青年マンガの感想・レビュー15391件<<264265266267268>>真鍋昌平の原点青空のはてのはて 真鍋昌平かしこ真鍋昌平の経歴を見てみると、四季賞の前に渋谷パルコのフリーペーパーが主催した漫画賞でしりあがり寿賞を受賞してるんですよね。え?なんでしりあがり寿?作風が全然違うじゃん!って違和感があったんですけど「青空のはてのはて」にその受賞作が収録されてて読んで納得しました。最初はしりあがり寿が好きそうな作風だったんですね。逆にいえば今の商業的に成功してる作品の根底にはこのアーティスティックな才能があるんだなと納得しました。この「青空のはてのはて」を読めば「闇金ウシジマくん」を描くに至るまでの道筋が見えてくるので、漫画は作品よりも作家を重視して読む方にオススメです。 個人的には「最後の居場所」という作品が一番好きです。絵柄も「青い春」の頃の松本大洋っぽくて自分好みだし、拾ったネズミがトラックに轢かれる描写とか見せ方もカッコいい。原点回帰みたいな感じでまたこういう漫画を描いてくれないかな。パン生命体が家政婦に来るシュールで心温まる物語パンとメランコリー コモンオムstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)これまでも、そしてこれからもきっとパンの漫画だけを描きつづけるであろうコモンオム先生の新連載。 三男で中学生の山田コウメ(13)、次男で高校生のタケオミ(17)、長男で営業職のショウイチ(24)の父子家庭の三兄弟はある日、父をガンで亡くしてしまう。 亡くなってから三ヶ月後、生前の父に住み込みの家政婦を頼まれたという「パン生命体」が家を訪れる。 食物の研究者であった父に作られたというが…。 https://comic-days.com/episode/3269754496663050741 父が亡くなってからというもの、少しずつ破綻していっていた三兄弟の生活にパン家政婦が加わり、くさくさした心が優しくほどかれていく。 めちゃくちゃにシュールでありながら、正統派の人間ドラマを描いてるのでいい話なのにちょっとニヤニヤしちゃう! だってこいつパンなんだよな、って…。 元からいなかったという母さんの存在も気になるので、もしや?と思わせる伏線かもしれませんね。 読切の『有頭パン』もぜひ。 https://comic-zenon.com/episode/13933686331617857890 ここまで読んでハマった方は、すべてパンの漫画で構成されている狂気の漫画『あるはずさ、胸の奥に、心のパンが。』も必見です。 https://manba.co.jp/boards/121350あの木、シュロっていうんだ・・・ぼうぼう ぴょんぬりらnyaeツイッターでたまたまみかけて知った漫画です。 絵柄が80年代少女漫画っぽくて内容もまあまあ独特でしたが、前後編いっきに読みました。二人の少女の対比がすごく良かったです。知性対感覚って感じでした。こういうの読むと、自分も街中でシュロを見かけたら意識的に気にするようになりますね。前向きだからいいけれど清く貧しく 菅原じょにえる野愛いつでも明るく前向きで、貧乏だけど楽しく暮らす女子高生の亜美。 段ボールや不用品を使って遊び道具を作ったり、バイトも勉強も学校生活も全力で楽しむ姿勢がかっこいいです。 亜美の弟をバカにする男の子も、亜美を敵視するクラスメイトも、いつのまにか彼女の純粋さ天真爛漫さに魅了されてしまいます。 明るくて可愛くて性格も良くて頑張り屋さんで家族想いで働き者で……こんな主人公、最後の最後には報われるに決まってる! と思いながら読んでいたのですが現実は厳しいですね。現実は厳しいなんてわかってるので、漫画の主人公である亜美ちゃんぐらいは手放しで幸せになってほしかったんだなあ……。 決してバッドエンドではないのです。最後の最後まで亜美ちゃんは前向きだし笑顔でいるのです。いいお話だと思います。 でもさあ、と思ってしまうんです。亜美ちゃんが笑ってるからいいけどさあ……。 