あらすじ尾張のうつけ信長のくつわ取りとなった藤吉郎は、前田犬千代(後の利家)を自在にあやつり、あやしげなニセ恋文で寧々の嫁取りを……さらに蜂須賀小六ほか勤皇の志厚い野武士や土豪を、義戦の名目で来るべき日に備えさせた。時に永禄三年(一五六〇)、今川義元は足利幕府に代って幕府をつごうとする野心の上洛であったが、天の時・地の利の信長に、桶狭間で討死。今や戦国の主役に躍り出た信長の第一の家臣・藤吉郎は、台所奉行・薪炭奉行・山林奉行を賜り、その活躍やいかに……
原作は山岡荘八先生の小説のようです。全7巻なのですが、前半生に重きが置かれており、特に子供の頃から墨俣城の築城くらいまでをしっかりと丁寧に描かれています。それがとても新鮮で、知らなかった情報もかなり入っていてすごく楽しめました! 柴田勝家さんを倒したあたりで終わってしまったのが心残りです。最後のコマで「晩年の秀吉はあまり良くないこともあった」みたいな締めをされていたので、そういった部分を描写するのが忍びなかったのかもしれません。 そういった負の部分に目を瞑って、いい感じに描くこともできたはずなのに、それをしないところが横山先生の美徳だったのでしょうか。潔す!! 全編を通して秀吉は頭が切れる弁舌家として描かれてますが、それが少し鼻につくことがありました。たまに出てくる寧々様が嗜めてくれ、道を外さずにやってこれたのですが、それがすごく良いです。豊臣秀吉さんがあそこまで立身出世なすったのは、ひとえに寧々様のおかげだと感じました。 あと蜂須賀小六さんが知略の男として描かれているのもビビりました。完全に猪武者の張飛タイプだと思っていたので。信長の野望 戦国群雄伝でも政治28でしたからね。。