やまとは恋のまほろば
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“古研”の3人にまた会える!『やまとは恋のまほろば 1』が装い新たに登場!2022年6月20日より「文春オンライン」にて待望の新エピソード連載開始。悩める女子ならきっと共感する、古墳×恋愛のキャンパスライフ――。Story大学1年生の穂乃香は、大学デビューした友人に気後れし、疎外感を感じていた。しかし、“心のオアシス”古墳研究会(通称・古研)の同級生・飯田くんのことがとあるきっかけで気になりだし、先輩の可児江さんとも急接近!? 「さえない」自分を苛む穂乃香は、古研を通じて少しずつ成長していく。古墳がもたらす、不器用でいとおしい恋の物語。※この電子書籍は2019年9月にLINE Digital Frontierより刊行されたコミックに描き下ろしページを加えた新装版です

新たな大学恋愛漫画の傑作の予感…!

きのう読んで「2019年一番よかった少女漫画」に躍り出た作品。これはヤバイ…!!!表紙を見ての通り、「前方後円墳みたいな体型の主人公が、部員が同期&先輩のイケメン2人しかいない古墳研究会で充実したキャンパスライフを送る」物語です。(※1巻時点) https://res.cloudinary.com/hstqcxa7w/image/fetch/c_fit,dpr_2.0,f_auto,fl_lossy,h_365,q_80,w_255/https://manba-storage-production.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/book/regular_thumbnail/280147/417efc3e-e01c-4d7f-bba3-acf825fe68b5.jpg これだけ聞くと、「ま〜〜〜たいつもの冴えない主人公が何故かハイスペックイケメンに好かれるやつかよ😡」と思いたくなるけどぜんぜん違います…!! いや、なぜかイケメンに好かれるとこはよくある少女漫画と同じなんですけど、それ以外の女同士の人間関係と主人公の心理描写がハチャメチャに現実的で生々しいんです…! 主人公・穂乃香はその見た目から男子には合コンであからさまにハズレ扱いされ、学校では至近距離でブスと言われる。中学からの友人・友葉は同じ大学に進学したけれど、新たな友人・丹菜との出会いで入学して1カ月で白目の面積を減らしたり(※カラコンのこと)、合コンに行きたがったりと変わってしまう。 丹菜という黒船によって、穂乃香は2人の『ごまめ』となってしまった。(※ごまめ…1人前ではないが仲間に混ぜてもらうこと) このような状況で苦悩する穂乃香は、妙にテンションが高かったり卑屈だったりする多くの少女漫画の主人公たちに比べ地に足ついた等身大の悩み方をしている。その心理描写がすごく現実味があって、自然と穂乃香の気持ちに寄り添いながら読んでいました。 入学してまだ1カ月頃のお話なので、今までずっと一緒だった友人と離れ、別々に人間関係を構築していくところが最高に新生活の幕開け感があってグッときます。懐かしい…。 そして、少女漫画でバチクソ大事なのがその作品を代表するイケメン(ヒーロー)ですよね。この漫画に登場するメインの男の子は、表紙を飾る同期の飯田君と3年の可児江先輩の2人。 https://i.imgur.com/lADf6l7.png (『やまとは恋のまほろば』浜谷みお 第1話) 「ごまめ」と化しているときに女友達の前で飯田君と話したり、女友達の前で可児江先輩が穂乃香をかばったり(※三和はそのことを知らない)。それが読者にとってカタルシスになっていてたまりません。正直めっちゃ気分い〜! …というか、主人公が2人に話しかけられる度にまるで自分が実生活でイケメンの友達に話しかけられたとき同じ高揚と緊張を感じます。この漫画リアルすぎる…! あと大事なことなんですけど、この作品は舞台が関西なので 2人とも関西弁です!! 最高か〜〜!! 先輩がクソみたいな合コンから助け出してくれたり、飯田君と2人で古墳を見に行ったり、古研で宅飲みしたり。悩みつつも三和が充実したキャンパスライフを送っているのを見ると、なぜだか不思議な満足感が得られます…なんなんだこの気持ちは…! 1巻の最後では、「古研に自分が居ていいのか」という葛藤にケリをつけた三和が、2人と距離を驚くほど縮めるので(マジで)、ぜひ読んで確かめてほしいです。 LINEマンガで連載中とのことで、これから連載を追っていこうと思います…! (下記画像は6話より。2つの「3人の世界」の対比がいい…)