クズとかわいいは両立できる! #1巻応援死神ドットコム 優しい内臓nyaeみたいなことを読んでてとても感じました。 この漫画を買ったきっかけはシンプルに「表紙の女の子がかわいい」だけだったんですけど実際に読んでみると登場人物がもれなく全員クズでびっくりしました。クズ度も面白さも読みすすめるほどに強くなっていくんですが、かわいさも変わらずずっと隣りにいてくれるんです。こんなにしっかりクズとおもしろとかわいいが共存してる漫画、少なくとも自分は初めて読みました。久々に表紙買いして「当たった」と確信した1冊です。全体的にはあっさりしてますが百合要素もあり、一部過激な人もいて、そのバランスも良いです。どんな感想を書いたらいいかわからない黄色い耳(((胎教))) 黄島点心starstarstarstarstarマンガトリツカレ男今日の朝読んであらすじ通りの内容ではあるのはわかっているのだがどうやって説明したらいいかわからない。高熱でうなされた時の夢で見るような感じのマンガだった。面白さを説明したい気持ちはあるがどこがいいとかここがいいとかそういうレベルではなく「すごいな」の一言しか出てこない。 唯一覚えているのは「ギャルの絆は!!グミよりかてえ!!」戦国時代終盤、九州で狼小僧が大暴れ九国のジュウシ 西公平さいろく狼に育てられる、という点もそうだがこの時代ってまだニホンオオカミいたんだっ、九州に。(どうやら明治以前には本州・四国・九州に普通にいたようでした)というとこでへぇ〜と思ってしまった。 九国(くこく)が今の九州とは違う分かれ方をしていた戦国時代末期、島津と大友の争いにおいてはキリシタンに狂った大友宗麟が色々と奇天烈なエピソードを残していてどれが本当かわからなかったりする。 そんな大友宗麟の家臣(庶流)として有名なのは立花道雪。立花道雪と協力し、当時まさに鬼神の如く九州を下から平らげようとしていた島津を抑えるべく奮起し、歴史に残る戦いを見せたのが高橋紹運&その息子であり立花道雪の婿養子となった立花宗茂の親子である。 これを「岩屋城の戦い」と言います。 本作はこの岩屋城の戦いにおいて高橋紹運という男、そしてその息子、さらにはここに「いたのではないか」と言う"人外"を描いた物語。 タイトル、表紙からも当然主人公は狼小僧だと思って見てしまうがその実、本当の主役は高橋紹運という男。 というわけで、完結記念でクチコミを。 めちゃくちゃ好きな作品でした。各大名を好きだとより一層楽しめるでしょう。なにより、立花道雪がかっこよすぎて目頭が熱くなります。紹運も飄々としてるように見せていて長は、親は大変なんだなと。 大友宗麟のヤバい雰囲気もまるでへうげもののようでインパクト大。 淡々と進むところに惜しさも感じつつ、これはこれですごくいい味なんじゃないかとも思う。 絶対に間違わない女医!第三内科外来(サンガイ)の魔女 宇治谷順 後藤圭介名無し漫画TIMESの長期連載医療マンガ「なみだ坂診療所」完結後に始まった新連載。なみだ坂と同じく内科医の仕事を描いた漫画なので血が出たり大手術といった派手さはないが、東京の大病院を舞台に、1話1話、良質なメディカルドラマが展開される。雑誌では絶対に間違わない女!みたいに某有名ドラマに乗っかった紹介をしているのには苦笑日本ではすっかりエロ要員として定着しつつあるゴブリンさんのアンソロジーゴブリンにエロいことされちゃうアンソロジーコミック 吉川英朗 檜山大輔 黒柾志西 木谷椎 吉村英明 一迅社アンソロジー 高羽もも オンディ H9 ハイソンmampukuこんなタイトルですが全年齢向けなのでそこまで過激に性的な描写が多いわけではありません。逆に青年向けでやったら疎まれるような濃いストーリーが面白かったです。 特に印象に残っているのは、討伐され皆殺しに遭いそうだったところお姫様の慈悲により命を助けられたゴブリンが、改心し人間の教育を受け、いつか彼女に恩返しをしたいと考えていたはずが「人間を襲う」という本能に抗えず彼女を裏切り暴行に及んでしまうという話。