青年マンガの感想・レビュー15392件<<285286287288289>>近未来のレモンハート陋巷酒家 丸岡九蔵さいろくこれはすごい。なにしろ自由だ。 SFとちょっとした小噺を肴に今日も1杯やろうじゃない、って感じで登場人物も面白く、絵柄も相まってすごく温かみを感じる作品。 追記:5巻まで読み終わったけど、もう他作品と比較するようなもんじゃなく、自分の中で「これよこれ」っていう唯一無二の作品に昇格しました。最高アブれ組 光用千春名無し面白すぎる!!最高でした。 親が再婚して兄弟姉妹になった関係性を描いたマンガの中でいちばん好きです。言い方悪いけど、2人ともほんとに野生の猿みたいでかわいいですね。で、それにあの山田くんというキャラクターが出会って最高の化学反応が起こった。何回言うんだって感じですけど、最高です。リュジニャン家に伝わる龍女(ドラゴンメイド)の話ドラゴンメイド 山岸凉子名無し※ネタバレを含むクチコミです。荒削りだけど女子バスケは良いBREAK THE BORDER 歩さいろく画力高め、表情硬め、展開早すぎるけど…というかもうちょいこうだといいな、とかは正直いっぱいあるけど、「面白そうじゃんこれ」って1巻読み終わってから思った。 続きはよ、って思う作品でした! これはよいギブアンドテイクな百合夢見列車のかいぶつ 山北東nyae試験勉強で根詰めすぎて通学中の電車でうとうとしてしまう主人公が、たまに見かける後輩の女学生に「自分も一緒に寝たい」と言われる。そしてその後輩と一緒に寝ると、不思議と何時間も寝たかのように頭がスッキリしているという不思議な現象が起こる。後輩は主人公の"夢"を食べているらしいのですが、良い睡眠がとれることで成績もアップしいい事ずくめ。 そして後輩は、人の夢を食べ続け、大きくそして強くなってゆく。どんどん人間離れしてゆく(そもそも人間じゃないのかも)姿に恐ろしさと同時に執着が生まれてゆく。そんな愛しきかいぶつから、もう離れられない。という話でした。 最初は後輩の方からグイグイ距離を縮めてきていたのに、気づいたら立場が逆になってしまっていた…という構図は大好物です。よいギブアンドテイク。気になる世界観…トリ わだちずnyaeもし、これどういう話?と聞かれても説明できない。あらすじにもあるけど、不思議、でちょっとなんか怖い、という感じです。でもこの人他にどんな話描くんだろう…と気にはなってしまいます。山田芳裕の初期短編集泣く男 山田芳裕starstarstarstarstarかしこ天才が天才になる前の短編集。荒々しさはあるけどハズレなしで全部が面白い!特にギタリスト木田の壮絶ギタープレイが見れる「木田」と、表紙作の「泣く男」が好きだな。「泣く男」は表紙のイメージよりもシンプルで単純なストーリーなんだけど、ピカソの名画「泣く女」が出てきたり所々の演出がカッコいい。 でもこれを描いた人がこれから日本で1.2を争うくらい面白い漫画を描くようになるって予見できるかって聞かれたら、自分にはそこまでの審美眼はないって思う…。山田芳裕が美大に落ちたって話を知って、自分も優れた才能を見過ごしてるのかもしれないと思いました。 人生、、、ジャガーン 金城宗幸 にしだけんすけウエダ雑誌に載っていたのを見つけて読んでみた。主人公がとにかく欲に真っ直ぐ生きる話です。「ぶっぱなす!!」が最高です。未亡人出没注意未亡人登山 板橋大祐名無し題名を見て「もしかしてエロ漫画!」と 思ってしまった。 ゴメンナサイ。でも人間だもの。 第一巻を読んだ限りエロ要素皆無。 きわめて健全な男女バディの登山漫画でした。 愛した夫が亡くなり、夫が愛した山に登ることで 知らなかった夫のなにかを知ろうと未亡人が山に。 そして登山道で、山を愛し登山者を愛する男と出会い、 そこから未亡人は男に登山を基礎から指導してもらい、 山を、夫について判っていなかったことを 徐々に知っていくことになる。 いい物語なんですよ。ピュアで。 登場人物みなさんが純粋で。 山って自然っていいものなんだな、と感じるし、 登山を始める人向けの教科書みたいな内容になっているし。 けれどヒロインが未亡人だとか、夫が残した山日記があるとか、 ちょっと題名や設定が浅い感じもしましたね。 