ガンガンの黄金時代の作品で、当時雑誌でよく読んでいました。この作品の魅力は、キャラクターが可愛くて生き生きとしているところです。特にポン太のデザインが秀逸で、今見返しても可愛く、新しいと思います。生き生きとして描かれるキャラクターたちは、今の時代の漫画ではあまりないピュアさがあります。主人公が守銭奴で自己中と、人格者とは言い難い人物であるのに、なぜか不思議な魅力を持つ。展開としては巻き込まれ型であるが、状況や境遇に理不尽さもあるため、なにくそと反発する主人公を応援したくなってしまう。ある日空から落ちてくるタイプのメインヒロインだが、それよりも主人公に片思いするクラスメイトの少女の方を好きになってしまう。多くのキャラクターが行動的でパワフルに動き回る。展開も豪快なものが多く、少年漫画としてよくまとまっていると思う。欠点のあるキャラクターばかりなのに、不快なキャラがいないところがバランスが取れている。
遥か天空には大陸が存在し、そこには千年に一度目覚めると言われる神獣のたまごがあった。その孵化を見守る役目を負った少女シアンは、一瞬のミスでたまごを地上へと落としてしまう。それは笠置八満という中学2年の少年が拾ったが、たまごは彼の目の前で孵化してしまう。八満を親と認識した神獣は地上に居ついてしまい、ポン太という名前を与えられる。そして八満は追って来たシアンと共に子育てという新たな家族生活を始める。それは神獣に負けず劣らずの個性的な周囲の人間や神獣の奪取を目論む天上の海賊たちも加わった過激な日々であった。