ゴブリンスレイヤーでは恐怖に震える幼いゴブリンさえ容赦することなく駆除していましたが、その裏返しのようなストーリーですね。 このシリーズには結構一般誌で人気な若手作家もちらほら参加していて、予算と納期が足りないのか他所でみるより絵が簡素で粗めではあるもののレアなものが見られて得した気分になれました。笑人間の本性を覗き見るのぞき屋 山本英夫かしこ「新のぞき屋」のプロトタイプ的な読み切りなんだろうか。前後編が収録されています。まだデビューしたてなのか荒削り感があって「のぞき屋」の仕事の説明もイマイチよく分からないんだけど、つまりは「人間の本性を覗き見る」というテーマは山本英夫らしくて面白い。特に前編の彼女に浮気された大学生の子供の頃のトラウマが思い出された描写がよかった。やっぱり山本英夫の人間の歪みの話は面白いな〜!これから「新のぞき屋」を読みます。 【名作】監察医は死者の心に耳をそばたてて聞く仕事きらきらひかる 郷田マモラstarstarstarstarstarnyae主人公の天野ひかるは、東京の大学を主席で卒業し、地元の大阪に戻り、監察医として大学病院で働いている。 大学時代は、医学部に属していながら卒業後に進む道を決めかねていたひかるだが、あるショッキングな事件をきっかけに、死者の声を聞くことの意味を知り、監察医になることを決めた。 監察医になってからのひかるは、おっとりして控えめながら、気になったこと・分からないことに対しては納得いくまで調べ尽くさないと気がすまない性格ゆえに、必要以上に事件や事故の内情に入り込んでしまい、無念な死を目の当たりにしては心をすり減らすような日々を送っている。 そんなひかるの人並み外れた観察力と真実を知りたいという執念、どんな人間に対しても死には同じ重みがあると信じる純粋な心が、同僚や警察、被害者の周囲の人間にさまざまな影響を与える。 ストーリーの構成としては2〜3話完結(話によって5話くらい続くことも)で、読み手には最初から犯人がわかっているパターンもあれば、事故か事件かもわからないで進む話もある。 ひかるの身近な人間が事件に関わることも少なくない。 プライベートでは、母親からしつこく受ける見合いの誘いを断りながらも、仕事でよく関わる刑事の森田と恋仲になる。森田に対する自分の気持に気づいてから、何かにつれ顔を赤らめオドオドする様子は、相当な奥手女子であることがわかる。しかし、たまにある超貴重なデート回でも必ず事件や事故に関わることになってしまう運命なのはなんとも残念。 自分はとにかくこの作家の描く人体描写の虜である。 大きい頭になで肩、どんくさそうな脚、…。新作描いてほしいな、と小さな声で言ってみる。 ちなみに、本作の続編である「きらきらひかる2」の新キャラに霊が見える監察医がいるが、なぜかひかると同程度の主役級の扱いになっているうえに、森田の存在感がかなり薄くなっている(恋人同士という設定自体が無くなってる感じ)。 それにかなりのショックを受けたが「きらきらひかる最終章」(未電子化)でそこらへんはしっかり回収されている。もしかしてマンガ家マンガなのか?ラーメン発見伝 久部緑郎 河合単名無しお客さんの意見に振り回されて自分の味を見失う小池サンとか、いいものが常に認められるとは限らないとかマンガにもめちゃくちゃ当てはまることが多いと思う……。何周かして現代的なテーマダンドリくん 泉昌之hysysk私は段取りが苦手で何とかしたいのと、それゆえにライフハック的なビジネス書や大人のADHDを抱えた人がどうすればうまくやれるかみたいな本も割と読んでいる。この作品は段取りを「やらなければいけないこと」「できないといけないこと」とは別のものとして描いているのが良い。失敗もする。 限られたリソース(といってもおかずの具とか)のなかで最大限楽しむにはどうすればいいかというのは彼の他の作品にも通じるし、いまやジャンルとしても定着している。既にかなり多くのことがコンピュータや機械の発達によって解決されているが、それはこのように考える人が沢山いたことの証拠であり、なんだかんだ社会は進歩(と同時に複雑化)しているのだなぁと実感する。 