青年マンガの感想・レビュー15391件<<265266267268269>>いつの時代にも、どんな仕事にも漫画家残酷物語 永島慎二hysysk理想を追うのか現実と折り合うのか、お金をとるか美学をとるか、そういった悩みは誰もが経験するところ。しかし実のところそれらは二律背反ではなく、両方叶う場合もあるし両方叶わない場合もある。運、というのもあるんだけど何か一つの要因で説明できないから「残酷」なんですね。 特定の立場を殊更に持ち上げる訳でもなく、ただ漫画に対してその人なりの向き合い方をした、という姿が愛おしい。 真実や正義が人の数だけあること、その真摯さと滑稽さを教えてくれる『ラ・クンパルシータ』(3巻第4話)が好き。速水螺旋人のかわいいかわいいSF旅行男爵にふさわしい銀河旅行 速水螺旋人さいろくウブで紳士なミハルコ男爵、そのお供アンドロイドのランパチカ、旅の一座に勝手に加わる吟遊詩人(?)ノンシャランのドタバタ星間旅行記。 SFを描かせたらきっと自由の幅が凄かろうなぁと思っていた速水螺旋人の想像を上回る自由で広大な宇宙旅行記(目的:理想の乙女、アースライト姫探し)なのだが、もちろん何もかもかわいい。 永遠に読んでいられる作品だが1巻は電子だとモアレが酷かったけど2巻からはキレイ。なんだろうねこの違いは。「31年間彼女がいません」「あっ・・・(察し)」僕に彼女が出来るまで 佐藤ダイン六文銭※ネタバレを含むクチコミです。電撃PS発!なんとなくゲーム系 4コマ リアルタイム大河群像劇!!家族ゲーム 鈴城芹サミアドTVゲーム雑誌「電撃PS(プレイステーション)」の付録『電撃4コマ』で1〜194号まで連載された看板作品です。ドラマCDも発売されました。 「放課後プレイ」や「ちいさいお姉さん」も人気でしたが掲載期間(+独断)で電撃4コマ代表作は家族ゲームに(勝手に)決定です! 最初はゲーム好き家族を描いた普通の?コメディでしたが、サザエさん時空でなかったために現実の季節と連動し作品内でも十年が経過。 主人公姉妹も進学・成人・結婚をします!! その過程で友人知人親戚が増殖。増えたキャラの関係者も無限に増えていき収拾がつかなく…なるはずが、ゲーム好き群像劇に切り替えるウルトラCで解決! 中心は主人公一家ですが 脇役のみがバイト先でお喋りしたり 友人の兄の恋愛イベントが超丁寧に描かれたりと、何かもう皆主人公じゃね?て感じになります。 リアルタイム漫画なので新ハード発売や最新のゲームネタは「あるある!」で面白かったです。 逆に今読むと「この時はこうだったんだ」という資料的価値があると思います。 どこから読んでもゲーム系4コマとして面白いですが、やはり1巻から読んで欲しい…というか途中からでは伏線や人間関係が把握出来ず意味が解らない部分があると思います。 作者さんは同じ世界の漫画を沢山描いていて、家族ゲームにも他作品のキャラが話題に出たり少し登場したりします。逆に今作のキャラも続編の「CLUBゲーム倶楽部」他に登場します。 画像は最終巻の人物相関図(ネタバレあり)です。実際はもっと大量の人物と線が入り乱れます。 最後は主人公一家らしい大団円です。 連載中、自分と一緒に歳をとっていくキャラクター達は友人のようでした。 今でも大好きな作品です。 大変なことも美味しいものも分け合うふたりパパと親父のウチ呑み 豊田悠野愛ふたり力を合わせて子育てに奮闘している千石と晴海がゆっくり酒と肴を楽しむお話。 家事に仕事に子育てに……なかなか自分の時間が持てない2人だから、リラックスしてる姿を見れて嬉しくなります。 多めに作った肴は翌日の朝ご飯にしたりお弁当にしたり、やっぱりパパなところに癒されます。 子どもたちが寝静まったあとに作るから手軽なレシピが多めかと思いきや、結構手間暇かけていてとても美味しそう…! それだけウチ呑みの時間を大事にしてるんだなあと、またもや癒されます。 本編を読んでいても思うことですが、こういう家族の形も素敵ですよね。 辛いことも楽しいことも美味しいものも分けあってる姿に心あたたまりました。ヤンマガとは思えない8ページの不思議かわいいピュアラブわたしがすきな先輩 ハローハロー天沢聖司読む気なかったんですがチラッと見えたヒロインが巨女で気づいたら読んでました。 絵がくしゅくしゅしてて可愛い…!話もとてもヤンマガとは思えない不思議でかわいくてエモいやつでした。 