青年マンガの感想・レビュー15378件<<7273747576>>「総員玉砕せよ!!」読んでみた総員玉砕せよ!! 他 【水木しげる漫画大全集】 水木しげるstarstarstarstarstarかしこ大ヒット公開中の映画「ゲゲゲの謎」には水木しげる先生の戦争に対する考えが反映されているので映画を観る前に「総員玉砕せよ!!」を読むといいかもと言われたので気軽な気持ちで読んだらガーンとなりました。 戦地では兵隊の命が馬より軽かったというのも恐ろしいですが、玉砕に失敗したからという理由で上官が自決させられるのが本当に馬鹿馬鹿しくて腹が立つし悲しかった。軍医殿の「人間の生を人為的にさえぎろうとするのは悪だ」という主張が忘れられません。なぜ今も戦争しているんだろう…。 戦争の話はつい目を背けたくなってしまいますが水木さんの語り口は子供でも読めるものになっていますね。仲間から「お前の食い意地すごいな」と言われる水木さんにはニヤリとしました。これからバナナを食べるたびに思い出しそうです。地味。それがいい。少年のラブレター 今橋涼名無し平凡な少年が、ひょんなことから宇宙船が故障し不時着した宇宙人に出会い、恋をする話。といってもその宇宙人はまったく宇宙人らしさがなく見た目だけならその辺に居る人間。劇的な出会いではあるものの、別れは意外とあっさり訪れる。全体的に地味なんだけど、心には残る読み切りでした。東京シティ、こわい所やで!! #読切応援ボーナスステージ 三ヶ嶋犬太朗starstarstarstarstar天沢聖司※ネタバレを含むクチコミです。これは続きが欲しくなるわ陰キャ天使と悪魔なあくあ 戸山トモ名無し【続きを読ませろグランプリ】とかいう企画?のエントリー作なのかな。選ばれたやつが連載権を獲得するらしい。他のはまだ読んでないけど、とりあえずこの漫画は面白かったです。ポンコツな天使が主人公なのはよくある設定だけど、ひとりの人間を優秀にしなければならないというミッションがあって、そのターゲットに選ばれた女の子がクセが強そうで、気になりました。 若き漫画家青年、移民大国フランスで何を思うフレデリック 望月ミネタロウ 山川直人名無し※ネタバレを含むクチコミです。昭和の少女漫画のソウルを感じるマリーの肖像 素馨皐starstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。自虐と自慢、起承転結のバランスが良いローカル女子の遠吠え 瀬戸口みづきさいろくさすが「まんがタイム」基本は4コマですが、起承転結が巧み。 しぞーかご当地マンガであるかのように始まったと思ったら盛大にアレがないコレがないここが酷いここがこんだけ遅れてる、と主人公のOL目線での静岡へのダメ出し。。。 と思いきや、東京から左遷された29歳江戸っ子サラリーマン目線での静岡おもしろ話や、ツッコまずにいられない良い塩梅の展開が本当によく出来ているなーと感心させられます。 別にこれ読んで静岡いってみたい!ってならないけど、静岡面白いなとは思うことでしょう。 川で3つに分かれてる(西部・中部・東部)とか、それぞれ取れる海産物が異なるとか全然知らない豆知識がイイ。 現人神たるクレオパトラ #読切応援ケプリの冠 馬屋原路行starstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。「幼少期の写真」から得られる情報に思いを馳せる遠い日の陽 横谷加奈子starstarstarstarstarnyae※ネタバレを含むクチコミです。スポーツ少女→ピンク髪ギャルになった訳 #1巻応援地元に帰ってきたら幼馴染が壊れてた 十五夜starstarstarstarstar_border兎来栄寿もしも男勝りで元気潑剌なスポーツ少女だったポニーテールの幼馴染が、地元に帰って久々に会ったらピンク髪ピアスゴリゴリのギャル風になり性格も一変していたら。 冬馬と響子。 元々はお互いに兄妹のような気心の知れた存在だった幼馴染同士。 