天才伝説

このマンガを完璧に理解できる人間こそ天才といえるのではないでしょうか?

天才伝説 張傘 みのもけんじ
マンガトリツカレ男
マンガトリツカレ男

2000年前後でこのマンガの存在を知ってネットの情報などでとんでもないマンガだということを知りながら読んでいなかった。 今ほど電子書籍やネットが発達していなかったため入手しにくかったからですが今回電子書籍で発売しているの知って購入した。 1巻の試し読みで読める原作者を絶賛しているゴルフ漫画原作の第一人者の坂田信弘の内容をみて期待が高まりまくった状態で読み始めたが 予想以上の内容すぎてなんといったらよいか難しすぎる。 カナダの秘境に一人住む謎の男が、墜落した飛行機の中から赤ん坊を見つけ育てる決意をした。この赤ん坊が主人公のゲン 大自然の中で謎の男に育てられながら、驚愕すぎるゴルフの腕前を身につけていく。ある日街に降りてあることがきっかけでゴルフの世界に入っていく 驚愕のゴルフの内容はあえて触れないでゴルフ以外のところを触れると、かの有名なゴルフマンガ「風の大地」の沖田よりコミュニケーションが取りづらい主人公で 物語上会話をしているのだが、自分の言語センスのみでゴルフを表現しているため意思疎通がとても難しいところがあります。 もちろん読んでいる読者も他の登場人物も理解が難しいのではないでしょうか 他の登場人物の生哲学や勝負の哲学などが独特すぎたり、前振りのない状態で「ゲンのためなら死ねる」 といい始めたり感情の起伏がとても激しい感情移入が難しい面をありました。 登場人物の性格も難しいのですが、本編のゴルフのトーナメント以外の内容が難しく、途中で裏プロやテロ組織の人質を解放するためにゲンが行動をしたり、昔の因縁など色々あるようですが、明確な説明があるようなないような感じのためフィーリングで理解するしかなかったです。 途中で主人公のゲンの出生の話になるのですが、これもとんでもない内容なので是非読んで確認してほしいところです。 色々書いていきましたが、これだけの内容をかける謎の中国系カナダ人であるサン・チアンとは何者なのでしょうか。 他の原作があるようでしたら是非読んでみたいところです。 個人的には大満足な内容でした。

無号のシュネルギア

シュネルギアしよう!! #1巻応援

無号のシュネルギア 高田裕三
ひさぴよ
ひさぴよ

月刊少年シリウスでスタートした「3×3EYES」の高田裕三先生のSF超大作(決定事項)です。 1巻の帯にある通り、”集大成”と銘打ってるだけに、初っ端からエンジン全開。出し惜しみなくド迫力の戦闘シーンが繰り広げられ、導入の1巻から既にスペクタクルな展開になってます。 ストーリーは地球外からやってきた地球外機甲化AI「シュネルギア」という巨大なロボ(のようなもの)に乗る運命となった少年少女たちの物語。 シュネルギアを巡り、国連軍とアンバックという組織が激しく対立し、少年と少女は敵対する組織同士、シュネルギアに搭乗し戦う運命に巻き込まれてゆくのです…。 主人公・二ノ宮シロの見た目も性格も、歪んでなくて心優しい性格なのがいいですね。闇を抱えたどこかの乗らない少年と違って、駄々をこねないでシュネルギアにササッと乗ってくれるあたり、話が早いです。 シュネルギアはパイロットと協調する事で機能をアンロックし、あらゆる機能が進化していく仕組みになっています。 AIのような思考回路も存在しており、このAIの性格が非常に人間臭くて面白い。物語のサポート役として欠かせない存在となってます。 ちなみに、シュネルギアとは、ラテン語で「協調」を意味するそうで、作中で度々「シュネルギアしよう!!」「今を切り抜くためにシュネルギアを!!」という熱い決めセリフとして使われているのが、最高に格好いいのです。 まだ1巻が出たばかりですが、各話にめっちゃ気になるサブキャラたちが配置されていて、名前すら明かされていません。 おそらく他のシュネルギアの搭乗者となるのではないでしょうか。 次巻がとても楽しみです。

