コミックエッセイの感想・レビュー95件<<1234>>誰もが大切なひとり今日もテレビは私の噂話ばかりだし、空には不気味な赤い星が浮かんでる ~統合失調症の私から世界はこう見えた~ Himacostarstarstarstarstar_border野愛統合失調症になった筆者が、発症から闘病生活、社会復帰までの道のりを描いた作品。 人間関係、家族、仕事など強いストレスを受けていたとは言え、何か特殊な経験や境遇にあるわけではない人がなり得る病気なのだと改めて気づかされます。 治療が必要と自覚できたり、家族の協力があるのでまだよかったのかもしれませんが、ひとりきりで発症してしまったらと思うと恐ろしいです。 それでも病気の恐ろしさを描くばかりの作品ではありません。 絵柄も語り口も優しく、苦しみに寄り添ってくれるような暖かさがあります。 辛くても苦しくてもあなたはあなただよひとりじゃないよ、というメッセージは他人事のように聞こえてしまうこともあるけれど、苦しみを体験した筆者の言葉は説得力があると思います。 誰もが社会の一員で大切な人なんだ、自分のことも他人のことも大切にしようと思える作品です。続きが気になる作品娘がいじめをしていました しろやぎ秋吾starstarstarstarstar_borderこめつぶ漫画だけど、過度なストーリーではなく、とてもリアルないじめを描いた作品です。 自分の子供がイジメられた時と自分の子供がイジメる側になった時に、親としてどう対応していくのが正しいのか、難しい問題だなと感じました。 最後まで読みたい漫画です。 本当に何でもないリアルがここに恐らく誰の人生にも影響を及ぼすことはない僕のサラリーマン生活 青木ぼんろstarstarstarstarstar_border六文銭タイトルに偽りなしとはこのこと。 サラリーマン生活はもちろんなのですが、日常生活で起きそうなことを描いた作品。 例えば ・隣の上司のキーボード音や貧乏ゆすりがうるさい ・牛丼屋で自分の席だけアクリル板の幅が狭い ・コンビニでスープ春雨買ったのに箸ではなくスプーンだったとき などなど、理不尽だったり不憫だったりすることをおもしろおかしく描いた作品。 1話が短くするする読めてクスリと笑える感じが、スキマ時間に読むのに最高でした。 あと身の回りに起きたちょっとしたイヤなことを面白おかしくマンガにするの、良い再利用方法だなって思いました。 イヤなことはネタにしたほうが、まだ精神衛生上良い気がしました。「チカチカ」にそんな意味が…!?隣の家からのチカチカが止まらない話 サル山ハハヲポコニャン※ネタバレを含むクチコミです。 彼女の人生を変えたのはある“下着”との出会い #1巻応援ランジェリー・ブルース ツルリンゴスターsogor25派遣社員として働く34歳の女性・深津ケイは、仕事も恋愛もちゃんと自分で選んで生きてきたはずなのに 、どこか自分の存在が自分から遠いような感覚を覚えていました。 そんな中で彼女は友人からあるお店を紹介されます。 「予約をしている」と言われたそのお店は自分では入らないような下着店。 そこで店員さんに選んでもらったブラジャーは、サイズや着心地が合う以上の衝撃を彼女にもたらします。 言うなればそれは「私が私をつかまえた感覚」。 この作品はともすれば性的なアイコンとして捉えられてしまいがちな下着というものを 誰のためでもない“自分のために選ぶ”という経験をきっかけにして ケイが新たな人生のステップを歩み始める様子を描く作品です。 下着から自身をエンカレッジする感覚はもしかしたら女性特有のものかもしれませんが、どんなアイデンティティを持っていても読めば何か心に引っ掛かりが生まれるような物語づくりがされているので、表紙に気負うことなくいろんな方に手にとってもらいたい作品です! 赤には気をつけろ。赤い隣人~小さな泣き声が聞こえる 野原広子starstarstarstarstar_borderゆゆゆ※ネタバレを含むクチコミです。懐かしくて笑えて泣けるしなのんちのいくる 仲曽良ハミstarstarstarstarstar六文銭懐かしの昭和を描いた作品で、なんともおっさんホイホイな1冊。 ファミコンや駄菓子屋、めんこなどのアナログの玩具。 およそ昭和生まれにささるワードがビンビンあって、たまらなかったです。 