ビームコミックスの感想・レビュー493件<<1112131415>>すごい才能!麦酒姫 朝陽昇starstarstarstarstar干し芋ひとつひとつの作品は、まるで別人が描いたように感じる。 でも、共通するものは、心の奥底をしっかり掴まれる感じ。 短編ですが、しっかり重厚感があり、奥行きも感じる。 私は、『みよちゃん、どこに行く?』が、好き。 くまん太が、みよちゃんが泣いているのを知って、助けに行くお話。 泣けます。理解が困難すぎて、面白い #1巻応援伽と遊撃 有間しのぶnyaeコミックビーム購読してるんですが、これは単行本でまとめて読まないとダメなやつだと判断し連載は追ってませんでした。そして1巻が出たので待ってましたとばかりに読みました。しかし…一度通して読んだだけではこの物語の全体が全く見えてこない。というより、何もわからない。けど、読み返したり、重要だと思われるページに戻ったりを繰り返すと、やっと何か少しずつ掴めてきます。むしろそれほどに読者に親切じゃないところが逆に魅力的です。読み解きたい欲が湧いてくる。 とはいえ、感想らしい感想はまだ言えない。けどもしかしたらイムリのような壮大な物語になる可能性を秘めていると感じたので、#1巻応援クチコミを書こうと思いました。とりあえず早くタイトル「伽と遊撃」の意味が知りたい! 物語のキーワードは、幻想や妄想などフィクションの粛清、獣人的なAIロボット、チップで管理される記憶、時間軸のコントロール…?今後は過去や未来を行ったり来たりするような展開が待ってるような気がする。 あとは、非常に個性的なキャラクターが多い。記憶チップを開発したリヒト、彼には生きていてほしい。また100年ほど昔、時間の研究をしていた学者が遺し、リヒトがある意味蘇らせた野分兄弟。彼らががこれからどんな活躍をするのかが一番楽しみです。 陽気な外国人兄ちゃんコンビ「ニックとレバー」ニックとレバー ミヤタキョウゴロウ名無しツイッターで人気とか全然知らなかったんですけどこの独特なペンタッチが味があってクセになりそう。 聖☆おにいさんくらい売れたらいいと思う教祖が教えてくれること。銭 鈴木みそナベテツ資本主義の社会に生きている以上、お金について考える機会を持つことは必然であり、本作において鈴木みそ先生(教祖)は様々な業界の「お金」について教えてくれます。 恐らく、この作品が描かれた頃と現在では、多くのことが変わっていることと思います(震災もあったし、コロナで現在進行形で変わっている部分もあると思います)。 しかし、お金について考えるきっかけを与えてくれるという点では、本作は決して古びてはいませんし、興味を持った読者の側でアップデートしていくべきことなのではないかと思います(少なくとも、本作を読む人間ならそれを厭うことはないだろうと思ったりもします)。 生きていくことが決して容易い社会であるとは口が裂けても言えない状況ですが、「生きる力」を養う一つの指針として。 完結じゃなくて休載だったのか夜は千の眼を持つ 上野顕太郎名無しここしばらくビームに載ってないし、知らないうちに終わってしまったんだと思っていたけど、ウェブサイトに休載と書いてあるのを、今日知った。 いつか再開するならそんな嬉しいことはないです!!主人公と著者の成長の記録。目玉焼きの黄身 いつつぶす? おおひなたごうnyae改めて全12巻通して読んでみて、これはひとりの大人の成長の記録だと思いました。ひとは、何歳になっても学び、成長できる。勇気をもらえる、本当に良い漫画です。 更にいうなら、著者の成長の記録でもあると思いました。単行本を読んでいないと分からない事なんですが、各話の終わりにおおひなた先生の手書きのあとがきページがあります(無いときもある)。その手書き文字が巻を重ねるほどに上手くなっていくのです。 振り返ってみると、とくに7巻からの進化が顕著です。これについてどこかで言及してるのかは分かりませんが、自然に上手くなっていったのか、なにかレッスンでも受けたのか、知りたいところです。 最後の方では「これ本当に手書きなのか?」と疑いたくなるほどの美文字です。 そんなところに注目して読んでみるのもいいかもしれません。まあ、めちゃくちゃいいので読んでくださいなカラオケ行こ! 和山やま名無しあんまりあらすじをペラペラ話すのも野暮なのでこれだけ。 この顔が好きすぎてwwww 余すことなく甘くて切ない夏を味わう赤パン先生! 