吸血鬼の食卓【ペーパー付】

吸血鬼と人間の"永遠の中の一瞬"の関係 #1巻応援

吸血鬼の食卓【ペーパー付】 吉田了
名無し

上流階級層に紛れて密かに生きている「吸血鬼」の一族。彼らは永遠の命を持っていますが、人間に正体を知られないため、純粋に生き血を得るため、また吸血鬼の社会で権威を示すため、1人の吸血鬼に対して1人の人間を"餌"として飼い、生活の保証を与える対価としてその血を啜るという関係を持っていました。 主人公は吸血鬼の月子とその"餌"として月子に飼われることとなった花絵。花絵は天涯孤独の身であるために"餌"となったわけだが、実は野心的な性格があってこの状況を利用しようと虎視眈々と伺っている節があります。一方の月子は以前の"餌"であったフミという女性が3年前に亡くなり、花絵に冷たく当たっているのもどうやらその影響がありそうな様子。 吸血鬼と人間、永遠を生きる月子とやがて寿命を迎える花絵。この2人が様々な意味で不均衡なパートナーとなったことでお互いに心を通わせ合っていくという物語です。 そしてこの物語は実はこれだけではありません。月子と花絵以外に、かつては名門だったが現在は厳しい家計の家庭に生まれた櫻子とその餌の桐夫、親が威厳に厳しい家庭に生まれた永一郎とその餌の少年・瞬という2組のパートナーが描かれます。 つまり、同じテーマを換骨奪胎しながら、女性×女性、女性×男性、男性×男性という3通りの組み合わせが描かれており、それを全て1冊で堪能できる作品なのです。表紙を見ると百合マンガっぽく見えるのですが、BL好きにも、もちろんストレートな男女の関係の物語が好きな方にも薦められる裾野の広い作品です。 また、この3組の物語は実は繋がっており、それぞれの物語を駆け抜けた後、最後に月子と花絵の物語に戻ってきて結末を迎えます。3組6人の人生を描きながらたどり着く結末は切なさもありつつも希望に満ちていて、強く心に残るものとなっています。 調べてみると作者の吉田了さんは別名義でBL作品を1作出されていてこの名義では初の単行本の様子。また、コミックジンガイという見るからにニッチなテーマを扱ってそうなレーベルで連載されていた作品ということもあり、私も表紙買いするまで全く知らなかった作品なのですが、このマンガ家さんのことは今後絶対追っていこうと思える、魅力のたくさん詰まった作品です。 全1巻読了

押して駄目なら押してみろ!

君が一番美味しいラブコメディー! #1巻応援

押して駄目なら押してみろ! 廣瀬アユム
ふな
ふな

令和2年でイチオシしたくなるような、読めば絶対ニヤニヤしちゃう魅力を本作は持っている! 人間は恋愛対象外、蛇にしか恋愛感情を頂けないことを隠しながら生きてきた学園のアイドル的女子高生・財部つくしが、なぜか新任教師の加賀美肇に恋してしまうというラブコメディ。     ファーストコンタクトで人が恋に落ちる瞬間を読者が目撃してしまうのけれど、なぜ好きになってしまうのか……というのはもちろん読んでいけば分かる。異種間ラブコメと謳っていることから、色々と察して欲しい。 ただ一言、**ヒロインの嗅覚が凄すぎる……(笑)**     自分の感情を確かめるために、先生をグイグイ押していくヒロインの姿は可愛いし、自分の感情の理由を自覚してからはさらに推していくヒロインの可愛さは無限大。 フェチズム全開で頬ずりしようとするわ、嬉々として舐められようとするわ、タイトル通りで押しまくり。 駄目でも引かない、前進あるのみ!     ファーストインプレッションでヒロインに抱いた優等生的なイメージが、読み進めていくうちに崩れていく。 **学園で被っていた仮面など、「好き」というエネルギーの前にはあっさりと剥がされてしまうのだ。**     舐めるという行為が、実は教師の加賀美に取っては大事な行為なのだけれど、JKを舐めるというあまりにも非日常的な光景(というか普通なら教育委員会案件)が、時にえっちな雰囲気があったり、邪魔できないような尊い雰囲気が漂っていたり。     先生はペロリスト(舐める人)として照れを持つ稀有な存在だし、つくしちゃんはペロラレリスト(舐められる人)として反応が完璧。 舐めたい人と舐められたい人で、需要と供給が見事に満たされている!WinWinの関係性なのが素晴らしい(!?) 舐めるという行為にこんなに魅了されるのは、かつてアフタヌーンで連載していた『謎の彼女X』以来と言っても過言ではない(これもヒロインのよだれを舐める良い漫画なんだ) **ヒロインが作った手料理よりも、ヒロイン自身が一番美味しいというから、先生も読者も困ってしまうんだよなあ!!!(笑顔)**     まさにタイトルに書いた、「君が1番美味しいラブコメディー」が嘘ではないことが、読んでもらえれば絶対に分かる。 読み終わった頃には、すっかり胃袋を掴まれてしまっているはずだ。読者はつくしちゃんを舐められないので、熟読して胃袋を満たすしかない!   **つくしちゃんが美味しく食べられる様(嫌らしい意味ではなく)を、ぜひ楽しんで欲しい。**     また、めちゃくちゃ押しまくるつくしちゃんだけど、実は赤面シーンが多いのも大きな魅力。 赤面しているヒロインは人類の文化遺産なのだ。押して押して押しまくりながら赤面するつくしちゃんを、みんなで堪能しよう!     **訳アリ高校教師✕訳アリ女子高生=ニヤニヤ必須のラブコメディ**   令和2年以降の人類史では上記方程式が成り立つということを、漫画好きの全ての人間に、ぜひ提唱させて頂きたい……! 電撃マオウ2020年6月号の表紙のつくしちゃんも最高に可愛いことを、最後に報告してこの文を終える。

