統合失調症になった筆者が、発症から闘病生活、社会復帰までの道のりを描いた作品。
人間関係、家族、仕事など強いストレスを受けていたとは言え、何か特殊な経験や境遇にあるわけではない人がなり得る病気なのだと改めて気づかされます。
治療が必要と自覚できたり、家族の協力があるのでまだよかったのかもしれませんが、ひとりきりで発症してしまったらと思うと恐ろしいです。

それでも病気の恐ろしさを描くばかりの作品ではありません。
絵柄も語り口も優しく、苦しみに寄り添ってくれるような暖かさがあります。
辛くても苦しくてもあなたはあなただよひとりじゃないよ、というメッセージは他人事のように聞こえてしまうこともあるけれど、苦しみを体験した筆者の言葉は説得力があると思います。

誰もが社会の一員で大切な人なんだ、自分のことも他人のことも大切にしようと思える作品です。

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