青年マンガの感想・レビュー15378件<<7071727374>>埼玉指数カンストのグルメマンガ #1巻応援埼食主義の女 なかじまもりおstarstarstarstarstar_border兎来栄寿『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』が大ヒット上映中で2週目で興行収入11億円を超え、話題となってい今日このごろ。 前作もとても楽しんだのですが、どうせ映画館で観るなら埼玉の映画館で観れば良かったという後悔を抱いていたので今回は初日にさいたま新都心まで行って観てきました。すると本編前のCMから埼玉ローカルてんこ盛りで、しかも周囲の埼玉県民がそれに対してボルテージ爆上げしている様子も体感できて大満足でした。 再び埼玉旋風が吹き荒れている今、タイミングよく発売となったことで併読をお薦めしたい作品がこちらです。 蕨市在住の美人が、半ば仕事で埼玉県内を駆け巡りながら半ば自分の食欲を満たすために奔走していく物語です。 この作品、何が良いって主人公が女性ながらそこらの男性よりもたくさん食べる健啖家なことです。美味しいものへのリスペクトがしっかりありつつ、実に美味しそうに綺麗に平らげていく姿がとても気持ち良いです。その中で、 ″しば漬け茶漬けは日本人の魂 昆布茶漬けは日本人の命 梅茶漬けは日本人そのもの″ ″東松山のやきとりはやきとりと言いつつ実は豚そんな裏切りも女心をゾクっとさせる″ ″う…うまい! しっとりやわらかなパンで焼きそばが…辛モツが…他の具材が手に手を取ってマイムマイムを踊ってる!″ などなど、『孤独のグルメ』もかくやというワードセンスが光ります。 また「ほぼ東京の私」と書いて「県南の私」と読んだり、 ″どういうこと!? 7万5千の蕨市民を敵に回したわね″ といったセリフなどから滲み出る県南民のプライドがたまりません。ニッチな県民性からしか取れない栄養があります。 わらじかつ、五家宝、大宮ナポリタン、味噌漬けまんじゅう、川幅鴨汁うどん、なまず料理、雪白体菜などなど、さまざまな埼玉名物を知ることができます。 また、渋沢栄一記念館や大高鳥山などさまざまな観光名所も出てきて、埼玉県民でないとあまり詳しくは知らないであろう埼玉県内の地図にも読むだけで詳しくなっていきます。 田山うどん、東武動物パーク、はにゅう水族館、ふっかちゃん(シルエットのみ)など、ところどころ固有名詞に配慮は感じますが、わかる方にはきっと全部伝わることでしょう。 グルメが中心ではありますが、男にモテる主人公の着拒芸も見どころです。 この解像度で、全国のいろいろな都道府県のグルメマンガを読みたいなぁと思ってしまいます。門司港の空と海と人を照らすもの #1巻応援生きとし生ける 長谷川未来兎来栄寿戦時中から今に繋がる人間模様と、小説家の業が交錯する物語です。 40歳の売れっ子小説家・古賀照人が、祖父のルーツを辿って北九州・門司港を訪れ、実家の居酒屋を手伝いながらアイドル稼業を行う望と運命的な出逢いを果たしていきます。 照人は、祖父が「書かずにはいられなかったもの」を求めて過去を手繰っていきます。人間誰しも自分のルーツがあるもので、それを巡る部分は普遍的な感慨を与えられます。映画化もされ売れている小説家でありながら、祖父の文章から感じるただならぬものの正体を知るために門司港まで来る執着。そして、ある人物からは「傲慢」とも称される小説家としての性質。穏やかな性格の内に燻るものに興趣をそそられます。 戦争については実体験を語れる人もどんどん鬼籍に入ってしまっており、話を聞ける内に聞ける人から聞いておくべきだと強く感じます。教科書に書かれている歴史的な事実は事実として、当時を実際に生きた人の所感はまた違ったもの。本州初めての空襲として知られる門司への空襲ですが、それを6歳のときに体験しているシゲさんが高射砲や曳光弾の光が空を照らすのを見て「きれい」と思った素朴な感情などは、不謹慎で不適切だとして教科書には載らない類のものです。しかし、それは確かにそこにあったものでもあります。そうしたものをいろいろな形で残しておくこともまた意義あることです。 