あらすじ

余化竜が守る臨潼関へ迫った周軍は、蘇護父子・太鸞を失う。さらに余化竜の息子に疫病を持ち込まれ、陣内は一時騒然となるが、キンタの持ち帰った薬草で息を吹き返す。勢いにのった周軍は潼関に進撃。対する潼関では黄飛虎に父を討たれた下吉が参戦、地獄谷での作戦を進言する。
殷周伝説 1巻

聡明な名君と未来を嘱望されていた殷の第31代紂王は、殷の守護神・女禍御前に邪心を抱く。女禍は邪心に激怒し、守護神をやめ天界に去った。しかし、紂王は女禍を忘れられず、代わりに蘇護の娘・妲己を後宮入りさせる。しかし妖怪に魅入られた妲己は魔性の女に変身する…。横山光輝の遺作が登場!

殷周伝説 2巻

妲己が側室となってから紂王は政務を放棄、快楽にふけるようになる。諫言した忠臣の梅伯は、炮烙の刑の最初の犠牲者となった。妲己は皇后の位を手に入れようと、陰謀を企て皇后を惨殺する。母の無念を晴らそうとした紂王の息子にまで妲己の魔の手が迫り、朝廷内は騒然となる。

殷周伝説 3巻

父・紂王に命を狙われた殷郊、殷洪は難を逃れた。皇后の殺害・息子の暗殺を命じた紂王に、妲己はさらに殷を守る四大諸侯の抹殺を仕向ける。結果、東伯侯、南伯侯は処刑、北伯侯・崇侯虎は筋書き通り助かり、西伯侯・姫昌は幽閉となった。

殷周伝説 4巻

東・南伯侯の息子たちは紂王に反旗をひるがえした。一方、殷滅亡の兆候を予見した崑崙山の太乙真人は、弟子の太公望呂尚に世の建て直しを命じる。下山した呂尚は早速妖怪の正体を暴き、下大夫に任命され、宮廷に入った。そこには妲己が思惑を持って待ち受けていた!

殷周伝説 5巻

萬盆の刑の執行など殷の紂王の残虐ぶりは増すばかり。伯邑考は父・姫昌の赦免を紂王に働きかけて失敗、朝歌で無念の死をとげる。その後、紂王側近への賄賂が効き、姫昌は幽閉を解かれた上、文王に任命される。しかし周建国を決意し、朝歌を脱出した姫昌に追手が迫る。

殷周伝説 6巻

西岐に帰国した文王(姫昌)は、まず国内政治に力をそそぐ。太公(祖父)と飛熊の夢見から大賢人に巡り合い周を興すことを確信。播渓のほとりで、天下を釣らんという太公望・呂尚と出会う。文王は彼に礼をつくし、丞相に迎え入れる。同じ頃、朝歌には聞仲太師が凱旋を果たした。

殷周伝説 7巻

太公望呂尚は文王に今こそ天下を正すときだと諭し、紂王の側近・崇侯虎討伐に初陣。崇父子の首を討ち西岐が勝利を収めた矢先、文王は呂尚にすべてを託し、病没する。姫発が武王に即位したことが直ちに都朝歌に伝わるが、正月の準備に忙しい紂王は聞き流す。

殷周伝説 8巻

妲己の陰謀により、黄飛虎の妻と妹は紂王の手によって死に追いやられた。激怒した黄飛虎は、黄家が7代200年仕えた殷朝を捨て、西岐へ投降旅を開始。息子の黄天化に危機を救われ、父も味方につけ、4つの関門を突破。最後のシ水関では、強敵・余化が待ち受ける。

殷周伝説 9巻

黄飛虎一行はナタの救援によりシ水関を突破、西岐に到着した。東海討伐を終え、都朝歌に凱旋した聞仲太師を待っていたのは、黄飛虎謀反の報せだった。呂尚の存在を脅威に感じた大師は、晁兄弟に西岐討伐を命じる。呂尚は太師を欺き、晁一族を西岐に見事帰順させた。

殷周伝説 10巻

二十万の第二次西岐討伐軍は、殷の主力四将を正規軍が討ち、勝利に終わった。第三次討伐軍には、呂尚が天空の動向を読みきって岐山の祭壇で祈り、猛暑に豪雪を呼び殷軍に壊滅的な打撃を与えた。しかし恐るべき術を使う魔家四兄弟の出現により正規軍は、大惨敗を喫する。

殷周伝説 11巻

三次にわたる西岐討伐軍を破られた殷の重鎮聞仲太師は、自ら三十万を率いて出陣、呂尚と対峙する。早期平定を目論んでいた太師だが、鉄壁の守りで待ち受ける正規軍相手に、計画は大きく狂いはじめる。呂尚と聞仲太師の決戦の時が迫る!

