双葉社マンガの感想・レビュー942件<<2021222324>>地上の楽園で実際に起こった悲劇の物語バリ島物語 神秘の島の王国、その壮麗なる愛と死 さそうあきら ヴィキイ・バウム 金窪勝郎starstarstarstarstarかしこ約100年前のバリ島に中国人が乗ったオランダの船が座礁するところから物語は始まり、そんな些細なきっかけから戦争に発展してしまう悲しいお話なのですが、侵略から国としての尊厳を守る為に王とその民は集団自決をします。このクライマックスを迎えるまでにバリの人々の習慣や思想というのを読みながら理解していくので、悲しいけれどそれよりもバリの底知れなさに圧倒される気持ちの方が大きいです。最初は内容が難しそうで自分に理解できるのか不安でしたが、読み進めると夢中になってしまいました。原作者のヴィッキー・バウムという女性はグランドホテル形式を生み出した方だそうで、実は「バリ島物語」も群像劇なのです。なので多少は日本人には馴染みのない文化に戸惑うところもあるかもしれませんが、ストーリーとして面白くない訳がないのです。でもこれを漫画に出来るのはさそうあきら先生だけだろうなぁ…!流石だなぁ…!と思いました。ど、どういうこと〜!?夏の魔物 ノムラララ名無し※ネタバレを含むクチコミです。こんな「よそはよそ、うちはうち」見たことない #1巻応援ひとくい家族 福満しげゆきnyaeタイトルそのまま「人の肉」を食べて生活している家族の話。本当に美味しそうに食べてます。しかし、そんなことをしていてもこの家族が警察に捕まることはない。その理由が気になったら読んで確かめてみてください。 この人肉食家族の中でもおじいちゃんが本当に好きです。設定を考えれば全員もれなく狂ってるんですけど、その中でも何事にも動じずに静かな狂気を孕んでいるおじいちゃん。たぶんこの中にいる誰よりも強いのではと推測する。2巻以降、このおじいちゃんの目の色が変わる様な展開はあるんだろうか。 巻末の作者のあとがきで、人肉が美味しいメカニズムを作者なりに解説されてるんですが、ありもしないことをもっともらしく書くの本当に上手いですね。思わず「へぇ」が出そうになりました。復讐は何も生まない、とは限らない。復讐の未亡人 黒澤Rポコニャン※ネタバレを含むクチコミです。読むとウキウキする迷走戦士・永田カビ 永田カビトシ作者のファンなので読みました。 結婚式に憧れてひとりウエディングフォトを撮るところから始まるエッセイ。 「ハードルなどなかった」と気づくシーンが1番好きです。 カニバルファミリーコメディひとくい家族 福満しげゆきstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)貧乏すぎて人を食べてる家族のコメディ? いろいろおかしな家族だけど、福満しげゆき先生らしく不穏さは感じさせず、ふーん、なんか分かんないけど変なのーって感覚すごく好き! webアクションが3月末スタートして続々連載始まってく中の一つで、楽しみ。 https://comic-action.com/episode/13933686331613282916全身サイボーグ夫と若妻の新婚生活♡ハガネとわかば 渡辺こよ キザキたか※ネタバレを含むクチコミです。なぜこれがアニメ化され、国民的人気作になったのかじゃりン子チエ【新訂版】 はるき悦巳hysysk子供の頃アニメを観ていたが、決して好きではなかった。「好きじゃないなら観るなよ」というのは今だから言えることで、当時はそれほど娯楽の選択肢が多くなく、暇を潰すにはテレビを観ているのが一番だった。 父親は暴力的で賭け事大好き、母親は別居中というのが、子供の頃の自分には恐怖でしかなかった。お父さんがああなったらどうしよう、お母さんが出て行ってしまったらどうしよう…。父親がパチンコに行くことで夫婦喧嘩になった時など、不安になったものだ。 しかし大人になって読み返すと、それぞれ口は悪いがお互いに思い合っているし、保守的な価値観に対する疑問や清濁併せ呑む態度など、生きる上で大切なことがたくさん描かれている。一般的なアニメや漫画に出てくる「普通の幸せな家庭」ではないことも、近い境遇の人達には勇気になったかも知れない。 舞台は大阪の西成区周辺をモデルにしていると思われるが、それも大人になるまでは分からなかった。今なら何故当時の大人たち(アニメの監督は高畑勲)がこの作品を子供達に観せたかったのかというのがすごくよく分かる。そしてジェントリフィケーションや格差の拡大、ポリティカルコレクトネスや自己責任論が吹き荒れる今、また読まれて欲しい作品だと思う。恐怖を感じない人間に恐怖するアミグダラ 永田一由さいろくバイオレンス・ノワール、っていうのはいい表現だと思った。 ノワール(闇社会)がバイオレンスじゃないわけないと思ったけどw 正直絵は粗いし、ケータイコミック感があるもののストーリー展開は面白いし2巻以降は読む手が止まらない。 