hysysk2019/09/13映画のグッズだと考えると良い映画版とは違う描写もあるし、望月先生らしさも感じられて楽しいのだけど、唐突に終わってしまうのが残念。これだったら最後のページで無理やり解決させなくても良かったんではと思う。犬ヶ島望月ミネタロウ ウェス・アンダーソン1わかる
hysysk2019/08/03ネタバレ言葉選びや心理描写が絶妙「選ばれる」側と「選ばれない」側というのは残酷で、若い時ほど意識してしまうもの。 集団として強制的に同じ生活をしなければならない環境で「選ばれる」「選ばれない」の分断は、必然的に起こる。しかしこういったことを初めて経験する思春期において、「選ばれる」側は「選ばれない」側を想像できないし、「選ばれない」側も「選ばれる」側と対等に話す言葉を持たない(と思っている)ゆえにすれ違う。 暴走しがちな自意識や思い込みの強さは経験の無さからくるもので、過ぎてみれば何でもないことなんだけど、それが「ぷらせぼ」のように人生に影響してしまう時期。終わり方も爽やかで少し胸が痛んですごく良かった。ぷらせぼくらぶ奥田亜紀子1わかる
hysysk2019/07/12灯台下暗し過ぎる確か友達の家で読んだ気がするが、完全に記憶から消えていた。DRAGON BALLやDr.スランプに繋がるような世界観のものもあれば、映画に強く影響された(というかパロディ)ような作品もある。こういうことは大人になった今だからこそ分かる。 描き文字がとにかく素敵で、何でこんなことができるのか不思議だったのだけど、漫画家になる前の仕事でひたすらレタリングをしていたというのを知って納得。 Dr.スランプは今読んでも最高に面白いし、DRAGON BALLも現役(IPの収益がすごすぎ)だけど、もっと他にも描いてたらどうなってたんだろう?というのを想像させてくれる。身近にあるのが当たり前になっていて見過ごしてたけど、改めて唯一無二の強烈な個性だなと思う。鳥山明○作劇場鳥山明
hysysk2019/07/08人生つらいけどサンバ友達が授業中に描いたような、それでいてマンガであることが既にギャグになっている(マンガやトレンディドラマで使われがちなセリフや智恵子抄のコミカライズ)、高度なギャグマンガ。これをやれと言われても実際は難しいのだが、これでいいんだ、と錯覚させてくれる。歯のマンガカトちゃんの花嫁1わかる
hysysk2019/07/04無名デザイナーとして背筋が伸びる著者は自分より少し上の世代で、いつも自分が踏み抜きそうな(踏み抜いてるものもある)地雷を漫画にしてくれてるので助かってます。助かってるのかな?デザイナー渋井直人の休日渋谷直角
hysysk2019/06/28お前の数学的思考は料理のためにある!数学で挫折した主人公が料理に目覚め、数学的思考を活かしてめちゃくちゃ理屈っぽい料理を作る。少年マンガらしく逆境に立ち向かう展開が熱くて面白いけど「はじめアルゴリズム」とか「数字であそぼ。」で数学マンガの要求レベルは上がってるので、そこだけもうちょっと頑張って欲しい。フェルマーの料理小林有吾
hysysk2019/06/24怖くて後味悪い話だけじゃない裏社会を描いた、救いのない話ばっかりかと思ってたけど、そうじゃなかった。だからこんなに支持されてるんだな。 最近読み始めたのでまだ全部読み終えてない。「サラリーマンくん」の完結と「タクシードライバーくん」の12巻が凄くて、ここまで読んできて良かったなと思えた。 続きが気になって単行本ちょっとずつ買い足す感じが闇金借りる感じに似てて(?)スリルがある。闇金ウシジマくん真鍋昌平9わかる
hysysk2019/06/22ものすごい情報量と心理戦裁判員制度によって裁判員に選ばれたフリーターが、それをきっかけに救われようとする話。登場人物のキャラが立っていて、それぞれにポジショントークを繰り広げる。 大きなテーマとしては「集団の悪」対「個人の善」があり、読んでいく中でどちらの立場にも「それもそうだな〜」となって、選択することの難しさを実感する。一体善と悪を分けるのは何なのか。皆の感情か、「これくらいの犯罪ならこれくらいの罰ね」と量刑表に従うのか、自分の信念を貫くのか。 話の成り行き自体はやや現実味がないが、ニュースなどで日々取り上げられる事件や社会問題が詰め込まれており、ひとつの制度からさまざまな立場の感情を描き分け、ここまで膨らませられるのはすごい力だと思う。サマヨイザクラ郷田マモラ
hysysk2019/06/18めっちゃいいじゃん『幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい』より古い原稿、選から漏れた作品が収録されているとのことだけど、私はこっちの方が好き。この絵柄で少し不思議なことが起こる話だと、やはり黒田硫黄を思い起こしてしまうが、全然ネガティブな意味でなく、むしろ作者の幅というか奥深さが垣間見れて良かった。二鳥翠 黒谷知也作品集黒谷知也