生と死をより身近に感じられた戦時中から連綿と続く人間関係が織りなす数奇な物語、その中で鮮烈に生じたさまざまな感情に惹きつけられます。 戦争を戦っている最中には、まさか曾孫がアイドルになるなどとは想像もできなかったでしょうけど、少なくとも子々孫々の繁栄と平和は祈っていたことでしょう。そして、結果的には日本は今世界の中でも有数の平和な暮らしを享受できています。その礎を築き上げてくれた先人のことを想い、改めて感謝を捧げたくもなりました。 歴史ある門司港がたびたび美しい筆致で描かれるのも趣深さがあります。人間ではなく門司港の海と空にフィーチャーした、淡い色彩の表紙も文学作品との中間のような印象を与えられ素敵です。私はこういう色合いの空が大好きなので、実際に現地で見てみたいと思いました。ついでに、瓦そばも食べたいです。 生きる上で忘れてはならないものを、思い起こさせてくれる作品です。バスケ好きならピンとくる仕込みがたくさんDeep3 水野光博 飛松良輔alankコービーや能代など、ピンとくるモチーフが随所に散りばめられていて、バスケ好きなら一巻から面白い。最初はイップスの話かと思ったけどそうじゃないっぽいのでこの先が楽しみ。泣いたFather's Fantasy 安宅名無し※ネタバレを含むクチコミです。 お、おじさーーーん!!!😭😭😭 #読切応援都会のカセキ 真野ろかstarstarstarstarstar天沢聖司※ネタバレを含むクチコミです。おもしろ甘酸っぱい青春!そりゃないよ佐藤 風上吹人天沢聖司※ネタバレを含むクチコミです。ちょっと古めかしい鬼に食わせばきび団子 衿沢名無し絵柄の雰囲気もあり、10〜15年くらい前の空気感があるギャグ。バイトにやってきた少年、何を言っても前向きに受け取って笑ってる狂気性があるのは良かったけど、ところどころで普通の人の顔をするところがちょっと中途半端かなと感じた。少年の狂人ぶりがもっと徹底してる方が自分は好み。 リングの上の青春RE:ゴング 貘九三口造名無しプロレスには詳しくないけど、格闘技とエンタメショーを同時に楽しめる競技のイメージ。でもこの読み切りからはプロレスに真摯に向き合うレスラーたちの青春も感じられた。最近主人公を見かけなくなったが・・・ワンパンマン 村田雄介 ONEさいろく相変わらず面白い。 29巻でもなかなかのピンチ(いつもだけどターゲットが毎回違うから良いのだきっと)が訪れるが、そこを乗り越えるのがヒーローだなぁ・・・と毎回思う。 しかしこの数のキャラクターは憶えきれない。歳を感じるね。。 推しはやはりタツマキちゃん。#2023年読切ベストMETA TALK 中島佑starstarstarstarstar寸々2023年良かった読み切り。 「女性に男の内輪ノリを見せつけることで悦に入るきもいやつやっちゃいそう」で笑っちゃった。 インターネットでくだ巻いてる全ての人間へ。 青山広美の漫画は読みやすさと面白さが洗練されているバード-砂漠の勝負師- 青山広美starstarstarstarstarさいろく絵柄の好き嫌いはあるだろうけど、この『バード-砂漠の勝負師-』は序盤の引き込み方が映画的で面白い。 ヒロイン(般若組)が蛇と戦う理由、天才マジシャンの正体などなど最初の展開が尋常じゃなく早い。 この詰め込み方でどうなっていくんだ!?と思ったが、近代麻雀だから麻雀にさっさと行かなきゃいけなかったのかもしれない(笑) 麻雀の対局になってからは重たい空気の中1つ1つイカサマの戦いの正体が暴かれていく。これもまた面白かった。 すごい漫画だ。全2巻でサクッとスッキリ終わるのもちょうどよかったかもしれない。力道山がやって来た―はるき悦巳短編全集の感想 #推しを3行で推す力道山がやって来た―はるき悦巳短編全集 はるき悦巳starstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ この短編集は何回読んでもいいな。確か劇画村塾メンバーが描いていた THAT'Sコミックに掲載された「政・トラぶっとん音頭」やマンガ少年に掲載されたじゃりン子チエなどとは作風が違う「待つ戦士たち」が読める。表題作の力道山がやって来たは読むたびに面白く感じるし、個人的には俺が読んできた読切の中でも特に好きな「オッペラ甚太」だな ・特に好きなところは? 