母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。を読んでからこれを読むと「元気そうでよかった」という、読む上でとくに必要のない感情が生まれてしまいました。 それはさておき、この漫画はひとりの(当時)マイナー漫画家が、情熱大陸に強く憧れ、いつか上陸(出演)するときのための準備にいそしむ様子を描いたドキュメンタリー漫画です。 準備というのも、ひとり胸に秘めてというレベルのものではなく、度々家族をゾッとさせるような行き過ぎたものもあり、それが非常に笑えます。彼は本当に「本気」なんだなというのは痛いほど伝わるんですが、大陸のデカさに気付くのに少し時間がかかってしまった。 そしてそんな彼をいたずらに振り回すような要素も多すぎた。 地元の同級生に上陸を先越されたり、上陸済の綾野剛とバイトで一緒だったことがあとから判明したり(遅ッ)、情熱大陸の公式Twitterに漫画に関してコメントされたり… しかし私自身もこんなふうに書いてますが、この漫画が連載されている時には「こんなこと描いてるけど、なんだかんだ話題になってるし、そのうち上陸するでしょ」なんて思っていました。要は私も大陸のデカさを全くわかってなかったんです。改めて読んで、やっぱでっかいなァ…と再認識したところです。
スメルズライクグリーンスピリットは、思春期の少年達が自分の性に向き合うという繊細なお話でしたが、こちらは完全にギャグ漫画です。 緊縛された男を描く絵師になるという、夢を持った美大生武蔵が、友人のマリオ(キノコ)の勧めで、市役所勤めのDTシチサン(あだ名)をモデルに緊縛絵を描き始める。というお話です。 しょっぱな、武蔵がデッサンの授業でラオコーンの緊縛絵を描くところからテンションが高い本作ですが、このテンションの高さは最後まで途切れません。 元々作者は繊細な線画を描くのですが、その崩しっぷりが尋常じゃなく、登場人物の顔芸が凄い。 あらすじには、イケメンの美大生武蔵と記載ありましたが、武蔵がイケメンである描写の方が少なく、常時狂気に満ちておりとにかく怖いのです。 たまーに、ほんとにたまーにイケメンになります。 ただ友人のマリオの見た目のインパクトが強すぎて、武蔵がどんなイケメンなのかを忘れました。 ちなみにマリオはキノコカットでオネエ言葉で、いつも微妙な丈のシャツを着ているヘソ出しですが、ヴァ◯ナマニアのヘテロセクシャルです。 お色気シーンは殆どありませんので、苦手な方でも読めるかも知れません。 とにかく爆笑必至です。 この本に関係ないですが、スメルズライクグリーンスピリットの登場人物の柳田先生を主人公にした後日談、深譚回廊はシリアスなお話なのですが、そちらも面白かったので読んで下さい。
並行世界からの侵略者「壊獣」を、緩衝地帯の「壁の中」で殱滅する「防壁師」。共に防壁師を目指していた親友を壊獣によって喪った新更命乃は、親友の為に壊獣と闘うと決める。 闘い続けるうちに明らかになる事実、隠された秘密。バディを組む隊長が口にする「地獄」とは……? ♡♡♡♡♡ 『γ―ガンマ―』で悩めるヒーロー達×怪獣・怪人の闘いと姉妹百合を描いた荻野純先生。今作では並行世界からの侵略との闘いに相棒百合を掛け合わせて、最初から重い世界観を描いている。 人間と似た体型の巨大な「壊獣」、人工的で無機質な地形の「壁の中」、人知れず戦う防壁師……そこはかとなく暗く、冷徹な世界観に、悲観的な先行きを想起せざるを得ない。 世界や敵に関する重要な事は、毎話少しずつ明かされる。プロの防壁師になった命乃にも、少しずつしか事実は明かされない。そしてふと辿り着いてしまった真相が、命乃を混乱させる。 思いがけない事実に苦悩する命乃に、寄り添う隊長も何かを胸に秘めている。力を合わせて闘う、重い物を背負った二人の関係は、切ない程に尊い。 この先の世界と二人の関係に待ち受けるのは、悲劇か、それとも幸福か……命乃と共に秘された世界の全てを見るまで、気持ちが落ち着かなそうだ。 (個人的には、やはりタイトルの「セメルパルス(semelparous)という言葉が気になるところ。一回結実性、つまり多年草植物が生涯に一度だけ花を咲かせ、枯れてしまうこと。竹やリュウゼツランが有名。この言葉は世界観に関わるのか、防壁師の能力に関わるのか、それとも女性同士の関係性に関わることなのか……。他にも色々なワードから作品世界の空想・予想を楽しめる作品だと思います。絶対考察ブログとか書きたくなるやつです!)
