双葉社マンガの感想・レビュー925件<<1819202122>>「神童」「マエストロ」に続く音楽シリーズ第3作!!ミュジコフィリア さそうあきら名無し「神童」ではピアノ、「マエストロ」ではオーケストラ、そして音楽3部作のラスト「ミュジコフィリア」では現代音楽と作曲がテーマになっています。現代音楽も作曲もあまり馴染みのないマニアック度の高そうなテーマですが、読んでいて音楽が流れてくるような感覚になれるのは他の2作品と同じでした。しかも「ミュジコフィリア」は音楽だけでなく偉大な作曲家の父を持つ腹違いの兄弟の確執も見どころです。主人公は音楽の才能に恵まれているものの愛人の子供なので環境に恵まれた兄に引け目を感じてしまい、あえて音楽を避けて生きてきたのです。しかし現代音楽と出会ったことで自分の音楽への想いに向き合っていくようになります。優秀な学生を集めて作曲合宿をするシーンでは「未聴感の音楽とは?」について語られるのですが、まさに「いい漫画とは何か?」と一緒だと思いました。ここについてもっと掘り下げて知りたい人はさそう先生の「マンガ脚本概論 漫画家を志すすべての人へ」を読むことをオススメします。台詞がなくてもかわいいし楽しい女子かう生 若井ケン野愛面白くてかわいい女の子の日常系漫画が大好きです。 中身のない話だらだらしててもよい、ガチガチのギャグ満載でもよい、部活しててもご飯食べててもとにかく何でも、楽しそうだったらこちらも楽しくなります。 台詞がなくても、楽しそうなら楽しいです。むしろこの作品は台詞がないからこそ、もも子ちゃんの無邪気な奇行っぷりが引き立つのかもしれません。 赤と白のしましまが今日のラッキーカラーだったから、その辺にあった三角コーンを持ち歩くもも子ちゃん。 ギリ犯罪じゃね?と思いつつ、三角コーンを片手に縦横無尽に暴れ回る姿に魅了されました。 エキセントリックでかわいい女の子、最高です。 台詞のなさが独特の浮遊感を作り出していて、日常なのに非日常な世界観に夢中になっているはずです!ケモナーホイホイ(ライト)狐の掟 中国幻想選 鮫島圓さいろくライト、と書いたけど自分にはケモナー属性がないので判断基準が違ったらごめんなさい() webアクションからの短編集。 一貫して中華な話であり、古い話であり、夫婦の話である。 獣じゃないのも混ざってた気がするけどソレもソレで良かった。 ちなみにハッピーエンドばかりではなく、昔話あるあるな残酷な終わりだったり軽く怖い話だったりもある。 「竜王の娘」と合わせてどうぞ。読んでよかった天国までひとっとび ゴトウユキコ名無し○○が死んだではじまる漫画本当嫌いで、人を殺せばお涙頂戴漫画で感動ものにできるのかと詰め寄りたくなるくらい過激派な自分です。 でもこの読み切りは好きでした! ゴトウユキコの爛れた男女関係も絵柄に合ってて好きだったのですがこんなに爽やかで気持ちのいい漫画も描かれるんですね。 気持ちがストレートに出てて読んでよかったという気になりました。 人が死んだ話ではなく、思いを伝えることができたor出来なかった、の純粋な恋愛話なのでこんなに読後感がいいのかもしれません。 マジでただモフモフが可愛いがられるだけの読むと癒されるゆるい日常モノ 北の砦にて(コミック) 草中 三国司 明野たわ名無し結構前にバナーで見て買ってしまったやつ。なんにも悪いことが起きない…ただ砦の人たちにモフモフが可愛がられるのを見てるだけで癒される。 コミックと間違えてラノベの2巻(当時の最新刊)を買ってしまい腹が立ったのでアンリミテッドで1巻を読んでやりました。原作もなんも起こらず平和! モフモフが人型になる展開があるのでコミックも楽しみ! https://gaugau.futabanet.jp/list/work/5eccd7207765616a48030000事件を通して"生きづらさ"に寄り添う物語 #1巻応援きみは謎解きのマシェリ 糸なつみsogor25この作品は女性が外で働くことがまだ一般的でなかった昭和初期の日本を舞台に、女性探偵として働く星野美津子と、彼女が依頼人として出会った大学生の吉田朔というコンビの活躍を描く作品です。 昭和初期という舞台でありますが、登場する事件はトランスジェンダーや女性の社会進出など、どこか現代にも通じる問題を孕んでいるものばかりです。 