気になってる人が男じゃなかった
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

CDショップで働いているミステリアスな「おにーさん」が気になってしょうがない女子高生・あや。しかし「おにーさん」の正体は、話したこともない、クラスメイトの目立たない女子・みつきだった――。Twitterで最高に注目を集める女同士の「愛情」を巡る物語、待望の書籍化。みつきの過去をめぐる、描き下ろしストーリーを収録。【電子特典:描き下ろしイラスト付き】

Nirvanaを聴きながら #1巻応援

先日公開されたコミックHOWLのインタビュー記事で、マンガ愛溢れる編集長が今一番注目している作品として挙げ、更にはできるなら自分で担当したかったとまで言っていたのがこちらの作品です。 https://manba.co.jp/manba_magazines/22111 Twitterで公開され始めて以来絶大な人気を誇る、説明不要レベルの作品でしょう。 この作品、まず何と言っても新井すみこさんの絵が良いわけです。表紙イラスト1枚見れば解る絶妙なアングルを描ける画力。更にファッションセンスや表情も光ります。敢えて表紙もフルカラーでないところもニクいですね。これが、作中では更にヴィヴィッドになります。 メインとなるJK2人が、洋楽好きを切っ掛けに仲良くなるというのもグッとくるポイントですね。同じ物を好きな者同士が共感して距離を縮める瞬間の美しさ。思わずNirvanaを流しながら単行本を読み返しました(そう言えば最近はSonata Arcticaとかどうしてるんだろう、と思わず昔好きだった海外バンドの動向を調べてはまだ元気に活動をしているのに嬉しくなるなど)。 そして、この物語に厚みを与えているのが彼女たちを取り巻く人物も含めたバックボーンです。そもそも何故彼女たちはそんなに洋楽を好きなのか。それをどのように愛していたのか。その掘り下げ方からもたらされるえも言われぬ想いの丈が、良さみを凝縮した弾丸となって胸を撃ち抜かれます。いい……。 細かい好きポイントも無数に生まれざるを得ない、細部にまで手を入れられた素敵な作品です。 今年を代表し、さまざまな賞などでも顔を見そうな注目作。未チェックの方はぜひこの機会に読んでみてください。

兎来栄寿
兎来栄寿

二人の関係性が最高に心地よい

いわゆる陽キャのグループに属するあやが気になっているのは、自分の好みの音楽がかるCDショップのクールな店員さん。 しかもその店員は男だと思ったら実は女性で、クラスでは目立たない、どちらかという陰キャな同級生みつきだったという話。 対照的な2人だが、ニルヴァーナやレディオヘッドなどの洋楽ロックが好きという共通点で少しずつ心を通わせていく流れ。 この関係性、もう最高でした。 百合的な作品で紹介されてて、自分はあまり百合系の作品は好んで読むタイプではなかったのですが、本作は刺さりました。 個人的に百合というか、友情として捉えるほうが正しい気がしますし(最初は男だと思っていたし)、それぞれが大事にしているものがあって、どんなものであっても尊重し合う姿は友情そのものだなと思います。 同じ価値観を強制される同調圧力の激しい学校という場所では、自分の好きを貫くのが難しい。 自分もマイナージャンルが好きだっただけによくわかります。 自分の価値観に従うのって勇気がいりますよね。 批判されると人格否定された気分になるし。 だからこそ、それが少しでもわかってくれる人がいる喜びは何事にも代えがたいですよね。 2人の関係がまさに、この価値観の共有にあって、少しでもこの経験があった人には共感できると思います。 まだ、物語は動きだしたばかりですがハイセンスな絵柄で、テンポよく進む展開はやみつきになりそうな予感です。

六文銭
六文銭
ニンゲンの飼い方
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

魔獣や魔人が住む世界。ここには数年に一度どこからともなく、まるで転生されたように「ニンゲン」が現れる。食べ物も気を使わないといけないし、ちょっとした気温の変化ですぐに体調を崩し、小さな段差でケガをしてしまうひ弱さ。だが、「ニンゲン」にはウネ(犬)やノサ(猫)、エシグ(うさぎ)にはない独特の忠誠心、賢さ、愛らしさがあり…。出会いや日常生活のレポマンガと生態図解も掲載された、初めて「ニンゲン」を飼う人も安心の1冊!