1・2・3と書いてカウントスリーと読むそうです。 昭和、平成初期にかけではプロレスをゴールデンタイムで見ることが多かったですね。昭和プロレスと言う言葉もありますからね。 「1・2・3でキメてあげる」も、そのブームに乗った女子プロレスをテーマにした漫画です。 エロ要素なしで、純粋に青春を描いています。
めっちゃいいところで1巻終わってるー…早く2巻が読みたい! 次から次へと恨みを晴らしていくのかと思ったけど意外とキャラの過去とか心情とかしっかり描かれてるので、ふざけた表紙のイメージからいい意味で変わりました。あと絵も普通にうまくて読みやすいです!
最初は、彼女を異常に溺愛している男が主人公で、主従関係がある変なカップルの話だなと思って読んでいたら、実は彼女のキョーコさんの方にヤバすぎる秘密がありました。 新興宗教、かどうかはわからないけど、キョーコさんは地球滅亡を止めるため「太陽神」に捧げる生贄を10人集めないといけないという使命を背負っていることが判明します。さすがの岡田くんも「何言ってるんだこいつらは」とドン引きするも、結局はキョーコさんの為に自分が「生贄」を集めることになってしまう。 岡田くんからすると、自分はキョーコさんと2人だけで一生仲良く暮らしていければそれで良かったのに、厄介な事に巻き込まれてしまったなという思いかもしれません。ただ客観的に見れば、キョーコさんは太陽神を崇めている。そしてそのキョーコさんのことを、岡田くんは崇め奉っている(愛し方が恋人のそれとはかけ離れているように見えるので)。完全なる信仰の一方通行が出来上がっています。 これから、岡田くんはキョーコさんのために生贄を集めなければいけないわけですが、同意があったとしてもやってることは誘拐・監禁という立派な犯罪です。 どこかで我に返ってキョーコさんと縁を切る…なんてことはおそらくなさそうなので、気が済むまでキョーコさんのために突っ走って頑張ってほしいな。 一番笑ったのは、大家さんの圧倒的なパワー。2巻以降も出てきてくれるのかな。あと岡田くんの正気なのか正気じゃないのか判別の難しい表情が地味にツボ。
最強の男は誰か? 最強の格闘技は何か? 格闘技をする者がなりたいと思い、 見る者が見たいと思う、 「世界最強」 だが、現役格闘家は別として、 果たして、マニアが見たいのは本当に 最強の男、格闘技が決まる瞬間だろうか。 成績とか結果とか結論を知る瞬間だろうか。 そうでは無いと思う。 その結論に至るまでの過程が重要なのだ。 それが決まるまでの経過を、ドラマを見たいのだ。 極端に言えば、最強の戦士・格闘技が決定して、 勝者の手がレフリーに掴み挙げられる瞬間より、 最強候補がリングにあがって対峙してゴングがなる瞬間、 試合が決着するまでにいたる攻防、 それらを見て興奮して味わいたいのだ。 「修羅の門」はそれが判っている。 だから、神武館のオープントーナメントや ボクシングの統一戦、ブラジルでのバーリトゥード、 それらの開催に至るまでの過程や、 各試合が始まるまでのストーリーも入念に描いているし、 その話がとても面白い。 そしてそれゆえに本番の試合がまた盛り上がる。 「最強」を決定するのに必要なのは 虚飾を排除したリアルな展開かもしれないが、 それをしすぎて単なるデータの抽出提示の過程に なってしまったのでは 「世界最強」という男のロマンが無味で色あせてしまう。 だから主人公の陸奥九十九は 無謀な連戦もしたりする。 互いに万全な体調で戦いましょう、 公正明大にどちらが強いか確認しましょう、 とか必ずしもそうではない。 だから神武館のトーナメント戦でも キックボクシング、シュートボクシング、プロレス、古武道、 それぞれの最強戦士とあえて戦う立場を自ら選ぶ。 そして大会主催者も相手の選手もそれを了承する。 その流れはリアリティに徹するならありえない流れだが、 格闘リアリティと格闘ロマンの両方を損なわず増幅させてくれた。 このシーンが描かれたとき、 「あ、この漫画、絶対に面白くなる」 と思った。