そんな事件の数々を、自身も夢であった警察官への道を"女性である"という理由だけで諦めた過去を持つ美津子が、謎めいた雰囲気の朔が解決へと導いていく、謎を解決する痛快さと生きづらさを抱えている人々を優しく包む温かさを併せ持った作品です。 1巻まで読了コミックハイ!のダークサイドディス魔トピア 里好さいろく美少女いっぱいがコンセプト(だと思う)なコミックハイ!の中ではダーク寄りの作品。 美少女は出てくる。なんだったら全裸だ。でも返り血で血塗れだぜ、という感じの本作は、人間たちが監視社会で管理されて健康状態で価値が変わるというキズナトピアという街が舞台となっている。 キズナトピアでは地警と言われる警察的な機関があり、圧倒的な権力を持っている(?)のだが一方ではヤクザと手を組んでいて健康状態の良好な少女を捕まえて売り物にするようなシーンが日常的に在る。 そんな地警を狩るという「魔女」と呼ばれるものがいる、魔女ってなんだ?みたいなところを探るのが序盤、後半はネタバレになるのであまり言わないけど意外とメタ的な展開が続き、最終的にはちょっとむずかしい方向に進んでいく。 商用としてはちょっぴり物足りない感が残るかなぁ さそうあきら先生に教わる漫画の作り方マンガ脚本概論 漫画家を志すすべての人へ さそうあきら名無し漫画好きの中には「漫画が好きだから漫画を描いてみたいと思うタイプ」の方がいると思いますが、私もその一人です。しかし、いざ描いてみようとすると、今までたくさん漫画を読んできたはずなのにストーリーの作り方が分からず、意欲はあっても描けないままで終わってしまうことが多いんじゃないでしょうか。 これを読んで漫画制作初心者の私が一番勉強になったのは、ストーリーの基本は「はじめてのおつかい」であるということです。実際にこれを題材にして描いてみたところ、漫画の作り方のコツを掴めた実感がありました。家を出てからいくつかの出来事を乗り越えて帰ってくるまでを漫画にするんですが、大筋は決まってるから単純な展開でいいし、ページ数もいらないので、気軽に作れて楽しいんです。でもあらゆるストーリーに応用が効くのですごく勉強になります(つげ義春の「ねじ式」も「はじめてのおつかい」の形式に当てはまると書いてありました)! ベテランの漫画家さんほど感覚で描けてしまうものだと思うので、そのプロセスを言語化できる人は少ないのではないでしょうか。そんな中でストーリー制作をここまで詳細に教えてくれているなんて(しかも漫画で!)…これは読むしかないですね。すでに何作も描いている人はより良い作品になるヒントを必ず得られると思いますよ!大きな謎を残しつつ終わった...ヒメタク 細野不二彦starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男関東近郊Z県にあるタクシー会社に主人公の矢野陽芽が新人として入るところから始まる。基本は人情路線で話は進んでいくのですが、なぜ矢野陽芽が荒んだタクシー会社に入社したのか、華麗なドライビングテクニックはどこで覚えたのかと色々な謎が各所にあるのですが、その謎はほとんど解明されないまま終わった。「電波の城」ぐらい壮大な話になりそうな気もしてたんだけどね...あなたはどうやって死にたいですか? #1巻応援女性の死に方 あらいぴろよ 西尾元nyae※ネタバレを含むクチコミです。 皆それぞれ大変なんだな…そもそもウチには芝生がない たちばなかおるむ自分は結構苦労話、暴露話系漫画が好きでよく見ます。 うーん40代のリアル! 隣の芝生がどうとか気にする余裕もない三者三様の苦労話で面白い! 読んだ時皆頑張ってるから自分も頑張ろうみたいな気分になるんじゃないでしょうか。 エッセイ好き、共感できる話好きな人は是非読むべし。社会のどこかのあなたへ寄り添う優しい話と強烈なユーモア #読切応援猫欠 岡田索雲starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)※ネタバレを含むクチコミです。人間の欲って愛って、、色々考えさせられる今、きみを救いたい 本田恵子Pom 内容がとても濃い。。 結婚した透からDVを受けていた白帆。 助けを求める様に、大学時代の先輩で心療内科医の青矢に会い、その苦しみから立ち上がるだけの話かと思ってましたが、それだけではないようです。 