タワマンに住んで後悔してる
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あらすじ
同じタワマンの低・中・高層階に住む家族3組の虚栄と内情。そこから見えるのは救いか、絶望か。「タワマン文学」の先駆者、窓際三等兵氏のオリジナル描き下ろし原作を、『親に整形させられた私が母になる』などの話題作をもつグラハム子氏が漫画化!【あらすじ】九州から念願の東京転勤が叶い、憧れだったタワマン低層階の部屋を購入した渕上(ふちがみ)家。専業主婦の渕上舞は東京の生活に馴染めずにいたが、小学5年生の息子・悠真が入った野球チームには同じタワマンに住むママ、サバサバ系バリキャリウーマン・瀧本香織(中層階在住)とボスママ的存在のエリート駐在妻・堀恵(高層階在住)の2人がおり、すぐに仲良くなる。しかし転入早々、悠真がエースになったことで徐々に不協和音が…。低層階と高層階、専業主婦とバリキャリ、子どもの学力、夫の職業など、さまざまな軸で見えない競争意識に駆り立てられていく大人たち。同じタワマンの低・中・高層階に住む家族3組の虚栄と内情を描くセミフィクション。【解説】おおたとしまさ(教育ジャーナリスト) 「教育『熱心』と『虐待』のはざまで」【「シリーズ 立ち行かないわたしたち」について】「シリーズ 立ち行かないわたしたち」は、KADOKAWAコミックエッセイ編集部による、コミックエッセイとセミフィクションのシリーズです。本シリーズでは、思いもよらない出来事を経験したり、困難に直面したりと、ままならない日々を生きる人物の姿を、他人事ではなく「わたしたちの物語」として想像できるような作品を刊行します。見知らぬ誰かの日常であると同時に、いつか自分にも起こるかもしれない日常の物語を、ぜひお楽しみください。
「お前なんて安い低層階に住んでるくせにっ!」 子供同士の喧嘩ですら、こんなセリフの出てくる世界の何と歪なことか。 Twitterで大人気の窓際三等兵さんが原作の、タワマンを舞台にした群像劇です。 野球少年の息子を持つ九州から引っ越してきた淵上家の舞の視点から始まり、瀧本家、堀家の3つの家庭の様子を中心に描いていく構成となっています。 田舎では誰もそんな話はしていなかったのに、東京に来たら皆が子供の受験の話で持ちきりというのは大いにあるあるでしょう。私も、都心で育ち小学校6年生のころには半分くらいの生徒が登校しなくなりそれぞれ家庭教師や塾で毎日12時間以上勉強しているような環境にいたので、理解できる部分は非常に多いです。 夫の勤め先・年収・学歴や、子供の成績・特技、住んでいる階層など、すべてにヒエラルキーを作り終わりなき不毛なマウント合戦が繰り広げられる世界はそこらのホラーよりよほど恐怖に思えます。これが現実にも存在するので恐ろしいです。読んで、恐らく死ぬほどマウントを取られ続けて心を擦り減らしてきたであろう母に思わず改めて感謝してしまいました。 ただ、この作品の面白いところはステレオタイプなマダムとマウントバトルするだけではなく、それぞれの家庭の外から見た部分とは違う内情が描かれていくところです。どんなに華やかに思えたり羨ましいと思えるところでも、その裏には何があるか解らないというのもまたリアルです。そして、逆に元々は普通の田舎の家庭であった淵上家が都会の文化に染まり狂っていくところも見ていて苦しいですが見ものです。グラハム子さんのかわいい絵柄がクッションになっていますが、総じて現代の「人間」が色濃く描かれています。 