言わずと知れたギャグマンガの帝王、赤塚不二夫氏の遺した少女漫画です。何故かおっさんである私の記憶の中にもしっかり残っているのは、TVアニメ化された物を見ていたからだろう。漫画も読んでいた筈なのですが、今回のGWにかけての無料公開で読み返させて頂き、変身に使うのがコンパクトでなく立派な鏡だったり、「テクマクマヤコン」を唱えない事を再発見し、大いに驚きました。懐古趣味からでなく、偶然昔読んだ漫画に出会って、その頃の気持ちの戻るって良いですね。
昔に、ジャンプで連載されていた地獄先生ぬ~べ~にでてくる女子高生霊媒師のいずなが主人公の物語です。ぬ~べ~を読んでいた世代であれば、懐かしのキャラや、最終回のその後が描かれているので楽しめます。ただ、エロはより過激に、お色気シーンは大幅増量されていますので、前作の青春感が好きな人にとっては、本作のギャグエロは受け入れがたいかもしれませんが、話の面白さは変わってないです。
主人公の旦那、山木がクズすぎてとにかくむかつく。自分の経験とも相まって思い出し怒りがして、この旦那を早く地獄に落としてくれ!と願わずにいられない。腹立つほど信じられない事が次々と起こる。でも読まずにはいられない漫画だった。不倫をされたことのある方、旦那がクズな方、共感できます。これは面白い。自分よりも大変な思いをしてる人がいるのだと思えます。ただ、震えるほど山木には心底むかつきます(笑)
お金が絡んだ時に現れる人間の本性がえげつなく描かれていてとても面白かったです。絵柄は独特でクセがありますが、この絵柄だからこそ人間の本性がより生々しく伝わってきます。また、この作品を読めば金融や民法の知識がかなりつくので、高校生や大学生には社会に出る前に一度は読んでおくことをおすすめします。
『わんぱく天使(エンゼル)』は1976年に秋田書店の月刊プリンセスで連載されていた赤塚不二夫の作品。美人のお姉さんと、酷いイタズラばかりする弟キヨシが巻き起こす、わちゃわちゃしたドタバタコメディです。 整形、首吊り、いじめ、恐喝、暴力など、アブナイ話題ばかりですが、それは時代もあってか、あっけらかんと描かれています。姉さんを慕う犬が、ハンドバッグにされて、最後は姉さんに愛用されて良かったね、なんて残酷でシュールな話でしょう笑 でも、そこが面白いです。 はたして当時の少女読者にどこまで受け入れられたかわかりませんが、少なくとも最終話のオチを見る限りでは、いいお話だったように思います。
エンジェル伝説と同じ作者とは思えない、重厚なファンタジー?バトル物です。色素の薄い美少女が大量に出てきますが、きちんと主要メンバーひとりひとりの生い立ち、背景が描かれています。 次の展開がどうなるのか、ハラハラしっぱなしで一気に読めます。 まさかそうくるとは!死なないで!と、何度も思いましたw 読後感の良い作品です。
両親の存在に苦しみ、不登校になった小学六年生の松田乙女。見かねた教師の那珂川湊は彼女を引き取り、養子に迎える事を目指して、共に生活を始める。 強引に乙女を連れて来た湊。真っ当な愛情を注ごうとする、懸命で正義感の強い女性……なんだけど……。 ♡♡♡♡♡ 第一話では、乙女のためにしっかりしないといけない湊が、とんでもない事をしでかして驚かされる。しかもその理由が「乙女がいない時間が辛い」という、情けないもの。最初のカッコよさとの落差は、衝撃的だ。 しかしこれをきっかけに、乙女は大きな決断をする。そして却って湊への信頼を増し、湊の為に在りたいと想うようになる。 そしてその気持ちは、 信頼を超え、恋心になる。 互いを想い合う様子は温かく、二人の時間は甘く、時に危ないほどに気持ちが昂る。 しかし強い恋心は、過度な依存に形を変える。思ったよりだらしない湊と、思ったより恋にのめり込む乙女の関係には、常に危うさが付き纏い、不安になる。 更に協力者と思っている人物も、法律も、決して二人の味方とは言えない状況。乙女が子供であるために、二人が引き離される不安は常に示唆される。本当の心の絆が試される時、湊と乙女は……。 年の差百合にときめきつつ、恋愛依存関係から自立した人間同士の関係へと成長する過程を追った、真剣で優しい物語だ。