連載誌がアクションということで頑張っていただきたい(ハニワットと島さんといいアクションは一風変わってて面白いのが増えてきてる気がする)妖怪サトリくんと先生忍耐サトリくん 岡田索雲名無し※ネタバレを含むクチコミです。 大型ショッピングモールが女子高生3人を乗せて宇宙へわれわれは地球人だ! 高橋聖一名無し※ネタバレを含むクチコミです。職業婦人は女探偵! 喫茶店の美男子と謎を解くきみは謎解きのマシェリ 糸なつみ名無し※ネタバレを含むクチコミです。クズで反社で超テキトーなオッサンの里帰りスーパー・バッド・ファーザー犬伏 青井たつや名無し※ネタバレを含むクチコミです。これは間違いなく人情マンガだモトカノ☆食堂 大井昌和名無し表紙をぱっと見ただけでこれが超SF人情グルメマンガだと気づくのは少々難しい気がする。 木星の軌道にひっそりと佇む大衆食堂「もとかの食堂」の女店主・もとかは、かなりの巨乳美人だけどいたってクールな佇まいで、店に訪れた人にぴったりの食事を振る舞い、癒やします。物語はオムニバスで感覚的には時代も時空?も行ったり来たりするような壮大なスケール。それぞれの話でテーマがはっきりしており、表紙のイメージでスルーしていた人は損してるかもしれません。 広い宇宙のなかただひとりブレずに存在するもとかは、とりあえず「只者ではない」感がすごい。最終話では、幼い頃にもとかに起きたある出来事が描かれてますが、今こうして食堂を続けていることに一気に説得力が生まれるエピソードです。クレヨンしんちゃんは永遠クレヨンしんちゃん 臼井儀人名無しそのキャラクター性と子どもたちを夢中にさせた数々のギャグは、もはや日本人なら誰でも知っていると言っていいほどの国民的作品。 最初は大人向けに描かれたことが伺えるギャグが多く、しんのすけも少し大人っぽく、クールでキザである。巻数を重ねるにつれ、子供にも受ける内容になっていったが、相変わらず下ネタ含むギャグはキレがすごい。作者の臼井儀人氏は本当に頭が良いと関心してしまう。また感動するような話やシーンも多く、どんな人が見ても人間の良さ、楽しさが感じ取れると思う。家族の素晴らしさや友達の素晴らしさもよく描いており、読んで幸せになる漫画である。 これから家を建てる人の参考になるかもやっちまったよ一戸建て!! 伊藤理佐名無し「家ってどういう段取りで建てるの?」が知りたくて読みました。家を建てる予定はないです(笑)。当時29歳バツイチだった伊藤理佐先生が友達にそそのかされてその気になって「一人用一軒家」を建てるエッセイなんですが、漫画のネタになるとはいえ若いのによく決断したなと思いました。この決意はなかなか真似できませんが、家づくりのイロハを知りたかった自分にはちょうどよく学べました。建て売りじゃなくてゼロから自分で設計するって選択肢が無限すぎて悩みそうですが、最後には伊藤先生も「もう一回建てたい!」と言っていたくらい一戸建てにハマってたのが印象的でした。やっぱりマイホームって夢あるんですね。 あれからご結婚をされて、今はもうこの家には住んでいないそうですが(「おんなの窓」に売却した家をこっそり見に行く話があった気がする…)、一人で家を建てて暮らしてた経験があるお母さんってカッコいいなと思いました。パワーワードだらけキャバ嬢ナガレ 郷力也 かわさき健hysysk14歳で男が喜ぶ術を知り尽くしたキャバ嬢が、生き別れた兄を探すためキャバクラを渡り歩く。テクニックを駆使して人の心の隙間を埋め、手にしたお金は困っている人のために使う。 主人公や構成は『ブラックジャック』や『ザ・シェフ』を思い起こさせる1話完結型のダークヒーローもの。演出には『ミナミの帝王』ぽさも感じる(キャラも特別出演する)し、とにかく気持ちいいくらい無茶苦茶なので読んでいて楽しい。1巻感想かってにシロクマ 相原コージ名無し相原コージ先生の作品は初めて読みました。絵がとても可愛らしく生き物たちの厳しい世界がコミカルに描かれています。ギャグについては全然ハマらなくてずっと真顔で読んでましたが、ウリ坊のお母さん💩💩💩のシーンだけ変な笑いが出ました。おもしろい!オラミちゃんまじBIG LOVE愛しのアニマリア 岡田卓也野愛オラミちゃんみたいな女の子になりたい。 明るくて優しくてピュアなギャルマインド。恋愛も夢もまっすぐ追いかける一途さは、王道キラキラ少女漫画の主人公のよう。 好きなひとへの接し方がわからなくてラリアットぶちこんじゃう不器用さもかわいい。 握力500キロのオランウータンギャルという設定の突飛さも忘れるほど、ハイテンションでキュートでピュアなオラミちゃんに魅了されること間違いなし。 基本的にはめちゃくちゃ笑いながら読めるんですが恋する心理描写は繊細で、そのギャップもまたBIG LOVE…!!