ある種、今のタワマン最高層並に豪奢な生活をしていた友人の家庭の闇を直視した経験もあるので「幸せとは何だろう」「それは相対比較し続けた先に見つかるものなのだろうか」と考えずにはいられません。タワマンに限らず、SNS全盛で人間は羨望や嫉妬という感情を抱きやすい時代です。皆『ブッダ』や『咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A』を読んで、他人と比べて苦しむことから解き放たれて生きれば良いのにと思わざるを得ません。それができないから苦労するのもまた真理なんですけれども。 余談ですが、「第4章 嫌よ、埼玉なんて住みたくない」というサブタイトル、そして「埼玉はね みんな色々抱えてるのよ」というセリフが愛しくて堪りません。
兎来栄寿
兎来栄寿
何かと話題のタワマン文学なるもののコミック。 「タワマン文学」・・・これ自体、つくづく今の時代っぽいなと思う。 SNSを通して、芸能人だけでなく、これまで見えてこなかった一般人の生活が筒抜けになり、そこでセレブで綺羅びやかな生活を過ごす方々(本当かどうかは別として)と自分を比較し嫉妬や憎悪を募らせる。 特に、その富の象徴と格差の証明としてタワマンがそびえ立つわけです。 本作も、そんなタワマンに惹かれ、そしてタワマンですり減っていく人々を描いた作品。 中の上くらいの一般家庭が無理して住んでしまったケース。 パワーカップルの家庭のケース。 高給取り夫をもつ家庭のケース。 同じところに住んでいるが、異なる悩みと葛藤を抱える3人。 決してわかちあうことなく、建前だけで過ごす日々。 比較され、競争心を煽られ、何が正しいのかもわからなくなっていく。 読んでいてつくづく、本当の幸福ってなんだろう?って思ってしまった。 少なくとも、世間の評価が自分の幸福と必ずしも一致しないことだけは言える。それは、この3人がぞれぞれ出した結論にもつながっていると思いました。 自分らしさ、とは何か? 自分の立ち位置を相対評価で判断したくないものです。 とはいえ、一度くらいタワマン住んでイキってみたいっすね。 後悔するだけ、羨ましいとちょっと思ってしまいました。
六文銭
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今日も食欲を我慢できないリス
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あらすじ
新たな飯テロ漫画が誕生!食欲を抑えようとしても、我慢ができずに勢いよく食べてしまうリス。ハンバーガー、焼き立てのパン、ラーメン、焼肉、居酒屋、ピザ、クッキー缶、ブッフェ…など、日常にあふれる誘惑のグルメを目の前にしたら、我慢なんてできるはずがない!?欲望のまま食べまくるリスを主人公にした、WEBメディア「ウォーカープラス」の連載「今日も食欲を我慢できないリス」に描き下ろしをたっぷり加えて書籍化。さあ、我慢なんていらない世界へ、ようこそ。思うがままに食欲を満たそう!
わたしがだれだかわかりましたか
わたしが誰だかわかりましたか?
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あらすじ