たか
たか

近年稀に見るリアル・緻密・ピュア・ラブ=最高

大好きすぎて感想がうまくまとまらないので今まで書けずにいましだが新刊(5巻)の最高さに居ても立っても居られず書き込みです。ここまで既に読んでる人は5巻はもう最高すぎるので姿勢を正してバッチリ受け取れる状態で臨んでいただきたい。これはもうここでしか得られないきらきらが詰まっています。最高。 この作品は、初っ端から最高なんですけど、巻を追うごとに最高の種類が変わります。パフェみたいな感じというんでしょうか…全層美味しいんだけど層によって美味しさがまた違うというか。最初はいっしょにキャンパスライフを楽しんでいるような、言い方がほんとによくないんですが、なんとなく恋愛戦力外女子かな、みたいな、ある意味環境でなんとなくそう思われたり自分も思ったりしたことがある女の子の気持ちがリアル。共感もできたり、へーそんなふうに思うんだ?と思ったりできるかもしれません。LINEマンガで連載されてただけあって(?)LINEでのやりとりが非常にリアルです。現代の少女漫画だなー!ととても趣深い。からの、いまの感動を述べたいので間の巻も最高なんですがとりあえず5巻の素晴らしさなんですけど、これはもう私たちの夢が形になった!!というか、こ、これこれーーっっさいこうーーっっという正直さっきまでリアルな道を歩いていたと思ってたら、途中から虹の上を歩いていた的な、そんな最高な見たかったものを見せてくれるストーリーになっています。最高。私は多分今レインボーの上にいる。マジで。

SS
SS
はだかいっかんつづいさん
裸一貫! つづ井さん
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アラサー×おひとりさま×オタク=毎日生きるのがたのしい~!!!どすこい!!! 「魂がオタク」なアラサー女子の、押しも押されもせぬ日常!!! 著者累計35万部・大ヒット『腐女子のつづ井さん』の著者が描く、コミックエッセイ新シリーズがついに開幕!!あまりに身辺情報の少ない俳優にハマってしまったつづ井さん。彼にまつわるネット上の情報はすべて把握し、観劇に月々の出費の大半を捧げ、彼について他の人と話したくて自分の中に架空の人格を作り出すも、報われない日々――。情緒が大変なこともあるけれど、自分のお尻を育てたり、友達のオカザキさんやMちゃんと夜の公園で全力で遊んだり、異性と話すリハビリとして街コンに参加したり……不思議なくらい、生きるのが楽しい?!!!つづ井さんと仲間たちが工夫して日常を楽しむ姿に、笑って癒されて元気がもらえる、全く新しいアラサー女子のエッセイ漫画!「CREAweb」第1位の大人気連載に加え、「推している俳優さんから○○が来た話」「常軌を逸したプレゼントをもらう、つづ井さんの誕生日」ほか、感動の描きおろしエピソードを50ページ以上収録!! (※本書は完全な新シリーズです。オタクの方も、オタクでない方も、『腐女子のつづ井さん』を読んでいなくても200%楽しめます!)

かるとむらでうまれましたえむびーじぇー
カルト村
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「平成の話とは思えない!」「こんな村があるなんて!」と、WEB連載時から大反響!!衝撃的な初投稿作品が単行本に!「所有のない社会」を目指す「カルト村」で生まれ、19歳のときに自分の意志で村を出た著者が、両親と離され、労働、空腹、体罰が当たり前の暮らしを送っていた少女時代を回想して描いた「実録コミックエッセイ」。〈カルト村ってどんなとこ?〉●大人と子供の生活空間が別々 ●朝5時半起床で労働 ●布団は2人で1組●食事は昼と夜のみ ●卵ミルクを飲ませられる ●お小遣いはもらえない●すべてのモノが共有で、服もお下がり ●男子は丸刈り、女子はショートカット●ビンタ、正座、食事抜きなど体罰は当たり前 ●手紙は検閲される●テレビは「日本昔ばなし」のみ ●漫画は禁止、ペットも飼えない●自然はいっぱい。探険など外遊びは楽しい♪