特に、父親と一緒に紙飛行機を飛ばすシーンに心を鷲掴みされました。 あぁ、これだよ、こんなので子供の頃は感動してたんだよと主人公とシンクロしました。 物質的な豊かさや、インターネットなど技術的な利便性では実現できない人間同士の繋がり、不可逆的な時代の流れに思いを馳せて、懐かしくて泣けました。 基本ギャグ路線なのに、急にノスタルジックなものを差し込まれるの弱いです。 子供のころのって、毎日の授業とかマラソン大会とか強制イベントが多いので、意外と不自由であんま楽しかった思い出がないのですが、 この本読むと、主人公やその友人たちは、毎日フリーダムに楽しそうなのが、いいですね。 昭和うまれにおすすめしたい1冊です。 なんとなく読み始めたが興味深い内容だった母親を陰謀論で失った まきりえこ ぺんたんマンガトリツカレ男陰謀論の内容ははともかく家族が崩壊していく様はなかなか悲惨だった。これ陰謀論だけで発生するわけでもなく家族の誰かが自分自身が真実を知った、自分たちが伝えないといけない、仲間内でどんどん煮詰まっていくとかの要素が揃えばどこでも起きてもおかしくないんだよな 家族と疎遠になる理由母親を陰謀論で失った まきりえこ ぺんたんstarstarstarstarstar_borderゆゆゆnote記事のコミカライズ。 文字多めで、1ページに4コマ的な8コマの漫画です。 家族が、異なる世界(思想)へ行ってしまったら。 普通に会話していたのに、ある話題になると言葉が突然通じなくなる。 怖さで冷え冷えします。 一緒に生活しなければならない環境だと、なおさら大変そうです。 あちらの世界へ行ってしまった人は、みんな普通の人(なのに家族と疎遠になっていることを受け入れ、新たな知人を大切にしている)とあったので、対岸の火事ではないのだろうと思います。 私も動画を見ている親に、陰謀論に気をつけろという話をしたことはありますが、絶対に大丈夫かはわかりません。 漫画を読んでいると、いつあちらの世界に惹かれて行ってしまうかわからないようですから。 原作者さんのおかあさんも、いつか戻ってきてくれるといいなと思いました。作品タイトルは、誰が口にした言葉なのか。わたしが誰だかわかりましたか? やまもとりえstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ癇癪を起こしやすかった我が子。 子育てに夫婦ともに疲れ始めた頃、夫はカルトに傾倒し始めた。 離婚して、シングルマザーとして、中学生の子供を育てている主人公。 主人公は、それぞれのご家庭に少しはありそうな要素がギュギュッと詰め込まれた設定。 離婚したことで、周りの人々がいう言葉が嫌味に覚える。 離婚したことで、年齢に引けを取りつつもお母さんでなく女としての気持ちも揺れ動く。 等身大の、身近にいそうな女性設定。 子どもは手が離れ始める年齢のせいか、主人公はあまり子供を構ってあげられていないように見える。 反抗期だから、構ってあげても大変なんだろうか。 サトルくんなのに、学校が同じだった人に「親がカルトにハマったカトルくん」なんて呼ばれて辛い思いをしているとは、きっと言われるまで気づかないんだろう。 自分の悩み、子どもが抱えている悩み、人付き合い。 生活していると浮上してくる様々な悩みが平行して描かれる。 そして、表題。 誰が口にした言葉なのか。 みんな「わたしが誰だかわかりましたか?」と聞いてきていそうな気がしてくる。 なんなら、主人公も言ってそうな気がしてくる。 最終章で、仕掛けがわかったあとに残る疑問は、主人公が「わたし」の正体に気づいていたかどうか。 わかっているとにおわせる章タイトルや行動だけど、正解を掴んだかどうかは語られない。 読者は「わたし」の正体を知ることができるのに、彼女が、かつてやりとりしていた相手が本当は誰か知っているかどうかは、わからない。 あとがきの前のピアスの写真が、誰かを愛する「女」であること、あったことを想起させて、なんとなく好きだ。 このコミックが出された「シリーズ 立ち行かないわたしたち」はコミックエッセイとセミフィクションのシリーズとあるのだけど、なるほどねと思ってしまった。 たしかにうまく行かないことはあるし、完全なノンフィクションのように劇的なスッキリとしたラストでもない。 モニャモニャしてしまう。 