先輩はロングヘアーの男の子なのか僕っ娘の男装の麗人なのかどっちなのか気になる(どっちでもかわいいからOKです) ハローハロー先生の情報が全然ないのですが、雑誌の編集部コメントによると「愛おし王国からやってきた新星作家」とのことです。誰かを想うことって素敵。スカートをはいたおじいさん ちべた店長 イトウモロコPom 上下巻、あっという間に読み終わり、悲しく切なく、老いること誰かを想うことってとても素敵なことだと思った。 昔好きだった人が、自分と同じ老人ホームへ。 ホーム内でも色々ある。やはり人間。 日向さんと准さんが若き頃、准さんの様な想いを秘めた人も沢山いたんだろうなと想像する。 人は必ず老いていく。 老いって、自分も理解しているようで、きっとその時が訪れて経験しないと分からないことが沢山あると思う。 准さんの真っ直ぐな日向さんへの想いと行動に私は感動するとともに、歳をとると言うことについても考えさせられました。 相変わらずで安心 #1巻応援探偵夢宮さくらの完全敗北 ちょぼらうにょぽみnyaeあいまいみーが終わって悲しみに暮れていたけど、新作も相変わらずで安心しました。相変わらず表紙と中身のギャップがすごいし、相変わらずキャラ同士仲がいいように見えて突然殺し合いするし、探偵部が舞台だけどほぼ探偵してないです。 読み始めはギャグも抑えめで期待はずれかなと思っていたんですけど、そのうちに自分が知っているちょぼらうにょぽみさんらしさが戻ってきます。 あとがきに、高尚なきららで連載するんだからとギャグ抑えめにしていたけれど担当さんが変わったのをきっかけにギャグにやっぱり振り切ろうと切り替えたとあり、その担当さんに感謝しかありません(それまでがつまらないという意味では決してありません!)。それでも作者はギャグを萌えと両立させようという気持ちがあるようなので、2巻以降そこら辺も注目しながら読みたいと思います。確かにバッドエンドではないかもしれない心の問題 武富健治野愛刺激の強い道徳の教科書です。確かにバッドエンドではないのかもしれない。ハッピーエンドでもないし、紛うことなき真実だけが示されています。 ・心の問題 人気者の美少女沙羅に恋をした引っ込み思案の心。 時が経ち、高校で再会した沙羅は様々な問題を抱えていた。沙羅を救うべく奔走する心だったが……。 ・ごめんねロック 舞台は田舎の小学校。三学期の忙しい最中、4羽のチャボがやってきた。 元から飼っている黒い鶏・ロックと一緒に飼い始めることになったが、トラブルが生じる。 鶏たちをどうするか学級会議で出した結論に、先生は後悔することに……。 この2作を読んだだけでだいぶ心を抉られました。 問題が起こったら解決するもんだ、悪いことをしたら反省するもんだ、現実はそんな簡単なもんじゃない。 いつまでも問題の前で立ち止まってしまうし、悔い改めることができる人もいればそうじゃない人もいる。 道徳の授業のように話し合って考えたいまであるな……。 考えさせられたあとに待つのはゴリゴリのホラーです。もうずっとこわい。蟹グルメ日常コメディです蟹を食べる 野口明宏野愛これは最低でも2周するべき作品です。観察眼が鋭い人なら1周目で気づくんだろうけど、気づかないで2周した方が楽しいのでいいんです。 フラれた友人の家に蟹を持って突撃する。男3人で蟹鍋パーティーだ!! という典型的日常コメディの入口でまさかのパニックホラーが始まります。 3人のキャラクターがちょっとウザくて可愛くて絶妙に居そうだからこそ、この展開が映えるんですよね。 彼女が置いてったハムスター、風呂場、テレビ番組、一見無くてもよさそうな要素も全部必須アイテムになっていて素晴らしい…! 最後の最後までコミカルさも緊張感も失わずに夢中で読み終えました。できるだけ前情報無しで読んでみてほしいです。 不器用で一途は最強に可愛いとなりの布里さんがとにかくコワい。 紀ノ上晟一六文銭目つきも態度も悪い布里さんだが、隣の席のいたって平凡な平くんにひと目ぼれ。 こそこそと恋愛感情をみせつけますが、尽く裏目に出て・・・という流れ。 とにかく布里さんが最強にかわいすぎます。 教科書もっているのに忘れたことにして、平くんに見せてもらおうとするし、クラスの委員会とかもペアになろうとする。 もうそれ気づくだろ・・・とか野暮なこと言わず、そんな一生懸命にアプローチする布里さんが可愛くて愛おしいです。 言葉ではうまく伝えられないけど、距離を縮めようと奮闘する様は、見ているこっちがむしろ悶ます。 