バツイチ子持ちで、誰かを信じることに疲れ切っていたある日、同じバツイチの男と運命的な恋に落ちた。でも、そう思っていたのは私だけだった?40歳を過ぎての恋、反抗期の息子、産婦人科に通う友人…平凡な物語はやがて、予想を覆す結末へ。他人を信じるとは、信じた人に裏切られるとは何か。「人を信じること」の意味を問いかける、最後の1コマまで先の読めない衝撃のセミフィクション。全ページフルカラーで描く、やまもとりえ渾身作。【あらすじ】海野サチ、42歳、先日シングルマザーになった。42年間まじめにコツコツ誰にも迷惑かけずに生きてきたのに、手元に残ったのは親身になってくれぬ友人と、反抗期の息子と、その息子を養うための仕事だけ。そんなある日、サチは仕事の集まりで同じくバツイチ子持ちの男と出会い意気投合する。何年ぶりだろう、男の人の手に触れたいと思ったのは。初めてかもしれない、男の人の匂いをかぎたいと思ったのは。男とメールをするうちに恋に落ちていくサチ。しかし男は仕事と育児を理由に会おうとせず、サチはSNSなどで調べ始めるのだが…。【「シリーズ 立ち行かないわたしたち」について】「シリーズ 立ち行かないわたしたち」は、KADOKAWAコミックエッセイ編集部による、コミックエッセイとセミフィクションのシリーズです。本シリーズでは、思いもよらない出来事を経験したり、困難に直面したりと、ままならない日々を生きる人物の姿を、他人事ではなく「わたしたちの物語」として想像できるような作品を刊行します。見知らぬ誰かの日常であると同時に、いつか自分にも起こるかもしれない日常の物語を、ぜひお楽しみください。
癇癪を起こしやすかった我が子。 子育てに夫婦ともに疲れ始めた頃、夫はカルトに傾倒し始めた。 離婚して、シングルマザーとして、中学生の子供を育てている主人公。 主人公は、それぞれのご家庭に少しはありそうな要素がギュギュッと詰め込まれた設定。 離婚したことで、周りの人々がいう言葉が嫌味に覚える。 離婚したことで、年齢に引けを取りつつもお母さんでなく女としての気持ちも揺れ動く。 等身大の、身近にいそうな女性設定。 子どもは手が離れ始める年齢のせいか、主人公はあまり子供を構ってあげられていないように見える。 反抗期だから、構ってあげても大変なんだろうか。 サトルくんなのに、学校が同じだった人に「親がカルトにハマったカトルくん」なんて呼ばれて辛い思いをしているとは、きっと言われるまで気づかないんだろう。 このコミックが出された「シリーズ 立ち行かないわたしたち」はコミックエッセイとセミフィクションのシリーズとあるのだけど、なるほどねと思ってしまった。 たしかにうまく行かないことはあるし、完全なノンフィクションのように劇的なスッキリとしたラストでもない。 モニャモニャしてしまう。 こういうのが、レタスクラブ読者に共感を呼びやすい内容と展開なのだろうか。 とはいえ、どうなったらスッキリとする展開なのかと言われると、悩ましい…。
ゆゆゆ
ゆゆゆ
わたしは家族がわからない
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あらすじ
役所勤めの真面目な夫、「普通がいちばん」が口癖のパートの妻、活発な保育園児の娘という3人暮らしの平凡な家庭。しかしある日、父親はなんの前触れもなく失踪し、1週間後に帰宅する。それから数年が経ち中学生になった娘は、父親の姿を家から離れた駅で何度も見かけたとクラスメートに聞かされ、不審に思って待ち伏せることに。大好きだった父が家に帰ってこなかった、幼い頃のおぼろげな記憶。1週間ぶりに帰宅した夫を問い詰めず、何もなかったことにした母。過去の記憶と現在の父親の行動には何か関係があるのか。父は何を隠しているのか。やがて平穏な生活は崩れ、「普通」だったはずの家族の形が少しずつ変容していく……。やまもとりえが挑む、「家族のあり方」を揺るがす衝撃のミステリコミックエッセイ!