「オッペラ甚太」中学生ぐらいの時にビッグコミックで読んで無茶苦茶面白かった記憶しかない。あらすじとしては声があり得ないくらい大きい少年が出世して故郷に帰ってくるという派手さがほとんどないマンガですが無性に好きなんだよな。 マンガを好きになったきっかけの一作であることは間違いない ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! はるき悦巳の長編のじゃりン子チエは面白いですが、短編も面白いのでぜひ読んで欲しいところです。 #2023年読切ベスト地層の女 山中美容室starstarstarstarstar寸々2023年良かった読み切り。 表題作と別に連作になっていて、賞を取ったこの短い4本でひとつになっている(と思われる)。 全編が自由律俳句のような。回文とか各話に登場する動物のモチーフを掘っていけばおそらく作者が狙った読み方はあるのかもしれないが、分からなくても良い。 審査員講評では黒田硫黄に似てると言われてるけど、平方イコルスンとかも感じた。 コミティア発表作等もまとめて早く一冊の短編集にして欲しい! 会えないなら作ればいいじゃない!週刊 元恋人を作る 谷口菜津子starstarstarstarstar_bordernyae※ネタバレを含むクチコミです。#2023年読切ベスト友人について 中島佑starstarstarstarstar寸々2023年良かった読み切り。 10ページとは思えない。 2人の会話劇に人間関係を垣間見る。 じ、人生……知らなかったことが知れるって面白い!!カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義 夏原武 甲斐谷忍干し芋1巻読了。 とても勉強になる漫画! 経済学者の加茂教授が、スカッと解決してくれる爽快感🎵 気持ちいいっ!! にしても、講義を一切しないが、生徒たちは、レポート提出しているの面白い。 第一講義の異時点間の選択の終わり方好き!! となりの猫さん #1巻応援L.A.猫物語 the walking cat nohostarstarstarstarstar_border兎来栄寿アニメ化も話題となっている『となりの妖怪さん』のnohoさんが『ねこぱんち』誌上で2018年から不定期連載されていた猫マンガが遂に1冊の本になりました。 1950年代のロサンゼルスのダウンタウンを舞台に、1匹の大きな猫を通してさまざまな人間模様を描いていく作品です。 「ブラシくん」「パンケーキちゃん」「ニッパー」「ウィリアム」「ヒッチコック」など、街の人々からは思い思いの名前で呼ばれている猫。『耳をすませば』などでも「ムーン」と呼ばれている猫が他の人には「おたま」「ムタ」などと別の名前で呼ばれるシーンがありましたが、動物が色んな人からたくさんの名前で呼ばれるのはあるあるですね。「あだ名が多いのは人気者の証拠」という話は人間にもありますが、呼び名が多いのは愛されている証拠でもありましょう。 本書の中では「探偵事務所のヒッチコック」と認識されているお話の占める割合が多いので便宜上ヒッチコックと呼びますが、猫ならではの気まぐれさでケーブルカーの中でも警察署でも教会でもどこへでも自由気ままに闊歩するヒッチコックは行く先々でたくさんの人々に出逢い、可愛がられます。 『となりの妖怪さん』でも見せるnohoさんならではの何とも言えない穏やかで優しい空気感の良さは本作でもたっぷり味わえます。その上、何せ主役が「猫」ですのでヒーリング効果は抜群です。 後半は少しサスペンス混じりのお話もあり緩急はありますが、全体を通して暖かさが沁みる物語たちです。 基本的な画力が高い上に、猫に対する解像度も高くある程度のリアルさを持った上でとてもかわいいという絶妙なバランスです。 猫好きの方はぜひ読んでみてください。利き腕はもうないノックオフ・イン・ユアハンド 高哉佳衣starstarstarstarstar_borderゆゆゆ※ネタバレを含むクチコミです。おふざけコメディかと思いきや、意外とシリアス目からビーム ハヤシロウstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ※ネタバレを含むクチコミです。 