ただのBLギャグではなかった本橋兄弟 RENAさいろくBL要素は意外とないというかネタでしかなく、本編はちょいちょい合間に挟まる人情味あふれるイイ話の方。 行動が全盛期の松本人志のコントを上回りそうな勢いがあるアリ好き智也(ムキムキ)。 バイト先(喫茶店)のオーナー(ガチホモでムキムキ)。 クラスメイトの美少女(腐女子)に美少年(魔法少女崇拝)、後輩(腐男子)などに囲まれて過ごす主人公の貴也(ムキムキ)のストーリー。 主にムキムキしているけど非常に読みやすく、クドくもなく、後を引くいい作品。朝からビール!? 二人で楽し #1巻応援夜明けのふたりごはん 湖西晶あうしぃ@カワイイマンガ夜勤明けの楽しみは、皆が出勤する中帰宅する開放感と背徳感。一方それを共有する人がいないというのは、少し寂しかったりします。では、夜勤同士で暮らしてみたら……?というのが、この作品。 締め切りに追われ夜間に執筆する小説家と、夜間警備のバイト。同じ時間帯に働く二人の女性の同居は、お互いを補い合い、楽しげ。 何と言っても面白いのは、朝食にビール!……私もこの発想はあったのですが、朝から勤めに出る家族の手前、なかなかやりにくかった事を思い出しました。夜勤同士の同居いいなぁ! メニューも如何にもな朝食からコッテリ目まで様々。朝食メニューにビールを合わせるのが斬新で、食漫画としてもちょっとした新境地、かも。 夜明けの仕事上がりのテンションやその後のリラックス感、夜勤あるあるといった意外と見かけない題材が面白く、かつて夜明けまで仕事していた時の事を思い出しながら楽しみました。入湯料は寿命5年分お代はあなたの寿命です 岡田鯛名無し人生に息詰まった人がネットで「生きる意味」と検索したらヒットしてしまう温泉宿。そこには寿命5年分を対価に不思議な体験をすることが出来る湯がある。湯に入ればたちまち後悔だらけの過去にタイムスリップしてしまうのだが、傲慢に生きてきた自分のことを陰ながら味方してくれていた人物が必ずいて、それに気づかずに自滅していたことを知るのだった。そうして宿を去る頃には心を入れ替えて別人のように生きていくが、残りの寿命は少ないので最後には必ず死んでしまう…。導入とオチは型が決まっているんですが、2話目の売れない俳優の話の方が好きでした。こういう風に自分はならないように気をつけたいですが、人生って終わりよければ全てよしだなぁと思えるような明るい終わり方なのがいいですね。前半が「子供の情景(けしき)」後半は「大人の情景」子供の情景 さそうあきらstarstarstarstarstarひさぴよ女性誌JOURに掲載された短編を主に収録。短編集と言いつつ半分は「僕らは柿生こども警察ダ!」シリーズが占めていて、ガキ大将が女の子の設定でほっこりするお話が多い。やや乱暴に言ってしまうと浦安・ともお・まる子を合わせたような読み味で、子供達のキャラが微妙な強さで。。会話が自然なだけに逆にキャラっぽくない方がもっと好きになったかもしれない。 後半は「大人の情景」と題した短編に変わるので、タイトルに「大人の〜」と含めた方がわかりやすいと思う…。 最後の方の「ユーランと岩田くん」が作品の中で一番良い短編だと思う。まだまだ続きそうだな達人伝~9万里を風に乗り~ 王欣太starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男連載開始からずっと読んでいると思うがGW中に29巻まで一気にまとめて読んだ。端的にいうと原泰久の「キングダム」の少し前の時代から始まり27巻あたりから、「キングダム」時代を被り始める。「キングダム」は秦側から見た場合でこの「達人伝」は秦以外である楚・斉・燕・趙・魏・韓側から見た内容と言えばいいのかな。個人的には「キングダム」の少し前の時代の話がすごい好きなのでむちゃくちゃ楽しめている。 この「達人伝」を含めこの時代を描いているマンガは面白いのが多いな 鄭問の「東周英雄伝」や横山光輝の「史記」も読むとより楽しめる気がします。 <<2021222324>>
約100年前のバリ島に中国人が乗ったオランダの船が座礁するところから物語は始まり、そんな些細なきっかけから戦争に発展してしまう悲しいお話なのですが、侵略から国としての尊厳を守る為に王とその民は集団自決をします。このクライマックスを迎えるまでにバリの人々の習慣や思想というのを読みながら理解していくので、悲しいけれどそれよりもバリの底知れなさに圧倒される気持ちの方が大きいです。最初は内容が難しそうで自分に理解できるのか不安でしたが、読み進めると夢中になってしまいました。原作者のヴィッキー・バウムという女性はグランドホテル形式を生み出した方だそうで、実は「バリ島物語」も群像劇なのです。なので多少は日本人には馴染みのない文化に戸惑うところもあるかもしれませんが、ストーリーとして面白くない訳がないのです。でもこれを漫画に出来るのはさそうあきら先生だけだろうなぁ…!流石だなぁ…!と思いました。