芥川賞作家が漫画家になった!27年間続けた教員を辞めた。これで小説を書く時間はたっぷりできたはずなのに、惰眠を貪るばかりで、執筆は一向に進まない。書けない日常から、思考はいつしか逃避をはじめ、気づけば異界の入口へと招かれていた。うさぎのうーちゃん、巨女、仕事ぶりを見張る謎の男。締切と逃走。労働と国家。作家の日常と足取りをたどるうち、深遠なる世界に足を踏み入れる、つげ義春的漫画作品。
日々我人間
ひょんなことから数年を過ごした東京の漫画喫茶に別れを告げ、伊豆の山中に居を構えた玉さんを襲う、ネコ・シカ・ムカデ!週刊文春好評連載、桜玉吉『日々我人間』がついに一冊に!「いったいなぜ?」と反響を呼んだ週刊文春連載開始からはや3年、待望の単行本化!!「すぐに休載するんでは?」などの憶測もなんのその、ほぼ隔週連載から毎号掲載になっても見事皆勤賞。その3年分150回をどーんとお届け。激動の3年間の前半は東京・漫喫編、後半は伊豆編。隣人の音に悩まされる満喫の狭い個室から、野生生物の襲来に悩まされる山荘へと生活はガラリと変わっても(変わってない?)、玉吉節は健在!「週刊文春お正月スペシャル号 丸ごと1冊タンマ君!」に寄稿した「タンマさん」もそっと収録。
野球漫画にはじまり、珍品コレクター、クイズ番組では博学ぶりを披露し、今や角界のご意見番としてもおなじみのやくさんは、実はもう一つの隠れた趣味が、海外旅行。それも、国名をきいても「…それ、どこ?」というようなマイナーな場所ばかり訪れる”秘境”マニアだった! 忙しい仕事の合間を縫って、せっせと諸国を巡り、雑誌「オール讀物」の連載でひっそりととんでもない体験記を描き続けて10年余り。見開き2ページにギュッとつまった、時に命がけの、笑いと驚きに満ちた世界旅行記。
もものききかじり
もも、26歳。夢、半ば。週3で派遣の事務をしながら、小さな劇団で女優をしているもも。職場の同僚には演劇をやっていることは秘密。なぜなら一番大切なものだから。そして失うのが怖いから。美しい友人、活力ある劇団主宰、迷いのない看板女優の中でからっぽな毎日を生きるももの不安と焦り。このまま変わらずにいていいのだろうか--。夢にむかって進もうとする26歳の女の子の心情が風景と結びつき、著者ならではの美しい色使いに魅せられる、オールページフルカラー!ウェブ「花椿」の人気連載、待望の書籍化!
漫画喫茶での生活や伊豆での生活を面白おかしく漫画にしているのだが、読んでるうちにだんだん自分がどう老いと向き合っていくかについて考えさせられる。 歳を取っても連載を続けている漫画家は沢山いらっしゃるが、回想でもなく、子育てや病気などテーマのある体験談でもなく、ただ生きている様を描いたものはそんなに多くないのではないだろうか?何というか少し先の自分を見ているようで、楽しみながらもふと真顔になってしまう瞬間がある。