描描猫猫 猫アレルギーだけど猫飼いたすぎ物語
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

40歳独身、一人住まいのしがないフリーランス暮らし。はたから見れば地味極まりない生活かもしれないけれど、けっこう楽しく暮らしている。でも…もしも一つだけ…望むとすれば…猫、飼いたいよー――う!!!物心ついた時から無類の猫好き、食欲よりも性欲よりも猫欲が強いくらい猫が好きなのに、重度の猫アレルギーゆえに飼うことが叶わなかった悲しみの日々。そこから一転して猫のいる奇跡のような今。猫ナシの過去と猫アリの現在がフクザツに交錯を重ねる、猫・猫・猫に全身全霊を捧げるコミックエッセイ!

あたしゃ川尻こだまだよ
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

ダメ妖怪のダメ妖怪によるダメ人間のための一冊!「もう夜遅いけどお腹空いたな…」、「これ以上、お酒を飲んだらマズいかな…」、「あれもこれも欲しいけどどうしよう…」あなたのそんな悩みを川尻こだまが一気に解決。お腹が空いたなら食べましょう! 飲みたいなら飲みましょう! 欲しいなら買いましょう!全編フルカラー化! 描き下ろしには健康診断編を含め30P以上!THE・反面教師となる逸材がここに!最強の肯定力妖怪「川尻こだま」による背中を押してくれる系コミックエッセイ。※電子限定特典として完全描き下ろしエピソード10ページを収録!

わたしがだれだかわかりましたか
わたしが誰だかわかりましたか?
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

バツイチ子持ちで、誰かを信じることに疲れ切っていたある日、同じバツイチの男と運命的な恋に落ちた。でも、そう思っていたのは私だけだった?40歳を過ぎての恋、反抗期の息子、産婦人科に通う友人…平凡な物語はやがて、予想を覆す結末へ。他人を信じるとは、信じた人に裏切られるとは何か。「人を信じること」の意味を問いかける、最後の1コマまで先の読めない衝撃のセミフィクション。全ページフルカラーで描く、やまもとりえ渾身作。【あらすじ】海野サチ、42歳、先日シングルマザーになった。42年間まじめにコツコツ誰にも迷惑かけずに生きてきたのに、手元に残ったのは親身になってくれぬ友人と、反抗期の息子と、その息子を養うための仕事だけ。そんなある日、サチは仕事の集まりで同じくバツイチ子持ちの男と出会い意気投合する。何年ぶりだろう、男の人の手に触れたいと思ったのは。初めてかもしれない、男の人の匂いをかぎたいと思ったのは。男とメールをするうちに恋に落ちていくサチ。しかし男は仕事と育児を理由に会おうとせず、サチはSNSなどで調べ始めるのだが…。【「シリーズ 立ち行かないわたしたち」について】「シリーズ 立ち行かないわたしたち」は、KADOKAWAコミックエッセイ編集部による、コミックエッセイとセミフィクションのシリーズです。本シリーズでは、思いもよらない出来事を経験したり、困難に直面したりと、ままならない日々を生きる人物の姿を、他人事ではなく「わたしたちの物語」として想像できるような作品を刊行します。見知らぬ誰かの日常であると同時に、いつか自分にも起こるかもしれない日常の物語を、ぜひお楽しみください。