ぺるしゃのげんじゅつし
ペルシャの幻術師
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海音寺潮五郎が「幻覚の美しさに惚れこんだ」と絶賛した名作に、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品選出の漫画家・蔵西が挑む。 ◆ストーリー 十三世紀、世界を席巻したモンゴル軍の猛攻は、ペルシャにまで至った。モンゴル軍団を率いる大鷹汗(シンホルハガン)ボルトルは、ペルシャ高原の町メナムに攻めいる。ボルトルはメナムで美姫・ナンを見初め、自らへの愛を求める。そこに、ボルトルの命を狙う幻術師・アッサムが現れ、ナンを幻惑する――。 西紀一二五三年の夏、ペルシャ高原のひがし、プシュト山脈をのぞむ高原の町メナムは、ここ二カ月、一滴の雨にもめぐまれなかった。――  新月のまだ懸らぬ六月二十八日の夜、いまから一月前のことである。アラ山脈を越えて突風のようにやってきた蒙古兵が、メナムの町を一夜のうちに鮮血の霧で包んだ。  町の土侯とその兵は戦わずして遁げ、市民は、血に飢えた東方の蛮族の手で思うさま殺戮された。シナ北西部はおろか、遠く東ヨーロッパまで征服した成吉思汗(ジンギスカン)四世蒙哥(マング)が、その弟旭烈兀(フラーグ)に二十万の兵を授けて、史上有名なペルシャ攻略の緒にようやくつきはじめたのである。  そうした殺伐な背景のなかに、この数日来、メナムの町は奇妙な賑いをみせていた。   沙漠をゆく隊商(キャラバン)が、水を買いにきて市を立てる。――                      司馬遼太郎「ペルシャの幻術師」より

きょうもやくびです
きょうも厄日です
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『岡崎に捧ぐ』著者による新シリーズ!***毎日が落とし穴だらけ…!露出狂おじさん、免許失効、悪質エステに整骨院…電車の中で、Twitterで、旅先で、学生時代に…いつ何時でも、なぜかトラブルばかり引き寄せてしまう山本さんの実録ハプニング・コミックエッセイ!!文春オンライン大人気連載に、 大炎上したあの区役所との闘いを大幅描きおろし!!

息の長いシリーズになってほしい #1巻応援

無用ノスケ子
無用ノスケ子
私にできるすべてのこと
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AIが人の仕事を奪うだなんて誰が言ったのだろう。『プリンセスメゾン』の池辺葵、SFへの挑戦!『繕い裁つ人』や『プリンセスメゾン』で、社会の同調圧力に屈せず孤高の道を行く女性を描き、熱い支持を集めてきた著者の新境地。大量生産から20年、ヒト型AIが世界中で廃棄される中、少女・和音は喫茶店で働いていた。人とAIが共に暮らし、交錯する中できらめきを見せる、命あるものたち――。誰かを、何かを愛しく思うのは、ヒトの特権ですか?池辺葵(いけべ あおい)2009年デビュー。同年より、『繕い裁つ人』(講談社)の連載を開始する。14年、『どぶがわ』(秋田書店)で第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。この年、『プリンセスメゾン』(小学館)も連載開始。18年、『ねぇ、ママ』(秋田書店)で第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。ほかの代表作に『かごめかごめ』(秋田書店)、『雑草たちよ 大志を抱け』(祥伝社)などがある。現在、『FEEL YOUNG』(祥伝社)で『ブランチライン』を連載中。