多忙なフリーランスの妻と、無職になったばかりの夫の生活を描いた新連載。 素朴な絵柄と上手いとは言えない手書き文字がいい味を出している。 はじめはちょっと、夫婦仲が危ういのかなという雰囲気もあるけど、最後の妻からのメモにあったひとことでホッとしました。 つつがないってこういう意味だったか、と再確認。 つつがな‐い 【恙無い】 《形》無事だ。身に異状がない。息災だ。
宇宙とカナダという、物理的にとても離れたところで生活している2人の日本人女性が主人公で、設定としては壮大に見えるけど「故郷を離れて頑張る人」や「派遣社員」「移民」といった不安定な立場にいる人には非常に刺さる内容かと。 過去に少しだけ関わりがあった2人が、それぞれの事情で心が折れそうになった時に起きた奇跡がもう一度立ち上がるきっかけになるところが感動的。
1号からZXまで、昭和ライダーの活躍が再び見られ、ライダーファンの私としては堪らない作品です。 その中で特に嬉しかったのが一文字隼人のエピソード。 改造前の物語は昔から知りたかったと思っていたので、この作品で夢が叶った感じです。 まるでテレビの特撮ドラマを観ているかのような迫力で、昭和ライダーファンなら絶対楽しめる作品だと思います。
とても、良い話だった。 小児脳神経外科で勤務していた実在する医師、高橋義男先生のドキュメンタリーマンガ。 高橋先生の幼少〜青年時代と医師になった現代2つのストーリーが交互に描かれている。 高橋先生の一つ一つの言葉に、子供達の生きる力に勇気づけられた。 胸が苦しくなるような場面も多々あるのだが、何故か不思議と前向きな気持ちになる、頑張ろうって思わせてくれた、生きることについて考えさせてくれた心打たれたお話でした。
二人の関係が始まるまでの展開が早い、、でも最初から佐久間さんは蛍のことが好きだったのかなぁと思います。仕事のこともきちんと評価していたし、上司とはいえ、相手のことをきちんと見ていないとなかなか気づかない部分もあると思います。蛍は素直で控えめでとてもいい女性です。佐久間さんと同僚の男性と二人に好かれるのがわかります。二人ともイケメンでうらやましい限りです。今まで男運がなかっただけに、幸せになって欲しい。
著者が、母親が亡くなったあとに同じ境遇のタレントに親近感が湧いたり、同じ思いをしていてほしいという思いから会う人に両親の存命を確認したりしてしまうという話がいちばん印象的です。 瀧波ユカリ先生の「ありがとうって言えたなら」同様、母親が癌で亡くなった話を描いたエッセイ。ありがとうって言えたならでは、あまり良いとは言えなかった親子関係があった上で描ける複雑な思いがありますが、この本では純粋に愛する人が亡くなるとはどういうことなのかというのが描かれています。 タイトルにある「遺骨を食べたい」という気持ちは、火葬後に納骨からもれた細かい遺骨に対して生まれたもので、人によっては猟奇的にも感じるかもしれませんが、愛する人の体の一部を自分と一体化したいという思いはある意味究極の愛のかたちでもあるなと思いました。
ファミレスの雇われ店長のおじさんが、17歳の美少女高校生に好かれる話です。夢のような話です(笑) しかし現実では全くありえない、とは言い切れない話で、自分にも何となく覚えがあります...。10代の女の子が大人の男性に憧れる気持ちが上手く描かれていると思います!