映画化されると知り原作読んでみたノイズ【noise】 筒井哲也nyae※ネタバレを含むクチコミです。ちーちゃんみたいに解放しましょうお酒は夫婦になってから クリスタルな洋介野愛真面目で仕事バリバリこなすキャリアウーマンが旦那さんの作ったお酒飲んだらデレデレの甘々になっちゃうというのはちょっとあざといな……。 と思うんですけど流石にちーちゃん可愛いすぎます。ちっちゃい子見てるような気持ちになりますね。 ひたすら優しくて美味しいお酒を作ってくれるソラさんも素敵で、いい夫婦だなあ……とニコニコしながら読んでます。 登場するカクテルもお家で再現できそうなとっつきやすいものが多くていいですね。強いお酒が苦手な方でも飲みやすいものも多い気がします。 みんな外では気を張って戦ってますからね。お家帰ってきたらちーちゃんみたいに「しふくぅぅ♡」ってリラックスしましょう。これはすごいわ古代戦士ハニワット 武富健治starstarstarstarstarさいろく読めば読むほど、一体何を見させられているのかわからなくなってくる。 ドグーンという土偶型の破壊兵器のような化け物と闘う埴輪(埴輪土)だが舞台は現代! 埴輪を操るための儀式や流れ、完全に読者置いてけぼりであるが、察していくには十分! ものすごく細かな心理描写や説明も多いが、果たしてこれはどういう話なのか…!? 主人公だと思ってたやつは主人公じゃなかった…!すごいよ…! 絵も独特の線使いで羽生生純先生のような雰囲気が最初は強かったんだが細部までの描画は武富健治先生の方が多く、画角などもこだわっていてどれだけ凄いことが起きているかはわかりやすい! そして物語の展開がまたすごい…もう私の語彙力では伝えきれない!だが読む手が止まらなかった…!まだ6巻だけどこれはすごいよ。 狂気の世界定額制夫の「こづかい万歳」 月額2万千円の金欠ライフ 吉本浩二野愛めちゃくちゃ面白いんだけど身につまされすぎて泣きたくなった。 絶対に自分より高収入の大人たちがこんなに節約生活してるなんて、こんなにお菓子食うなんて知らなかった。 とは言えみなさん悲壮感はそこまでなく、楽しんで節約に勤しんでおられる。 ポンタポイント狂いとかステーション・バーとか……実にクレイジー。 一周目は自分も節約しなきゃな〜なんて思ったけど、二周目からは次元が違うわと思えてきた。身につまされてる場合じゃない、この人たちプロなんだ。 あとみんなお菓子食いすぎよ!体に気をつけてね!と思った。 3巻に掲載されている吉本先生の奥様のエッセイが凄い。チェーン店しかない世界線に転生したラズウェル細木先生のエッセイだった。 あとこづかいステータス画面めちゃくちゃ面白い。カードバトルできそう。ハレ婚。おかわり!を読んでるけど全巻読み直したいハレ婚。 NON名無しハレ婚みたいな漫画があるとヤンマガの安心感、感じます。 おかわり!を読んで小春ちゃんがふっくらしすぎててそうきたか!って感じなんですが懐かしくなって全巻一気読み直ししたくなりました!マキヒロチが描く美容整形の今ダウン・タイムズ! マキヒロチ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 酔い子は良い子二日目の酔い子ちゃん 市川ヒロシ六文銭この著者の作品、なんとも形容しがたいのですが、好きなんです。 ふんわりというか、ぼんやりというか、優しい雰囲気。 この良い感じのゆるさに謎の魅力があってスルスル読んでしまいました。 題材も、酒飲みの話。 二日目とタイトルにありますが、普通に一日目も描いているので安心してお読みください(何が?) 基本的には飲んで酔っ払ってグダグダして~な流れなんですが、よいこの飲みっぷりが良いので読んでいて気持ちいいです。 また食べ物も本当に美味しそうに食べるので、なんだか嬉しくなります。 グルメ漫画だから「美味しそう」ではなく、 よいこ、美味しいもの食べれて良かったね~ と、なんか餌付けしているような気分になるから不思議。 