大きな観音像が見守る、とある村で暮らす親子。 父親の時生と双子の子ども・光と音。2人の母親は3年前に“いなくなった”。 時生は何故か、異常なほどに2人に対して過保護である。そして時生はある日、村の人々が狂ったように観音様に手を合わせている光景を目の当たりにする。 一見平和でのどかな村に見えるけど、確実に何かがおかしい。半分になった世界とはなんなのか?なぜ母親はいなくなったのか? 謎が多すぎて何もかもが不穏でしかないけど、とにかく続きが気になりすぎる。
赤塚先生のギャグ漫画で、時折登場する目のキラキラしたバカボンやイヤミ、彼らの源流になったのがこの50年代に描いていた少女漫画群である。 作品中にも出てくるが、石ノ森章太郎先生との合作及び伝説のトキワ荘の面々がペン入れをしたと思われるコマもあり、ストーリーだけでなくこのあたりを想像するのも楽しいものだと言える。内容としては短編でクラシックなものなのだが、セリフの独特の言い回しが面白い。この“ん?”と思わせる読者を引き込む力はやはり赤塚&石ノ森&トキハ荘といったところに思えた。
真面目なテーマをハートフルに紡ぐ名手・福田素子の全3話の短編集。 3話目の「ウィズは知っている」がとても素晴らしい作品でした。 ウィズという愛犬と、子供のいない夫婦の絆を描いていた作品です。 比較するわけではないですが、谷口ジローの「犬を飼う」を彷彿とさせる内容で、犬と暮らしてきた人には特に刺さるのではないでしょうか。 ところで作品について調べてたら、以下のPinterest投稿を見つけました。 ウィズは、福田先生の愛犬がモデルだったんですね。 https://www.pinterest.jp/pin/474144667004081418/
不条理ギャグにつっこむ暇なく、次の不条理ギャグが襲ってくるような漫画。マニアックなパロディネタもかなりあるらしいけど、全然拾えていない。面白いとはなにか混乱してくるが、それもまた楽しい
転生物語が好きな人におすすめです。 主人公は悪女役で攻略対象が全員ヤンデレという設定です。 ヴォルフというヤンデレになる前の子供と婚約をするということになります。 主人公は何とかしてヤンデレを回避するためにあらゆる方法で頑張ります。 主人公は死ぬのを回避できるのか。これからも楽しみです。
現実の世界にすっと不思議なナニカが溶け込んでいるような作風が魅力的。とりわけ人魚川の点景は、これまでの人魚観をいっぺんさせるような物語だ。有罪無害玩具のころから人魚というテーマを面白く扱ってるなと思っていたが、今回はより身近な未知として描いている。 タイトルにもなっている偽史山人伝は民俗学や害獣から着想を得た物語らしい。現実世界にあるをすこしだけスライドさせ、異空間をつくりあげる。素晴らしい作家だと思う。 先生のホームページ http://tirasimanga.web.fc2.com/TUM/TUM.html
25歳の深川美月は鬼の王子こと課長の鬼木隼人に毎日こき使われ残業の日々。仕事に明け暮れ、彼氏にも会えず、挙句の果てに彼氏の浮気で恋はジエンド。しかしそのお陰で心から好きな人にめぐり逢えた。相手は嫌われていると思っていた鬼の王子。仕事では厳しいけれど実は優しいイケメン上司、そんな相手に迫られたら美月じゃなくても落ちてしまう。美月は不倫だからと自分から色々我慢する毎日、鬼木の指輪に秘密がある事も知らずに。鬼木の方が自分からはっきり言うべきで美月が健気で可哀想と思いつつ、そんなシチュエーションで進む恋愛話も面白い。厳しくても鬼木のように目の保養が出来る上司なら大歓迎。鬼の王子が自分の会社にも居たらいいな、なんて思わず想像してしまう。社内恋愛をしている人もしていない人も、パリキャリ、ゆるキャリに是非お勧めしたい作品。
恋愛ストーリーの女王、柴門ふみの漫画だからこその面白さがありました。母親は子供にとっての親ですが、それ以外に女性の顔も持っている人が多いのは知っていました。母親たちが恋にのめりこんでいく姿に、どこか共感してしまう。
アニメを見て、面白ろかったので原作も読んでみました。絵柄からは想像できない本格的なサバイバルSFストーリーです。話も設定も、そしてキャラクターが其々に個性的で面白いです。SF好きやサバイバルものが好きな人ならハマります。少女漫画的な絵に躊躇せずにまずは1巻を読んでみては。
