あらすじ

甲子園での初戦、優勝候補の北沢東高に勝利し、初出場、初優勝を誓う海空高ナイン。2回戦の相手は、“未完の大器”中村を擁する和歌山の紀伊國高。幼なじみのよし男の分とふたり分史上最高を目指す中村をチーム全員で後押しする紀伊國に対し、海空は辰巳を筆頭にチーム全員でたろーを手助けするために結束を強くする。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(1)
史上最高の野球部員を目指す海空高校野球部員、山下たろー。勝てるはずのない強豪・山沼高を倒すため、他の野球部員と共に本気で練習に取り組む。そして、地区大会決勝まで勝ち上がり、ついに山沼と激突。試合中にも発展途上人間として成長を続けるたろー。右手を痛めたたろーと海空に果たして勝機はあるのか!?
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(2)
ついに山沼高のエース・佐々木を引っ張りだした海空高は、1点をリードして九回をむかえる。だが九回表、山沼の反撃にあい逆転された上に3点差をつけられてしまう。誰もが山沼の勝利を確信する中、最後まで試合を捨てないたろーと海空ナイン。九回裏、一死満塁とチャンスをつくり、たろーが打席にむかう。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(3)
県大会の一回戦。初回、大潮商に2点を先制され苦戦を強いられる海空高。たろーの中学時代の同級生で大潮のエース・棟方は、45イニング無失点記録を続ける好投手。一回裏、海空の攻撃が早くも二死となり重苦しい空気が球場を包み込む中、三番辰巳が執念の内野安打で出塁、何とかたろーにつなぐ。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(4)
試合時間が4時間を越える大熱戦となった海空高対大潮商。4対3と1点を追う海空の九回裏の攻撃は、二死走者なし。あとのない海空は、三番辰巳がプライドを捨てたバントヒットで出塁し、何とか4番のたろーにつなぐ。たろー対棟方、中学時代の同級生が互いに史上最高をめざし、勝利を賭けた戦いに挑む。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(5)
山沼高との再戦に燃え、県大会の決勝まで勝ちあがった海空高。だが、その相手は山沼を敗った江河原高だった。初回、海空に先制されたにもかかわらず余裕の江河原ナインはその裏、連続安打であっという間に同点に追いつく。その後も山沼戦同様に取ったら取り返すという粘りの野球で、じわじわと海空を追いつめていく。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(6)
延長11回表、6対5とようやく江河原高から1点をリードした海空高。しかしその裏、江河原は無死一二塁とチャンスをむかえ、吉田、大田原、北野という史上最強のクリーンナップをむかえる。ケガの影響で思うようなピッチングが出来ないたろーは、史上最高のスローボールで江河原打線を打ち取ろうとするのだが……。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(7)
関東大会での海空高の初戦は茨城県代表・南浦高。初回、南浦は山沼高・佐々木の最大のライバルという主砲・松岡の2点本塁打で先制。その裏、南浦のマウンドには一回戦でノーヒットノーランを記録したエース沢村が上る。その華麗な投球に海空の須永は三振を喫してしまうが、沢村に体力的な不安があることを見抜く。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(8)
南浦高の先発沢村をマウンドから引きずり下した海空高だったが、代わってマウンドに上った池田の前になかなか反撃の糸口をつかめない。1点をリードされたままむかえた5回の裏、二死三塁とチャンスをつくった海空は、これまでいいところのなかった吉行とたろーの体をはったプレーでついに同点に追いつく。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(9)
海空高対明陵高の関東大会準決勝。明陵には、たろーが幼い頃からあこがれ、目標にしてきた高杉がいた。だが、中学時代に史上最高の剣道部員といわれた高杉がなぜ野球を……。そして、明陵には打倒たろーに燃える大潮商・棟方の弟もいた。名門・明陵対おんぼろ・海空、果たしてその勝負のゆくえは……!?