未亡人であることを題名にまでするほどか、とか、 夫の気持ちを知るのに山で見聞きしたことだけでなく 山日記があって都合よく理解の手助けになる、とか、 ちょっと話が安直というか、ストーリーが深いようでいて わりと安易で浅い感じもうけました。 登山道で普段着みたいな未亡人に出会うとか、 出会った男が下心皆無とか、 そういう物語を「だから面白い」と思うか 「ないわー、それはありえんわー」 と思うかで、この漫画の評価は別れるでしょう。 私は 「ありえんわー、山で未亡人と出会うとか、 山で熊に会うよりありえん出会いだわー」 と思いましたが、そのありえなさもひっくるめて、 ちょっと奇抜な設定の登山漫画で、一周まわって こういうのもアリかもなあ、と思いました。 人はそれを青春と呼ぶ純情バタフライ 熊鹿るり野愛生々しくて甘酸っぱくて、こんな日々のことをずるい大人たちは青春とか初恋とか言いたくなるんだよなあ、とたまらない気持ちになりました。 柔道部の少年少女たちの恋物語ではなく、あの子の匂い嗅ぎたいとかおっぱい触りたいとか、あいつをどうにかしてやりたいとか、馬鹿みたいで幼くて暴れ出しそうな劣情が爽やかに描かれています。 その渦中にいる少年少女たちにとってはちっともキラキラしていなくてドロドロした日々なんだろうけど、青春でしかないんですよね。性欲と恋心の区別もつかず、悩んだり暴走したりかっこつけてみたり。眩しいです。 タイトルにもなっているバタフライですが、汗の匂いの表現として登場するのが素晴らしいです。いつでも妄想にトリップできちゃう思春期のあの感じが伝わってきます。 この読切が含まれた短編集を早く出してほしいくらい最高! #読切応援アブれ組 光用千春starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)※ネタバレを含むクチコミです。殺し屋と恋人と、その父親。厄介過ぎる三角関係の行方は #1巻応援殺し屋やめたい! 外木寸nyae※ネタバレを含むクチコミです。抜群の完成度レ ミゼラブル 新井隆広 ヴィクトル・ユゴー 豊島与志雄名無し原作が世界的名著なので様々な漫画版は存在しますが、本書はダイジェストにならないボリュームが確保されていて(8巻分)、忠実かつ圧巻の再現度です。今現在漫画で読むなら本書以外は推すのに気が引けて、漫画化されてないorされていても微妙な出来の世界的名著も多い中でその存在は幸せだなと思えます。 Netflixとは違うが、これも良い!#1巻応援全裸監督 村西とおる伝 須本壮一 本橋信宏六文銭Netflixでドラマ化し、自分も取り憑かれた人間の一人です。 ドラマのほうは、AV業界というテーマがテーマなだけに、裏社会や非合法的なもののつながりをドラマチックに魅せてくれましたが、本作はそのドラマと少し違う印象。 ドラマの方は「村西とおる」を中心に、彼に振り回される人たち、彼を利用する人達など脇役もしっかり魅力的で物語をかためていましたが、本作はより「村西とおるという人間」を掘り下げた感じです。 (まだ1巻なのでなんともですが) 大筋のストーリーも少し違いますね。 ドラマは特に裏社会との関わりなどが脚色されており、 たぶん、本作のほうがより事実なんでしょう。 とはいえ、魅力が損なったと言いたいわけではありません。 どっちも面白いです。 作家さんが「海賊とよばれた男」を描いただけに、人物描写がとても魅力的。 ゴリゴリで法的にアウトなことしているのですが、その破天荒さや、常人では理解できない勢い・熱量がハンパない人物だけに、それをきっちり描く様は、とても爽快です。 まさに漫画的な人物「村西とおる」の魅力が、つまっております。 昔、日本でこんなことやった人がいたんだというのは、とても面白いので、知らない人にはぜひオススメしたいです。 最後に彼の名言であり、人物そのものを表した一言をのせておきます。 この言葉で気にいった人はぜひ、彼の生き様を読んでみてください。 (自分、その一人でした) 「人生、死んでしまいたいときには下を見ろ、俺がいる。」 人に優しくなれる気がするこころのナース夜野さん 水谷緑 山登敬之名無し精神科モノ、一番自分は関わりたくないくせに一番興味がある漫画な気がします。 