双葉社マンガの感想・レビュー930件<<1920212223>>日本競馬漫画界のこち亀馬なり1ハロン劇場 よしだみほピサ朗もはやそう言っても差し支えない長期連載ギャグ漫画。 基本は擬人化された競走馬たちやホースマンをネタにしてレースやドラマをギャグ仕立てで描いていくショートギャグなのだが、連載年数が30年以上という長さ、そしてネタにするのが競馬だけあってその当時の血統地図、観客目線で感じられたドラマ、万馬券、馬に対する印象などなど、非常に広範囲。 基本はギャグ漫画とはいえ馬やホースマンを題材にするだけあり、茶化してはいけない話題には手を出さないようにしているが、牧場見学のマナーや当時の問題点(ストライキ、税制)なども触れており、コレを読むだけで浅いながらもかなりの広範囲、それこそこち亀で現代日本の通俗史を学ぶ程度には競馬史を学べる。 連載開始がオグリキャップブームを追い風にしてのことなので、必然的にそれ以降の年代が主要なネタ元になっているのだが、天の采配か、オグリキャップの引退=サンデーサイレンスの導入という日本競馬史の一大転機が重なっている事も有り、連載年数の長さも手伝い当時から現代に繋がる競馬事情を少なからず感じられるだろう。 ギャグ漫画としてはやはり競馬ネタがある程度分かった方が更に楽しめるが、クスリと笑わせてくるネタが多く爆笑と言った風情では無い。 ただし競馬知識不要なネタも多く、擬人化された動物漫画でもある事、ライトな話題が殆どなだけに競馬を知ったばかりの方、知らない方でも全く問題なく読める。休肝日つくらないとな二日目の酔い子ちゃん 市川ヒロシ野愛飲み過ぎた翌日、部屋に謎のものがある現象は正直わかります。謎のレシート、謎のゴミ、謎の着信履歴…こわいですね。でもさすがに謎の朝定食は経験したことないかなあ。 そんな毎日二日酔い上等なよい子さんが主人公の作品です。 一歩間違えたらアル中のよい子さんですが、仕事はできるしコミュニケーション能力が半端ないし結構いいヤツです。 誰にでも何にでも興味を持って懐に飛び込んでいく姿勢が素晴らしいし、頑張ったあとの酒だからうまい!という美学も立派です。 二軒目以降は遠慮したいけど一軒目なら一緒に飲んでみたい気もします。映画化もされた復讐劇オールド・ボーイ 嶺岸信明 土屋ガロンかしこ最初の設定がズバ抜けて面白いですよね。雑居ビルの7階と8階の間に7.5階があって、そこの監禁部屋に前触れもなく10年監禁させられ、その間は昼と夜に出前の中華を食べ続け、ある日突然釈放されたと思ったら、犯人から動機を当てるゲームに参加させられる。シンプルなのにすごく引き込まれる設定です。 あとがきを読むと先の展開を決めずに連載をしていたらしいですが、だからこそ追い込まれる人間の心理描写にリアリティがあって、犯人の動機にも納得させられました。 10年前に韓国映画版を観た時は、エリちゃんが主人公の娘だったという映画版オリジナルのオチに衝撃を受けたのですが、漫画でこのオチだと後味悪すぎるし、そういう可能性も含めて復讐は終わっていないんだと解釈しました。家族のカタチ弟の夫 田亀源五郎starstarstarstarstar干し芋父子家庭の弥一と夏菜の元に、カナダから弥一の双子の弟の涼二と結婚したマイクが訪ねてくる。 弥一は、マイクが夏菜に親戚のおじさんと自己紹介したことに違和感を感じる。それは、涼二から以前にゲイだと告白されていた時から心のどこかに引っ掛かりを感じ、カナダに行ってしまった弟と疎遠になったことの原因でもある。 しかし、3週間マイクとの生活を続けていく中で、周りの声や反応、日本でのゲイという存在に対する見えない差別を感じ、自分自身も同じく差別していたことに気付く。 娘の夏菜は、友達にカナダ人のおじさんがいることを自慢し紹介したいが、友人の家族が悪影響を及ぼすという理由でドタキャンされる。 子どもの素直な感覚と、大人の世間体を気にする感覚のズレも、よく描かれている。 