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孫に会いたい気持ちと、良いことをしている自分に酔うのを並立させちゃうかんじがリアル。
突然理由をつけて行くよ連絡に始まり、好みでない服を渡されるとか、子どもの面倒をみるといって古い知識で対応されるとか。
さらに、ユイの夫はダメ男過ぎて、読んでいて心がしんでしまう。なんでこいつと結婚した。
とはいえ、対照となる毒山家がイクメンお父さんとなっているのは、働いてないからだろうなと思った。
二人でみているから余裕がある。
お金はないけど。
赤ちゃんは大人二人で1から10まで面倒をみないと、とても大変。
そして毒山家義母は、嫁に好みでない、サイズも不確かな服じゃなく現金を手渡してくれる。
よくわかっている。
現金。
商品券じゃなく、現金。
取っておけば、子どもが成長したときの資金になり、使えば今助かる。
封筒にすら入ってないのが生々しいけど、そんなのは些末に感じるほど、いらない服や夫婦で決めたかったアレヤコレヤの押し付け(知人談)と比べると、現金は嬉しい。
作中の義母ふたりは、自分が当時必要だったものを与えているだけかもしれない。
それなのに差が生まれるのは、結婚相手の親は選ばなくても身内になってしまう他人、という距離感を忘れているからと思える。
夫婦の関係も危ういのに、義母が更に危うくしてくる。
どちらも崩壊しそうな、危ういところに立っている御夫婦のお話。