こういうのが、レタスクラブ読者に共感を呼びやすい内容と展開なのだろうか。 とはいえ、どうなったらスッキリとする展開なのかと言われると、悩ましい…。 次にくるマンガ大賞2023 Webマンガ部門1位気になってる人が男じゃなかった 新井すみこstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ男だと思っていた推しが女で、さらに隣の席で。 挙げ句に音楽の趣味まで合って。 女同士だから百合でいいのか。 いや恋愛感情を超えた友情? 「友情」なんて、そんな言葉でおさまらない「何か」のような気もする。 「何か」が何だと言われると、「青春」? なんかちがうな、なんだろう。 恋愛なのか友情なのか青春なのか、うまく表現できないけども、二人の何気ないはずの日々に起こる、ちょっとした、でも当事者にはビッグイベントの数々。 「わー、いいね!すごくいい!!」と言って、バンバン机を叩きながら読みたくなるそんなお話。 黄緑と黒のイラストが独特な雰囲気をもたらしていて、さらに良いです。 恐竜もひとも町も優しい恐竜はじめました クラナガstarstarstarstarstar_border野愛この町で暮らしたい、恐竜と暮らしたいと読んだら必ず思うはずです。 なぜか恐竜が次々と見つかるようになった町で、優しいひとたちが優しい恐竜と幸せに暮らすお話です。 ちょっと遠出してみたり、お仕事したり、お隣さんとご挨拶したり、何気ない日常の中にかわいらしい恐竜がいるだけで多幸感がましましになります。 寝ぼけてる姿も小松菜食べてる姿もすべてが愛おしい、それを見守る白亜町の人々も愛おしいです。 恐竜と暮らすなんて現実ではありえないことですが、穏やかで優しい時間が流れる白亜町はすぐ近くにありそうな気がします。 私たちは恐竜と暮らせないけれど、優しい町の優しい漫画を読んでちょっと優しくなりましょう。ちょっと幸せになりましょう。旦那も不倫相手も周りも糞が多すぎ腐りゆく家族 きむらかずよ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 この夫のキモさは今までで一番かも腐りゆく家族 きむらかずよポコニャン※ネタバレを含むクチコミです。事実はマンガより奇なり #1巻応援メンヘラ製造機だった私が鼻にフォークを刺された話 前田シェリーかりんこ兎来栄寿最近、ビッグモーターの醜聞が巷を賑わせています。この時代に、そんなことが現実に有り得るのかと思えるほどの話が連日続々と出てきて驚かされます。 ただ、大谷翔平選手や藤井聡太七冠がマンガでも描かれないような大活躍を見せてくれているように、良くも悪くも時として現実はフィクションを超えていきます。 実際に筆者が体験したことを描いたという、この作品もまたある種の現実を超える話です。 異常な元彼に鼻をフォークで刺されるなど一歩間違えれば死んでいたほどのさまざまな暴行を受けて記憶障害が起きた上に、一人の人間としての尊厳をズタズタに侵されてしまう筆者。そのえげつない相手に対して、徹底的に抗戦していく様子が描かれます。 美人のヒロインが鼻にずっとフォークが刺さって痛々しい姿のまま、というのは創作ではなかなかやれないでしょう。岡田あーみんさんや美川べるのさん、東村アキコさん辺りの絵で想像できなくはないですが、9割以上編集に止められそうです。 元彼や彼の親族の異常性が言動からも絵からも滲み出ていますが、恐ろしいことにこういう人種は全然実在するんだよなとも思ってしまいます。警察における暗部が仄めかされる部分も、その範疇です。 ただ、散々な出来事ではありますが、周囲に良い人が多かったのは不幸中の幸いで良かったなと思いました。彼らがいなかった時のことを想像するとゾッとします。 凄まじい体験談ですが、真に恐るべきはあとがきによれば筆者の中ではこれはまだ人生の中でマイルドな話らしいということです。これ以上の話も見たような、見たくないような。 なお、描き下ろしの秘められた想いとその結末も、とてもリアルだなと感じました。アクの強い友人たちとパンチの効いたエッセイうちらはマブダチ やまもとりえさいろくイラストレーターやまもとりえ先生の美大時代から続くエピソード。 著者が在籍していた美大の卓球部がカオスで面白い。 破天荒な友人が多いのだが、これみんな実在するんだと思うと会ってみたくなるね。 