ゲイの人への差別、カミングアウトのタイミング、大人のいらない噂話、まだまだ見えないところではびこっている社会に、人間としての家族としての大切なものを教えてくれるとても素敵な作品です。 フランスでも人気らしいと聞いて絶望の犯島―100人のブリーフ男vs1人の改造ギャル 櫻井稔文名無しちょっと手を出しにくい表紙かもしれませんが読んでみると面白い。 女にだらしない下っ端ヤクザが会長の妻と娘に手を出した報復として、ギャルに改造され性犯罪者100人が潜む無人島に放たれてしまう…!という話。 とにかく変態達のキャラ立ちがすごい!強姦魔の趣味が日曜大工でベランダで鳩時計を作ってるとか「なんそれ!?」って感じで笑わせてくれたり、フランケンシュタインみたいな男と友情が生まれる感動があったり、実は主人公の父親も紛れ込んでいたりと、個性的な変態達それぞれのエピソードも盛りだくさんでした。面白くてマジであっという間に読み終わります。 嘘だろと思ったけど、フランスAmazonの「Hentai」カテゴリーでも1位になったのは本当らしい。なぜだ…? https://ddnavi.com/news/276431/a/自分に置き換えて考えてみると・・・。君になれ 高野苺starstarstarstarstar干し芋自分の夢に向かって進んでいく太陽。 その太陽が、自分とバンドを組んでくれる仲間を探していた。 そこで、声をかけたのが、同じクラスだけと話したこともない、光だった。 それぞれの挫折があって、今があって、人生中々思うようにはいかない。 自分の大好きだったものが、何かのきっかけで嫌いになり、それに近づかなくなる。 そして、他のものに興味を持って新しく始める。 元々持っている才能と続ける才能。 でも、私は、諦める才能も必要だと思う。 どこで区切りをつけるかで人生変わってくるから。「黄昏ゴルフ倶楽部」読んでみた黄昏ゴルフ倶楽部 弘兼憲史 玉城晃 木村和久名無し弘兼憲史の完全監修と銘打ってますが、それは本当なのかと疑いたくなるような物足りなさがありました。これを読むなら黄昏流星群や島耕作を読んだ方がよっぽど面白いと思います。ただし連載先がゴルフ雑誌だということを考慮すればこれもありかもしれません。毎週楽しみに読まれている方もいらっしゃるはずです。個人的には女性の話よりも、主人公の喜寿を迎えた元上司が当時のライバルと人生最後のゴルフで賭けをする話の方が好きでした。 なんと4コマのホラー意味がわかると怖い4コマ 湖西晶さいろくちょっとトンチの利いたものも多く、なるほどと思わされる。 ただ、結論がホラーなのは言うまでもない。 Webアクション繋がりで横に色々ホラーをつまんでみたけど読みやすさは抜群でしたが怖さはさすがにちょっと薄いかな(4コマの限界か?)じわじわゾワゾワ来るフォロワーさんの本当にあった怖い話 しろやぎ秋吾さいろくタイトルからはあまり期待してなかったけど、いい意味で裏切られてちゃんとホラーでした。。。 現代怪談というのだろうか(くわいだん部でそう表現してた気がする) より身近で想像しやすく、なにより「避けようがない」と感じられるのがまた怖い。 4話目ぐらいから怖さが増してくる感じがあり、もしかしたら上手くなってってるのかもしれない。 Twitterでは59話とか書いてあったので(2021年8月末現在)単行本も早く出ないかなーと期待しておきます。まず手に取って読んでほしい古代戦士ハニワット 武富健治名無し何を言ってるのかわからないかもしれないけど、気が付いたら最新刊まで読み終わっていた・・・ タイトルからは想像できないくらい内容も練りこまれて作りこまれている。 構想も28年とかなり長く温めていた作品ということで気が付いたら虜になっていました。 先日オタキングこと岡田斗司夫さんが自身のゼミで当作品について話をしており、この作品をポスト進撃の巨人、エヴァが出てきた時のような衝撃を受けたという風に話しておられました。 9巻で打ち切りというピンチを迎えておりますが、まだ連載延長の可能性もあります。 