うつびょうくだん
うつ病九段
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※こちらは無料試し読み版です。続きは4月24日発売の製品版をご購入の上、お楽しみください。人気プロ棋士の先崎学九段を“うつ”が襲ったのは、47歳の誕生日の翌日でした。頭がどんよりと重く、将棋を指しても対局にまったく集中できない。1日のうち、何度も電車に飛び込む自分の姿が脳裏をよぎるようになります。「学、入院するんだ。このままでは自殺の恐れがある」精神科医の兄からのアドバイスによって、先崎さんは精神病棟への入院を決意します──。本書は、うつ病で1年間の休場を余儀なくされた先崎さんの闘病エッセイを、漫画家の河井克夫さんが漫画化したもの。文藝春秋のニュースサイト「文春オンライン」で連載され、累計564万PVを記録する大きな反響を呼びました。朝起き上がれない。活字が頭に入らない。詰将棋も解けない……。そんなドン底の状態から、いかにして先崎さんは自分と将棋を取り戻していったのか。現役復帰を果たすまでの軌跡が、ユーモラスかつ繊細なタッチで描かれます。「お見舞いには”みんな待ってます”の一言を」「うつ病にとって散歩は薬」「規則正しい日課で生活ズムを取り戻す」等々、”うつヌケ”のための実用的なヒントも満載です!?

とても読みやすいうつ病エッセイ漫画

明確な原因はわからないけれど、うつというものは気づかないうちにじわじわと近づいてくるものなんだなと、やはり他人事ではないんだなというのを改めて実感した1冊でした。 本書は、将棋界へ復帰できるかどうかというところで、精神科医であるお兄さんに闘病について文章にしてみるよう薦められて終わりますが、ウィキペディアによるとその後にしっかり復帰されたようでホッとしました。 うつと向き合う中で、少しずつ回復傾向であると思っても、その日のうちで調子の良し悪しに波があったり(夜は元気でも朝起きると悪くなっているとか)、文字が読めなかったり、将棋の初歩の初歩すら分からなくなっていたりと今まで当たり前にできていたことが出来なくなるというのはどれだけ辛いことだろうと、読んでいて心配になるんですが、自暴自棄にならず医者からのアドバイスも素直に聞き入れ、将棋への意欲が再び芽生えたことに喜びを感じられたからこそ復帰までたどり着けたんだろうと思います。 やはり受診する病院や医師によって良くも悪くも左右される病気だと聞くので、身内に優秀な精神科医がいたことが幸運だったと思います。しかし兄は精神科医、弟はプロ棋士となんと優秀な家庭だろうと、うつと関係ないところでもなかなか興味深い部分がありました。 最後の方に羽生善治棋士と少し会話するシーンが有るのですが、なんとなくクスッと笑ってしまう微笑ましさがありました。

沼袋
私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記
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“家族のかたち”を守るため、あの日わたしは自分を殺した。親との関係に悩むすべての人へ。――失われた感情を取り戻す、ヤングケアラーの実録コミック!統合失調症の母、家庭に無関心な父、特別扱いされる弟、 認知症の祖父――ゆいは幼稚園のころから、買い物・料理・ そうじ・洗濯など家族の世話を一手に担っている。母親の暴力に耐えながら「子どもらしさ」を押し殺して生きるのに精一杯だった彼女の子ども時代と、成人してからの「ヤングケアラー」としての自覚。 仕事、結婚、子育てを通じて、悩みにぶつかりながらも失われていた感情を取り戻すまでの再生の物語です。『精神科ナースになったわけ』『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』( 共著:斎藤環)ほか医療系コミックで累計25万部の著者が、2年以上の当事者取材から描きおろす最新作です。「ヤングケアラー」について理解を深めるコラムや、ヤングケアラー支援団体の紹介ページも収録。(※10代の当事者も読めるよう、総ルビとなっています)