どれだけ健康でどれだけ普通に生きてても仕事が激務だったり、人間関係が苦しかったりで人間簡単に壊れてしまう。 あまり遠い話なようには思えないんですよね… 幻覚、幻聴、リスカするメンヘラ。 一見どう対処していいんだと思うような人に作中のナースたちは接していくんですけど、どれもその人に寄り添って少しずつ治っていく様がいいなと思えました! 読んだら少しは人のことを考えて、優しくなれる漫画なきがします。死期の近い男の前に黒い蝶が現れて…黒い蝶 ハン角斉名無し※ネタバレを含むクチコミです。 社会のどこかのあなたへ寄り添う優しい話と強烈なユーモア #読切応援猫欠 岡田索雲starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)※ネタバレを含むクチコミです。転校生と"幼馴染になる"ってどういうこと!? #1巻応援今日から始める幼なじみ 帯屋ミドリsogor25中学生の相田くんの隣の家に柚木さんという女の子が引っ越してきます。 柚木さんは学校でも相田くんの隣の席になり、転校してきたばかりで緊張している様子の柚木さんのことを気にかけて積極的に声を掛けていて相田くん。 するとある日、相田くんは柚木さんに「私と幼なじみになってください!」と不思議なお願いをされます。 話を聞いてみると、何度も引っ越しをしていて友達ができなかった柚木さんは、マンガやアニメに出てくる"幼なじみ"に強い憧れがあったそう。 そんな彼女にとって、家も学校の席も隣同士である相田くんはまさに夢見ていた"幼なじみ"そのもの ということで、中学で初めて出会った2人なんですが、柚木さんが憧れている"幼なじみ"のようなやりとりをしていくことになります。 あくまで"幼なじみ"なので付き合っているわけではないのですが、どんどん特別な関係になっていく、ありそうでなかった2人の関係性にときめいてしまう、そんな作品です。 1巻まで読了人情派ベテランスカウト・ガンさん!!隠し球ガンさん やまだ浩一 木村公一名無し野球は全く詳しくないのですがドラフトキングですっかりスカウトマンの熱意と野球選手の人生キャリアをめぐるドラマに魅せられてしまいました。そんな中たまたま他にもドラフト漫画が知り1巻を読んでみたのですがやはり面白い…!! 作中の舞台は1995年頃。 球速120km/hの選手から、金属と木製の違いに悩む大学生五輪選手、アメフトのQB、実績ゼロの内野手、自由契約のベテランまで。 選手の出身校の恩師から家族にまで話を聞き、自費で見に行った試合で選手とほんの僅かに世間話をする。とことん足で稼いでその選手の特性を見抜いたうえで、どのようなキャリアを選択するのが良いか「人生を背負い込む覚悟で」声をかける。 逆に言えば、選手の人生を一番に考えて声をかけないという選択もするということで、この辺に金儲けしか考えていない悪徳スカウトマンと一線を画する人情派な部分がガッチリ出てます。 怪我で自慢の第一歩を失った選手にただのおっちゃんとして自分の昔話をするシーンや、元高校球児の地元熊本まで行き「あの子はこの景色を見てきたんか…」と感じ入るシーンにガンさんの人柄が出てて好きです。 デフォルメがいかにも青年・少年漫画らしい(ちょっとハロルド作石先生っぽい)ところがまたいい。 主人公のガンさんが気のいいおじいちゃんなので、ふざけたり熱く語ったり怒鳴ったり…表情の変化がデフォルメとバッチリハマっていて見応えがありました。 やっぱ野球のスカウトマン熱いな〜!と思えるいい作品です。アンリミで読めるのでぜひ! 歴史とエンタメのかみ合わせが秀逸天竺熱風録 田中芳樹 伊藤勢名無し相当にマイナーな題材なのに小難しさがなく説明もスッと入って来て読みやすかったです。個性あるキャラクター達による駆け引き、バトルついには合戦を織り交ぜながら6巻を一気に読了しました(余韻がまた素晴らしい)。伊藤勢作品の中でも最も薦めやすい作品であり、個人的には現時点での最高傑作だと思っています。異世界漫画だったBE-BOP-HIGHSCHOOL 木内 一裕名無し1巻読んだけど何もかも今と違くてほぼほぼ異世界漫画だった。 そもそもどこからどこまでが漫画的なフィクションで、どこが事実に基づく描写なのかすら判断がつかない。 