作品タイトルは、誰が口にした言葉なのか。

癇癪を起こしやすかった我が子。 子育てに夫婦ともに疲れ始めた頃、夫はカルトに傾倒し始めた。 離婚して、シングルマザーとして、中学生の子供を育てている主人公。 主人公は、それぞれのご家庭に少しはありそうな要素がギュギュッと詰め込まれた設定。 離婚したことで、周りの人々がいう言葉が嫌味に覚える。 離婚したことで、年齢に引けを取りつつもお母さんでなく女としての気持ちも揺れ動く。 等身大の、身近にいそうな女性設定。 子どもは手が離れ始める年齢のせいか、主人公はあまり子供を構ってあげられていないように見える。 反抗期だから、構ってあげても大変なんだろうか。 サトルくんなのに、学校が同じだった人に「親がカルトにハマったカトルくん」なんて呼ばれて辛い思いをしているとは、きっと言われるまで気づかないんだろう。 自分の悩み、子どもが抱えている悩み、人付き合い。 生活していると浮上してくる様々な悩みが平行して描かれる。 そして、表題。 誰が口にした言葉なのか。 みんな「わたしが誰だかわかりましたか?」と聞いてきていそうな気がしてくる。 なんなら、主人公も言ってそうな気がしてくる。 最終章で、仕掛けがわかったあとに残る疑問は、主人公が「わたし」の正体に気づいていたかどうか。 わかっているとにおわせる章タイトルや行動だけど、正解を掴んだかどうかは語られない。 読者は「わたし」の正体を知ることができるのに、彼女が、かつてやりとりしていた相手が本当は誰か知っているかどうかは、わからない。 あとがきの前のピアスの写真が、誰かを愛する「女」であること、あったことを想起させて、なんとなく好きだ。 このコミックが出された「シリーズ 立ち行かないわたしたち」はコミックエッセイとセミフィクションのシリーズとあるのだけど、なるほどねと思ってしまった。 たしかにうまく行かないことはあるし、完全なノンフィクションのように劇的なスッキリとしたラストでもない。 モニャモニャしてしまう。 こういうのが、レタスクラブ読者に共感を呼びやすい内容と展開なのだろうか。 とはいえ、どうなったらスッキリとする展開なのかと言われると、悩ましい…。

ゆゆゆ
ゆゆゆ
私は私を幸せにする方法を知ってるんだ
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

「内向的」で「HSP」な著者による漫画とエッセイ。人によっては「あるある」と共感したり、「へ~」という新発見があったり、はたまたクスリと笑えたり、ほっこりしたりもしてしまう…。そんなエピソードをお届け。幼少期から集団の中にいると、いつもどこか緊張していてぎこちない。なんとなくまわりから浮いていて、でも1人の時間と家族といる時間だけは、自分らしくいられた。そんな自分を変えたくて無理をする日々。人生が合っていないような、ぬぐえない違和感…。頭と心と体がちぐはぐなまま生きていた。ある日、自分が「内向的」で「HSP」だということを知ると、今までズレていた人生のピントが初めて自分に合った気がした。これは「私が私を取り戻す」までのキロクである。内向的な人、HSPな人、それ以外にも生きづらさを感じている人に読んでほしい1冊。

うちう猫と柴犬
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

ライブドアブログでペット(総合)ランキング1位を獲得した大人気の「柴犬どんぐり」のもとに奇妙な三毛猫がやってきた!オーブを呼ぶ!?口の中に未知な生き物の影!?まるで宇宙からやってきた、通称“うちう猫”のたんぽぽ。突然三毛猫を飼うことになった著者のひまがおおらかな先住犬どんぐりとたんぽぽに振り回される!癒しと笑いのドタバタな毎日!たんぽぽとどんぐりの初対面から描きおろしもたっぷり収録。SNS累計フォロワー数7万人超、月間PV数170万の大人気著者の単行本第3弾

父娘ぐらし
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

55歳、独身、ギャグ漫画家。このまま一生、ひとりで生きていくものだと思っていた。ところが2人の娘をもつ女性との結婚で突然、父となり、思いもよらず小学生の娘との2人暮らしをすることに。子どもができて、目に見える街並みが、慣れ親しんだ生活が、人生が180度変わった。娘との生活で経験した驚きと苦労、そして喜びを、飾ることなく本音で綴った著者初のエッセイ漫画。noteで大反響を呼んだ『55歳独身ギャグ漫画家 父子家庭はじめました』に、単行本でしか読めない描き下ろしを加えて待望の書籍化!

