あらすじ普請奉行の職をたやすくこなした藤吉郎は、信長の信頼をいよいよ厚くし、美濃攻略の糸口として佐久間・柴田が敗退した墨俣に、野武士の蜂須賀小六やその郎党を使い、一夜にして城を築いた。さらに、鵜沼の虎・大沢治郎左衛門と「意気と意気の戦い」をくりひろげ、稲葉山城の斎藤龍興は風前の灯となる。「殿(信長)は人間の心の内にかくされた自信をうまくあおりますが、藤吉郎は人間の欲のありたけを利用します……」と、二人の知恵は着々と天下平定に向っていった。
原作は山岡荘八先生の小説のようです。全7巻なのですが、前半生に重きが置かれており、特に子供の頃から墨俣城の築城くらいまでをしっかりと丁寧に描かれています。それがとても新鮮で、知らなかった情報もかなり入っていてすごく楽しめました! 柴田勝家さんを倒したあたりで終わってしまったのが心残りです。最後のコマで「晩年の秀吉はあまり良くないこともあった」みたいな締めをされていたので、そういった部分を描写するのが忍びなかったのかもしれません。 そういった負の部分に目を瞑って、いい感じに描くこともできたはずなのに、それをしないところが横山先生の美徳だったのでしょうか。潔す!! 全編を通して秀吉は頭が切れる弁舌家として描かれてますが、それが少し鼻につくことがありました。たまに出てくる寧々様が嗜めてくれ、道を外さずにやってこれたのですが、それがすごく良いです。豊臣秀吉さんがあそこまで立身出世なすったのは、ひとえに寧々様のおかげだと感じました。 あと蜂須賀小六さんが知略の男として描かれているのもビビりました。完全に猪武者の張飛タイプだと思っていたので。信長の野望 戦国群雄伝でも政治28でしたからね。。