しかし、久々の再会を遂げた響子は以前とはまったくの別人のようになってしまっており、一体何があったのか、何が彼女を変えてしまったのかという謎を湛えながらも改めて距離を縮めていくふたりの物語です。 元々はTwitterでバズっていた作品で、そちらが元になって描かれた作品です。元々「幼馴染を描く」という指針があってスタートしたそうですが、幼馴染という関係性の特別さたるや否や。歳月の積み重ねが生み出すもののあはれ。幼馴染にしか出せない味わいをたっぷりと醸し出しながら、一歩一歩ステップを踏んでいく彼ら姿に胸が一杯になります。その描写が各シーンでとても丁寧でリアルなのが良いです。 人生においては考えられないようなことも起こりますが、それでも最終的に心の底から溢れ出る幸せで自然と笑みが溢れるような時間が訪れれば最高ですよね。タイトルや表紙から感じられる不穏さもありますが、その過酷さが幸せの光をより鮮明に引き立たせています。 冬馬と響子に幸あれ、と心の底から祈ってしまうような作品です。 帯にもカバー下にもおまけたっぷりですので、お見逃しなく。 どういう気持ちで読めばいいんだ値段をいう女の子の話 蜷津直名無し※ネタバレを含むクチコミです。ナッツマンは「復讐」がしたいナッツマン タバタグランドキャニオン名無し※ネタバレを含むクチコミです。ゾンビに恋は難しい恋情リビングデッド 阿瀬悠人名無し一度は死んだけど、好きな人からの愛の告白で心臓が動き出し、ゾンビとして生き続けられている主人公。しかし生きるには心臓をドキドキさせてパワーをチャージする必要があり、おまけに怖いもの(ポメラニアン含む)が全くだめなカレシにはゾンビであることは絶対に知られてはならない。障害だらけの恋である。 チャージが出来なくなったり、ゾンビだとバレたときのことを考えるとちょっと悲しくなるけど今が楽しければいいのかな。 構成が天才喪服のサイズが変わる前に 竹内佐千子starstarstarstarstarnyae※ネタバレを含むクチコミです。ずっと最高のマンガボーナスステージ 三ヶ嶋犬太朗名無し※ネタバレを含むクチコミです。寺門ジモンの見方が変わるネイチャージモン 刃森尊 寺門ジモン六文銭ダチョウ倶楽部のメンバーの1人寺門ジモンにこんな側面があったなんて全然知らなかった。 それが知れる唯一の作品です。(そんな需要があるのか、わかりませんが) タイトルにネイチャーとあるように、とにかく彼は自然をこよなく愛し、グルメ的な側面でも(主に肉を)ウンチクとともに食べるシーンがもりだくさん。 ウンチクがとにかくスゴイ長い。 特に、データとかで裏をとっているわけではなさそうだが、妙に説得力があるのも特徴。 肉の描写もワイルドかつ美味しそうで、食べたくなるのも本作の魅力です。 総じて、おっさん向けの内容だと思います。 常日頃、趣味や好きなものを追求している人って魅力的だと思っていたので、寺門ジモンの魅力を再発見しました。 永く愛される(?)理由はここにあるのか?と思うぐらい、寺門ジモンの人間としての濃さを感じれる1冊です。 国内の格闘技の常識が書き換わったあの時代格闘太陽伝ガチ 青山広美さいろく連載開始が2001年らしいので、グレイシー柔術という格闘技が日本中を虜にしていた頃。 当時、プロレスが最強だと信じていた日本の格闘技ファン達を地獄に突き落とした高田延彦vsヒクソン・グレイシー戦。 日本のプロレスが何も出来ずにヒクソンに惨敗した事をキッカケに、日本人の格闘技というものの捉え方が大きく変化しました。 今も当時も、メディアというのは残酷で、当然のようにプロレスは偽物であり強くないという極端な空気を生み出してしまっていたのですが、その壁をぶっ壊し威厳を取り戻すために本気のプロレスラー達が総格に名乗りを上げていったものの、そのほとんどは無惨な結果を残して当時のプロレスファン達の心は離れていく一方でした。 