とても青春していて、人と人って繋がるよねーと我が身を振り返ったりしました。 食と浴を楽しく共にできる相手 #1巻応援ご飯にする?お風呂にする? 小夏と美冬の秘密の関係 萌まるこ兎来栄寿バリキャリ系クール美人上司・美冬と、誰にでも分け隔てなく優しく笑顔で可愛い系の部下・小夏。会社ではただの同僚と思われているふたりが、実はプライベートでは日々こっそりと食事をして一緒にお風呂に入る仲。そんなふたりの日常が綴られていきます。 小夏には普通に付き合っている彼氏もおり、美冬と小夏は友達以上恋人未満な関係性。お互いに少しずつ意識しだして悶々とする時期特有の良さを、長めに噛み締め味わうことができる内容です。 毎回、美味しいご飯(と言ってもそんなに気取ったものではなく、焼肉やラーメンなど)を食べて、お風呂でリラックスするという人間にとって大事な「食事」と「入浴」がタイトル通りフィーチャーされているのが良いです。読んでいてリラックスできます。 美冬が小夏に語る ″明日の自分を作るのは あなたが今日食べた食材たち!″ ″まずは一日三食しっかり食べなさい!″(海老フライを食べながら) ″それともう一つ しっかりと体を温めて ちゃん疲れをとること!″(入浴しながら) という言葉は、過酷な現代社会で生きる上でとても大切なことであると思います。忙しく荒れてしまいそうな時こそ、これらの基本的な事柄を大切にしたいところです。 男女カップルだと数少ない混浴の風呂に行かねば一緒に入ることはできませんが、女性同士なら大抵のところで一緒にお風呂に入れるというのは良いなと思いました。美味しいものを食べたり色んなお風呂に行ったり気兼ねなくできる相手がいるというのは、とても幸せなことですね。 ゆったりと力を抜いて楽しめる作品で、百合好きの方にもお薦めです。もしかしたら他人事ではない話欲しがるあの子を止められない ぱん田ぱん太ポコニャン※ネタバレを含むクチコミです。命マジで短し! 濃いぜよ、乙女(ばあさま)! #1巻応援人生謳歌!元気ばあさま しまだ兎来栄寿アラサーではなくアラサン(アラウンド傘寿)。でも、すこぶる元気な「乙女」(と書いて「ばあさま」と読む)たちのパワフルギャグ×ハートフルストーリーです。 孫の恋路を全力応援して、『へうげもの』みたいな効果音でしたたかに笑みを浮かべるばあさま。 夏休みに田舎に遊びに来た完璧な小学生を、勉強から解き放ちジャンクフードや娯楽で堕落させることに命を賭けるばあさま。 周りがどんどん結婚や出産といったライフイベントを重ねていく中で孤独死を迎えたくないと焦燥感に駆られる34歳独身女性を優しく元気づけるばあさま。 亡くなったじいさんと友人のカップルへの秘めた想いを解放させながら創作意欲に駆り立てられ、液タブを使いこなしSNSでも人気を博すばあさま。 4人のばあさまたちがエネルギッシュに楽しそうに躍動する姿は、読んでいるこちらも活力をもらえます。 高らかに飛ばされるデスジョークの数々も秀逸です。世間でも高齢者による川柳であったり、18歳と80歳の違いであったり、高齢者の悲哀や辛苦は笑いへと置換されがちです。聞いている方からすると反応に困るデスジョークですが、考えてみればそれも運命を受け入れる適応規制のようなものかもしれません。 ″人生が計画通りに行くことなんて 皆無!! 今後失敗なしで生きていくなんて絶対に 不可能!!″ という、28歳から5年付き合ったけど「結婚は考えられない」と彼氏と別れた女性に対するばあさまの教えは至言です。 辛いことは多くても、たまに良いこともある人生を全力で生きていきたい。そんな風に思わせてくれる一冊です。 未来の指針10年後の花嫁 岡野く仔starstarstarstarstar_borderゆゆゆ未来の自分と花嫁が映っている写真を手に入れたら、あなたはどうしますか? 主人公のジューはその子を探すことにした。 高校に入って彼女を見つけ、そして恋に落ちた。 恋に落ちてハッピーエンドでおしまいかと思いきや。 いろいろあります、青春だもの。 さすがに学園内バトルはありませんが、思春期の心は揺れ動きます。 未来の指針である写真に沿って動くジュー。 でもそれは実は相手を人としてみていなくて、八方美人になってしまっているような。 結局、主人公が誰と結婚するのかは、ラストを見てのお楽しみに。