率直に言って、 読んだ後 え? ってなって、もう1回読み直してしまった。 で、確かにこういう結末になるようなフラグ的なものはあったが、それでもビビってしまった。 そして、平凡って何なんだろうなって考えてしまった。 本作にもあるように、平凡が一番難しく尊いのかもと。 一緒に生きているだけで、特に嫌なところってのは目につくわけで、それを我慢した上で「いつもどおりの日常」を送るって並大抵のことではないんだなと。 「それでも町は廻っている」(石黒正数)という名作で、主人公の同級生・真田のお母さんの葬式の回(4巻 第31話 一ぱいのミシンそば)のなかに、主人公・歩鳥が涙するシーンがあるのですが、それを著者である石黒正数先生が、 「真田に同情したからではなく、当たり前の日常を送るために、周囲の人がいかに努力しているかに気づいたから涙した」 的なことを書いてましたが(これだけ読んでも意味不明だと思うので「それ町4巻」を読んでほしいw)ホントそうだなと思います。 みんなが少しずつ我慢したり、ある時は誰かが我慢したり、その繰り返しの中に「当たり前の日常」があるんだと痛感しました。 本作に出てくる主人公も平凡を望むあまり、突然、夫が1週間失踪してもまるでなかったかのように我慢した結果がアレだとしたら悲しすぎる。 問題と向き合わなかった結果と言われればそれまでだけど・・・ 遅かれ早かれこの結果になっていったのかな?普通に生きていくって?とか考えると、どうにもモヤモヤしました。 何にせよ、問題提起や考えるきっかけという意味では、本作は秀逸だと思います。
六文銭
六文銭
うめさんとこうめさんしんゆうはおばあちゃん
梅さんと小梅さん
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あらすじ
時は昭和50年代の秋田県。小梅さんはお父さん、お母さん、おばあちゃんの梅さんと暮らしています。梅さんと小梅さんは大の仲良しでいつも一緒。パズルゲーム「チクタクバンバン」で遊んだり、お風呂でタオル風船を作ったり、スースーしないサクマドロップスを選んでもらったり…。ノスタルジックなおもちゃやお菓子の話、おばあちゃんの知恵袋も満載。なつかしくて笑みがこぼれてちょっぴりホロリ。Instagramで人気のイラストに加え、描き下ろし短編7話を含む、オールカラー160ページでお届けします。【もくじ】春の梅さんと小梅さん・ふたりの朝・がまん夏の梅さんと小梅さん・笑わないで。秋の梅さんと小梅さん・もろこし冬の梅さんと小梅さん・てぶくろ・十二月三十一日・タイムカプセルあとがき
今日もテレビは私の噂話ばかりだし、空には不気味な赤い星が浮かんでる ~統合失調症の私から世界はこう見えた~
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あらすじ
100人に1人が罹患すると言われる 「統合失調症」。決して珍しくはない病気だが、幻覚や極端な妄想など通常の精神状態からは想像しにくい症状のため、その理解は必ずしも進んでいるとは言えない。発症した時、本人の脳内はどんな混乱状態になっているのか? 闘病から社会復帰の過程まで、女性が自らの発症体験を、繊細かつ優しいタッチで描いたコミックエッセイ。
全国の農家さんがおすすめ! みんなのどんぶり食堂
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あらすじ
JA全農広報部のご協力を得て、全国各地の農家さんがおすすめするどんぶりレシピを集めました。大ボリュームの50レシピ掲載!Twitterで大人気の食いしん坊イラストレーター杏耶さんが全レシピをマンガでお届け。いつものごはんがも~っとおいしくなる、「おいしいごはんの炊き方」もお伝えします。
合格にとらわれた私 母親たちの中学受験
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あらすじ