目にも止まらぬ速さで、一瞬で相手を切り捨てまくる初期の卍さん好き。 スピード、パワー、テクニックどれを取っても逸刀流を上回ってる。 本当はもっと強いのに、凛と暮らしてる間に弱体化したんだと思う。
人生そこそこでいいという主人公トビオは、悪友であるパイセン達と軽い気持で隣の矢羽(ヤバ)高の事件に関わってしまうのですが、死亡者も出てしまい事態は深刻さを増していきます。 主人公や悪友達の身勝手さ、保身、金、女、そして若者ならではのモラトリアムが沼のような深く落ちていき、いつの間にか目が離せなくなります。原作者金城宗幸の掌で踊るのは主人公達ではなく私たちです。 エグいくらい人間の汚さ、欲望が表現されているのに、最後はなんだか切なくて清らかな気持ちになれる漫画です。
赤松健氏と言えばラブひなが有名ですが、個人的にはこちらの方が、媚びてない分、面白かったように思います。 AIに可愛い女の子の人格を与えてってあらすじは、今でこそ手垢がついたネタに見えますが、この漫画がやっていた当時はそうでは無かったのです。 主人公も何も出来ずにラッキースケベを繰り返すだけの無能では無く、きちんとパソコンの知識を生かしてトラブルに対処して行きます。 フォーマット的には、ああっ女神様の系譜と言えるでしょうが、まだ携帯電話やパソコン通信すら普及していない時代にインターネットの回線に潜り込んで、みたいなストーリーを書いたのはこの漫画だけでは? とにかくそう言った点で最先端を行っていた漫画なのです。 女の子も勿論可愛いので、当時のパソコンがとかどうでも良いんじゃ女の子見せろ、と言う方にもお勧めできます。 お姉様系、正統派系、TS妹系、外人お嬢様系(エヴァのアスカ似)と可愛い子が揃っております。
コロコロコミックやハイパーコロコロなどに掲載されてきた初期作品や中期作品など、おぎのひとし氏が手掛けた選りすぐりの短編作品がギュッと凝縮されている一冊です。どの作品も、懐かしいものばかりで、時間を忘れて読み漁りました。これ一冊あれば繰り返し楽しめると思います。
表紙からある程度想像できますが、最初から最後まで下ネタ連発の作品です。あまり元気無く落ち込んでいる人、普段下ネタが言えない環境でストレスがたまっている人が読むといいと思います。作者のニシムラマコジ先生の世界観が凄いです。人間ウォシュレットなど、よくこんなに下ネタが思いつくなあ。時事ネタは古く知っていれば懐かしく楽しめます。
モラハラってイメージつかなかったけど、何かしら抱えてこじらせて自分で解決できなくて掌返しちゃう人っているんだろうなーってリアルに感じられました。怖い。。。
どんだけすれ違えば気が済むの!!橋元くんも鈍感すぎるし!まったくもう…でも面白いから許す☆あと絵も超好き… オンラインゲーム用語的なものは一切わからないんだけど、なんとなくで読めました。あとがきで知ったんですが、元はTwitterに載せていたやつなんですね。なるほど、だからエロが一切ないんだ。エロなしBL読んだの久しぶりだったので初心?に戻ったような新鮮な気持ちです。
宇仁田先生の描く恋愛マンガはだいたい読んでますが、これがいちばん好き…というか、鎌谷くんが好きなのかも。とちゅうで終活のために黒髪になるのもたまらないんですよね…!!言葉はぶっきらぼうなのに、行動で愛を示してくれるというのが良い。当然それはフィクションの話で、現実の人間はちゃんと言葉も優しくあれと思いますが。 人と人の適切な距離感、いわゆるパーソナルスペースの広さって人それぞれで、それも相手によって変わるというのをこの漫画で学びました。表紙の二人がメインですけど、周りのキャラもみんな可愛くって、とくにサモ・ハン・キンポー似のキンポは、昔は超絶イケメンで女性関係のトラブルが絶えなかったというエピソードも含め、好きなキャラです。 これを読んでたのは高校生くらいで何も考えずに読んでましたが、今思えばただの恋愛マンガではなく、男女平等ってどうあるべきなのかといったようなことがテーマなのかなと思えます。