子どもも大人もしんどくない子育て怒りたくて怒ってるわけちゃうのになぁ きしもとたかひろstarstarstarstarstarママ子理想と現実は違って日々色々なことに悩み気づきながら保育している所に「そうそう!わかる!」とても共感できた。「子どもも大人もしんどくない子育て」を応援しつつ、自分自身も目指して行こう!と前向きになれる作品だった。もっとやれることがあったのではないかと自問していまうけど・・・私がシングルファザーになった日 きむらかずよ りゅーちゃんねるstarstarstarstarstarママ子近親者を亡くした方は皆さん共感してしまうと思います。 奥様が急に倒れた。その時はいきなりで、寄り添って見守ることしかできない、無力さ。 よくなってほしいと楽観的に持つ希望と、最後の時がいつ来るかわからない不安とが親族三世代誰を見てもつらいものだった。 うちの子はもう少し大きくなってから祖母を亡くしたので、わかってるところもあり見ているこっちがつらかった。 悲しんでいても時間は立ち、生活しなくてはいけない。 忘れなくていい、つらくていい、前を少しだけ向いて歩いてほしい。 レシピ本って漫画じゃないと読む気しないから全国の農家さんがおすすめ! みんなのどんぶり食堂 杏耶 JA全農広報部野愛漫画ではなく完全にレシピ紹介のための作品なんだけれども、レシピ本だったりJA広報の冊子だったら絶対読んでないわけだからそれだけで漫画としての価値がある。 鮮明な写真で見せられる以上に、ご当地の美味しそうな食材や真似したくなるレシピや美味しい料理に喜ぶ人たちの笑顔が伝わってくる。空腹時に読んだらたまらないし、ごはん作るのめんどい…って時に読んだら料理したくなる。 緻密なストーリー性やキャラクター設定があるわけじゃないのに漫画というコンテンツの素晴らしさに気づかされた作品。 めちゃくちゃ大げさなことを言ってる自覚はあるけど、とりあえず美味しそうだから読んでみて損はないです!タワマンに住んで後悔したいタワマンに住んで後悔してる グラハム子 窓際三等兵六文銭何かと話題のタワマン文学なるもののコミック。 「タワマン文学」・・・これ自体、つくづく今の時代っぽいなと思う。 SNSを通して、芸能人だけでなく、これまで見えてこなかった一般人の生活が筒抜けになり、そこでセレブで綺羅びやかな生活を過ごす方々(本当かどうかは別として)と自分を比較し嫉妬や憎悪を募らせる。 特に、その富の象徴と格差の証明としてタワマンがそびえ立つわけです。 本作も、そんなタワマンに惹かれ、そしてタワマンですり減っていく人々を描いた作品。 中の上くらいの一般家庭が無理して住んでしまったケース。 パワーカップルの家庭のケース。 高給取り夫をもつ家庭のケース。 同じところに住んでいるが、異なる悩みと葛藤を抱える3人。 決してわかちあうことなく、建前だけで過ごす日々。 比較され、競争心を煽られ、何が正しいのかもわからなくなっていく。 読んでいてつくづく、本当の幸福ってなんだろう?って思ってしまった。 少なくとも、世間の評価が自分の幸福と必ずしも一致しないことだけは言える。それは、この3人がぞれぞれ出した結論にもつながっていると思いました。 自分らしさ、とは何か? 自分の立ち位置を相対評価で判断したくないものです。 とはいえ、一度くらいタワマン住んでイキってみたいっすね。 後悔するだけ、羨ましいとちょっと思ってしまいました。<<1234>>
統合失調症になった筆者が、発症から闘病生活、社会復帰までの道のりを描いた作品。 人間関係、家族、仕事など強いストレスを受けていたとは言え、何か特殊な経験や境遇にあるわけではない人がなり得る病気なのだと改めて気づかされます。 治療が必要と自覚できたり、家族の協力があるのでまだよかったのかもしれませんが、ひとりきりで発症してしまったらと思うと恐ろしいです。 それでも病気の恐ろしさを描くばかりの作品ではありません。 絵柄も語り口も優しく、苦しみに寄り添ってくれるような暖かさがあります。 辛くても苦しくてもあなたはあなただよひとりじゃないよ、というメッセージは他人事のように聞こえてしまうこともあるけれど、苦しみを体験した筆者の言葉は説得力があると思います。 誰もが社会の一員で大切な人なんだ、自分のことも他人のことも大切にしようと思える作品です。