赤塚不二夫流解釈で綴られる、ギャグにびっしり包まれた旧約聖書・創世記といった趣の作品で、そのギャグも下ネタ、ダジャレ、楽屋落ち連発で、飲み屋で構想されたのでは?といぶかってしまうようなレベルのものが殆どという、まさに赤塚ワールド炸裂の作品です。この漫画は1975年発表ですが、今の感覚で見るとコマ割りが素直で、背景の書き込みが少なく、画面全体が白く感じられます。ギャグの破天荒さとともに、意外なほどオーソドックスで手堅い画面構成も印象に残りました。
虹、甘えてよ。は恋愛サスペンス漫画です。 この漫画のメインストーリーとしては、やはり主人公を襲った犯人が誰なのかと言うことに尽きると思います。 実はかなり序盤から怪しかったキャラクターがいるのですが、その人が犯人ではないと言う可能性も作品の中で示唆されていて、かなり読んでいてワクワクします。
小説を良く読む人には絶対読んでほしい作品!さらには、漫画ばっか読んで活字を読んでこなかった人にもオススメです。 どちらの立場にとっても、あるある、めっちゃ分かる!という細かいネタがてんこもり。キャラクターもそれぞれ愛情もって描かれており、巻を増すごとに面白くなってきます。施川さんの真骨頂。
ウィッシュミーメルちゃんとモップくんとリトルフォレストフェロォくんが好きです。 サンリオ好きです。ピューロ行きたいです。 という訳で読んでみたサンリオ男子。 眩しすぎます。 ピューロ行くと見かけるJKや量産型女子やカップル達はこういう青春おくってるんですね…眩しい…。 サンリオは、むやみやたらに夢を叶えることや自立することばかりを押しつけず深い優しさと大きな可愛いで包んでくれるような世界観があります。 なのでオタクにも優しい。陰キャにも優しい。そしてキラキラしてる若者たちにも優しいんです。 みんなそれぞれのKAWAIIがあればいいんです。 こういう青春おくりたかったな!という感情も包み込んでくれるよ、サンリオなら。
ギャグ漫画家の中川いさみがストーリー漫画を描きたいと一念発起し、色んな作家にストーリー制作のコツを聞きにいくというルポ漫画。インタビューをした作家達がとにかく豪華ですごい。大友克洋、松本大洋、ちばてつや、弘兼憲史、諸星大二郎…などなど。漫画家だから深く切り込んで聞ける質問もたくさんあるので普通のインタビュー記事よりも充実した内容になってると個人的には思います。見事に大御所作家ばかり登場するので、彼らと対面できる中川いさみへの尊敬度も上がる。1巻は紙版も出てますが2巻以降は電子版のみのようです。
登場人物一人ひとりがあまりにも強烈な個性を発しているため「主役は誰?」と、真面目なひとは考えてしまうかもしれません。 もはやお話もストーリーがあるのかないのかハチャメチャ。でも読後感は爽やかです。突き抜けすぎているナンセンスな世界。 常識をふりきっているキャラクターたちが、抑圧されて窒息しそうな気持ちに穴をあけてくれる。 自分の常識のねじを外す危険な本でもあります。平均・平等を無理やり意識させられて息が詰まりそうになっているとき、こんなギャク漫画が日常をちょっとだけ逸脱させてくれます。 現実に会社組織などで、この漫画のキャラクター達に当てはまる人がいると思います。苦手な上司・同僚をこの漫画のキャラクターでイメージすると、ちょっと気持ちが楽になりますよ。
主人公のフローラさんは幼い頃に母を亡くしていて、小津安二郎の映画みたいに「私が結婚したらお父様が1人になってしまうわ」と言って結婚せずにいたのですが、駅で偶然出会った鉄道オタクの変わり者をどうやら好きになり始めて…!という恋物語です。舞台が20世紀初頭のフランスで、純情だけどおっちょこちょいな主人公という昔懐かしい少女漫画な感じもありつつ、かわかみじゅんこ先生がフランス在住(しかも主人公と同じフォンテーヌブローにお住まい)なので文化や背景の描写にリアリティーがあるのがいいです。恋のお相手の男性が超絶イケメンではないのですが、フローラさんが好きになったポイントが「何かに熱中しているところが大好きなお父様にそっくり!」なので、こういうシュチュエーションの方がドキドキできるという方は私の他にもいらっしゃるでしょう。しかし、この鉄道オタクにちょっとよからぬ噂があるようだ…という、とても気になるところで終わってしまっているのが残念です。どうやら掲載誌が休刊になってしまったよう。あぁ〜!続きが読みたいよ〜!ロマンチックな物語にかわかみ先生のトーンワークがばっちりハマっていて夢心地になれます。オススメです!
