あらすじ三河矢矧橋で僧随風(後の天海)に“天下取り”の人相見を受けた日吉……その地で南朝方の血筋・竹之内波太郎の配下である野武士・蜂須賀小六と血盟し、天下平定のために武芸にはげむ。元服後、木下藤吉郎と名を改め、六年の間、美濃・駿府・甲斐ほか諸国の情勢を伺い、織田信長こそ奉公先と定める。自由市場・清洲で前田犬千代につけ入り、いよいよ信長の轡取り・草履取りとなる。そこで、濃姫に仕える浅野長勝の娘・お寧々と出会い、ますます大器・藤吉郎の大ボラが吹きまくる……
原作は山岡荘八先生の小説のようです。全7巻なのですが、前半生に重きが置かれており、特に子供の頃から墨俣城の築城くらいまでをしっかりと丁寧に描かれています。それがとても新鮮で、知らなかった情報もかなり入っていてすごく楽しめました! 柴田勝家さんを倒したあたりで終わってしまったのが心残りです。最後のコマで「晩年の秀吉はあまり良くないこともあった」みたいな締めをされていたので、そういった部分を描写するのが忍びなかったのかもしれません。 そういった負の部分に目を瞑って、いい感じに描くこともできたはずなのに、それをしないところが横山先生の美徳だったのでしょうか。潔す!! 全編を通して秀吉は頭が切れる弁舌家として描かれてますが、それが少し鼻につくことがありました。たまに出てくる寧々様が嗜めてくれ、道を外さずにやってこれたのですが、それがすごく良いです。豊臣秀吉さんがあそこまで立身出世なすったのは、ひとえに寧々様のおかげだと感じました。 あと蜂須賀小六さんが知略の男として描かれているのもビビりました。完全に猪武者の張飛タイプだと思っていたので。信長の野望 戦国群雄伝でも政治28でしたからね。。