老成せざるを得ない子供の悲しみ、辛み

「ヤングケアラー」という言葉を知らない方や、自分が実際にそうである・そうだったという人に切実に届いて欲しい一冊です。 「ヤングケアラー」とは、「介護や病気、障がいや依存症など、ケアを要する家族がいる場合に大人が担うような責任を引き受け、家事や看病、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子ども」のことであると幕間のコラムで解説されています。 発売から3ヶ月が経ちましたが、本日発売の電子ストアもあるということで、改めてこのタイミングで推薦しようと思います。 本作は、さまざまな子供たちの実際のエピソードを元にして作られたあるヤングケアラーの少女のお話で、単なるフィクションではないことが明示されて始まります。 統合失調症の母によって物理的にも精神的にも傷付けられる日常を送る主人公・ゆい。父親も弟も助けてくれず、認知症の祖父もおり、家事は自分がやって当然。年相応に遊ぶことが生業である同級生たちとは、まったく違う生活を強いられていますが、なかなか自分の境遇が特殊であるとは当事者は気付きにくいものなんですよね。それがたとえ、妄想の中では何度も母親を殺したり、ぬいぐるみを破壊しては直したりして何とか心を保っているような、危うい状態であったとしても。 また、そんな窮状を何とか大人に伝えられる機会があっても、事勿れ主義の権力を持つ輩によって闇に葬られてしまい、子供一人ではいかんとも動かし難い状況の絶望感も描かれます。助けを求めることすら諦めてしまうようになる、そんな悲しいことがあるでしょうか。 私も認知症の祖父を自宅で介護したり、一親等以内ではないですが統合失調症の身内がいて途方もない大量の妄想を子供の頃からじっと傾聴したりして生きてきました。また、幼い頃からネグレクトやDVその他により強い殺意を抱かされ絶対にこの遺伝子を後世に残さないと決意させられた父親とは、若い頃に絶縁して久しいです。なので、多少形は違えど共感できるポイントが多々ありました。 本当の自分の感情を切り離して辛い事象をワンクッション置いて俯瞰的に捉えるやり方などもそうですし、冒頭のミヒャエル・エンデの『モモ』を読みながら「夜 皆が寝た後一人で本を読んでいるのが安心で安全な時間」と綴られるモノローグは正に自分と重なりました。バラバラになりそうな心を繋ぎ止めてくれてたのは、私にとってはマンガを始めとする物語やキャラクターたちでした。 恐らく、この本を読んで初めて「自分も助けを求めていいんだ」と思える子もいることでしょう。そういう子たちに届くように、ぜひ色々なところに置かれていて欲しい作品です。当事者の子供にも読めるように、と総ルビになっているのは素晴らしい配慮です。 また、現実に存在する個々別々の地獄を知っておくことは、社会でさまざまな人に出会った際の想像力の助けになります。そういった意味でも、広く読まれる意義のある作品です。