「窓辺の春」は月刊フラワーズ2019年4月号に掲載された鯖ななこ先生による短編読切作品だ。 鯖先生は現状自著の発行がなく、また作品も月刊ないしは増刊フラワーズにしか掲載されていない。そのため、鯖先生を存じない方が多いと判断し、まず鯖先生の経歴を記す。(間違いがあればご指摘頂けると嬉しいです!) 鯖ななこ先生は月刊フラワーズ2017年8月号にて発表された第90回フラワーズコミックオーディションにて金の花賞(賞の位としては第2位にあたるが、金の花賞以上が出ることはそうそうない)を受賞、受賞作「最適な異性となる要因の主観的考察」が増刊フラワーズの同月号に掲載されデビューした。以降より増刊フラワーズでは短編読切を、月刊フラワーズでは定期購読の販促4コマを執筆されていた。初の連載作品は月刊フラワーズ2018年5月号より開始された「きょうのヤギさん」で、現在も続いている。「きょうのヤギさん」は先述の販促4コマの設定を汲んだ4コマショートで、物語形式の作品が月刊フラワーズ本誌に掲載されたのは2018年10月号の短編読切「おとぎの杜」が初めて。以降、いくつかの短編読切と短期連載作品「Hide&Seek」が発表されている。 この経歴は、例えばデビュー当時の岩本ナオ先生も同様に販促4コマ(「町でうわさの天狗の子」の巻末に収録)や短編読切・短期連載(「スケルトン イン ザ クローゼット」に収録)を執筆しているように、フラワーズ生え抜き作家の定番ルートといえる。ただし、4コマショートとはいえかなり早い時期から連載を任されているパターンは珍しく、ここから編集部から特に期待されている(悪い言い方だと囲い込まれてる)のでは?と察することも出来る。 「窓辺の春」に話を戻す。本作は月刊フラワーズで発表された作品としては2作目となる。自分は前作の「おとぎの杜」で鯖先生の読切をはじめて読み、もしかしてこの人のマンガはすごいのでは……?と思いはじめ、本作でそれが間違いでなかったことを確信した。 鯖先生作品では「主人公が失ったものや隠れていたものに気がつき、見方を変える」ということが多く行われる。その変化がもたらす心地よさが魅力だと思う。本作ではその上で主人公の行動が他のキャラクターに伝播していく様子が描かれており、より風通しのよい作品になっている。 個人的にビビっときたのは、(ややネタバレになるが)おじさんが清潔な身なりで出掛けるシーンがあるのだが、なぜおじさんがその格好をしたのかを、後のたった1コマで表していた点だ。そのほんの小さな、しかしあざやかな手腕に惚れ惚れした。 本作は決してスケールの大きい物語ではない。小さな物語だ。しかしながら、岩本先生などフラワーズの先達が描いてきたように、小さな物語によって表せるものはあり、それがフラワーズらしさを形作る要素のひとつだと考えている。その潮流に鯖先生は乗っていると思う。 絵柄については丸みを帯びた親しみやすい画風であるが、大胆なトーンワークなどグラフィカルな要素も多く含まれており、それが鯖先生らしい画面にしている。 先述の通り、鯖先生単独名義の自著は未だに発行されていない状況である。しかし現在も断続的に短編は掲載されており、直近だと月刊フラワーズ2020年7月号に短編「おしゃべりな人魚」を掲載予定だ。これを除いても、単行本一冊分のストックは十分にある。 ただし、フラワーズ新人の初単行本は、めちゃくちゃハードルが高いのか、それはもう全然出ないのだ。最後に出たのは2017年12月の笠原千鶴先生「ボクんちの幽霊」が最後だったはずで、つまりここ2年以上出ていません。 それでも、初の自著が出版されるのを自分は心より待っています……