希望、期待、焦燥、苛立ち、妬み...。激化する中学受験を舞台に親子の葛藤を描くセミフィクション。自分がかつて諦めた中学受験を、一人娘の綾佳に挑戦させることにした真澄。小学4年生から中学受験用の塾に通わせるものの、綾佳の成績は伸び悩むようになり、目指していたクラスに上がれないまま受験生最後の年を迎えることに。そんな中、同じ塾に通っていて、綾佳より下のクラスにいたまりんが同じクラスにあがってくる。純粋なまりんとその母親のかなえに段々焦りと苛立ちを覚える真澄は、中学受験を諦めた自分と綾佳を重ねてしまい、綾佳に強くあたるようになってしまう。一方、同じ塾に通う成績優秀な優也の母・潤子は、夫が自分の出身校に入れることにこだわっていることに疑問を感じながらも、自身も学歴コンプレックスがあり、息子を守り切れないでいる。我が子を信じ、子供の勉強に伴走していたはずが、己のトラウマやコンプレックスとの闘いにまで発展していく中学受験。母親たちの葛藤と、それを乗り越えるまでを描いたセミフィクション。【解説】吉田たかよし(医学博士・心療内科医師) 著書『「受験うつ」どう克服し、合格をつかむか』など【「シリーズ 立ち行かないわたしたち」について】「シリーズ 立ち行かないわたしたち」は、KADOKAWAコミックエッセイ編集部による、コミックエッセイとセミフィクションのシリーズです。本シリーズでは、思いもよらない出来事を経験したり、困難に直面したりと、ままならない日々を生きる人物の姿を、他人事ではなく「わたしたちの物語」として想像できるような作品を刊行します。見知らぬ誰かの日常であると同時に、いつか自分にも起こるかもしれない日常の物語を、ぜひお楽しみください。
メンヘラ製造機だった私が鼻にフォークを刺された話
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あらすじ
メンヘラ製造機と呼ばれていた20代の頃。当時付き合っていた彼氏も例外ではなく、些細なことで言い合いになる。彼氏の怒りが高まりはじめ、帰ろうとすると更に彼氏は怒り出し…。怒りが頂点に達した彼氏が手にしたのは、フォークだった―。「このままでは殺される」そして、命をかけた一か八かの賭けに出る!!喧嘩し、負傷し、匿われ、追い込まれ、予想だにしない権力者の登場…読み始めたら止まらない、SNSで話題沸騰の実話に基づくノンストップコミックエッセイ。SNSでは描かれなかった事件のその後の“秘められた思い”を描き下ろしに加え、待望の書籍化!【電子特典:描き下ろしマンガ付き】
最近、ビッグモーターの醜聞が巷を賑わせています。この時代に、そんなことが現実に有り得るのかと思えるほどの話が連日続々と出てきて驚かされます。 ただ、大谷翔平選手や藤井聡太七冠がマンガでも描かれないような大活躍を見せてくれているように、良くも悪くも時として現実はフィクションを超えていきます。 実際に筆者が体験したことを描いたという、この作品もまたある種の現実を超える話です。 異常な元彼に鼻をフォークで刺されるなど一歩間違えれば死んでいたほどのさまざまな暴行を受けて記憶障害が起きた上に、一人の人間としての尊厳をズタズタに侵されてしまう筆者。そのえげつない相手に対して、徹底的に抗戦していく様子が描かれます。 美人のヒロインが鼻にずっとフォークが刺さって痛々しい姿のまま、というのは創作ではなかなかやれないでしょう。岡田あーみんさんや美川べるのさん、東村アキコさん辺りの絵で想像できなくはないですが、9割以上編集に止められそうです。 元彼や彼の親族の異常性が言動からも絵からも滲み出ていますが、恐ろしいことにこういう人種は全然実在するんだよなとも思ってしまいます。警察における暗部が仄めかされる部分も、その範疇です。 ただ、散々な出来事ではありますが、周囲に良い人が多かったのは不幸中の幸いで良かったなと思いました。彼らがいなかった時のことを想像するとゾッとします。 凄まじい体験談ですが、真に恐るべきはあとがきによれば筆者の中ではこれはまだ人生の中でマイルドな話らしいということです。これ以上の話も見たような、見たくないような。 なお、描き下ろしの秘められた想いとその結末も、とてもリアルだなと感じました。
兎来栄寿
兎来栄寿
うちらはマブダチ