ちょっとわがままで、たまに人に迷惑もかけるけど、素直さと可愛さでなんでも許されるレオくんが主人公の猫マンガ。萩尾望都先生の猫がモデルなのかな? 学校に行ってみたり、漫画家のアシスタントに行ったり、お見合いをしたり(人間と!)、グーグーだって猫であるの映画に出ようとしたり、人間と同じようなことをする、いわゆる2足歩行できるタイプの猫です。 その一方、トイレは猫用だったり、ネズミを追いかけたり、「猫のくせに」とバカにされたり、と、猫っぽい人間のような人間っぽい猫のような絶妙な存在。 他の「猫マンガ」とは一味違うけど、猫の可愛さは存分に味わえる一冊です。
2019年のアニメ作品がとても良くて、原作も読んでみました。古い作品だと知っていましたが、違和感なく読めたのは、キャラクターたちの魅力さと、しっかりしたストーリーがあるからでしょう。少女漫画とは思えぬ、裏社会の内容満載ですが、そんな中でのNYストリートギャングのボスと日本人青年の交流に、育まれる友情に、心が震える作品です。
※ネタバレを含むクチコミです。
不妊治療経験者の立場からこの作品を読んでみると決して大袈裟な表現ではなくかなり現実的な内容だと感じました。 現在は不妊治療中や子供が出来ず不妊治療をしてみようと考えている方には是非おすすめ。 不妊治療のヒントになったり、不安を和らげる助けになるなど、読んで損はないかと思います。
可愛らしくてキュートな17歳の女子高生スミレ。実はこのスミレ、人形なのです。黒ずくめの怪しい中年男性(オヤジ)が背後から操ってます。 いっこく堂もビックリの腹話術で、スミレが本当に生きているかのように、楽しい学園生活を送ろうとするのですが…。 いざ”緊急事態”に陥ると、スミレが人形のようになり、背後でオヤジが必至にカバーリングしている様子がじつに爆笑ものです。謎の権力によって先生からは人間として扱われ、ただただ困惑するクラスメイトたちの反応がシュールで良いリアクションしてます。 スミレは活発な性格のおかげで、次第に周囲に受け入れられていきますが、一言も喋らず、黒子に徹しているオヤジも、なんだか応援したくなってくるから不思議です。何者なのかは最後まで謎でしたけど。 ちなみに、「スミレ16歳!!」というバージョンもあって、そちらは「スミレ17歳!!」のリメイク版になります。
絵が好みだなーと思って読んだらすっごく面白そうなお話でした。自殺の名所4位にランクインするような崖っぷちから徒歩5分の場所に佇むオーベルジュギルダが舞台。 おそらくギルダで働く人達含め、登場人物全員ワケアリなんだろうなという気がしてます。表向きは明るくてコメディっぽく読めるけど、お店のマネージャー・夕雨子さんの過去などはきっと暗そうなものが眠ってるはず。 生きてても死んでも地獄なら、それ以外の選択肢を作ってみるという考えが印象的でした。続きが楽しみな新連載です。
今ではあまり見かけないような旧車が多く出てきます。カーバトルで峠を攻めているシーンなどとても迫力があり、旧車好きには特におすすめしたいマンガです。
エリート私立中の男の子たちが4人グループで一人の同級生の男子を追い詰めて、それが原因で自殺してしまったという重い内容です。問題は、この男の子たちの母親が、その事実を隠すためにあの手この手で対策するのです。息子への歪んだ愛情は、後々かならずひずみを生み出すんですね。漫画とは思えない、リアルな内容にゾッとしました
『悪の華』や『漂流ネットカフェ』で知られる押見修造氏の初期作品の一つ。 ある「トラウマ」を抱えた人間の主人公と、悪魔(サキュバス)が経営する風俗店の話。主人公はあることがきっかけで悪魔たちに追いかけられますが、悪魔でありながらも主人公の味方をする謎の女性と出会う事で物語が進んでいきます。内容はくだらないかもしれませんが、ギャグとエロを交えながらテンポよく進み読んでいてとにかく楽しかった。