高1の妹が、高3の姉に首輪をつけて束縛する……そんな始まりのこの物語は、常に幾らかの息苦しさを纏っている。 母を失って「壊れた」家庭で、大切だった家族の関係を妹との間だけでも守ろうとする姉。姉に家族以上の感情を抱いてしまった妹は、気持ちをぶつけ、姉を翻弄する。 好きって何? 女の子同士で? 家族だから何? 疑問符だらけの中を、二人は迷走する。 互いが大切なのに、自分の「大切」の形を守ろうとして、却って互いを縛り、傷付けていく姉妹……二人の張り詰めた心に、重い痛みを覚える。 更に両者とも、友人関係にもこの息苦しさは形を変えて現れ、一筋縄ではいかない重い物語のバリエーションが展開される。最後まで息継ぎをする瞬間は、無い。 この息苦しさを救うのは、小川麻衣子先生の流麗ですっきりとした、軽みのある絵。優しさと、どこか重力を感じさせない浮遊感が、タイトルの様に「水中の夢」を見ているのでは?という気にさせる。 この作品が「夢」なのだとしたら、読み終わった時に、私達は夢から醒める。心の痛みと、纏わり付く甘く息苦しい感情を思い出しながらも、少しずつ、忘れていく。 また思い出す為に、手に取るに違いない。
数ある歳の差漫画の中でもトップ3に入るくらい好きな作品です。 大人びている、というよりも、家柄と育った環境によって「子どもでいられなかった」10歳の少年と、突然彼の許婚となった女子高生とのピュアで優しいラブストーリーです。出てくるキャラだいたいみんな優しいので安心して読めますよ。 学生の時に友達にディアマイン面白いよと薦められて読んだんですが、それが黒髪つり目ショタへの目覚めとなったんですね…というのは余談すぎますね。 わたしが持ってるのは全4巻の単行本ですが、文庫用に表紙を描き下ろしたんでしょうか、そちらも良いですねぇ。。
地元で泣く子も黙る伝説の元ヤンだった男に、祖母が狙われる話。 といっても、詐欺とか遺産目当てではありません。 恋愛対象として狙っている…とも安易に言い切れないのですが、元ヤンが幼い頃、祖母に世話になった恩返し的な感じで祖母を守る感じ。 全体として、孫の女子高生・律が、祖母と元ヤンの関係に何か裏があるのでは?と怪しんで、空回りして、ドタバタするコメディタッチの展開は、どこか懐かしい感じがします。 また、祖母の若い頃が愛嬌ある美人で、そりゃ元ヤンもなびくわと思うのですが、年老いても変わらず通い続ける(思い続ける?)元ヤンの姿勢に、なんともピュアで、見ていてほっこりします。 これも一つの愛の形ですかね。 資産とか容姿とかステータスではないところで、ひかれあう感じいいですね。 女子高生と元ヤンにフラグが立たないことを祈って、2巻を楽しみにしてます。
まず、非日常に取り込まれる。 超感覚知覚?高次元? 混乱している間に、はづきの切実さやアマゾン純子のカリスマ性にあてられる。引っ張られている。 気づいたら、非日常が日常になっている。 超感覚知覚も高次元もボタニカチョコの占いも、確かなものに思えてしまう。飲み込まれる。 次に、強者の理論に魅了される。 強者は強者で在らねばならない。失敗は許されない。嘘でもなんでも証明してしまえばこっちのもん。 信じるものは救われるという言葉があるけれど、たぶんこういうこと。 さらに、いちばん苦しいことは何か知る。 求められたいひとに求められない苦しさ。自分を信じて突き進んでいても、認められない、キスしてもらえない、ただそれだけがいちばん苦しい。 でもその苦しさが人間力を高めるのかも…? 読んで飲み込まれてみたらわかる。証明してしまえばこっちのもん。2020年5月6日までトーチwebで全話読めるのでぜひ読んで! 最新話はかなり衝撃的展開です!
