あらすじ熱き力士の冷酷な一場所、十五日間の記録と記憶。好敵手・王虎を真っ向からの力勝負で制した鮫島。満身創痍の鮫島を周囲が心配している最中、空流部屋に突然、女性が現れ…。そして十三日目、虎城部屋のもう一人の虎、猛虎との取組を迎える……。
バチバチで積み重ねてきた主人公の相撲を最期で書き切ろうとする意志の籠もった作品。気持ちのいいところを書くだけでなく、相撲というものの過酷さや苦痛を真摯に描いて、バチバチという漫画を完全燃焼させようとした所がハッキリと見える。読んでいて辛くもなるが、その誠意には感服するしかない。 途中までしか読めていない状態で、作者が亡くなったことにより、どのような結末となるかはわからないが、最後まで命を懸けて描かれた一人の男の姿をしっかりと見届けたい。