そんな中、桜庭和志がプロレスラーとしてグレイシー一族に連勝し続け、プロレスの威厳を取り戻してくれたのですが… 恐らく本作はその前に構想を練られており、プロレスラーの父の背中を追う少年が、父の仇を討つためにプロレスをベースに総格でのし上がっていくというストーリー。 とはいえ、これが先見の明があったと言えるほど現実ではプロレスが総格を圧倒したわけではなく、桜庭を筆頭にほんの一握りのプロレスラーが軽く爪痕を残しただけでした。 ただ、本作はプロレスファンの心の支えにもなっていたはず。 私は最近読んだばかりですが、当時まさにプロレスファンから総格ファンに心変わりをしていた自分の過去と重ね合わせて楽しむことが出来ました。 漫画的なとんでも展開はもちろんあるんですが、根っことしては「本当に強いのはプロレスなんだ」という中邑の言葉を描くような物語。 当時を知らなくても第三次プロレスブームの現在(既に下火な気もしてますが)、改めて読むと面白いです。過去から見えるもの遠い日の陽 横谷加奈子starstarstarstarstar野愛高野雀先生がXで紹介されていたので何気なく読んでみた。あっという間に引き込まれて、読み終えた後も余韻から抜け出せない。 主人公の男子高校生・潤平が、フリマアプリで幼い男の子の写真を購入する場面から物語がはじまる。 小児性愛者?何か事件が起こる?と勘繰ってしまうけれど、そういうわけではない。 見ず知らずの少年(今は大人で潤平よりも年上だが)を眺めながら、自分の過去・現在・未来に思いを巡らす潤平。 幸せな子ども時代の記憶と、鬱屈とした今。自分もいつか路頭に迷い、幼い頃の写真を売って生活するのだろうか…。 幼い頃の写真を売る男と、幼い頃に思いを馳せる少年の今がふとしたきっかけで重なり、少しずつ物語の先が見えてくる。 ずっしりと重い余韻が残る作品ではあるけれど、希望の物語でもある。 前を向くきっかけはどこに転がっているかわからない。後ろばかり見ていたから出会えるものもある。 何気なく読み始めてしまったけど、腰を据えてじっくり読んでほしい作品。 モンキーピークについて語ろうモンキーピーク 志名坂高次 粂田晃宏名無し※ネタバレを含むクチコミです。 ホラーとラブするから、ホラーラブ??青野くんに触りたいから死にたい 椎名うみstarstarstarstarstar_borderゆゆゆちょいちょい顔を出してきては、徐々に広がってくるホラー要素。 ちょっぴりエッチな要素もあったり、どこかで聞いたことあるようなこの世界のものでない存在との接し方の話があったり。 でも物語の根本は、優里ちゃんの気持ちである「青野くんに触りたいから死にたい」なんだろう。 タイトルになるくらいだもの。 本作をすでに読んだことがある気がしたのだけど、全然違っていた。 もしかしたら、無意識に『死神坊ちゃんと黒メイド』と重ねていたのかもしれない。 青野くんが坊っちゃん的なあれで、ピュアラブ!な展開と思っていたら、そこに突如現れる黒青野くん。 すでに死んでいるからピュアラブでなく、ホラーラブか。 平和な展開から、じわじわと迫ってくるこわさ。 平和なのにこわい。 黒青野くんがいなければ怖くないのかと考えたけど、そういうわけでもなさそう。 第三者の肉体でも、中身が青野くんなら受け入れてしまう優里ちゃんも、なんだかおかしい。 これは何がどうなればハッピーエンドになるんだろう。 ホラーだから、ハッピーはないんだろうか。志賀は見た目で損してるの感想 #推しを3行で推す志賀は見た目で損してる 楠本寛樹 澤シーヤマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 主人公の顔どっか見たことあるなと思ったら、田口雅之の「バトル・ロワイアル」嘉門米美っぽさがあるのか「殺し合いをっ・・・して・・・もらいまーす」の顔を思い出した ・特に好きなところは? 主人公の志賀が職務質問慣れすぎているところ ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! なんとなく画像を見て読み始めたが面白かったのでおすすめです。 