本当に読んで後悔しない作品ですので、一度読んでみてください! 打ち切りになって中途半端に終わるのはもったいないです。皆様の力で完結まで見届けませんか? 仏教世界を垣間見るようだ…K 谷口ジロー 遠崎史朗名無し登山趣味だったんですがコロナ禍により登れていません。 気持ちだけでも山漫画読みたいな〜と漁りはじめました! 山漫画なんですがもはや仏教の世界を覗いている気分になりますね。集中し、耐え、生きて帰れないかもしれないのに山へと登り続ける…。 作中K(ケイ)は神のように扱われますが本人の考えることは登山家としてどう対処するか、それだけ。 そしてだいたい山で滑落してしまった、もしくは動けなくなった登山者を助けることだけを目標に動いている。 ストイックすぎます! 感動と緊張と達成感が伝わってくる作品。 名作でした。地上の楽園で実際に起こった悲劇の物語バリ島物語 神秘の島の王国、その壮麗なる愛と死 さそうあきら ヴィキイ・バウム 金窪勝郎starstarstarstarstarかしこ約100年前のバリ島に中国人が乗ったオランダの船が座礁するところから物語は始まり、そんな些細なきっかけから戦争に発展してしまう悲しいお話なのですが、侵略から国としての尊厳を守る為に王とその民は集団自決をします。このクライマックスを迎えるまでにバリの人々の習慣や思想というのを読みながら理解していくので、悲しいけれどそれよりもバリの底知れなさに圧倒される気持ちの方が大きいです。最初は内容が難しそうで自分に理解できるのか不安でしたが、読み進めると夢中になってしまいました。原作者のヴィッキー・バウムという女性はグランドホテル形式を生み出した方だそうで、実は「バリ島物語」も群像劇なのです。なので多少は日本人には馴染みのない文化に戸惑うところもあるかもしれませんが、ストーリーとして面白くない訳がないのです。でもこれを漫画に出来るのはさそうあきら先生だけだろうなぁ…!流石だなぁ…!と思いました。ど、どういうこと〜!?夏の魔物 ノムラララ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 こんな「よそはよそ、うちはうち」見たことない #1巻応援ひとくい家族 福満しげゆきnyaeタイトルそのまま「人の肉」を食べて生活している家族の話。本当に美味しそうに食べてます。しかし、そんなことをしていてもこの家族が警察に捕まることはない。その理由が気になったら読んで確かめてみてください。 この人肉食家族の中でもおじいちゃんが本当に好きです。設定を考えれば全員もれなく狂ってるんですけど、その中でも何事にも動じずに静かな狂気を孕んでいるおじいちゃん。たぶんこの中にいる誰よりも強いのではと推測する。2巻以降、このおじいちゃんの目の色が変わる様な展開はあるんだろうか。 巻末の作者のあとがきで、人肉が美味しいメカニズムを作者なりに解説されてるんですが、ありもしないことをもっともらしく書くの本当に上手いですね。思わず「へぇ」が出そうになりました。復讐は何も生まない、とは限らない。復讐の未亡人 黒澤Rポコニャン※ネタバレを含むクチコミです。読むとウキウキする迷走戦士・永田カビ 永田カビトシ作者のファンなので読みました。 結婚式に憧れてひとりウエディングフォトを撮るところから始まるエッセイ。 「ハードルなどなかった」と気づくシーンが1番好きです。 カニバルファミリーコメディひとくい家族 福満しげゆきstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)貧乏すぎて人を食べてる家族のコメディ? いろいろおかしな家族だけど、福満しげゆき先生らしく不穏さは感じさせず、ふーん、なんか分かんないけど変なのーって感覚すごく好き! webアクションが3月末スタートして続々連載始まってく中の一つで、楽しみ。 https://comic-action.com/episode/13933686331613282916全身サイボーグ夫と若妻の新婚生活♡ハガネとわかば 渡辺こよ キザキたか※ネタバレを含むクチコミです。