フツーの居酒屋の綺麗な女将さんだと思いきや、実は元極道の妻。 どんな強面の相手にも怯まず立ち向かっていく女将さんの姿がとにかくカッコ良いです。 居酒屋さんの描写がリアルなので、自分も客の一人になった気分になれます。 人情ののれんをくぐった先には良いドラマがあるものですね。
イマイチパッとしないボクサー、村松高志だが、実は本人も知らない隠れた実力の持ち主。 そんな彼に格上の相手とのビッグマッチが舞い込むことに…。 いわゆる昔懐かしの展開とは言えますが、現代のボクシング漫画としては逆に新鮮な感じがします。 ボクシングシーンも迫力満点で読み応えがあり、とても面白いです。
人間だけど、何故か足がネコという探偵の"ネコアシ"。1匹の迷い猫を巡って、我こそが持ち主だと主張する2人の紳士のどちらが本物の持ち主なのかを見事に見抜きます。"ネコアシ"の探偵としての鋭い着眼に感心させられるストーリー展開だけでなく、たった23ページの短い漫画のあちらこちらに散りばめられているネコ特有の習性や仕草の描写に、作者さんも猫好きで、家で猫を飼っているんだろうなぁ、と読み手に想像させたりする遊び心あるユニークな作風も、この作品の大きな魅力となっています。"探偵ネコアシ"は人間とは言え、足がネコなだけあって、仕草も妙にネコらしかったりするところに何とも愛嬌があって、こんな探偵さんがいたら、困った時にはぜひ調査を依頼してみたい、と思ってしまいます。私のような猫好きにはかなりクセになる"探偵ネコアシ"の楽しいキャラクター、続編が登場することを大いに期待します‼︎
ドラマ(3話の再放送のみで)、面白そうと思って原作漫画に辿り着きました。 ドロドロ系は好きなので、2時間くらいで読み終わって、続きが気になって仕方がない今です。笑 登場人物、皆過去に闇を持っていて、加害者も被害者もないんじゃないかと思いました。 ただ、一つ怖いなと思ったのは旦那を寝とった親友、瑠衣の豹変っぷり! 女性は怖い! 瑠衣が陥れてようとしている主人公、爽(さやか)の母親にまで手を出しそうなので、更に怖さが増すのではないかと次巻が楽しみ! ドラマも並行して楽しみたいと思います。
銀河系に人間の恋愛関係図を見立てたようなオムニバス 読後感たまりません! 好きになってはいけない人を好きになったり、失恋して泣くその一挙一同が美しい… どの主人公にもスッと入っていけるから不思議です
絶海の孤島にある全寮制の学校。そこに通う少女たちは、「不老」の研究のために孤島に集められたという。その研究に関わる数値として少女それぞれに「回帰値」という数値が付与され、その数値の大小によって学校内のヒエラルキーすら変わってくる。そんな閉鎖的な空間に迷い込んだ転入生・永見千剣(ながみ ちはや)。彼女の存在により少しずつ少女たちの日常が変化していく。 正直今のところまだ謎の多い世界観なんだけど、整った絵柄で全寮制の女子校の生活が描かれる中で「不老の研究」という不穏なワードと「回帰値」という数値でスクールカーストが形成されているという世界。ディストピアのような雰囲気が至る所で見え隠れしながらも、人間関係そのものは歪んではいるけど普通の学校でも存在しうるような上下関係に見える。この、整然とした部分と混沌とした要素が混ざり合って不思議な雰囲気を作り上げていて、今後も目が離せない作品。 1巻まで読了