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(10)
2対1と1点リードでむかえた2回表、明陵高は9番立原主将の三塁打がその打線に火をつけた。これまで以上に最高の投球をするたろーに対し、高杉のホームランなどで7対1と大きくリードを広げる明陵。一死も取れない海空に対し、さらに明陵の情け容赦ない攻撃が続く中、たろーははじめて野球の怖さを知る。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(11)
明陵高に大量リードをゆるしたものの、九回裏ついに1点差まで追い上げた海空高。そして、二死一二塁と一打同点のチャンスで、打席には5番の熊田をむかえる。気弱な熊田はその重圧に押し潰されそうになるが、明陵の投手・立原の内角球を渾身の力で打ち返す――この打球のゆくえに海空の命運が託された。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(12)
関東大会決勝へ進出した海空高の相手は、最大にして最強のライバル山沼高。地区大会でまさかの敗北を喫した山沼は、新メンバーの近藤が加わり、さらに強力になって海空の前に立ちはだかる。近藤に並々ならぬライバル心を燃やすたろーは、新たに練習したフォークを武器!?に山沼打線に立ち向かうのだが……。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(13)
海空高対山沼高の関東大会決勝戦は、両者一歩も譲らず試合は延長十四回へと突入。十四回の表、海空はたろーの本塁打が飛び出し勝ち越す。だが、その裏の山沼はまたしてもすさまじい粘りをみせ、一死満塁、一打サヨナラのチャンスで打席には近藤。たろーはこの最大のピンチに落ちないフォークを投げ続ける。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(14)
延長十四回にも及ぶ激闘の末に山沼を下した海空高は、甲子園の切符を手にする。さらに、江河原高から転入してきた吉田が加わりパワーアップ、甲子園の初戦に挑む。しかし、その相手は、あの山沼に練習試合でコールド勝ちした優勝候補の北沢東高。海空は投手・吉田、捕手・たろーの新バッテリーで立ち向かう。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(15)
大方の予想に反し、優勝候補の北沢東高相手に大接戦を演じる海空高。だが六回、マウンドに上った吉田が左ひざを負傷してしまう。続投は不可能と判断した海空は、ついにたろーがマウンドに……。関東大会よりさらにパワーアップしたたろーは、いきなり最初の打者を三球三振にしとめ、大観衆の度肝をぬく。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(16)
2時間を越える大激戦となった海空高対北沢東高戦。5対4と北沢東が1点をリードして九回を迎える。先頭打者の須永が出塁したものの、辰巳の本塁打性のあたりが北沢東のファインプレーに阻まれ二死。あとがなくなった海空高は一打逆転を賭け、たろーが鉄腕・山田に挑む。果たして、その勝負のゆくえは……。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(17)
甲子園での初戦、優勝候補の北沢東高に勝利し、初出場、初優勝を誓う海空高ナイン。2回戦の相手は、“未完の大器”中村を擁する和歌山の紀伊國高。幼なじみのよし男の分とふたり分史上最高を目指す中村をチーム全員で後押しする紀伊國に対し、海空は辰巳を筆頭にチーム全員でたろーを手助けするために結束を強くする。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(18)
たろーを史上最高にするため一致団結した海空高ナイン。紀伊國高の“未完の大器”中村の大カーブをようやく攻略し、降板させるのだが……。中村の後を継いでマウンドに上った“超合金リスト”の小林の大活躍で、試合はもつれにもつれて延長十一回へ。ベスト8へ勝ち進むのは果たして海空か、それとも紀伊國か。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(19)
激戦の末、紀伊國高を敗った海空高は初の甲子園でベスト8へとコマを進める。準々決勝の相手、大中央学園は昨年夏の大会で優勝した、名実ともに史上最高のチーム。しかも、驚異のスイッチ投手・高木が出現し、海空は大苦戦を強いられる。だが、何があっても諦めないたろーが高木から見事に本塁打を放ち……。
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(20)
たろーの“大速球2号”で昨夏の優勝校・大中央学園を撃破した海空高は、ついにベスト4へと進出する。準決勝の相手は、ここまでの全試合を逆転で勝利し、“逆転のあわもり”の異名をとる沖縄代表のあわもり高。海空同様に初出場のあわもりも甲子園に旋風を巻き起こしていた。決勝進出へ向け、たろーがさらに発展する!?
県立海空高校野球部員 山下たろ~くん(21)
3対5とついにあわもり高に逆転された海空高。九回表、二死一塁とあとがなくなった海空は、たろーの安打で奇跡の逆転、ついに決勝進出を果たす。甲子園初出場、初優勝、そして史上最高の野球部員まであと一勝となったたろーと海空の前に、永遠のライバル、山沼高が立ちはだかる。感動の最終巻。特別読切2編も収録。
大田舎中学校の大事件

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