旅する缶コーヒー
東京、ロンドン、京都など、11の街の男女たち。元アイドル、山ガール、片づけられない女、ニューハーフ…。ごくごく普通(?)な彼らの、なにげない日常から切り取った抒情的オムニバス。マキヒロチの初単行本。
最期の食卓
人生の終わりに、アナタは何を食べたいですか?穏やかな死を迎えるための施設〈ホスピス〉。医者と料理人というふたつの顔をもつ男が、死を目前にした患者の心を癒す――。
列強ひしめく戦国時代の中国地方。安芸の小豪族・毛利弘元は、尼子氏、大内氏に従属しながらも、血縁でつながる福原、桂、坂氏と連合して、かろうじて領国を守っていた。毛利弘元の次男として生まれた毛利元就(もうり・もとなり)は、毛利家が大内家と尼子家の争いに巻き込まれていくなか、長男・興元(おきもと)の急死により毛利家の家長となる。戦国時代最高の武将のひとりとして賞賛される毛利元就は、いかにして中国地方の覇者となったのか?その軌跡を描く。
女囚5046号、九条マリア(くじょう・まりあ)。殺人罪で20年の刑を受け、T刑務所に服役中の身ながら、月に一度、彼女は塀の外へ出る。法で裁けぬ者を始末するヒットウーマンとなって。そして、仕事を終えると塀の中へと戻ってくる。あたかもブーメランのように。伊沢広は、K県警南町署捜査課刑事部長にして、自分の立場を利用し、犯罪の参考人及び容疑者の女性に付け入り覚醒剤等により肉体関係を持つ。そのことにより死亡した女性は10人を下らない。K県警捜査室の内偵により、ほぼ事実と認められるが、伊沢自身、これまでに総監賞を10数回受けており、確たる証拠もなしに処分することもままならない。法で裁けぬ悪を滅ぼす、荊冠(けいかん)の聖母に外出許可が下る――!!
となりの凡人組
ある日隣に引っ越してきた凡野一家。父親の凡野平太郎は一見腰の低い平凡なサラリーマン。ある日会社に押しかけてきたヤクザに凡野の名刺を見せると…!?あの凡野平太郎が帰ってきた!!新宿の親分として…
それからの凡人組
あの男が帰ってきたゾ!!極道の世界に背を向け、姿を消した凡野親分だったが、子分たちの熱烈なラブ・コールで、再び極道の世界に戻る。そこに待っていたものは……。
出番だ!ヘビー
うちのパパは悪役専門のアクション・スター!ヘビーと呼ばれるこの男の物語は静かな団地から今日も始まった。娘たちは美しく成長していたが、パパの職業は誰にも内緒なのだ…悪役一本勝負!ピカレスク・ホームコメディ!!
受験合宿のため、湖畔のコテージに向かった並木俊介(なみき・しゅんすけ)のもう一つの目的、それは妻・美菜子(みなこ)の不倫相手を突き止めること。受験生の親を疑っていた俊介だったが、そこで遭遇したのは無惨な姿で息絶えた自分の愛人・高階英里子(たかしな・えりこ)だった。いくつもの“何故”が交錯する中、次第に明らかになる親と子の関係……。沈黙の湖畔に恐怖が響く!!
まったり猫味
個性派ぞろいの猫たちとのふれあいを描いた「猫味」シリーズ最新刊!雄2匹、雌5匹と猫多頭飼いのいわみち家。暴君として君臨していたアイドル猫「でるでる」も御年13歳。その座を後輩猫たちに譲り渡し、隠居生活を満喫中!?女王様気質の「くーにゃん」は、右前脚が不自由だけど天真爛漫な笑顔が魅力的!!鼻付近に特徴的な模様がある「らぶ」は、人懐っこくていわみちママが大好き。ビビリ王子の「スベリ」は、おしっこ癖が悪く、家中のいたるところにスプレーを…。超マイペースな「ふくたん」は、その性格が災いし「くーにゃん」に嫌われている?迷い猫だった「チャビ」は、先住猫たちとの相性が最悪!?「チャビ」の息子「シリ」。「スベリ」の王子の座を脅かす!?※いわみち家の番犬「モージ」。猫たちとは犬と猫の垣根を越えた関係のいじられキャラ。「もう、これ以上は増やさない!」(byいわみち)と決めていたのに、気がつけば新しい仲間が1匹…2匹…!?空前の猫ラッシュとなったいわみち家の、「血と汗と涙」(!?)の記録が綴られたエッセイ風の猫漫画!!
今宵一献傾ける、その合いの手は? 海の恵みか里の幸か……四季折々の酒と肴の楽しみをしっとり描いて大好評の、ハートフル・グルメショート。古今東西の旨い酒と肴が登場!!
しすとも
謎の超常現象により、国会議事堂に閉じ込められた国会議員たち。救出のメドも立たず、世間の関心も薄れていく中、相も変わらぬ足の引っ張り合いが繰り広げられる。そんな中、突然彼らの前に、板垣退助だと名乗る美少女が現れ…!?SF国会コメディ!!
憧れの風俗嬢に近づくため、オタクに興味をもった非オタ青年・帯谷。それからというもの、帯谷の周りには、コスプレオタクに腐女子、鉄道オタクなどなど、オタクな女の子が集まってくる。非オタ青年とオタ女の、ちょっとエッチなラブコメ!
缶コーヒーを共通の小道具にしたオムニバス作品。グラビアアイドルを引退して田舎に帰る女性や、母親に複雑な感情をもつ少女、夫の浮気を勘ぐる妻、友人の葬式で再会した同級生などなど、11編のショートストーリーが展開されています。私、この手のくくりのある短編集ってわりと好きなんですよね。学生のころに短編の自主映画を作っていたことがありまして、そのせいで映像にした場合を思い浮かべてしまうので、妄想を膨らませて読むのが楽しくて。漫画だとロケ地がいろいろ選べていいなとか、映像の尺にすると10分ぐらいかな?とか、もうすっかり監督気分です。まあ客観的に見てもこの作品は写実的なので映像化向けだし、主人公の設定や年齢に幅があり、なおかつオチの付け方も笑いあり涙ありで、万人受けする内容だとも思いますし。飲料メーカーのスポンサーでもつけて、テレビの深夜帯で誰か映像化してくれないかなあ。最後のルポ風の作品は震災関連ですが、それも含めてそれぞれの話がコンパクトに高い完成度でまとめられているので、値段分の価値はある内容です。