それだけ主人公が魅力的なんだと思います。 仕事もできるし、コミュ力高いし、何より色んな人に気配りできる姿は、まさに良い子そのものです。 最後によいこの名言のせておきます。いい言葉だなと思います。 お酒を飲むのが楽しいってことは、毎日が大変なおかげ 平成レトロなグルメ漫画チーズの時間 山口よしのぶ 花形怜野愛漫画アプリでグルメ漫画を読むと、絶対おすすめに浮上してくる作品。毎回毎回見かけるので気になりすぎて読み始めました。 絵柄といいストーリーといいキャラクターといい、古き良きやつです。これが平成レトロというやつか! チーズの魅力を日本に広めるべくやってきたフランス生まれの美女・レミ。 持ち前の天真爛漫さとチーズへの愛を武器に、ひと癖あるお客さんたちを虜にしていきます。 ご都合主義でツッコミどころもあるけど、情報量の多さと明るさがとてもよいです。元気になります。 レミちゃんの屈託の無さにだんだん魅了されますね。 穏やかな日常系のグルメ漫画も好きですが、バトルに蘊蓄にトラブルに人助けに…要素盛り盛りのグルメ漫画もやっぱり面白いです。恋と障害恋、透明な声で 小島有賀名無し病気や障害などによって欲しいものが手に入らなかったり思うようにいかないということはたくさんあるだろうけど、時にそれを超えてしまうものとして「恋」がある、というのが描かれてるのかなと思いました。 声帯を取ったことで声を出せない青年と、彼をサポートしつつも憐憫の気持ちを持ってしまう女性。どちらも悪くないのに、上手くいかないものだな…と諦めかけるのですが希望を持てるラストでよかったです。絵柄もやさしくて少し色っぽくてめちゃくちゃ好きです。 ハードボイルド界の新星 #読切応援遭難のリトルシェパード 三池画丈名無し久しぶりに好みドンピシャの読切を読めて大変嬉しいです。 どこかの組織から潜入してきた高校教師(佐久間)とミステリアスな少女(緋澄)の交流というモチーフ、もっとポップに仕上げることもできると思うのですが、本作の舵取りはあくまでハードボイルド。高校での交流を中心に、会話の中でふたりを取り巻く状況が少しずつ明らかになっていき、事態はあくまで静かに進行していきます。 登場人物はみなめちゃくちゃ賢そうで、テキパキした身振りにピシッとした鋭いことばを操る一方、語る内容はどこか抽象的で雲を掴むような空気をまとっています。説明しすぎず、さりとて薄っぺらく見せない、この重厚さの表現、好きな人は本当に好きなやつだと思う。 作者さまがTwitterでおっしゃっていましたが、細かな構図やセリフだったり引用元があるのだろうなぁと伺わせるものが見受けられます。それも先行するこうしたジャンルの作品への愛を感じて嬉しい。自分はクライマックスのヘリコプターを見上げるところが好きでした。 描線、演出、芝居、何から何まで全部好みでした。新作も絶対読みたいです。三部けいの不穏な新連載水溜まりに浮かぶ島 三部けい名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<264265266267268>>
真鍋昌平の経歴を見てみると、四季賞の前に渋谷パルコのフリーペーパーが主催した漫画賞でしりあがり寿賞を受賞してるんですよね。え?なんでしりあがり寿?作風が全然違うじゃん!って違和感があったんですけど「青空のはてのはて」にその受賞作が収録されてて読んで納得しました。最初はしりあがり寿が好きそうな作風だったんですね。逆にいえば今の商業的に成功してる作品の根底にはこのアーティスティックな才能があるんだなと納得しました。この「青空のはてのはて」を読めば「闇金ウシジマくん」を描くに至るまでの道筋が見えてくるので、漫画は作品よりも作家を重視して読む方にオススメです。 個人的には「最後の居場所」という作品が一番好きです。絵柄も「青い春」の頃の松本大洋っぽくて自分好みだし、拾ったネズミがトラックに轢かれる描写とか見せ方もカッコいい。原点回帰みたいな感じでまたこういう漫画を描いてくれないかな。