怒りたくて怒ってるわけちゃうのになぁ
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

学童の支援員(放課後児童支援員)として多くの小学生と時間を共に過ごしてきた著者・きしもとたかひろ。保育の基礎を学び、子どもたちと毎日を笑顔で過ごしたいとこの道に進んだものの、実際は子どもたちの危ない行いを制止したり、ルールを厳しく伝えたり…と子どもを叱っては落ち込む日々。その中で得た気づきから、お互いが笑顔で過ごせるために何が必要かを学童支援員仲間や、保護者、何より子どもたちの声を元に考え、【子どもと関わるときに気をつけたいこと】としてマンガにまとめました。「忘れものをしたとき」「素直に謝れないとき」「いじわるな言動をしている子に」「手を出してしまう子に」といった子どもに注意を促す場面から、「子どもを褒めるときに」「打たれ弱い子に伝えるときに」「その場しのぎの約束をするとき」など大人が声をかける時に意識したい視点など。学童で過ごす子どもたちのリアルな言葉や行動を事例にしたマンガをきっかけに、専門的な視点と子どもの思いを第一に考えて関わる実践方法をまとめました。

母のお酒をやめさせたい
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

「お酒を飲んでいないお母さんは優しい。だけど、お酒を飲んでいるお母さんと一緒にいると、いつも苦しくなる」アルコール、覚醒剤、ギャンブル、ゲーム…人は誰でも依存症になる可能性があり、依存症に苦しんでいるのは大人だけではない。依存症の家族に振り回され疲弊している子どもたちや、自身が依存症に陥ってしまう子どももいる。本人の意思だけでは回復できない依存症という困難、家族や子どもたちの葛藤と絶望、そして、回復への道のり。自身も様々な依存症で苦しんだ経験を持つ漫画家が、子どもの視点から描く壮絶なエピソード。啓発マンガの枠を凌駕する、感動を呼ぶ渾身の一作!【目次】●第1章 ギャンブル依存症第1話 母が怒るのをやめさせたい第2話 夫のギャンブルをやめさせたい●第2章 ゲーム障害第3話 僕はゲームがやめられない第4話 息子のゲームをやめさせたい●第3章 薬物依存症第5話 俺の秘密を知られたくない第6話 父の秘密を知りたい●第4章 アルコール依存症第7話 母のお酒をやめさせたい第8話 お酒をやめなかった父第9話 母がお酒をやめた日●番外編 生き延びるための依存電子書籍版は全ページフルカラーで収録。

どちらかの家庭が崩壊する漫画
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

【SNSで400万いいね獲得!】「スリルとモヤモヤが止まらない」ファミリーサスペンス漫画エリートの薬師寺家と、無職の毒山家。どちらかの家庭が“崩壊”する!?世間の目からは幸せそうに見える「エリートの家庭」では、主婦・ユイが、身勝手な夫や非常識な義母に悩まされていた。一方で「無職の家庭」では、毎日パチンコ三昧で働かない主夫・ゴンが家庭を守っていたが、やがて犯罪に巻き込まれ…。SNS配信時の『大晦日にどちらかの家庭が崩壊する漫画』に大幅に加筆し、全ページをオールカラーでお届け!豪華リニューアル版としてファン必携の一冊に仕上がりました

主婦・ユイのほうの義母がリアル

孫に会いたい気持ちと、良いことをしている自分に酔うのを並立させちゃうかんじがリアル。 突然理由をつけて行くよ連絡に始まり、好みでない服を渡されるとか、子どもの面倒をみるといって古い知識で対応されるとか。 さらに、ユイの夫はダメ男過ぎて、読んでいて心がしんでしまう。なんでこいつと結婚した。 とはいえ、対照となる毒山家がイクメンお父さんとなっているのは、働いてないからだろうなと思った。 二人でみているから余裕がある。 お金はないけど。 赤ちゃんは大人二人で1から10まで面倒をみないと、とても大変。 そして毒山家義母は、嫁に好みでない、サイズも不確かな服じゃなく現金を手渡してくれる。 よくわかっている。 現金。 商品券じゃなく、現金。 取っておけば、子どもが成長したときの資金になり、使えば今助かる。 封筒にすら入ってないのが生々しいけど、そんなのは些末に感じるほど、いらない服や夫婦で決めたかったアレヤコレヤの押し付け(知人談)と比べると、現金は嬉しい。 作中の義母ふたりは、自分が当時必要だったものを与えているだけかもしれない。 それなのに差が生まれるのは、結婚相手の親は選ばなくても身内になってしまう他人、という距離感を忘れているからと思える。 夫婦の関係も危ういのに、義母が更に危うくしてくる。 どちらも崩壊しそうな、危ういところに立っている御夫婦のお話。