兄弟思いで、動物など可愛いものが好きだったりと意外な面もあり、そこもまたグットです。 不器用な一途って、やっぱり最強に可愛いですよね。仮想通貨には手を出すな!仮想通貨体験記 かいちhysyskいやまぁ、仮想通貨でないと買えないものもあったりするので別に持ってていいと思うんですけど、投機目的で手を出すなということです。株だったりFXとかと一緒。 こういうのって何となく失敗したらペナルティとして借金を負わされるものというイメージだったのですが、仮想通貨が直接こちらに負債を負わせる訳ではなくて、仮想通貨で儲けようとして誰かからお金を借りた時に発生してるんですね。それで仮想通貨の価値が下がったら元金を返せなくなる、という。 だからお金を借りたり、そもそも生活が成り立たなくなるほどのお金を仮想通貨に変換しなければ良いだけ…なんだけど色々あってそういう判断ができなくなる恐ろしさが描かれていると思いました。特にスマホとの親和性の高さが怖い。ずっと気になってしまったり、意図に反してボタンを押して巨額のお金が消えてしまったり…。とにかく手数料には気を付けよう。なるほどって感じ独裁者グラナダ【新装版】 杉本亜未名無しクレイアニメ・独裁者グラナダを製作した新進気鋭のアーティストの裏の顔を目撃した雑誌記者が本当の顔はどっちなのかを探ろうとする心理サスペンスと、入院先で知り合った青年達の交流を描いた作品の2本が収録されています。どちらも作者が入院中に構想したらしく2つとも病気ネタになってます。正直面白いかどうかで言われたら微妙なんだけど、すごく大事なことを伝えようとしていることは感じ取れた。2つ目の作品は最後にBL的な関係になって少し唐突な気もしたけどなるほどなって感じ。あの青年のキャラクターは好きだった。 学級崩壊のダークな直し方? #1巻応援夜嵐にわらう 筒井いつきあうしぃ@カワイイマンガ学級崩壊って、経験あります?私は小学生の時に。やたらイキっている同級生達が、平穏に暮らしたかった私は大嫌いで、その時のクラスメイトとはその後、積極的に縁を切りました。 学級崩壊の厄介さは、教師という「大人」が機能していない事。それゆえに野放図になっていく様子が、この『夜嵐にわらう』でも描かれています、高校ですけどね……もう、ほんとクズ☆ そんな学級崩壊した高二のクラスで、イジメの対象になっている担任が、不登校であるはずの女子の暴力によって救われ、報復への道を辿るこのお話、申し訳ないけどスカッとします。 やっている事は惨たらしい。金属バットで闇討ちとかすばら……いえいえ恐ろしいですね笑 事は単純には終わらなそうですが、闇の勧善懲悪の気持ちよさがイジメられていた担任の職業倫理を崩壊させていくのも凄くて、もうみんなズタボロにしてほしいと心より願っております。 そして悪い事する時の、女子達の目の輝きがバチバチテラテラで凄いんだ……。穏やかで優しいお茶の時間午後3時 雨宮教授のお茶の時間 鷹野久野愛イギリス文学を愛する雨宮教授が、姪のサヤと一緒にお菓子を作って楽しむお話。 ページをめくるたびにバターやジャムの香りが漂ってくるようで、いつ読んでも午後3時の穏やかな時間に浸れます。 基本的には雨宮教授とサヤちゃんが2人でお菓子を作っているだけなんですが、ゆっくりとその輪が広がっていきます。 生徒にレシピを教えてあげたり、サヤちゃんのクラスメイトを招いてお菓子を食べたり。 どのエピソードも優しくて穏やかであたたかい気持ちになります。 お菓子もセイボリーも作ってみたいし、イギリス文学も読んでみたくなる作品でした。朗読、外へ向け声を放て! #1巻応援花は咲く、修羅の如く むっしゅ 武田綾乃あうしぃ@カワイイマンガ離島で子供達に朗読を聞かせていた花奈(はな)は、高校生になり本土の学校の放送部に入る。当初は入部を渋っていた花奈を熱心に誘った二年の瑞希は、少しずつ花奈を前向きにさせる。 島の子供の最年長として、我を抑えてきた花奈の本当にやりたい事、心からの願いを引き出してゆく瑞希。大好きな「朗読」のために少しずつ前を向き、手を取り前に進もうとする二人の遣り取りにドキドキしてしまう。 狭い土地にいても、熱烈に外へ出たいと願う人と、そこにいる事を疑わない人と、二種類いる。その差は、外に「惹かれるもの」があるかどうか。花奈が惹かれたものは、昔見た子役の朗読。そのとてつもない実力は、外へ飛び出す花奈の道のりを険しいものとしそうだ。 