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美大に通うために鹿児島から一人で出てきた関西。人見知りで友達が誰もいなかった私(やまもとりえ)はある日、卓球部の仲間に入れてもらった。いつも谷間が見えているYちゃん。気は優しくて力持ちな親分。見た目は日本人形で中身はオッサンなコッペちゃん。人の話を聞いてないMちゃん。小柄で童顔なモンピちゃん。ピンク色の髪で身体中ピアスだらけAやん。クールビューティーなSやん。年中薄着のたーやん。ツンデレのツンが多すぎるP氏。卓球部のラスボスゆりやん。個性的なんて言葉じゃ表せないくらい変な仲間=マブダチたちと、貧乏だったけれど、いつもバカばっかりして、笑い転げてた。そして美大を卒業してからも、相変わらずやっぱりバカばっかりしてた。人生に良いことなんかたまにしかないし、大変なことばっかりだけど、でもこういう友達がいるから、それだけで生きていけるって思える。人気イラストレーター・やまもとりえが描く、笑えて、笑えて、ほんのちょっとだけ泣ける、すばらしきマブダチとの青春の日々。大反響を呼んだSNSでの投稿に加えて、とあることで失意の底にいた作者のもとに友達が集結した日を描く、「マブダチ最高!」な長編エピソードを描き下ろしで収録。さらに、巻末付録として伝説の「イラ語辞典」(抜粋版)も!【電子特典:描き下ろしおまけマンガ】
やまもとりえ先生の、大学時代から現在までの少し変わった友人たちとの思い出の日々を描いたコミックエッセイ。 同じ内容をポッドキャストでも話してます。 https://open.spotify.com/episode/5WjmBjW1p7GmQXsDWxLJUW?si=d199b921940442c2 読み始めてすぐ「いつも谷間が見えている友人Yちゃん」というバズった投稿を見たことがあったのを思い出ました。 https://twitter.com/yamamotorie/status/1595362304576868352 作者さんが「大好きで仲が良い私の素敵な友達をぜひ知ってほしい」と紹介してくれてるような形だからこそ、読んでいると自分の友達もぜひ紹介させてくださいよ、という気分になってきて楽しかったです。 自分の学生時代の友人たちとの思い出がいろいろよみがえってきました。 エッセイなので、フィクションのように特別ド派手なドラマがあるわけじゃない、でも等身大の青春劇がそこにある。それがいいんですよね。 美大ならではのクリエイティブな話もあるけど、基本的には普遍的な友達の話。 そして、なんといっても一冊としての構成が素敵でした。 困ったときに友人が助けてくれた最高の人生だったんだなと。そしてこれからもそれが続くと思うと最高です。 どの友人のエピソードも面白くて、その個別の友人紹介の話があったからこそ、最後のエピソードに集約されて際立って輝いて見えて、感動しました。 同時に、男同士の友人グループだともしかしたらこうはならないだろうなっていう羨ましさもありました。男同士は楽しさを共有はしても弱みはあまり見せないこともあるから。 読んでるときの感覚としては、友達の結婚式の新婦側の仲良したちでの出し物とか、学生時代の写真のスライドショーとか見てどういうふうに仲良かったのかなーと想像したときの、最高に楽しい青春の「中身」をしっかり見せてもらった気分でした。 共感ポイントとしては、「自分たちの用語辞典作ったな~!」って思いました。 小さい界隈だけで通じる用語・共通言語ができて集団としての絆が熟成されていく感あって楽しいんですよね。秘密の合言葉みたいで。 ふわっと思い出した自分のエピソード ・Nくん、高校で誰とも全くしゃべったことなくて会話はいつも筆談していたらしく、大学で僕が普通にNくんと話してるのを見られて「どうやってあいつの心開いたんだ!?」って驚かれたことがある。そのNくんは窓が割れたままの部屋にずっと住んでて、いつもお菓子でお腹いっぱいにしてた。 ・Mくん、子供がどうやってできるか知らなくて、植物みたいに受粉するものだと思って通学で乗る満員電車に毎朝めちゃくちゃ緊張してた。その反動か、気づいたらテニスサークルに入って遊びまくってた。 などなど。 一気に読むのもったいないので、ちょびちょび1日2ページずつとか少しずつ読むのもいいかも。とはいえラストはどうやっても一気に読んでしまうはず。
