都会の喧噪を逃れ、秘境の温泉宿・椿屋で従業員として働き始めた謎の男・源さん。彼はかつて、人の命を奪うことを生業(なりわい)としていた殺し屋(スナイパー)だった!!正体を隠して勤める源さんの元に、以前の「マネージャー」だった男が訪れ、再び殺人の依頼を持ちかけるが……。ゼロから人生をやり直そうとする男の胸を打つ人間ドラマ!
近藤静也は下着会社プリティで働く平凡なサラリーマン。しかし、その実体は関東最大の広域暴力団・新鮮組の総長の一人息子だった…。ある日、仕事をしている静也の元に、父の総長が狙撃されたとの一報が入る。静也は望まずして、新鮮組の三代目となってしまったのだった!!昼は、静かなる平社員。夜は、静かなるドン!!ドンの二重生活が始まった。
ヤクザをこの世からなくすという理想のために鬼州組と五分の盃をかわした新鮮組三代目・近藤静也。あれから10年――。激変する社会の中で蠢きはじめていた新たな「敵」に、それぞれの道を歩んでいた男たちが再び立ち向かう!かつては1万人の組員を誇った新鮮組も2千人を割っていた。しかし、ヤクザが減る一方で半グレや特殊詐欺グループなどが蔓延ることに。そして、その背後にいるのは――!? 静也の脇を固める鳴戸、龍宝の出会いや過去も描かれた新章第1巻!
山田朝顔は興雲大学医学部法医学教室助教授にして、警察からの嘱託で司法解剖を行う監察医を兼務している。刑事をしている父・万平からの連絡が入り、朝顔は河原で上がった溺死体を司法解剖する。その結果、遺体の胃の中から15mmくらいの小さな発泡ウレタンが見つかった。自殺、他殺、事故……さまざまな可能性があるなか、外傷はなく着衣の乱れもないことから、警察は遺体を自殺とみなす。しかし朝顔は、被害者の胃のなかから見つかった発砲ウレタンと、遺体にすがりついた男の態度を不審に思う。誰もが迎える死の瞬間(とき)。その最期のメッセージに込められた真実とは?遺体と向き合う壮絶な現場で奮闘する一人の女性監察医が今、花開く――!!
時代は1970年代。大阪で駄菓子屋の店番をする杏(あんず)さんのもとには毎日、元気いっぱいのちびっ子たちがやってくる。少ないお小遣いをやりくりして欲しいものを買う子どもたち。当時の駄菓子屋は学校や家庭で教えることができない大切な何かを教えてくれる「放課後の学校」でもあった!
監禁探偵
人気ゲーム『かまいたちの夜』を作った我孫子武丸が今度はコミックで魅せる!!下着を盗もうと女性の部屋に忍び込んだ主人公・山根亮太は、そこで女性の他殺体を発見してしまう。しかし、彼には警察に行くことができない事情があった…自室に少女を監禁していたのだ。なぜかその少女と、事件の謎に迫る亮太。はたして犯人は!?
剛球少女
「男子生徒でなければ甲子園に出場することはできない」――。高野連の規則という高いハードルに挑む、ひとりの少女がいた。その名は麻生遥(あそう・はるか)。甲子園で優勝までした野球の名門校・港北大付属湘南高校。22年前、夏川啓吾をエースとして優勝して以来、10年以上県大会の予選止まりと低迷していた。そんな夏川の娘である遥は“あきらめない限り夢は叶う”という父の教えを胸に、港湘野球部に入部するが……。すべての高校野球ファンに贈る、渾身のリアル・スポーツ劇画登場!!
女犯坊
恨み辛みを持った百八つの女達の煩悩によって、この世に黄泉帰(よみがえ)った怪僧・竜水(りゅうすい)。濃厚にして妖艶な筆致で贈る奇想天外なピカレスクロマン!新宿――都庁の真下に存在し、人々から「駆け込み寺」と呼ばれる念仏寺(ねんぶつじ)。住職・法景(ほうけい)との情交に耽っていた少女・空海(そらみ)は、自分の肉体(からだ)の中に魔物が棲みつき、男なしではいられない肉体になっていた。夜な夜な新宿で男漁りをしていたところを、法景に拾われ念仏寺に連れてこられたのだった。竜水は空海に魔物を追い払ってやると言うのだが……!?
旅する缶コーヒー
東京、ロンドン、京都など、11の街の男女たち。元アイドル、山ガール、片づけられない女、ニューハーフ…。ごくごく普通(?)な彼らの、なにげない日常から切り取った抒情的オムニバス。マキヒロチの初単行本。
蒼太の包丁
料理には人生を変える力がある――。北丘蒼太(きたおかそうた)、20歳。銀座の名店“富み久”で、厳しいけれど情に厚い親方のもと、板前目指して奮闘中。いつの日か、人の心に届く料理を作るために……。そんなある日、高校の同級生・加賀美がアルマーニのスーツに身を固め“富み久”を訪れる。ブランド品を輸入する会社を立ち上げ成功し、追加出資を申し出た久米社長の接待に使いたいと言うのだが……。
トリガー
人気コンビ・インパルスの板倉俊之が書いたハードアクション小説をコミック化!近未来、射殺許可法が制定された日本で、各県に1人ずつ選ばれる「トリガー」たち。それぞれの信念に従い、≪悪≫と判断したターゲットに、彼らは弾丸を撃ち込む!「国王」編、東京、千葉、静岡の「トリガー」編を完全収録。
温泉の湯けむりに隠れて暗殺を行う――。てっきりそんな話だと思ってました。あらら、全然違うじゃんだまされた、つぶやきながら読み進めていったらこれがなかなか掘り出し物。元殺し屋の「源さん」が過去を捨てて第二の人生を温泉宿の従業員として生きる、という話で、これがシブくて深い。温泉に訪れる客との交流に源さんの過去を絡めるだけでも結構イイ感じの人情話。さらに松茸取りの名人やら女体盛りやら夜逃げやらアナクロな感じの要素がてんこ盛りで、田舎育ちの私にとっては日本にはまだまだこんなところが残っているよな、と再確認してしまいます。私が特に好きなのは温泉街の人が集まって夜桜で花見をする場面。人工的な照明ではなく、暗闇にぼんやりと浮かび上がる桜。秘境ならこんな花見もホント、ありです。また、後半になるにつれて比重の高くなる源さんと2人の女性との心理描写も読み応えたっぷり。重厚な絵柄がそれを引き立ててくれます。しかし女体盛りが出るような秘湯なのに、近場に海の家がある海水浴場があるなんて…。モデルがあるなら一度行ってみたいものです。