あらすじママ。もう僕は、迷わない。「あの山に行ご」―― 真夜中に突然現れたしげるは、そう言いながら静一を誘(ルビ:いざな)った。静一が連れて行かれたのは、かつて静一が幼い頃にママから突き落とされた町の高台だった。「ママがよんでるよ」しげるが放つ言葉が、静一の深淵に潜んでいたママを呼び起こす。ママに対する激情を吐露する静一。しかし、静一は再びママに取り込まれてゆく… そして導き出したひとつの“答え”が、静一を衝撃の行動に!?
一言で言えば、毒親の話です。主人公にとって、生きている限りつきまとってくるレベルのトラウマです。 母親にも生い立ちの過程で何かがあったのかな。結婚した時点で既に病んでいた可能性は高いと感じました。穏やかな日常の歯車が突然狂ったのではなく、なるようにしてなったと思います。 主人公の男の子が気の毒で、心が痛いです。物語の序盤では、あの母親を持っていてもせめて学校では友達や彼女と明るい青春を過ごすことができたであろう立ち位置にいたのに、あの日、崖で母親が決定的な行いをしてしまったために、どうやっても自分の心のひずみを治せなくなってしまった。 主人公は長く苦しむことになります。そして母親はどんどん崩れていきます。もう、悪夢のようにどんどんと。それが気なって読んでしまいます。