兎来栄寿
兎来栄寿

老成せざるを得ない子供の悲しみ、辛み

「ヤングケアラー」という言葉を知らない方や、自分が実際にそうである・そうだったという人に切実に届いて欲しい一冊です。 「ヤングケアラー」とは、「介護や病気、障がいや依存症など、ケアを要する家族がいる場合に大人が担うような責任を引き受け、家事や看病、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子ども」のことであると幕間のコラムで解説されています。 発売から3ヶ月が経ちましたが、本日発売の電子ストアもあるということで、改めてこのタイミングで推薦しようと思います。 本作は、さまざまな子供たちの実際のエピソードを元にして作られたあるヤングケアラーの少女のお話で、単なるフィクションではないことが明示されて始まります。 統合失調症の母によって物理的にも精神的にも傷付けられる日常を送る主人公・ゆい。父親も弟も助けてくれず、認知症の祖父もおり、家事は自分がやって当然。年相応に遊ぶことが生業である同級生たちとは、まったく違う生活を強いられていますが、なかなか自分の境遇が特殊であるとは当事者は気付きにくいものなんですよね。それがたとえ、妄想の中では何度も母親を殺したり、ぬいぐるみを破壊しては直したりして何とか心を保っているような、危うい状態であったとしても。 また、そんな窮状を何とか大人に伝えられる機会があっても、事勿れ主義の権力を持つ輩によって闇に葬られてしまい、子供一人ではいかんとも動かし難い状況の絶望感も描かれます。助けを求めることすら諦めてしまうようになる、そんな悲しいことがあるでしょうか。 私も認知症の祖父を自宅で介護したり、一親等以内ではないですが統合失調症の身内がいて途方もない大量の妄想を子供の頃からじっと傾聴したりして生きてきました。また、幼い頃からネグレクトやDVその他により強い殺意を抱かされ絶対にこの遺伝子を後世に残さないと決意させられた父親とは、若い頃に絶縁して久しいです。なので、多少形は違えど共感できるポイントが多々ありました。 本当の自分の感情を切り離して辛い事象をワンクッション置いて俯瞰的に捉えるやり方などもそうですし、冒頭のミヒャエル・エンデの『モモ』を読みながら「夜 皆が寝た後一人で本を読んでいるのが安心で安全な時間」と綴られるモノローグは正に自分と重なりました。バラバラになりそうな心を繋ぎ止めてくれてたのは、私にとってはマンガを始めとする物語やキャラクターたちでした。 恐らく、この本を読んで初めて「自分も助けを求めていいんだ」と思える子もいることでしょう。そういう子たちに届くように、ぜひ色々なところに置かれていて欲しい作品です。当事者の子供にも読めるように、と総ルビになっているのは素晴らしい配慮です。 また、現実に存在する個々別々の地獄を知っておくことは、社会でさまざまな人に出会った際の想像力の助けになります。そういった意味でも、広く読まれる意義のある作品です。

兎来栄寿
兎来栄寿
「神様」のいる家で育ちました ~宗教2世な私たち~
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宗教2世。親が宗教を信仰している家の子供。宗教ありきで育てられ、世間とはずいぶん違う生活を送っています。参加してはいけない学校行事があったり。薬を使わせてもらえなかったり。人を好きになってはいけなかったり。休日は宗教活動のための日だったり。もちろんそこに幸せを見出す人たちもいるけれど、中には成長するにつれて苦しさを感じる子供達がいることを、知ってほしい。著者含む、7人の宗教2世たちが育ってきた家での出来事をマンガ化した作品が、加筆修正を加え、単行本化。単行本描き下ろし収録。「情報ライブ ミヤネ屋」でも紹介された、今年最注目のノンフィクションコミック!

彼らの存在

7月の銃撃事件が起きたことにより、本来著者が描きたかったこととはまた別の意味を持つことになったことが、作品にとって幸福なのか不幸なのかは分かりませんが、この国において、他者を搾取する新興宗教が存在する限り、この本は読まれ続けるべきだと考えます。 実在の宗教団体の信者を親に持つ、7人の体験を元にしたノンフィクションは、読者にとって決して遠い出来事ではありません(実際、それらの教団の施設は、身近な所に存在しています) 人間の悩みを減らし、心を救済することが、宗教の本来の目指す姿だと、個人的には考えます。ここで描かれる宗教は、共同体によるぬくもりを与えながら、そこではお布施という名前の収奪が繰り返される、どこまでも「汚い」現実が描かれています(お布施以外にも、様々な形での収奪が描かれています)。 最初の連載が、ある団体からの圧力で中止に追い込まれたことが、後書きにより明言されています。恐らく、広告出稿という形で、様々なメディアに圧力がかけられているであろうことも、容易に想像させられます。 言うまでもないことですが、人間は生まれてくる場所を選ぶことは出来ません。全ての宗教2世に、魂の休まる日が 訪れることを、願います。