安永知澄nyaeこれが何の漫画なのか、というのが全く見つからない。しいていうなら、田舎の夏を構成するものが全部入っているような漫画です。ページの隅から隅まで余すことなく味わわないと損するような気持ちになる。中でも、涙を含めた水の表現の芸術性が高すぎる。アシスタントさんが居たとしてもあれをひたすらカリカリ描いてる風景は凄まじいものだと想像します。 過去に囚われ前に進めない姉・庸子と、毎日何かに傷つき何かに喜ぶ眩しい日々を送る妹・きら。そのコントラストを丁寧に、余所見せず、誤魔化さず、真っ直ぐに描いているという印象です。 夏が終わると思って焦って久しぶりに読み返しましたが、こんな傑作だったか…?と驚いた。最終話ひとつ手前の32話がいちばん好きです。 #マンバ読書会ビールの苦味は必要ですか?麦酒姫 朝陽昇まさおオムニバス作品でどれも面白い!どれも少し捻りのある物語とほんの少しの寂しさがピリッとストーリーを引き締めて、淡い共感を生んでいる気がする。友達と離れる寂しさや、どこか場所を思い出す寂しさ。気持ちの寂しさ。誰もが通った寂しさをスパイスに読ませるとか天才だと思う!短編の名手!売野機子の集中連載がスタート!売野機子短篇劇場 売野機子名無し売野機子短編劇場っていう名前からして興奮せざるを得ません。コミックビームと相性良さそうな作家さんですが意外にも初登場なんですね。 第一回目「まりすのせいなる墓あらし」面白かったです。俳優のツカサはずっと誰かを演じてきたプレッシャーから酒に酔って不祥事を起こしてしまった。毎晩みる夢の中には自分が子役時代に演じた磨莉寿が出てくる、というお話。なんとなくロングロングケーキを思い出しました。 最終的に単行本一冊にまとまる予定の連載だと嬉しいな〜! 吉田戦車の"じゃない方"漫画たち吉田戦車の漫かき道 吉田戦車nyae「伝染(うつ)るんです。」「ぷりぷり県」などなど…読んだことなくてもタイトルは知っているという人もきっと多い代表作をはじめ、数多くの漫画を世に送り出してきた中で、ご本人曰く「描かせてもらえる様々な場所で、ちびりちびりと描いてきた、点在するすきま仕事かき集めた」のが本書であります。 いわゆる自伝漫画とは違うので注意。漫画と出会ってからいかにしてプロとなったのかは、冒頭にテキストでまとめているだけです(ただ非常に面白いので必読)。 置かれた場所で咲きなさい、じゃないけど、与えられた場所でふさわしい力を発揮し続けるというのは並大抵のことではないと思うので、作者が恥ずかしいと思うようなものでも、読者にとっては宝物のような漫画だったりしますね。 面白いのが「苦悩戦士」という漫画を、スコット森という名義で石ノ森章太郎タッチをほぼ完コピして発表したにもかかわらず、ネット上で「吉田戦車では?」と見破った人も居たという話。通常の2倍の時間をかけて描いたのに悔しいと語っていますが、分かる人にはわかるんだなとじんわりしました。ほんとこういうのに弱いから… #読切応援おじさんの塀 古山フウnyaeビームの別冊付録の読切みんな面白かったけど、個人的にはこの「おじさんの塀」がダントツでした。 おじさんの家に入って玄関の床のタイルが綺麗だという描写から、お風呂を見せるところでもう「これは…ッ!!」となった。そこからおじさんの人となりが明らかになり、そしておじさんに字を教えてあげようとするゆう太のながれ、胸打たれます。絵もストーリーも完璧で言うことなし。その伝統は「絆」か「呪い」か繭、纏う 原百合子六文銭百合といわれれば、そうなのかもだけど、その言葉でくくってしまっては表現しきれないものが沢山ある。 本作は、そんな作品。 舞台は、代々卒業生の「髪」で縫い上げた制服を着るという伝統がある、女子校。そこで過ごす女学生の群像劇。 卒業生の「髪」で制服をつくる…若干ホラー臭がしますが、そんなことはありません。 むしろ、その女学生の髪の毛、女性の命ともいえる髪が1本1本美しく、それこそ生きているかのような描写に息を呑みます。 恐怖よりも、そっちが強いです。 そして全体的に漂う、どこか儚い雰囲気が、この伝統とよくマッチしてて、物語に惹き込まれてしまいます。 随所に散りばめられた繊細で詩的な表現が、また良いのです。 百合か~と避けていた人、百合は少し苦手~という人にこそ、おすすめしたい作品です。 美しさの中に、少しの狂気を孕んだ展開にゾクゾクして続刊が気になりますよ。 