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
ご飯にする?お風呂にする? 小夏と美冬の秘密の関係
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あらすじ
笑顔を絶やさず職場でも外でも自然と人が寄ってくる部下の小夏と、バリキャリで完璧、でも極度の人見知りで「冷徹人間」と噂される上司の美冬。あることがきっかけで夜の密会が始まる。ただ美味しいものを食べて、大きなお風呂に入る。それだけで疲れが吹き飛ぶ、2人にとって大切な時間。悩みや問題を抱えつつも、支え合い絆を深めていく中で、お互いに特別な存在だと気づき始める―。自分にとって「一緒に笑って過ごしたい人は誰なのか」を考えさせられる、立場を超えた2人の心温まる日常を描いたコミックエッセイ。
バリキャリ系クール美人上司・美冬と、誰にでも分け隔てなく優しく笑顔で可愛い系の部下・小夏。会社ではただの同僚と思われているふたりが、実はプライベートでは日々こっそりと食事をして一緒にお風呂に入る仲。そんなふたりの日常が綴られていきます。 小夏には普通に付き合っている彼氏もおり、美冬と小夏は友達以上恋人未満な関係性。お互いに少しずつ意識しだして悶々とする時期特有の良さを、長めに噛み締め味わうことができる内容です。 毎回、美味しいご飯(と言ってもそんなに気取ったものではなく、焼肉やラーメンなど)を食べて、お風呂でリラックスするという人間にとって大事な「食事」と「入浴」がタイトル通りフィーチャーされているのが良いです。読んでいてリラックスできます。 美冬が小夏に語る ″明日の自分を作るのは あなたが今日食べた食材たち!″ ″まずは一日三食しっかり食べなさい!″(海老フライを食べながら) ″それともう一つ しっかりと体を温めて ちゃん疲れをとること!″(入浴しながら) という言葉は、過酷な現代社会で生きる上でとても大切なことであると思います。忙しく荒れてしまいそうな時こそ、これらの基本的な事柄を大切にしたいところです。 男女カップルだと数少ない混浴の風呂に行かねば一緒に入ることはできませんが、女性同士なら大抵のところで一緒にお風呂に入れるというのは良いなと思いました。美味しいものを食べたり色んなお風呂に行ったり気兼ねなくできる相手がいるというのは、とても幸せなことですね。 ゆったりと力を抜いて楽しめる作品で、百合好きの方にもお薦めです。
兎来栄寿
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母親を陰謀論で失った
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あらすじ
noteで話題となった記事「母親を陰謀論で失った」に大幅な脚色を加え、コミック化。親子愛の限界を問う、胸えぐる衝撃作。【あらすじ】「2020年春。新型コロナウイルスのまん延により、私たちの生活は大きく変わった。それは生活だけでなく、強固だった人間関係にも影響を及ぼした」東京で妻と暮らす息子・ナオキ、地方で父と暮らす母親・ケイコ。どこにでもある仲の良い親子だったふたり。コロナ禍の度重なる社会不安により会えない日々が続くが、お互いを想い合って過ごしていた。しかし、ある時期から母親が怪しい動画を送りつけてくるようになり―――。陰謀論を信じる母親に揺り動かされる息子とその家族たち。「母親が信じる陰謀論の正体とはなんなのか?」「陰謀論を信じている人はどんな人なのか?」そして「なぜ母親は陰謀論を信じてしまったのか?」その真相に迫る過程を息子視点で描いた濃密なセミフィクション。【「シリーズ 立ち行かないわたしたち」について】「シリーズ 立ち行かないわたしたち」は、KADOKAWAコミックエッセイ編集部による、コミックエッセイとセミフィクションのシリーズです。本シリーズでは、思いもよらない出来事を経験したり、困難に直面したりと、ままならない日々を生きる人物の姿を、他人事ではなく「わたしたちの物語」として想像できるような作品を刊行します。見知らぬ誰かの日常であると同時に、いつか自分にも起こるかもしれない日常の物語を、ぜひお楽しみください。