ジャンプGIGA 2018 SUMMER vol.3 掲載の読み切り。 キャラデザがなかなかゆるかっこいい。前作に比べるとギャグ要素はメイドさんに任せっぱなしなので薄めな印象。その代わり主人公の掴めなさというか、バランスの悪さが面白い。 話そのものは学友といえどヤクの売人して、無罪放免で本当にええんか?みたいなツッコミどころはある。まぁダークヒーロー(?)らしいし、OKか。
ジャンプGIGA 2018 WINTER vol.1掲載の読み切り 幼馴染の宇宙人美少女を取り合って、最強武術家と天才マッドサイエンティストが毎日バトってるという狂った初期設定から始まる漫画。 ただこの狂った初期設定もうまく回収して、物語にまとめてたからすごいと思う。後半の盛り上がりシーンはテンションとノリは分かるけど、正直敵に共感したw
もう何回でも読める。最高にアホで大好きな漫画。 あらすじにある通り、遥と芳子は互いの妹が好き好きで仕方ない。二人は、変態のように妹たちへと絡む。だけれど二人が互いの妹を好きな理由をたどっていくと『ある真実』が見えてくる。
辛いって味覚じゃなくて、痛覚なんですよ。その意味だとたしかに激辛は罰になるわけで。贖罪するために激辛料理を食べるのは合理的選択なわけです。 ところでこの作品は百合です。いつも涼し気な顔をしている学校一のお嬢様が顔を真赤にして、目をうるませる姿(激辛料理食事中)を唯一見るのが同級生の女生徒。こんなの百合じゃないわけがない。まぁそんなわけで百合好きにはおすすめです。
あらすじがすべてを物語っている。説明ベタな女が映画レビューをするだけの話を要素もりもりにして、訳わからない漫画にしてる感じ。 読んでて面白いんだけど、超面白い!ってならない感じがあって、でもしばらく経ってから読むとやっぱり面白いんだよね(混乱)。最終的に篠房六郎の手のひら上で踊らされてる感じがする。 https://yawaspi.com/oyasumi/comic/043_001.html
もしも願いが叶うならの犬の言葉がわかる話と、軟派の高橋が好きだった。ギャグセンと、斜め上の発想力、不良だけどなんか憎めない感じのキャラがほんとに良かった。つまりいつもの西森先生ってことだ! ただ、個人的には長編のほうがキャラに愛着もわくし、物語に起伏があって好みかもなぁ。
この作品は心理描写がとても繊細なので、読んでいると胸が苦しくなることもありますが、物語が一区切りつくところまで読み進めれば人の優しさや強さを感じて温かい気持ちになれるところが好きです。また、私は将棋のことはあまり詳しくありませんが、将棋パートは心理描写がメインなので十分楽しむことができました。
「東京のお母さん」というモノノ怪かなんかに取り憑かれてしまったのか…ありあまる母性にまんまと甘えて取り返しのつかない事にならないようにしたい。
自分の好きなものや、やりたいことを人に言うのって勇気が必要なんです! 2人の関係にとにかくニヤけます。「コスプレ」を介して親密なっていく様を描いた作品です。 コスプレ好きの女の子が、自分が1番輝ける瞬間を目指す。恋愛事情もやり手かと思えばすごく純情可憐だったりと、好き同士がなかなか語れない内面を描いたマンガです。 もう一度恋を始めたい方にはドストライクな作品だと思うので、是非読んでみてください!
冴えない学生の男ふたりが、ゴミ捨場の冷蔵庫から天使のピヨ13世を拾う物語。ピヨ13世ができることは、恋のキューピッドでもなく、夢を叶えるでもなく、「人の心を具象化させること」だけ。つまり、人が何を考えているかを、わかりやすい絵で見せてくれるだけ。矢を放つと、刺さった人の頭の中が、そのままその人の頭部になっちゃいます。真面目そうな警察官の頭の中がエロづくしで、警察官の頭が女性の下半身に変わったり、お嬢様風を気取る女の子の頭からは、何本もの卑猥なものが生えてきたり…。ほぼシモネタです。天使も可愛い顔して、ゲスなことを平気で言います。 そして、男たちは、天使と触れ合ったことで大事なことに気づく…といった説教じみた話では当然なくて、最後までエロバカなままで、ハイサヨウナラ。このばっさり具合が好きです。
面白かったし、内容がとても深い。 人が皆持っている”感情”を軸にした話。 当たり前ながら私は色んな感情を持っているけど消すことは出来ないって分かってるから、上手く付き合っていくしかないなって思う。 でも、この漫画は感情を消せる人がいる。そしてそこに消して欲しいって行く人がいる。(今より幸せになりたいから)それが前提の話。 一つの感情が欠如したら、本当に人ってこうなるのかもって少し怖くなったし、自分に湧き出てくる様々な気持ちに嫌気が差す時もあるけど、このマンガ読んでありがたいものなんだな、どの感情も自分のもので大切にしていけたらなって思えた。 読んで良かった。