ライバルはウミネコうみねこには負けない! 伊勢海老ボイル名無し※ネタバレを含むクチコミです。 裁けぬ悪を裁く闇焔のヒーロー #1巻応援D.ダイバー 森恒二starstarstarstarstar_border兎来栄寿『ホーリーランド』『自殺島』『創世のタイガ』の森恒二さんが送る最新作。 世の中、法律では裁けない悪人というのがいます。人間の作るルールは完璧ではありませんし、それを遵守させることもまた難しい。従ってどうしてもその網目から抜け出す者はいます。ルールに従い、真面目に生活している大多数の人間にとってはたまったものではないのですが。 そうした理不尽が現実に存在するからこそ、フィクションの世界では社会のシステムだけでは裁けない悪を懲らしめるヒーローを描いた作品が古から人気を博してきています。 本作は、大学で法律を学ぶ青年・カグラが、他人の夢に入ってゆける能力を使って悪人たちを懲らしめていく物語です。 家事で家族を亡くしてしまったが故に炎を憎みながら、なぜか炎を愛おしく思うカグラ。彼がなぜそんな能力を身につけるに至ったのか、その理由も興味深いです。一見すると普通の好青年に見えるカグラの底にある危うい部分が物語を引き締めるスパイスになっており、森恒二さんらしい味わいも生み出しています。 夢の世界での出来事が現実にも影響していくことを利用して、カグラは夢の中でさまざまな犯罪者とやり合っていきます。犯罪者たちの思考や行動など、非人間的なディティールも流石です。 そして、他人の夢に潜るというファンタジー設定がありながらも、やり合う方法が物理的な格闘というのもまた森恒二さんらしいです。カグラが空手の経験者であるのも、どこか安心します。 『ホーリーランド』を読みながら回し蹴りなどの練習をした私は、本作も応援しています。台湾コミック応援ヘレナとオオカミさん 布里斯名無し台湾のマンガ家さんだけど日本っぽさ全開の絵柄で上手。 話の内容も最終的にこうなるといいし、そうなるんだろうなーと思って安心しながら読める。 レベルの高い描画力と雰囲気のある頁。 でもソレしか無いなぁと辛口評価をせざるを得なかった。 日本の漫画好きとして斜に構えてしまってる前提だけど、 展開やコマの結びつきの不自然さが目立つし、台詞回しの不自然さ(これはもしかしたら翻訳?の問題かもしれないけど)物語の流れの作り方に対する納得度など、ツッコミを入れながら見てしまうところが多かったし、致命的なのは物語に意外性がなすぎるところかな(狼作家の見た目で意外性持たせたり、キャラクターの強さに完全に負けている) 読んでいて改めて日本の漫画編集者のナレッジ的なものが如何に強くて重要かを感じた。本作も日本のマンガ編集がついてるんだとは思うけど、もっと磨けるんじゃないかって偉そうに思ってしまった。 ただ、これは大抵の海外のマンガ作品に同じように感じるので(コマとコマの間の空気などがなく、アメコミ的にフキダシに詰め込む+見せたい画角で描いた上に台詞を載せているだけでは?と)そもそもの造りたい形が違うのかもしれない。 結論として、私がやっぱり斜に構えてしまっているのだとは思う。<<7273747576>>
大ヒット公開中の映画「ゲゲゲの謎」には水木しげる先生の戦争に対する考えが反映されているので映画を観る前に「総員玉砕せよ!!」を読むといいかもと言われたので気軽な気持ちで読んだらガーンとなりました。 戦地では兵隊の命が馬より軽かったというのも恐ろしいですが、玉砕に失敗したからという理由で上官が自決させられるのが本当に馬鹿馬鹿しくて腹が立つし悲しかった。軍医殿の「人間の生を人為的にさえぎろうとするのは悪だ」という主張が忘れられません。なぜ今も戦争しているんだろう…。 戦争の話はつい目を背けたくなってしまいますが水木さんの語り口は子供でも読めるものになっていますね。仲間から「お前の食い意地すごいな」と言われる水木さんにはニヤリとしました。これからバナナを食べるたびに思い出しそうです。