瘣ってさぁ…キングダム 原泰久名無し人気投票一位にも関わらず、 李牧との戦いが終わって以降、全く登場しないのだが… 寿命を削りすぎて身体を壊し戦線復帰できなくなったのか、 それとも緑穂が壊れたから? 戦えないにしても、信がついに将軍となったときに姿を現さないのは不自然では・・・? なにか羌瘣を登場させてはいけない理由でもあるのか分からないけど、1コマでいいから出してほしい。敵の方が外道だな外道笠 草野雄starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男昔に1巻だけ読んで面白かったので覚えていたが2巻があることを知ったので久しぶりに読んでみた。内容は渡世人とか股旅物と言えばいいのか昔のドラマの「木枯らし紋次郎」や小林まことの「劇画・長谷川 伸シリーズ」に近いがそこまで綺麗な話ではなくあらすじ通りの金次第でどんな卑怯な手段を用いても相手を仕留める「人斬り外道笠」が主人公。 主人公は「外道笠」と言われているがむちゃくちゃ悪人というわけでもないし、善人というわけでもない。自分自身が生きるための結果として悪行になったり、優しさがアダになって問題に巻き込まれたりと難儀な性格をしていた。 基本は主人公の「外道笠」より、各話に登場する敵役の方が外道だったな 一年戦争末期の熱い戦い!機動戦士ガンダム サンダーボルト 太田垣康男 矢立肇 富野由悠季猫あるく最高です。ガンダム好きにはたまらないです。骨太で熱い物語。ガンダムに詳しくなくても全然大丈夫。兵器としての魅力が満載です。戦闘シーンの迫力、スピード感に圧倒されること必至です!MOONLIGHT MILEも早く描いて欲しいけどね!木蓮との因縁烈火の炎 安西信行ANAGUMA『烈火の炎』のキャラクターのなかでも個人的なお気に入りは木蓮です。なんと言っても執念深い。紅麗の館での初登場から裏武闘殺陣、封印の地、SODOMと何度も火影忍軍の前に立ちはだかります。そしてそのたびに敗れ去っていく。 烈火が与えた敗北を起点に彼の人生は負けを繰り返す屈辱にまみれたものになり、烈火を否定することが生きる目的になっていったように思います。私的な意見ですが紅麗が烈火の表ライバルだとしたら木蓮は裏ライバルと言っていいくらい因縁が深いんじゃないかな。 最終戦で烈火が「見下していたわけじゃない、嫌いだっただけだ」と語るのも実力自体は認めていたような気がしてグッと来るポイントです。それが木蓮自身には届いていなかったように思えるのも皮肉が効いていて好きですね。 命を抱きかかえながら挿入されるナレーションで「木火土金水のうち、木の木蓮だけは敵側だった」と最期が語られるのも印象深いです。最後の最後まで「次は勝つ」と吠え続け、決して諦めない姿は最悪の敵ながら魅力的で、存在感のあるキャラクターでした。 #マンバ読書会<<2728293031>>
作者のキレイな絵のファンで読み始めた。 この大奥はキャラクターが独創的でストーリーがとにかくいい。大河ドラマとして面白いので、いろんな人に読まれてほしい一作。