ゆゆゆ
ゆゆゆ

どちらの家族が幸せか? #1巻応援

薬師寺家と毒山家。幼い子が生まれて間もないふたつの家族の話が、同時並行的に描かれていく物語です。 一流企業に勤めるエリートでイケメンの旦那・シュウがいる薬師寺家に対して、ギャンブルに明け暮れろくに仕事もしてないスジモノのような外見の旦那・ゴンがいる毒山家。 そんな対照的な両家ですが、妻の薬師寺ユイと毒山海(マリン)はお互いにこれまでいなかった初めてのママ友となり交流を深めていきます。 ただ、最初の3ページと8〜9ページを見た時ではかなり両家への印象が変わっていきます。 更に、この物語のキーパーソンとなるのが姑。シュウの母親の聡子はシングルマザーであったこともあり、親子共に絆が強くユイや子供に対しても過干渉してきます。子育て中に事前連絡なしに何度も家に突然来られるのは、妻の立場だときついですよね。 一方で、ゴンの母親である虎乃はスナックを経営しておりざっくばらんな性格で海とも非常に気質が合っています。パチスロで買った現生を直接渡してくるなど生々しさはありますが、豪気で優しく温かい性格を見せます。 一見、完璧な家庭に見える薬師寺家の内部の綻び。逆にメチャクチャに見えながら互いを思い遣る心に溢れている毒山家。幸せとは何か、本当に大事なものは何かということを考えさせられます。 シュウの母親はいわゆる毒姑ではありますが、番外編では彼女もまた酷い夫と姑によって苦しんだ経験があることが仄めかされ、最悪の負の連鎖を感じさせます。自分が受けた痛みを違う形で他人に与えるのではなく、痛みを知っているからこそ労わる心を持って負の連鎖を断ち切り子供たちが笑顔で暮らせる世界にしていきたいところです。 育児、モラハラ、詐欺、不倫などに加えてSNSで縦読みを使ったにおわせ投稿など「今」感のある要素もふんだんに取り入れられており、実写ドラマ化などもされていきそうです。 なお、 「もっと善意の押し付けがユイを追い詰める感じにした方がリアルでいい」 というアドバイスをした横山了一さんの奥様は本作の陰のMVPだと思います。

兎来栄寿
兎来栄寿
夜逃げ屋日記
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
完了する
あらすじ

“夜逃げする人ってどんな人だろうと思ったけど…実はどこにでもいるようなワシらと同じ普通の人なんだ…”夜逃げ屋とは、DVをするパートナーや毒親などから逃げたい人々の引越しを手伝う業者。外からは普通に見える家庭でも、一歩踏み入れると見えてくる衝撃的な現実を、実際に夜逃げ屋で働く作者がリアルに描くコミックエッセイ。漫画家を目指すもうまくいかず、何が描きたいのかわからなくなっていた作者、宮野シンイチ。ある日、TVで見かけた夜逃げ屋という仕事と、そこを取り仕切る女社長の漫画を描きたいと思い取材を申し込む。取材当日、夜逃げの現場についていき、手伝うことになった宮野。壮絶な現場を目の当たりにした後、社長の鶴の一声で夜逃げ屋に就職することに。夜逃げ屋として働く人の視点から、夜逃げをする人達が抱えている苦しみや葛藤を描く。Twitterで掲載された話の他に、夜逃げ屋の女社長が経験したエピソードや、本編の裏話を描く夜逃げ屋雑談などの描き下ろしを45ページ以上収録し書籍化。