日本中にブームを巻き起こした丸善石油の大ヒットCM「Oh!モーレツ」からもじった「もーれつア太郎」ですが、赤塚不二夫氏の作品らしく、主人公の「ア太郎」よりも「ニャロメ」や「ココロのボス」などの登場で爆発的な人気を得た作品です。バカボンのパパを少年にした様な、腹巻に鉢巻き姿で下町の八百屋を切り盛りするア太郎たちが巻き起こすドタバタ騒動。令和の今でも笑えます。
ついに帝愛社長息子との直接対決!シンプルなルールながらも心理戦で1試合1試合が濃い内容。カイジがついに死のダイブへの危機も…今までカイジを読んでいなかった方もここから読み始めても充分楽しめます。矛盾するようですが、もはや安定したスリルみたいな雰囲気が、このワンポーカー編にはあります。
数々の逸話を残す赤塚不二夫のプロダクション「フジオプロ」での日々を回顧したエッセイ漫画です。 主に70年代の思い出が中心です。チーム体制でバカボンのアイデアを練っていたブレーンたち、長谷邦夫、古谷三敏の活躍や、小学館の武居俊樹、五十嵐隆夫などの名物編集者、曲者だらけのアシスタントたちが登場します。タモリとのエピソードも少しだけ出てきます。フジオプロが一番輝いていた時代。 さまざまな媒体でフジオプロの逸話は語られてきましたが、これまでのイメージをさらに上回ってメチャクチャな現場のように感じました。これでよく制作現場が成り立ってたな・・・とあきれるような感心するような。 フジオプロといえばやはり、お酒のエピソードには事欠かない様子。 職場で飲むのは当たり前、仕事終わりはみんな深夜まで飲んで騒ぎます。 迷惑な酔っぱらいでしかないのですが、やることなすこと面白いから許せてしまう所がありますね。叱られたときは「ごめんなさい!永井豪とダイナミックプロでーす!」と騙って逃げるのには笑いました。 漫画内では貴重な写真をはさみながら、東京新宿区の落合エリアの紹介もされていますので、聖地巡礼する際には参考にしたいと思います。 全体的に湿っぽい話はほとんどなく、楽しい気持ちだけが残る漫画でした。 あとがきは、酒の勢いに任せて書いた文章ということですが、ちょっと意味するところが分からない部分もあり、もう少し真面目に締めてほしかったのが正直な所。しかし同時に「これでいいのだ」とも受け取れました。
みなさまは「総合診療科」という言葉に聞き覚えはありますでしょうか? 病院の"診療科"といえば、「消化器内科」「脳神経外科」など、疾患の部位とそれに対応した処置で分けられた科が思い当たるかもしれません。それぞれの科ごとに専門的な知識や技術を有した医師が活躍している、というのはこれまでの医療マンガでも描かれてきた部分だと思います。しかし、実際の医療現場では、"熱がある"や""咳が出る"という誰にでも起こるような症状なんだけど治療をしても症状が改善されずしかも原因が分からない、もしくは、診断をした疾患では説明できない症状が現れた、ということが少なからず起こり得ます。そんな患者に対し、病気の部位に囚われず包括的に診療を行なって原因疾患を特定する、という目的で設置されているのが「総合診療科」です。 https://ho.chiba-u.ac.jp/section/soshin/index.html 総合診療専門医は、2018年から始まった新専門医制度において既存の18基本領域に加えた"19番目の基本領域"として新たに制定された専門医でもあります。 そしてその「総合診療科」の医師を主人公に描いたのがこの『19番目のカルテ 徳重晃の問診』という作品です。 かつて、NHKで総合診療医をテーマにした番組が放送されていました。 『総合診療医 ドクターG』 https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009050706_00000 "ドクターG"と呼ばれる総合診療のプロフェッショナルが自身で実際に経験した症例をピックアップし、医師2年目の研修医3人と討論して疾患を絞り込んでいくという番組です。その番組で繰り返し強調されていたのが、「問診」の重要性。患者の発言、表情、動き、もしくは近親者による目線、そのどこかに隠されている手がかりを常日頃から行なっている「問診」で見つけ出す・見逃さないようにする。それがが総合診療医として大切なことだと伝えているように感じました。