そこは田舎とも都会とも言えない、でもとても"閉鎖的"な町。男は外で稼いで来るのが仕事で、共働きだろうと女が家事育児をするのが当たり前、そんな今や化石のような前時代的な考えが蔓延る町。そんな町が嫌で東京に就職し、東京のしがらみの中で疲弊してまたこの町に舞い戻ってきた38歳の女性が主人公。 現代の感覚でいうと主人公の考え方はもっともらしく見えるのだけど、それはその町の"普通"とはあまりにかけ離れていて、そこに38歳という年齢、そして一旦町の外に出たにも拘らず戻ってくることになってしまったという状況が重ね合わさって、主人公の苦悩は重くなり、しかし打開策の選択肢は少ないという息苦しさが作品全体にのしかかってくる。痛々しいまでの心理描写が心をえぐってくる、でも目が離せない作品。 この作品のテーマとなる部分はかつての少女マンガでは大きな主題として存在していたのかもしれないが、最近では直接的に扱われることが少し減ってきているように思う。"男性性・女性性"という概念のに対する閉塞感の打破がゴールだったものが、そこから一歩外へと踏み出し、"多様性"というより自由度の高い問題に触れることができるようになってきてるのではないかと感じている。 私自身にとってもこの物語は"フィクション"で、主人公に感情移入はできるものの、この町の"普通"に現実感を得ることができずにいる。でも、この主人公と同じような悩みを抱えている、この物語が"フィクション"ではない人も間違いなくいるはずで、そういう人にこそ届いてほしいと思う作品。 1巻まで読了
あまりの懐かしさに思わずレビューいたします。 小学生の頃、古本屋さんで手に入れたのですが、当然、連載はとっくの昔に終わっており、周囲の同級生は知るわけもないこの漫画、妹と二人で勝手に略して「おまけん」と呼ぶほどブームになりました。 楽しいし可愛いし、涙が溢れる人情に溢れる幸せなお話です。 気持ちがくさくさしているこんなご時世ですので、癒されるには絵柄も物語も最適という気がします! 昔の少女漫画は最高ですね! まさかこれをまた読めるとは思いもよりませんでした。 いや、ほんといい時代になりました。
ヤンキーマンガと言えば同じチャンピオンで連載されていた、クローズが若手俳優総出演で人気をはくしましたが、ワタシはこちら派でした。 箕輪道伝説が好きだったので、一巻が発売されていると知ったその日に近所の本屋へ走って予約に行った程です。 受け付けたのが凄いおばあちゃんだったので、タイトルを聞き取って貰えず、五回ぐらいレジで復唱した遠い記憶。 二回目くらいから、半笑いでした。 ヤンキーバディと言えばトオルとヒロシが定番ですが、こちらはナオミとアキ。 名前がオシャレ(?)。 かたや硬派で案外真面目なナオミと、ちゃらちゃら軟派だけど、本当は真面目なアキのコンビがヤンキー相手に全国喧嘩行脚(?) というかヤンキーなのか?最後は巨悪と闘うヒーローへとなって行きます。 喧嘩強すぎて。 ちょっと暑苦しい部分はご愛敬。 一番お気に入りだったのはアマギンです。 古いベンツのカブリオレに乗ってるし、ハーレーに乗ってるし、グリーングリーングラスオブホームがテーマソングなところも十九ごときで渋すぎる。 作者が一番思い入れのある登場人物なのかも知れませんね。 最終巻の最後のページは感涙しました。
せっかくの休みなのにお家にいるの飽きちゃったなあなんて思う今日この頃。 不要不急の外出はしないなんてもちろん百も承知なんだけど思いっきり遊びたいなんて思う今日この頃。 働かないふたりを読んで目が覚めました。 子ども心を忘れずゲームや漫画やDVDに明け暮れたらいいんだ! お菓子いっぱい食べたらいいんだ! スウェットでごろごろしてご近所さん眺めてたらいいんだ! 守と春子を見習って平和にぐーたら過ごせたらこれ以上に幸せなことなんてないです。 こんな世界じゃ些細なことで憂鬱になってしまうから、せめて家にいるときは楽しいことだけ考えようじゃないか。 それでも不安で眠れない人は、倉木さんのように働かないふたりを見守って癒されようじゃないか。 ほっこりするけどそんな息つく間もないくらいに笑わせてくれること間違いなし。いくつになってもうんこで笑っちゃうよね。無料だったので読んでみたけど続き読みたくてポチッとしちゃったよね。 この作品を読んでいると、家族にどうしようもなく会いたくなってしまうところだけがちょっとつらい…けどまた元気に会える日を信じて引きこもります!