Bowing! ボウイング

どこか懐かしい雰囲気がたまりません! #1巻応援

Bowing! ボウイング きゅっきゅぽん
せのおです( ˘ω˘ )
せのおです( ˘ω˘ )

とても懐かしい感じがたまらない空気感の漫画でした! 舞台の田舎が、「夏休みにおじいちゃん家に来た」かのような景色が、私の心をくすぐってしまいます。笑 良い意味で、児童向けの漫画を読んでいるような感覚で、 でもものすごく感情と音が溢れている、表現力が素晴らしい作品でした! 全ての景色と言葉が、中学生の目線で語られていて、 それでもその素直な感情が、腐った大人になっちまった自分にもすごく響いてきます。笑 主人公の朝倉てん君が、すっごく初々しいくて可愛いんです!! 中学校一年生なのですが、ついこの間まで小学生だった年頃がそのまんまキャラクター性に表れていて可愛らしいんですが、 そこが今後、音楽を通じてどう成長していくのか楽しみです。 もう一人の主人公、都会から引っ越してきた表紙の女の子、りおちゃんも魅力的な人物です。 都会から田舎にやってきたちょっと強気な性格が、舞台の田舎とのギャップになっていて、そこがより作品の雰囲気を引き出しています。 「天才肌」なタイプのキャラクターではなく、年相応で素直な性格の2人に、目が離せないです。 続刊楽しみにしています!!

おじさまと猫

誰もが幸せな気持ちなれる作品です!

おじさまと猫 桜井海
名無し

エキゾチックショートヘアという血統種にも関わらず、ブサイクなあまり買い手がつかないままにペットショップに取り残された1匹の猫。 ある日、上品な紳士がお店にやって来た時から、彼の世界は一瞬にして変わります。 第1話の猫のふくまるとおじさまの出会いの場面を読んだ時から、涙腺が緩みっぱなしです。優しいおじさまの愛情に包まれて、ふくまるがどんどん幸せになっていく姿を見ると、お話の世界のことだとわかっていても、本当に良かったなと心から思ってしまいます。 どうも心に傷を負っているらしいおじさまも、ふくまるの可愛らしさに触れて、どんどん心が癒されて、気持ちにも大きな変化が生まれてくるのは、ペットが単なる動物ではなく、私達と心で通じ合う家族のような存在だからでしょう。 ちょっとコミカルで、ほんわか温かなストーリーだけでなく、おじさまの謎が次第に解き明かされていく過程にも目が離せなくて、次の回を読むのが待ち遠しくて仕方ないほどです。 最初はTwitterに投稿されていた漫画ですが、今や日本のみならず台湾でも大人気。ブサイクだけど、いじらしくて愛らしいふくまると素敵なおじさま、周りの個性豊かな登場人物たちと、読む人の誰もを虜にする魅力でいっぱいの作品です。

ふることふひと

古事記から「藤原」を巡る秘史へ #1巻応援

ふることふひと 壱村仁 風越洞
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

藤原(中臣)鎌足の息子、史(ふひと)は朝廷で一官吏に甘んじていたが、大海人大王(天武天皇)より歴史書の編纂を秘密裏に命じられる。抜群の記憶力で叩き込んだ史文を、彼はある思惑から名を隠して口述する事に。しかし、倭語で筆記する者に正体を隠す為、止む無く女装をする。稗田阿礼と名乗る女装した史を見た筆記者の太安万侶は思わず言ってしまう……「愛(うつく)しい」と。 ◉◉◉◉◉ 歴史書とは「古事記」の事。梅原猛の「稗田阿礼=藤原不比等」説に「稗田阿礼女性説」を掛け合わせた感じのストーリーは、様々な秘密や疑問が折り重なった、多様な面白さが詰め込まれている。 女装を巡る秘密と太安万侶のドキドキはコメディとして。分かりやすくコミカルな神話語りは知的好奇心として。神話への思いがけない疑義は政治ミステリーへ……等々。 見所を沢山詰め込みながら、史の「中臣」への疑問は、「藤原」を巡る大きな秘密に向かって静かに、だが大きく進んでいく。 歴史を少し知っている人なら、家名を変えながら1200年もの間続く藤原家の権勢の、理由を知りたいと思うのではないか。始祖・鎌足の後、没落した藤原を再興した、史=不比等の存在にその根本理由があるとしたら……という大きな運命に、記憶力以外は割と真っ当な若者の不比等が今後、どのような心持ちで挑んでいくのか。 また一つ、嘘みたいな本当の様な、不思議に胸躍る歴史ミステリー(エンタメ要素もバッチリ!)が生まれてしまった……。