hysysk2019/06/17魂は救われるのか?どうだろう。自意識をこじらせたような人達が沢山出てくるので、とても身につまされる。人と人が互いにずれを感じながら、見下したり、利用したり、それでも一緒にいて何とかやっている。それが救いといえば救いかもしれない。分かりやすい救いはない。思い詰めていることを、一笑に付された時、怒るのか、「ああ、考え過ぎだった」と気付いて少し前向きになれるのか。暗く静かな気分になりたい時に読む。アガペー真鍋昌平
hysysk2019/06/09長く続いて欲しい時代の生き証人名作の条件として「どんな時代に読んでも通用するように、固有名詞や時事ネタを入れない」みたいな話あるけど、本当にそうかな?と思う。ここには2010年代の政治、芸能、流行など色んな事象を皆がどのように受け取ってたかという、ものすごい情報が詰まってる。今はネットがあるから分からないネタは調べればいいんだし(あえて古いネタを入れてたりするので後世の人は混乱するだろうけど)。 週刊少年ジャンプ本誌から少年ジャンプ+に移行した3巻からのキレが素晴らしく、ジャンプもう読んでないよっていう大人にこそ読んで欲しい。記憶から捨て去られたゴミみたいな話題で脳が活性化するのが気持ち良い。トマトイプーのリコピン大石浩二1わかる
hysysk2019/06/03素晴らしいまずKindle Unlimited に加入してる人はリンク置いとくのですぐ読むのがいいと思います。 https://www.amazon.co.jp/dp/B01E8QIU26 ふつうに買っても583円とか?タピオカミルクティーを一杯我慢するだけで一生ものの作品が手に入るんだから、コスパが高いどころの騒ぎではない。 極限状態での人間の心の動き、野生的な勘、自然に対する畏敬の念…。そういったものをリアルに感じさせる緻密な描き込みがもの凄い没入感を生んでいる。山岳救助の尊さだけでなく、主人公のエゴも混じるところがとても良い。冷房をキンッキンに効かせた部屋でビバーク気分を味わいながら読みたい作品。K谷口ジロー 遠崎史朗8わかる
hysysk2019/06/03時代の変わり目である今こそ読みたい📷いや〜これめちゃくちゃ沁みるというか、夏目漱石大先生と自分を重ねるというのは畏れ多すぎるんですけど、年齢も大体同じで、仕事と自分がやりたいことの折り合いをつけながら日々を過ごし、時代の流れを意識しつつも安易にそこには乗らんぞ、という姿勢に非常に共感します。というか教科書に載ってる文豪に共感なんてできるんだ!というのが驚きですよね。それは谷口さん関川さんの描き方が素晴らしいからなんですけど。あとがきもめちゃくちゃ面白い。編集者の懐の深さもすごい。これだよこれ。 2019年の日本ではシリコンバレー流スタートアップがタイムマシンビジネスでグローバルなオポチュニティをクリエイティブにイノベーション、OKRをグロースさせてムーンショットでIPOとか言って数億円調達してたりしてて、そういうニュースを見るたびに添付の画像みたいな気持ちになるんですけど、いじけてないで私も『坊っちゃん』みたいな快作で世の中に一石を投じるべきだよな!と元気が出てきます。坊っちゃんの時代谷口ジロー 関川夏央1わかる
hysysk2019/06/02国語の教科書の記憶を刺激国語の授業で習ったものとか、有名すぎて敬遠してたものの話が大体分かる(分かると言えるのか?)。部分的に覚えてるけど、こんな話だったっけとなるのが面白い。『舞姫』で覚えていたのは「ウンテルデンリンデン」という地名だけだった。 10ページくらいという短さ、水木しげるテイストの画風により、全部シュールな話に読めてしまい、やはり原作を、行間を読まねばという気持ちになる。有名すぎる名作ほどきっかけがないと読む気になれないので、この作品がいいきっかけになると思う。有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいのマンガで読む。ドリヤス工場
hysysk2019/05/25少しのずれからとんでもないことに理由は分からないが突然夫が失踪する、という出来事が少しずつ人間関係を歪ませていき、やがて決定的な事件に発展する。登場人物の細かい心の動きから大きなうねりを生む物語のダイナミズムが素晴らしい。 巻末の作者による解説も「ここまで考えて描いてるんだ!」という驚きがあって面白かった。ハウアーユー?山本美希
hysysk2019/04/27知らないことだらけ結構前の作品なのに、今読んでも驚くような内容。カニの殻の成分が色んなとこで有効活用されてるとか、牛乳からボタンや服を作ってるとか全然知らんかった。単なる雑学の寄せ集めじゃなくて、科学的な知識を元にしたアイディアとか合理的な思考が描かれているのがめちゃくちゃいい。短くてテンポもいいしどんどん読んで賢くなりたい。まんがサイエンスあさりよしとお