後書きに、作者の方の体験も少しだけ練り込まれていると書いてありそれがどこなのかはわからないけど、その言葉によって、より現実に近くなっている様に感じました。 12巻まで読んで、一人の女性が強く逞しくなっていく物語なのかなと。。 どうなっていくのか気になるなぁ。 40半ばの女性の等身大の姿をコミカルに描くそもそもウチには芝生がない たちばなかおるPom 九後45は一周回って追いかけるを読んで、こちらの作品も気になっていたので読みました。 40半ばの女性のリアルが詰まった作品。 自分も必ず通る道と思ったら、大分ドキドキしてしまった。 それぞれが抱える悩みや葛藤を等身大で描き、少しコミカルに描いてあるので読みやすかった。 水の様に流れるままに。。 そんな風に常日頃から思えたらいいなぁ〜。妖怪読切シリーズ第4弾猫欠 岡田索雲名無し※ネタバレを含むクチコミです。老犬と老人の組み合わせはいかん老犬がゆく 岡田卓也名無し老犬と老人の組み合わせはモチーフだけですでに泣かせにきてますね! 久々にこういう漫画読みました。 悲しいけど悪くない人生だったと思えるような、寂しい人間(犬)が最期少し同じ時間を共有する、それが美しいなと思わせるような読み切り作品。 読んでよかったです! 九後さん、幸せ掴めます様に〜九後45は一周回って追いかける たちばなかおるPom 最初読んだ時は、九後さん大丈夫なのかー?!と思いましたが、ちゃんとラブコメでした。 4巻まで読了。 絵も、ほんわか丸っこくて私は好きです。 九後さんはじめ、会話劇にユーモアがあって、面白く、心の中のツッコミ(時に表に出す)に笑っちゃいます。 45歳、まだまだ試行錯誤し悩みながら日々生きてる九後さん、幸せ掴んでほしい。憑依?タイムスリップ?生まれ変わり?寿司?元祖江戸前寿し屋與兵衛 内山まもる 白川晶starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男冴えない独身男が寿司の夢を見て寿司名人華屋與兵衛が憑依して寿司を作って問題を解決していくマンガ。40歳の男がいきなり寿司を握れるようになるが憑依の条件が精神の安定なのか寿司をバカにされたのがきっかけなのかもよくわからないまま進んでいく。途中で華屋與兵衛と主人公の性格が同一になっていったりして結局憑依なのかタイムスリップなのか生まれ変わりなのかがわからないままハッピーエンドで終わった こういうマンガはいつ読んでも良いな なぜか清々しい、でも犯罪 #読切応援これは犯罪です。 ワダユウキ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 日本競馬漫画界のこち亀馬なり1ハロン劇場 よしだみほピサ朗もはやそう言っても差し支えない長期連載ギャグ漫画。 基本は擬人化された競走馬たちやホースマンをネタにしてレースやドラマをギャグ仕立てで描いていくショートギャグなのだが、連載年数が30年以上という長さ、そしてネタにするのが競馬だけあってその当時の血統地図、観客目線で感じられたドラマ、万馬券、馬に対する印象などなど、非常に広範囲。 基本はギャグ漫画とはいえ馬やホースマンを題材にするだけあり、茶化してはいけない話題には手を出さないようにしているが、牧場見学のマナーや当時の問題点(ストライキ、税制)なども触れており、コレを読むだけで浅いながらもかなりの広範囲、それこそこち亀で現代日本の通俗史を学ぶ程度には競馬史を学べる。 連載開始がオグリキャップブームを追い風にしてのことなので、必然的にそれ以降の年代が主要なネタ元になっているのだが、天の采配か、オグリキャップの引退=サンデーサイレンスの導入という日本競馬史の一大転機が重なっている事も有り、連載年数の長さも手伝い当時から現代に繋がる競馬事情を少なからず感じられるだろう。 ギャグ漫画としてはやはり競馬ネタがある程度分かった方が更に楽しめるが、クスリと笑わせてくるネタが多く爆笑と言った風情では無い。 ただし競馬知識不要なネタも多く、擬人化された動物漫画でもある事、ライトな話題が殆どなだけに競馬を知ったばかりの方、知らない方でも全く問題なく読める。休肝日つくらないとな二日目の酔い子ちゃん 市川ヒロシ野愛飲み過ぎた翌日、部屋に謎のものがある現象は正直わかります。謎のレシート、謎のゴミ、謎の着信履歴…こわいですね。でもさすがに謎の朝定食は経験したことないかなあ。 