殷周伝説 12巻

西岐と殷の一年に及ぶ戦いは、西岐軍が大勝利を収めた。聞仲太師戦死の報に紂王は涙を流すが、妲己は聞仲に無実の罪をきせ、彼の一族を萬盆の刑に処する。五度目の西岐討伐は、名将・トウ九公に勅命が下った。精鋭揃いのトウ九公軍は正規軍を圧倒する。

殷周伝説 13巻

トウセンギョクに一目ぼれしてトウ軍に加勢した土行孫は、対西岐軍の先鋒隊を任されトウ軍を優勢に導くが、師匠に見つかり西岐につく。呂尚は、土行孫とトウセンギョクの縁談を突破口にトウ軍を味方につけようと目論む。トウ九公もこれを利用し呂尚の命を狙うが、呂尚の策が勝り、トウ軍は大被害をこうむる。

殷周伝説 14巻

呂尚の計画どおり、土行孫とセンギョクは結婚、トウ九公も味方につけた。激怒した紂王は、妲己の父・蘇護に討伐軍監督の勅命を下す。西岐帰順の機会をうかがう蘇護に、副将鄭倫が邪魔をする。さらに朝廷の命で現れた呂岳が毒薬を川に流し、西岐軍に大打撃を与える。

殷周伝説 15巻

モクタの持ち帰った解毒薬により危機を回避した西岐軍は呂岳を討ち、冀州軍を味方につける。武王に「出師の表」を献上した呂尚は東征大将軍となり、殷討伐の準備を始める。これを知った紂王は第八次西岐征伐隊を結成、西方で戦術武芸を学んだ異色の孔宣将軍を出陣させる。

殷周伝説 16巻

孔宣軍は周軍から手痛い反撃を受けたが、孔宣自らの出陣で、形勢を逆転。周軍は殷討伐に欠かせない武将を次々と捕虜に捕られ、黄天化を失う。武王から撤退を命じられた呂尚だったが、孔宣に乗り移った魔物退治に執念を燃やす準提道人が登場、彼の力を借り金鶏嶺攻撃に挑む。

殷周伝説 17巻

孔宣軍を撃破した周軍は左右に青竜関・佳夢関を持つシ水関へ進軍。呂尚は周軍を三軍に分け、まず佳夢関を陥落させた。しかし青竜関では飛虎兵率いる陳奇の反撃に遭い、周軍はトウ九公・黄天祥を失う。戦況に驚愕する呂尚だったが、ナタに先行官を命じ、直ちに援軍を青竜関へ向かわせた。

殷周伝説 18巻

ナタ率いる援軍の到着により、黄飛虎率いる左軍は青竜関を陥落。続く、シ水関では火牛の計を破り、周軍は界牌関に迫る。紂王から援軍を断られた徐蓋は降伏、界牌関を引き渡す。兄・徐蓋の降伏勧告を拒否した穿雲関の守将・徐芳は、わずかの兵で戦うが勝ち目はなく、周軍に敗れる。

殷周伝説 19巻

余化竜が守る臨潼関へ迫った周軍は、蘇護父子・太鸞を失う。さらに余化竜の息子に疫病を持ち込まれ、陣内は一時騒然となるが、キンタの持ち帰った薬草で息を吹き返す。勢いにのった周軍は潼関に進撃。対する潼関では黄飛虎に父を討たれた下吉が参戦、地獄谷での作戦を進言する。

殷周伝説 20巻

地獄谷の毒気にやられて周軍の将は、次々と捕虜に。紂王は援軍を派遣、トウ昆と丙吉を送り込む。呂尚は地獄谷の敵の旗を変換させ、滝関軍を混乱に陥れる。さらに紂王を見限ったトウ昆と丙吉により、滝関の城門は開かれた。縄池城へ向かった周軍は苦戦、呂尚に掛け合い出陣した黄飛虎は最期をとげる。

殷周伝説 21巻

黄飛虎に続き、周軍は土行孫を失った。縄池攻略の武器調達をしていた楊センが戻り、呂尚は直ちに弩と震駭車作りを命じる。一方、朝歌では紂王が妲己にそそのかされ、良臣達の諫めも聞かず、罪もない民を苦しめていた。新兵器が完成した周軍は総攻撃を開始、ついに縄池城を落城させる。

殷周伝説 22巻

志に賛同して孟津に集まった大小八百諸侯の盟主となった武王。牧野の強敵を破り、ついに太公望は朝歌城へ!非道の限りをつくした紂王、妲己と遂に合間見えるときがきた!巨匠横山光輝が21世紀に残した真封神演義、壮絶、感動の完結編!巻末には「項羽と劉邦」のヒーロー「韓信伝」も収録。

殷周伝説

紀元前1100年くらいの話です。

殷周伝説 横山光輝
酒チャビン
酒チャビン

今から3000年も前の話ですね。おそらく人間の形とかも今とは全然違ったでしょう。さすがに。 舞台は中国は殷の時代です。三国志とかそういう感じの作品と同じジャンルです。読み味も似ています。 ただ個人的には、同作者の史記・三国志・水滸伝・チンギズハーン・織田信長・豊臣秀吉・武田信玄あたりと比べてイマイチ入り込めませんでした。 やっぱ前提として登場人物のことを知らなかったんですよね。他のは光栄などのお陰で、かなり武力の値や兵科の種類などかなり知ったうえで読んでいたので、脳内で膨らませられたのだと思います。 そういった意味では、やはりマンガにおける登場人物の掘り下げって、すごく大事なんだなと気付かされた作品になりました。横山先生、死してなおありがとうございます。 あと紂王と妲己が本当にやばくて、早く倒してもらってスカッとしたかったのですが、まさか最終22巻までこの方達がラスボスとして居座り続けるとは思いませんでした。 まぁ史実(というか3000年前だと史実かすらもわからないですが)なのでしょうがないのですが、やはり当初のボスは、いい塩梅のところで倒されてもらって、その後さらに極悪で強いボスが登場する、という作りの方が物語としてはエモーションを感じますね。 でも読んでよかったと思ってます。