今年、ダブルで文化庁メディア芸術祭にて「マンガ部漫画部門優秀賞」を受賞したい野田彩子さんが別名義で描いた漫画です。 そもそもから割と独特な世界観と絵柄の作者ですので、BLについても独特も良いところです。 世の中には沢山のBL漫画がありますし、読んだ事ないだけであるんでしょうけど、登場人物が貧困に喘ぐフリーターと、こちらもいい加減に生きている女子高生限定でハメどりアダルトビデオを撮影しては売っているというロクでもない三十代のお話です。 先輩が徐々に女性化していく謎はあるのですが、年下の主人公がフリーターで貧困でありながら、いい加減でだらしない先輩を、どうにか食わせてやらなければと思う健気な気持ちや、将来への不安がめちゃくちゃみにつまされました。 後半三分の一くらいはもう、なんかその気持ちわかる。。。。という具合に、ついつい共感してしまったワタシは今、転職活動中の無職です。 笑えない。 ただ、最後はびっくりな凄い終わり方でスカっとします。
このアイデアを思いついて漫画として描こう!と思ったのがそもそもすごいな、と。オチはまったく予想できなかったので驚きでした。でも離婚した元夫婦としてこれ以上ない良い終わり方なんじゃないでしょうか…
ちょっとあやしい強面のマスターが経営するタイ料理屋さんで働くことになった料理人テツヤ。出てくるタイ料理がどれも美味しそうだけど、周りの外国人のキャラが濃くて、不法就労とか密航者とか、何やら皆さん事情を抱えている人たちばかり。 テツヤが拉致られたり、銃で脅されたりと、料理屋のお兄ちゃんのはずが、ひどい目にあっています。でもあくまで普通の感性の持ち主なので共感&応援できます。こういう世界が実際にあるんだろうな…と思わせてくれるディープでスパイシーな作品です。
私達は何気ない日々を当たり前のように送っていますが、それがどれだけ幸せな事なのかをこの漫画を読んで理解しました。 同時に世界には私の知らない辛い現実が存在しており、ウイグル人のように差別で苦しんでいる人々がいない世の中にしていかなければいけないと強く感じました。
主人公の女の子は子供の頃から片付けができません。テストには集中できなく小さな音などに気をとられてしまいます。 大人になってもそれは変わらずに、あるときADHDと診断されるのです。ADHDの人の苦労する人生が描かれているので、ADHDという病気に関して興味のある人は読んでみると良いと思います。
すごく懐かしい。80年代の漫画なので登場するレスラーの中にはすでに他界されていて、久しぶりに名前を聞いたレスラーも多いです。プロレスが好きなので以前に読んだことがあるのですが、記憶があいまいなのでまた読んでみようと思います。タイガーマスクが好きなので探してみます。
主人公の女の子は兄が両親を殺害してしまう場面を目撃してしまいます。それ以来女の子は親せきをたらい回しにされ、殺人犯の妹という烙印を押され、イジメや性的虐待などを受けてきました。ただただ女の子がひどい目に合わされる漫画なので、注意して読んでください。
凄まじい熊本弁で熊本生まれとしてはなかなか恥ずかしい感じですが女の子のビジュアルがいい!トビラが熊電の駅ぽくて懐かしくなりました 学ラン下駄でヘッドホンショートカットいいですね!
憧れの職業であるCAの実際の仕事でのあれこれが、面白く描かれています。CAという仕事を表面だけしか理解していなかったのですが、この漫画によって、実は華やかさの裏には過酷な現実があることを知り、かなり勉強になりました。ひとつひとつのストーリーが爆笑ものなので気持ちが上がります。
母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。を読んでからこれを読むと「元気そうでよかった」という、読む上でとくに必要のない感情が生まれてしまいました。 それはさておき、この漫画はひとりの(当時)マイナー漫画家が、情熱大陸に強く憧れ、いつか上陸(出演)するときのための準備にいそしむ様子を描いたドキュメンタリー漫画です。 準備というのも、ひとり胸に秘めてというレベルのものではなく、度々家族をゾッとさせるような行き過ぎたものもあり、それが非常に笑えます。彼は本当に「本気」なんだなというのは痛いほど伝わるんですが、大陸のデカさに気付くのに少し時間がかかってしまった。 そしてそんな彼をいたずらに振り回すような要素も多すぎた。 地元の同級生に上陸を先越されたり、上陸済の綾野剛とバイトで一緒だったことがあとから判明したり(遅ッ)、情熱大陸の公式Twitterに漫画に関してコメントされたり… しかし私自身もこんなふうに書いてますが、この漫画が連載されている時には「こんなこと描いてるけど、なんだかんだ話題になってるし、そのうち上陸するでしょ」なんて思っていました。要は私も大陸のデカさを全くわかってなかったんです。改めて読んで、やっぱでっかいなァ…と再認識したところです。