スクールコメディ漫画なんだろうけどメインの2人が涙流しながら爆笑してるシーンは下品すぎたり酷いイジりだったりして基本的に全然面白くない…。 「当時はこれが最高に面白かったんだな〜」という意味では興味深くて面白いなとは思った。オシリーナもなかなかの変人だよね鉄人ガンマ 山本康人starstarstar_borderstar_borderstar_borderかしこ1巻の表紙を見た時に「あれ?これ子供の頃に読んだことある気がするなぁ…」と思いながら読んでみて、社内ハイキング中にオシリーナの尻を目撃するシーンで確信に変わりました「この尻覚えてる…!」と。せっかくだから改めて本腰を入れて読んでみるかと思ったら、主人公の丸麻照男と自分の誕生日と血液型が一緒なことが判明した。全く嬉しくないけど何となく他人事とは思えなくなるから不思議だ…。ただガンマに感情移入しちゃうとすごく読みにくくて困る(そして意外と長い!)。暇つぶし位がちょうどいい漫画なので気が向いた時にコツコツ読もうかな。 令和の今読み返したい、昭和の優しいおばあちゃん利平さんとこのおばあちゃん 法月理栄兎来栄寿「味のある老人を描く」というのは一際困難がある作業です。まだ若い作家であれば自分の実体験に即して描くことができないので、他者への鋭い観察眼または豊かな想像力が必要となってきます。そもそも、マンガの主な購買層である若い読者を想定して主人公も若くしておくことで共感しやすくするのがセオリーとなっているところもあります。 実際、1000万部以上の累計発行部数を誇るメガヒット作品群を見てみても、老人が主人公の作品というのはほとんどありません。島耕作や『蒼天航路』の曹操は物語が進むにつれて歳を重ねましたが、最初から老人を主人公に据えている作品というのはやはりメインストリームではありません。しかも、現在よりももっと男性作家が多かったかつての青年誌というフィールドで老婆が主人公となっている作品は非常に珍しいです。 しかし、私は老人が主人公の作品が大好きです。読書は想像力の翼を広げてくれる行為。自分の人生では味わえないこと・まだ経験していないことを擬似体験させてもらえるのが物語の醍醐味です。老人を主軸に描いた作品は、これから往く道について教えてくれる存在です。派手でキャッチーな面白さはなくとも、含蓄に富み心に響く作品が非常に多いのです。 『利平さんとこのおばあちゃん』でも、主人公のおしげさんが一話完結のお話たちの中で年の功によって多くの若人の良きメンターとなるシーンが幾度も描かれます。おしげさんや周囲の人たちの人情の暖かさが、法月理栄さんの朴訥とした絵柄との相乗効果で胸に優しく沁み渡ります。旦那さんを亡くしても、在りし日の思い出を心の中の宝物として日々を精一杯、笑顔で楽しく生きるおしげさんのようになれたら素敵だなと思います。 だら、だに、ずらなどの方言、茶畑でお茶を栽培をしている様子、また『ゆるキャン△』でも扱われたシッペイ太郎の民話や「清水港の名物は〜♪」と歌われるシーンなどから、静岡の片田舎が舞台であることが察せられます。法月理栄さんは静岡の島田市出身だそうなので、静岡県民の方が読めば私以上に共感できるポイントが多くあるでしょう。 ところで異端な余所者へは風当たりの強さがある一方で、誰かの子供に何かあったら「村の子供」として村人全員で一致団結して助け合う。そんな所には良くも悪くも田舎らしさ・日本人らしさが凝縮されているなとも感じました。それが当たり前であった昭和の時代をありありと感じられる物語を、令和になった今読むのも乙なものです。どんなやつでも0.2秒であの世へ送ることのできる男地上最強の男 竜 風忍名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<285286287288289>>
これはすごい。なにしろ自由だ。 SFとちょっとした小噺を肴に今日も1杯やろうじゃない、って感じで登場人物も面白く、絵柄も相まってすごく温かみを感じる作品。 追記:5巻まで読み終わったけど、もう他作品と比較するようなもんじゃなく、自分の中で「これよこれ」っていう唯一無二の作品に昇格しました。