りぼん時代の名作集桜の森の満開の下 清原なつの初期ベスト自選傑作集 清原なつの名無しりぼんに描かれた初期作品がまとめられています。最初はりぼん掲載とは思わずに読んでいたので後から知って驚きました。かなり自由ですね!でもこんなにユニークな話を読んで大きくなったりぼんっ子は幸せだなぁと思いました。男の子にフラれて動物園でふてくされてた女の子が30年ぶりに初恋の人と再会してゴジラを観てきたおじいさんと出会う「ゴジラサンド日和」と、朝起きたら男の子の背中に天使みたいな羽が生えていて飛んだり出来るようになったけど実は宇宙人の仕業だったという「飛行少年モッくんの場合」が自分は好きでした。どういう人がこの話を描いたんだろうと気になった方は、自伝的猫コミックエッセイ「じゃあまたね」を読まれるといいと思います。「花岡ちゃんシリーズ」の蓑島くんがなぜハゲ頭なのか理由も分かりますよ。驚くほど多彩な作風 #1巻応援麦酒姫 朝陽昇名無しまるでティンカーベルのような可愛らしいビールの妖精さんが印象的ですが、読んだら作品ごとに絵柄もストーリーも雰囲気が変わるので驚きました。あなたも読んでみたら必ずお気に入りが見つかると思います。私は「雨ののち、晴れののち、」を読めたので本当に単行本を買ってよかったと思いました。戦時中の国立競技場で学徒出陣を見送った女性が、終戦後に同じ場所で東京オリンピックの開会式を見届けるという話です。単なるいい話ではなく、その日を複雑な心境のまま迎えたことが描かれています。あの日が今日に繋がっていることを忘れてはいけないと身に沁みました。ちなみにTwitterバズり漫画に無知な自分でも知っている「金曜日、蟹をのせて」も収録されていました。まるで血の流れないサスペンスアイム・ノット・ヒア やまじえびね作品集 やまじえびね名無しどの話にも心に傷を持った女性が登場します。その傷は簡単に癒えることはありません。もしかしたら一生そのままかもしれません。やまじえびね先生の作品を通して見るとまるで血の流れないサスペンスのようです。そうして尚更に彼女達の痛みを感じることが出来ます。中でも表題作の「I'M NOT HERE」は重みのある話です。主人公は心理カウンセラーですが彼女自身も幼少期に兄から性的いたずらをされ、母に打ち明けても取り合ってもらえなかったことを悩み続けカウンセリングに通っています。優しい恋人と身体の関係を持つことはありますが、いつも行為の途中で意識が飛んでしまうのです。実は数年前に事業の失敗で兄は失踪しており、その心労が重なった為に母が急死します。全ての苦しみから解放されたように思われましたが、恋人との行為の時の症状は治ることはなく、タイトル通りの悲しくてシリアスな結末に終わります。シンプルなようでいて絵にもストーリーにも深みがあります。どちらがきっかけでも構わないので気になった方はぜひ読んでみて下さい。 なんかわからないけど前向きになる(気がする)ワガランナァー 羽生生純nyae何度も「何を読んでるんだろう?」という気持ちになったけど不思議とページを捲る手は止まらないし、あのおっさんたちの前向きさに救われるような気がした。唐突に現れたキミオちゃんという小さいおっさんが実は警察署長だったというオチの話がいちばん好きでした。 3人のホームレスと不幸にも巻き込まれるひとりの女性。ジャンプ作家とかが同じ設定で描いたら普通に人気出そうと思いました。コロナがなければ生まれなかった漫画NEW NORMAL DAYS しりあがり寿名無しという言い方をすると、生まれなければよかったのか、生まれてよかったのか、どっちなんだという話ですが…漫画好きとしては読みたいと思える漫画が多いに越したことはない… ショート・ショートの詰め合わせという感じで、短期集中連載とのことですが、共通しているのはコロナ禍の世界だということ。創作もあれば、会期が延期してしまった著者が参加する展覧会のドキュメント(っぽい)話もあり。 そりゃあ、電車がガラガラだったら流星課長の出番も無しだわな。 しりあがり寿が描くコロナウイルスが思いの外かわいい。死にたい少年少女たちが「世界」を殺すEVOL (イーヴォー) カネコアツシ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 コテコテの刹那の連打!!連打!!