『19番目のカルテ』の第1話を読んだだけでも、診療の上で問診で"患者の声を聴く"ことの重要性が感じられると思います。 また、この作品の真髄は、実は第1話以上に第2話に隠されているのではないかと思っています。一話完結型の医療マンガだと、患者さんの病名を推測するという推理小説的な要素も含まれてきます。しかしながら、実際の医療現場においては"病名を当てること"が目的ではなく、それどころか患者さんが本当になにかの病気なのかもわからない。そんな中で、どうすれば患者さんの抱える問題が解決するのか、"人間を診る"ことで道しるべを立てていく、そんな総合診療医の特徴が見事に描かれています。 特別な技術や大掛かりな手術は登場しない、だけど医師という職業の専門性や凄さを感じられる、もちろん人間ドラマとしても面白い。そんな作品になっていくだろうと期待しています。 1巻まで読了
ピッコマで連載中の今作。祖父の運営している碁会所で手伝いをしている女子高生・安桜千鶴がその碁会所にたまたま来たお客さんであった少年・大嵩響矢と対局し、響矢が千鶴のある"秘密"を暴いたことから2人が囲碁部を作り、全国高校団体戦を目指すことになるという物語。 囲碁のマンガといえば少年マンガの金字塔である『ヒカルの碁』や、少女マンガとして初めて囲碁を題材にした『星空のカラス』などが思い当たります。今作の特徴はそれらの作品とは異なり「囲碁部」として大会出場を目指す、つまり"団体戦"として描いていることにあると思います。囲碁の対局自体はもちろん"個人戦"であり、一対一の真剣勝負であることから来る心理戦が魅力の1つです。そこに"団体戦"という横の繋がりを加えることで対局の心理も複雑になり、さらに恋愛要素も自然に絡んでいくことでより多層的な作品になっていくのだと思います。 電子書籍限定で発売されている作品ではありますが、作中の囲碁の説明やおまけページなどの解説も、囲碁のルールを知らない人にもオススメしたい作品です。 1巻まで読了
旧版とちゃんと比較したわけじゃないけど、全体的に丁寧に描かれている印象だった。たぶん説明不足とこを補足したりしたのかな? 個人的には旧版のほうが不思議と好みだった。とはいえ物語自体の完成度の高さは変わらないし、描き下ろしエピソード追加、連載時のカラー収録と豪華。ので、未読の人はこれを機にぜひ読んでみてほしい!
ネタバレはしない。しないけど、ほんと地獄みたいな話。なのに…… 巻末で編集長に「赤毛のアンみたいな話にします!」と宣言して描き始めたとある。全然違うのに登場人物の名前だけは寄せるのやめろw 沙村広明めちゃくちゃアホなのでは?? けど悔しいことに話は面白い。やはり天才か……
宮崎夏次系の奇才っぷりが遺憾なく発揮されている短編集。 心につっかえるような、すっぽかされて気が抜けちゃうような、愛らしい物語が詰まっている。「水平線JPG」「昼休み」がお気に入り。
ガンガンの黄金時代の作品で、当時雑誌でよく読んでいました。この作品の魅力は、キャラクターが可愛くて生き生きとしているところです。特にポン太のデザインが秀逸で、今見返しても可愛く、新しいと思います。生き生きとして描かれるキャラクターたちは、今の時代の漫画ではあまりないピュアさがあります。主人公が守銭奴で自己中と、人格者とは言い難い人物であるのに、なぜか不思議な魅力を持つ。展開としては巻き込まれ型であるが、状況や境遇に理不尽さもあるため、なにくそと反発する主人公を応援したくなってしまう。ある日空から落ちてくるタイプのメインヒロインだが、それよりも主人公に片思いするクラスメイトの少女の方を好きになってしまう。多くのキャラクターが行動的でパワフルに動き回る。展開も豪快なものが多く、少年漫画としてよくまとまっていると思う。欠点のあるキャラクターばかりなのに、不快なキャラがいないところがバランスが取れている。
キャラがそれぞれ個性が強くて、でもそれが愛らしくて、好きなキャラが多すぎる。。。ストーリーもおもしろしいし、はまります!
みんなのキャラがめちゃくちゃ濃いんだけど、それが愛らしくて好きです。ストーリーもおもしろしいし感動するし、はまります。
言わずと知れたギャグマンガの帝王、赤塚不二夫氏の遺した少女漫画です。何故かおっさんである私の記憶の中にもしっかり残っているのは、TVアニメ化された物を見ていたからだろう。漫画も読んでいた筈なのですが、今回のGWにかけての無料公開で読み返させて頂き、変身に使うのがコンパクトでなく立派な鏡だったり、「テクマクマヤコン」を唱えない事を再発見し、大いに驚きました。懐古趣味からでなく、偶然昔読んだ漫画に出会って、その頃の気持ちの戻るって良いですね。