現実世界に朗読がもたらす幻視、耳から心を震わせる声の力の表現が楽しい。朗読の魅力も熱血系文化部・放送部の内幕も伝えて、胸は高鳴り続ける。花奈と瑞希の二人は遥かなる目標に辿り着くのか?前を向いたばかりの花奈の静かな闘いは、ようやく始まったところだ。 すべてがかわいい速水螺旋人ワルプルギス実行委員実行する 速水螺旋人作品集 速水螺旋人さいろくデフォルメも天才的で絵柄も安定してすべてかわいいし話もいずれもかわいい、好き。 「大砲とスタンプ」もぜひ。素敵な夫婦の日常漫画僕の妻は発達障害 ナナトエリ 亀山聡野愛発達障害について学ぶ作品というより、微笑ましい夫婦の日常作品です。 漫画家のアシスタントの夫・悟の視点で、発達障害を抱える妻・知花との日々が描かれています。 頭の回転が速くお喋りが大好き。子どもみたいに感情表現が豊かでパワフル。 悟さんはそれらを発達障害の特性と片付けるのではなく、知花さんの面白いところ可愛いところとして受け止めています。 お互いを受け入れあって尊敬しあっているのが素敵で、こんな夫婦になりたいなあと憧れます。 「○○だからこうするといい」なんてものはなく、その人自体を理解しようとすることが一番大切だと改めて実感できました。 可愛らしい夫婦の日常に心があたたまるので、気軽に読んでみてほしいです。こういう話好き…!!真夏の世界征服 犬島ななこ名無しどストライクでした〜 男の子の一緒に世界征服しよう!ってセリフ最高です。これも一種のセカイ系なんでしょうか? なんとなく、新海誠作品が好きな人は好きそうな話だなと感じました。 あと最後の夏帆表情が可愛くて好きです! ラーメンすげぇ!ラーメン食いてぇ! 林明輝nyae川島・山内のマンガ沼で川島さんがおすすめしていたのを見て気になって読んでみたら、傑作でした。グルメ漫画ともちょっと違うので、ラーメンが食べたくなるというか(食べたくもなるけど)、むしろ「ラーメンってすげぇ」という気持ちになる漫画です。ストーリーとしても三人のメインキャラクターの山あり谷ありな生き様をしっかり描いていて、それがだんだんとラーメンを中心に集約されていって、めちゃくちゃキレイなかたちでまとまります。感動でした。あと上巻下巻それぞれに一本ずつ読み切りが載っていて、それも全部傑作揃いだったのでこの漫画家さん超好きだわと思ったのにこれともう一作しかコミックス出してなくてショック。もっと描いてくれ漫画を〜!ふたりぼっちの幸せな秘密舞ちゃんのお姉さん飼育ごはん。 秋津貴央野愛ある雨の日、小学生の女の子が拾ったのは制服姿のキレイなお姉さんでした。 お料理上手でお世話好きな小学生・舞ちゃんとコミュ力も生活力も低め、でもなんだか放っておけないお姉さん・タマ。 お世話しお世話され、次第に距離が縮まっていく2人がとっても愛おしいです。 ひとりぼっちでご飯を食べていた舞ちゃんとタマが寄り添い、ふたりぼっちで食卓を囲む。 寂しさを打ち明ける訳でもなく、心の奥まで踏み込む訳でもない。 孤独を分け合うようにそっと寄り添う2人の姿は、微笑ましいのに切なくなります。 ふたりぼっちじゃなくてもずっと一緒にいられますように、幸せな時間がずっと続きますように。 舞ちゃんとタマの幸せを願いながら、最後まで見守りたいと思います。今週の島耕作会長島耕作 弘兼憲史マンガが主食鳥を逃がすと功徳をつめる。こんな習慣あるの、初めて知った。 ツッコミどころをついに公にツッコみまくる彼岸島スピンオフ彼、岸島 松本光司 佐世保太郎さいろくなんということでしょう、匠の技でついにここまで・・・ ちゃんと本編での謎要素をギャグに昇華してここまでやるとは思わなかった、素敵なマンガである。完結しちゃったけど彼岸島ファンは必読の内容で、渾身の一撃である。ばったん作品の中でダントツ好きな話ある晩夏 ばったんnyae※ネタバレを含むクチコミです。<<265266267268269>>
理想を追うのか現実と折り合うのか、お金をとるか美学をとるか、そういった悩みは誰もが経験するところ。しかし実のところそれらは二律背反ではなく、両方叶う場合もあるし両方叶わない場合もある。運、というのもあるんだけど何か一つの要因で説明できないから「残酷」なんですね。 特定の立場を殊更に持ち上げる訳でもなく、ただ漫画に対してその人なりの向き合い方をした、という姿が愛おしい。 真実や正義が人の数だけあること、その真摯さと滑稽さを教えてくれる『ラ・クンパルシータ』(3巻第4話)が好き。