ダークマスター オトナの漫画 完全版 狩撫麻礼 泉晴紀starstarstarstarstarひさぴよ狩撫麻礼&泉晴紀のタッグによる25編、560ページ超に及ぶ分厚い短編集です。 (連載時の名義はダークマター、泉レッドドラゴン) 狩撫麻礼さんの没後に刊行された完全版になります。 中身としてはオチがなくて意味がよく分からない話もありましたが、泉晴紀先生のギャグっぽい作画がハマってる所もあり、楽しめた話とそうでない話が半々くらい。 ーーーー 特に好きな短編 「ダークマスター」 表題作。味は良いが、店主の性格に難があって繁盛しない店を他人に任せることになり、店主の代わりになんでもやらせてしまう話。何を表現しているかは言わずもがなです。オチはないけど面白いっ。 「ミッションあるいは伝道」 高齢化した個人商店とニートをマッチングさせて、寂れた商店街を復活させようとする男の話。発想は凄い良いけどたぶんうまくいかないと思わせてくれる所が良い。 「眠らぬ男」 オチの秀逸さでは「オッパイ説」か、この話が一番好きですね。ネタバレできない面白さ。 ーーーー 話のバリエーションは多いので、昔からの狩撫麻礼ファンに限らず、「世にも奇妙な物語」のような不可思議な話、刹那的なショートストーリーが好きな方なら楽しめる短編集だと思います。マグロの餌として生きる女の奮闘記ギャグ「大漁!まちこ船」大漁! まちこ船 戦え! 北極警備隊 三宅乱丈 Extra Works 三宅乱丈かしこ脱サラして漁師を始めた小川はすれ違ったマグロ漁船に小柄な女の子が乗っているのを見つける。彼女の名前は「まちこ」。実はただのマグロの餌である…。船長から釣り竿の針を口に付けられ海に飛び込みマグロに食われる、それが彼女の仕事、そう!使命なのです。最初はひ弱な都会人の小川に興味がなかったまちこですが、だんだん恋愛モードに入っていきます。なぜなら卵を産んだから。見た目は人間の女の子ですが何故か産卵するんです。自分が産んだ卵に小川から「かけてもらおう」と思い立ってから色んなすれ違いが起きるんですけど、すごいですよ。超爆笑モノです。何を言ってるのか分からないと思いますが、本当にそういう漫画なんです。私にとって「大漁!まちこ船」が理想的な漫画の一つかもしれません。それくらい大好きです。 もう一編の「戦え! 北極警備隊」は三宅乱丈先生の思い入れがものすごくある作品のようです。近未来SFギャグ漫画なんですけど、何が起こるか分からない具合で言えば「大漁!まちこ船」よりすごいです。どちらも傑作であることは間違いありません。大船に乗った気持ちで読んで大丈夫です。ギャグ漫画家が原作付きで挑んだホラー・オムニバス!まほう少女トメ おおひなたごう 武内優樹nyaeホラーというよりは、最後に「実は〇〇は✕✕だった!」的なサスペンス・ミステリー要素が結構強いのかなと思いました。 ギャグ一本でやってきたおおひなた氏も、原作付きとなるとギャグを見事に封印しています。ただ表紙のトメちゃんの、どこか抜けた感じで魔法少女であることをみじんも感じさせない風貌からは、著者のらしさがにじみ出ているように思います。 オムニバスなので話によって怖さに多少ばらつきがあるものの、構成も展開も凝っていて全部面白いです。めちゃくちゃ怖いのが読みたい!という人にはもしかすると少し物足りないかもしれないので、ちょっと苦手だけど怖いもの見たさで読んでみたい、という人に丁度いいかもしれません。 ダラダラと馬鹿馬鹿しく面白い悪魔を憐れむ唄 古泉智浩hysysk元葉書職人の売れない芸人が悪魔に嫌がらせを受けながら漫才を頑張る話なのだが、何でこんなことを思いついて、何がやりたいのか全然分からない。謎のシュールな展開や妙に細かい芸人の世界の話を挟みつつ、ひたすらダラダラと馬鹿馬鹿しい出来事が続く。作中の漫才や大喜利は芸人に協力してもらう力の入れよう。同名で話題作があったため(こっちの方が先に描いてたにも関わらず)途中でタイトルが『テラートワイライト』に変わった。心の置きどころの問題だ五色の舟 近藤ようこ 津原泰水漫画を読む女S※ネタバレを含むクチコミです。<<1112131415>>
ひとつひとつの作品は、まるで別人が描いたように感じる。 でも、共通するものは、心の奥底をしっかり掴まれる感じ。 短編ですが、しっかり重厚感があり、奥行きも感じる。 私は、『みよちゃん、どこに行く?』が、好き。 くまん太が、みよちゃんが泣いているのを知って、助けに行くお話。 泣けます。