ナベテツ
ナベテツ

宗教2世に寄り添うための #1巻応援

再び宗教2世の声を集めた書が出る事を祈って、1巻応援とします。 宗教2世という言い方は最近知りましたが、思えば昔から、そういう子は身近な存在でした。クラスメイトの穏やかな男の子は運動会に出なかった。優しいお姉さんが亡くなった家は一家で信仰を始め、その家のお兄さんは家族と色々あったらしい。毎週のように我が家の前を通る、複数の親子集団……。 そういう方の心の内は、子供ながらに聞いてはいけないもの、と思っていたのですが、この本によってその一端が知れます。彼らが持つ、私と変わらないような愛情や嗜好を知ると、宗教2世の方達が抱える葛藤は、私にも切実に伝わって来るのです。 親への愛着、教義への疑問、自由への憧れ、そして何より辛いのが「信仰を捨てたら親の愛を失う」こと。引き裂かれる思いに同調してしまう……。 そしてそこに、幼い頃から教えられた「教義」が、重みを持って様々に絡みます。 複雑に揺れる心の内を伺えたことで、宗教2世の方達が「よくわからない」存在ではなくなり、さらに慮ることが出来るようになります。この話を始めるに当たって、ただ机上の空論を振りかざして感情的になるのではなく、実在する人に「寄り添う」ための、基本の書になるのではないでしょうか。

あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉
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二宮和也主演で映画化!奇跡の実話をコミカライズシベリア抑留中に死んだ仲間の遺書を、厳しい監視網をかい潜り、驚嘆すべき方法で日本へ持ち帰った男たちがいた。勇気と知性の物語。「ダモイ(帰国)の日は必ず来ます」元一等兵、山本幡男はシベリアの強制収容所(ラーゲリ)で死と隣り合わせの日々を送りながらも希望を捨てず、仲間を励まし続けました。しかし、過酷な捕虜生活が山本の体を蝕みます。死期を悟った山本は4通の遺書を記し、日本の家族に届けるようにと遺言し、息を引き取ります。ラーゲリでは、文字を書き残すことはスパイ行為として厳禁され、帰国する時も紙一枚持ち出すことは許されませんでした。しかし、仲間たちは驚くべき方法で山本の遺書を日本へと持ち帰り、終戦から12年後に遺族のもとへと届けたのです。一体、どうやって……!?1990年に大宅賞を受賞した原作は、現在も版を重ねる傑作ノンフィクション。極寒、飢餓、重労働に屈しなかった男たちの勇気と知性の物語は、戦争を知らない世代にも感動を与え続けています。今冬には「ラーゲリより愛を込めて」として映画公開も決定。主演は「硫黄島からの手紙」の二宮和也。映画とのメディアミックスにより、より幅広い読者に届けられればと考えています。

拾われた男
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ディズニープラスで6月26日、ドラマ配信開始決定!『シン・ゴジラ』『SP』『ひよっこ』などで話題を呼んだ人気バイプレイヤー・松尾諭の「自伝風」マンガ。俳優を志して上京したものの、どの劇団にも入れず途方に暮れる青年・マツオ。偶然拾った航空券を警察に届けたら、落とし主は芸能プロダクションの社長だった。社長から「昨今 稀に見る昭和顔だわ…!」と気に入られて、マツオはレッスンやオーディションを受けることになるのだが……。人気バイプレイヤーはこうして生まれた…のかも?

でざいなーしぶいなおとのきゅうじつ
デザイナー渋井直人の休日
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光石研さん主演の実写ドラマ化も大好評!!オシャレ独身デザイナーの、楽しくもほろ苦いLOVE&LIFE。オシャレな雑誌や広告のデザインを生業とし、そして、これまたオシャレなインテリアに囲まれ、かわいい愛犬とセンス抜群の暮らしを楽しむデザイナー渋井直人50代独身。隅から隅までこだわりのある、誰もが羨むライフスタイルを手にしている男……のハズなのに、なぜか私生活はとってもザンネンな感じで…。同業者のライバルには差を見せつけられ嫉妬。憧れの大御所イラストレーターとはうまくコミットできずに意気消沈。仕事や趣味やSNSで次々と巡り合うヒロインたちには毎回トキメキ、さらに飲み屋で知り合った女性とついに恋に落ちて……?『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』 の作者が贈る、 ほろ苦くもクスッと笑えて温かい、渋井直人の七転八倒な日常物語。テレビ東京で実写化されたドラマ版のBlu-ray BOX発売に合わせて、7月3日に電子書籍を配信します。※紙のコミックスは2017年に宝島社で刊行されています。