hysysk2019/04/19「目に見える神々」と「目に見えぬ神々」あとがきで言及されている読者からの感想にもある通り、読み終わった後すこし放心状態になるくらい重厚な作品。 設定が複雑で説明するのは難しいのだけど、ストーリーを追う分には混乱しない。「目に見える神々」と「目に見えぬ神々」がいるのがすごく面白いし、重要な意味を持っている。 性別も種も善悪も超越したキャラクター達が出てくるので、今読んでも全く問題ない。というか今こそリアリティを持って響く描写が沢山ある。多様性とはこういうことだと思う。 消したい過去が消せて、不安もない生活は本当に幸せなのか。何故この世界から争いがなくならないのか。宗教的な世界観に科学の視点を取り込みつつ整合的にまとめあげているのが素晴らしい。また時間をおいて再読したい。イティハーサ水樹和佳子2わかる
hysysk2019/04/16まさしくPop Life「シングルマザー同士でルームシェア」という設定こそありふれたものではないと思うものの、エピソードやモチーフはすごく細かくてリアル。フットサルで怪我するとか八百屋の訪問販売で新卒時代を思い出すとか友近のライブに行くとかハンドスピナーを眺めるとか、細かい断片の組み合わせで出来上がってる「生活」がマンガとしてちゃんと面白く描かれてるのが愛おしい。 ありふれたものではない、と書いたけどどうだろう。今やこれくらいが「普通」であると考えた方が希望が持てるというか、「みんな色々ある」ということに想像を及ばせられる。ちょっと我が身を振り返って人に優しくしようという気持ちになる作品。Pop Life南Q太2わかる
hysysk2019/04/12信頼できるグルメマンガ食ブログ担当の編集者が色んな店を食べ歩く話。出てくる店は実在するのだけど、これが個人的に好きな店だったり、周りの食通がおすすめしてる店とかなり合致していて、グルメガイドとしても使える。2巻のジョンティは本当に大好きな店。自家製ジンジャエールとデザートもおすすめです。みつめさんは今日も完食山崎童々 ツレヅレハナコ
hysysk2019/04/12通勤はクリエイティブ都市で働く人間にとって、通勤時間てのは苦痛でしかないと思う。作者は通勤中にこのマンガを描いたのだが、話の内容自体も通勤時間を利用してマンガを描く話になっていて、入れ子の構造になっている。 サラリーマンとしては建築関係の仕事をされているそうで、建築物や乗り物などの構造物がすごく魅力的。舞台が地下鉄っていうのがまた想像力を刺激してくれる。こんな風に通勤時間を過ごしてる人がいるんだと思うだけでも、ちょっと考え方が変わるんじゃないかな。RAPID COMMUTER UNDERGROUND座二郎5わかる
hysysk2019/04/12借りたばかりで読んでいないの“What's Michael?”YUKIの『ポートレイト』という曲にそんな一節が出てくる。確か実家にあったような?何となくテレビつけててアニメも観たことあるような?そんな記憶で、作者が小林まことであったことも繋がってなかった。 今改めて読むとすごく都会的な笑いで、何となくあの歌詞に出てくる理由が分かる。いやこれ以外にないなって感じがする。すごく好きになった。新装版 What’s Michael?小林まこと
hysysk2019/04/11激ヤバファッションマンガド名作『緋が走る』に通じる、ものづくりの薀蓄ありバトルあり人間模様ありの最高エンタメ作品。「絶対に真似したくない」とか「鉄丸のアドバイスが微妙」という意見もあるけど、ぼく脳さんとか「途中でやめる」の山下さんとか見てると、ここに出てくるものでも格好良くなりそうな気がする(作者の意図とは違うだろうが)。照明で透ける服とかANREALAGEみたいだし。 マンガでも何でも天才を描くのは難しいが、ここまで勢いで押し切られれば黙るしかない。1987年の連載で「ランDMCの"ウォーク・ディス・ウェイ"いくぜー!!」というセリフには痺れた。こっとん鉄丸あおきてつお
hysysk2019/04/05激アツ陶芸マンガ陶芸家のイメージってなんか気難しくて仕上がりに納得いかなかったら容赦なく叩き割る人、みたいなのあると思うけど、そこに至るまでにも大変な苦労がある。だから窯出しした焼き物を割るってのは相当なことなんだよ、というのがこれ読むとよく分かる。自然と陶芸や萩焼に詳しくなるのでおすすめです。緋が走るジョー指月 あおきてつお
hysysk2019/02/15グヤバノは実在するんだ…作者のいつもの感じで架空の食べ物だと思ってたら、実録ルポで驚いた。虚構に実在感を与えるのが上手い人だが、表題作ではそれが逆転しているのが楽しい。グヤバノ・ホリデーpanpanya1わかる