これは何者 可惜夜季央名無し※ネタバレを含むクチコミです。神田ごくら町職人ばなし神田ごくら町職人ばなし 坂上暁仁starstarstarstarstar寸々コミティアで江戸の火消しを描いてた頃から注目してた!!(古参アピール) 絵はもちろんだけど、続き物のストーリーを描かせても超良い。守娘守娘 シャオナオナオstarstarstarstarstar_border寸々原典の台湾怪奇伝説はもちろん知らないけど、「そこそこ裕福なお家の世間知らずお転婆女がオカルティックミステリーに巻き込まれていく」とまとめてしまえばかなり現代漫画ナイズっぽくもある。 「生きてる女にはできないことが悪霊になれば簡単にできる」というセリフが凄くて、これだけ見ればホラーバトル漫画の限定解除っぽい(?)。 画力すげえ〜けどカロリーが高い感じではなく、レイヤーの重なりは長い時代に渡って積み重なった怨念のようにも。 電子で買ってしまったけど紙で買い直そうかな。 娘の胃袋を掴む!父ごはん月イチ!父ごはん ちゃんやつ名無し父親が家庭を顧みなかったせいで離婚したのに、何年も会ってなかった一人暮らしの娘の家に泊まろうとするなんてなんて父親だ!と思ったけど、漫画家志望の娘の身体を心配して美味しい料理を作ってくれる父の愛は本物なんだなと感じた。仲直りができるチャンスがあってよかったのかも。波を待つおじさん波待ちシンさん ブル名無しシンさんの生き方はかっこいい。いろんな制限とかおじさん特有の肩身の狭さとかを乗り越えた上で自分がやりたいことをやってる。独りよがりにならず小さな出会いも大事にしてる。いつかいい波が来ますように。<<7071727374>>
『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』が大ヒット上映中で2週目で興行収入11億円を超え、話題となってい今日このごろ。 前作もとても楽しんだのですが、どうせ映画館で観るなら埼玉の映画館で観れば良かったという後悔を抱いていたので今回は初日にさいたま新都心まで行って観てきました。すると本編前のCMから埼玉ローカルてんこ盛りで、しかも周囲の埼玉県民がそれに対してボルテージ爆上げしている様子も体感できて大満足でした。 再び埼玉旋風が吹き荒れている今、タイミングよく発売となったことで併読をお薦めしたい作品がこちらです。 蕨市在住の美人が、半ば仕事で埼玉県内を駆け巡りながら半ば自分の食欲を満たすために奔走していく物語です。 この作品、何が良いって主人公が女性ながらそこらの男性よりもたくさん食べる健啖家なことです。美味しいものへのリスペクトがしっかりありつつ、実に美味しそうに綺麗に平らげていく姿がとても気持ち良いです。その中で、 ″しば漬け茶漬けは日本人の魂 昆布茶漬けは日本人の命 梅茶漬けは日本人そのもの″ ″東松山のやきとりはやきとりと言いつつ実は豚そんな裏切りも女心をゾクっとさせる″ ″う…うまい! しっとりやわらかなパンで焼きそばが…辛モツが…他の具材が手に手を取ってマイムマイムを踊ってる!″ などなど、『孤独のグルメ』もかくやというワードセンスが光ります。 また「ほぼ東京の私」と書いて「県南の私」と読んだり、 ″どういうこと!? 7万5千の蕨市民を敵に回したわね″ といったセリフなどから滲み出る県南民のプライドがたまりません。ニッチな県民性からしか取れない栄養があります。 わらじかつ、五家宝、大宮ナポリタン、味噌漬けまんじゅう、川幅鴨汁うどん、なまず料理、雪白体菜などなど、さまざまな埼玉名物を知ることができます。 また、渋沢栄一記念館や大高鳥山などさまざまな観光名所も出てきて、埼玉県民でないとあまり詳しくは知らないであろう埼玉県内の地図にも読むだけで詳しくなっていきます。 田山うどん、東武動物パーク、はにゅう水族館、ふっかちゃん(シルエットのみ)など、ところどころ固有名詞に配慮は感じますが、わかる方にはきっと全部伝わることでしょう。 グルメが中心ではありますが、男にモテる主人公の着拒芸も見どころです。 この解像度で、全国のいろいろな都道府県のグルメマンガを読みたいなぁと思ってしまいます。