ソラモリ

トップガン

ソラモリ 村上もとか 千葉きよかず
さいろく
さいろく

最初は村上もとか原作ということで少し古い話なのかな?と思って読んでいたのだけど、現代の航空自衛隊のお話。 自衛官になり、ファイターパイロット(戦闘機乗り)を目指す主人公とその学科課程など、かなり詳しく描かれている。 冒頭から戦闘機の超精密な描写があり、爺ちゃんの昔話の回想シーンではゼロ戦・紫電改・白菊などの紹介シーンも出てくる。どれも素晴らしく絵が上手い。 トム・クルーズ主演の映画「トップガン」をご存知の方は主題歌である名曲Danger Zoneがすぐにでも頭の中で流れるであろう、そんな戦闘機バカとも言えるような作品だが、このコロナが蔓延しているご時世では航空自衛隊の出番がある可能性もある。 と思うと自衛官という我が国を護る面々がどんな想いで自衛官になり、その職務を全うするためどんな努力をしているかが見られるのは興味深いものがあった。 現代においても、領空侵犯を航空自衛隊が取り締まることがなければどうなっていたかわからない。昨年(令和元年)の6月にすらロシアが沖縄に爆撃機で領空侵犯を平気で行っている。 陸はもちろんのこと、海も空も守らなければいけないのだ、という事を理解できる内容だった。 ソラモリ、全2巻でコンパクトにまとまっていて素晴らしい作品だと思う。

凹村戦争

読んだひとだけが闘える世界で 

凹村戦争 西島大介
野愛
野愛

閉塞感を打ち破る何かが欲しい。火星人でも魔法でもなんでもいいから、ここをぶち壊してどこかに行きたい。 外界から隔離された凹村という小さな村。少年少女たちはどこにも行く場所がないと嘆いたり、ここが世界のすべてだと目を伏せていたり、閉塞感に包まれながらも平和な日常を過ごしている。 ある日、物体Xが落下する。 何も変わらないと思っていた世界に、非日常がやってきたらどうする? 宇宙人が侵略してきたら、窓からテロリストがやってきたら、異世界に転生したら。 平和すぎてつまらない日常を変えたくて、ありもしないことを夢想する。起こり得ないと思っているから、誰もが一度は通り過ぎる妄想。 本当に起こったら、どうする?逃げる? わたしは闘う?見て見ぬふりをする?撃ち落とす? 闘う妄想はしていても実際は体が動かないかもしれない。恐怖すら感じず、人ごとのように過ぎ去るのを待つかもしれない。 だって、そんなことあるわけないんだから。 凹村ほど閉ざされてないにしろ、何もない、絵に描いたようなくそド田舎で育った。 日常に疑問すら持たない周囲の人間に辟易しながら、カラオケとかセックスとかお手頃な娯楽を消費する青春を送っていた。 凹村みたいに閉ざされた空間で、インターネットだけが世界だと思っていた。 そんな青春から逃れていつの間にか大人になっていた。 ところで。 どこか新しい場所へたどり着けた? 物体Xが落下したらどうする? 火星人が侵略してきたらどうする? 西島大介先生が描いてみせた答えは、実にクールだ。 クライマックスの怒涛の畳み掛けがもの凄い。滅茶苦茶じゃねえか、投げっぱなしじゃねえかと思う人も少なからずいるのではないか。絶望的だと思う人もおそらくいるだろう。 わたしが見たのは希望だった。 確かな闘い方を、ひとつ教えてもらった。 この世界はつまらないしちっぽけだ、それなのに見えてない部分や知らない部分が多すぎる。何もないように生きることだって、難しい。最悪で滅茶苦茶で容赦のない世界で、わたしたちはは生きるしかないのだ。 ならば。この方法で闘おうじゃないか。 パルプンテなんて待ち望んでる暇があったら、読みましょう。そして、世界と闘おう。 最後まで読んだらきっと、闘えるはず。