なぜこれがアニメ化され、国民的人気作になったのかじゃりン子チエ【新訂版】 はるき悦巳hysysk子供の頃アニメを観ていたが、決して好きではなかった。「好きじゃないなら観るなよ」というのは今だから言えることで、当時はそれほど娯楽の選択肢が多くなく、暇を潰すにはテレビを観ているのが一番だった。 父親は暴力的で賭け事大好き、母親は別居中というのが、子供の頃の自分には恐怖でしかなかった。お父さんがああなったらどうしよう、お母さんが出て行ってしまったらどうしよう…。父親がパチンコに行くことで夫婦喧嘩になった時など、不安になったものだ。 しかし大人になって読み返すと、それぞれ口は悪いがお互いに思い合っているし、保守的な価値観に対する疑問や清濁併せ呑む態度など、生きる上で大切なことがたくさん描かれている。一般的なアニメや漫画に出てくる「普通の幸せな家庭」ではないことも、近い境遇の人達には勇気になったかも知れない。 舞台は大阪の西成区周辺をモデルにしていると思われるが、それも大人になるまでは分からなかった。今なら何故当時の大人たち(アニメの監督は高畑勲)がこの作品を子供達に観せたかったのかというのがすごくよく分かる。そしてジェントリフィケーションや格差の拡大、ポリティカルコレクトネスや自己責任論が吹き荒れる今、また読まれて欲しい作品だと思う。 恐怖を感じない人間に恐怖するアミグダラ 永田一由さいろくバイオレンス・ノワール、っていうのはいい表現だと思った。 ノワール(闇社会)がバイオレンスじゃないわけないと思ったけどw 正直絵は粗いし、ケータイコミック感があるもののストーリー展開は面白いし2巻以降は読む手が止まらない。 連載誌がアクションということで頑張っていただきたい(ハニワットと島さんといいアクションは一風変わってて面白いのが増えてきてる気がする)妖怪サトリくんと先生忍耐サトリくん 岡田索雲名無し※ネタバレを含むクチコミです。大型ショッピングモールが女子高生3人を乗せて宇宙へわれわれは地球人だ! 高橋聖一名無し※ネタバレを含むクチコミです。 職業婦人は女探偵! 喫茶店の美男子と謎を解くきみは謎解きのマシェリ 糸なつみ名無し※ネタバレを含むクチコミです。クズで反社で超テキトーなオッサンの里帰りスーパー・バッド・ファーザー犬伏 青井たつや名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<1920212223>>
もはやそう言っても差し支えない長期連載ギャグ漫画。 基本は擬人化された競走馬たちやホースマンをネタにしてレースやドラマをギャグ仕立てで描いていくショートギャグなのだが、連載年数が30年以上という長さ、そしてネタにするのが競馬だけあってその当時の血統地図、観客目線で感じられたドラマ、万馬券、馬に対する印象などなど、非常に広範囲。 基本はギャグ漫画とはいえ馬やホースマンを題材にするだけあり、茶化してはいけない話題には手を出さないようにしているが、牧場見学のマナーや当時の問題点(ストライキ、税制)なども触れており、コレを読むだけで浅いながらもかなりの広範囲、それこそこち亀で現代日本の通俗史を学ぶ程度には競馬史を学べる。 連載開始がオグリキャップブームを追い風にしてのことなので、必然的にそれ以降の年代が主要なネタ元になっているのだが、天の采配か、オグリキャップの引退=サンデーサイレンスの導入という日本競馬史の一大転機が重なっている事も有り、連載年数の長さも手伝い当時から現代に繋がる競馬事情を少なからず感じられるだろう。 ギャグ漫画としてはやはり競馬ネタがある程度分かった方が更に楽しめるが、クスリと笑わせてくるネタが多く爆笑と言った風情では無い。 ただし競馬知識不要なネタも多く、擬人化された動物漫画でもある事、ライトな話題が殆どなだけに競馬を知ったばかりの方、知らない方でも全く問題なく読める。