そんな毎日二日酔い上等なよい子さんが主人公の作品です。 一歩間違えたらアル中のよい子さんですが、仕事はできるしコミュニケーション能力が半端ないし結構いいヤツです。 誰にでも何にでも興味を持って懐に飛び込んでいく姿勢が素晴らしいし、頑張ったあとの酒だからうまい!という美学も立派です。 二軒目以降は遠慮したいけど一軒目なら一緒に飲んでみたい気もします。映画化もされた復讐劇オールド・ボーイ 嶺岸信明 土屋ガロンかしこ最初の設定がズバ抜けて面白いですよね。雑居ビルの7階と8階の間に7.5階があって、そこの監禁部屋に前触れもなく10年監禁させられ、その間は昼と夜に出前の中華を食べ続け、ある日突然釈放されたと思ったら、犯人から動機を当てるゲームに参加させられる。シンプルなのにすごく引き込まれる設定です。 あとがきを読むと先の展開を決めずに連載をしていたらしいですが、だからこそ追い込まれる人間の心理描写にリアリティがあって、犯人の動機にも納得させられました。 10年前に韓国映画版を観た時は、エリちゃんが主人公の娘だったという映画版オリジナルのオチに衝撃を受けたのですが、漫画でこのオチだと後味悪すぎるし、そういう可能性も含めて復讐は終わっていないんだと解釈しました。 家族のカタチ弟の夫 田亀源五郎starstarstarstarstar干し芋父子家庭の弥一と夏菜の元に、カナダから弥一の双子の弟の涼二と結婚したマイクが訪ねてくる。 弥一は、マイクが夏菜に親戚のおじさんと自己紹介したことに違和感を感じる。それは、涼二から以前にゲイだと告白されていた時から心のどこかに引っ掛かりを感じ、カナダに行ってしまった弟と疎遠になったことの原因でもある。 しかし、3週間マイクとの生活を続けていく中で、周りの声や反応、日本でのゲイという存在に対する見えない差別を感じ、自分自身も同じく差別していたことに気付く。 娘の夏菜は、友達にカナダ人のおじさんがいることを自慢し紹介したいが、友人の家族が悪影響を及ぼすという理由でドタキャンされる。 子どもの素直な感覚と、大人の世間体を気にする感覚のズレも、よく描かれている。 ゲイの人への差別、カミングアウトのタイミング、大人のいらない噂話、まだまだ見えないところではびこっている社会に、人間としての家族としての大切なものを教えてくれるとても素敵な作品です。フランスでも人気らしいと聞いて絶望の犯島―100人のブリーフ男vs1人の改造ギャル 櫻井稔文名無しちょっと手を出しにくい表紙かもしれませんが読んでみると面白い。 女にだらしない下っ端ヤクザが会長の妻と娘に手を出した報復として、ギャルに改造され性犯罪者100人が潜む無人島に放たれてしまう…!という話。 とにかく変態達のキャラ立ちがすごい!強姦魔の趣味が日曜大工でベランダで鳩時計を作ってるとか「なんそれ!?」って感じで笑わせてくれたり、フランケンシュタインみたいな男と友情が生まれる感動があったり、実は主人公の父親も紛れ込んでいたりと、個性的な変態達それぞれのエピソードも盛りだくさんでした。面白くてマジであっという間に読み終わります。 嘘だろと思ったけど、フランスAmazonの「Hentai」カテゴリーでも1位になったのは本当らしい。なぜだ…? https://ddnavi.com/news/276431/a/<<1819202122>>
「神童」ではピアノ、「マエストロ」ではオーケストラ、そして音楽3部作のラスト「ミュジコフィリア」では現代音楽と作曲がテーマになっています。現代音楽も作曲もあまり馴染みのないマニアック度の高そうなテーマですが、読んでいて音楽が流れてくるような感覚になれるのは他の2作品と同じでした。しかも「ミュジコフィリア」は音楽だけでなく偉大な作曲家の父を持つ腹違いの兄弟の確執も見どころです。主人公は音楽の才能に恵まれているものの愛人の子供なので環境に恵まれた兄に引け目を感じてしまい、あえて音楽を避けて生きてきたのです。しかし現代音楽と出会ったことで自分の音楽への想いに向き合っていくようになります。優秀な学生を集めて作曲合宿をするシーンでは「未聴感の音楽とは?」について語られるのですが、まさに「いい漫画とは何か?」と一緒だと思いました。ここについてもっと掘り下げて知りたい人はさそう先生の「マンガ脚本概論 漫画家を志すすべての人へ」を読むことをオススメします。