あらすじ

力石の死のショックから、自暴自棄の放浪生活を続けていたジョー。しかし、リングへの復帰こそ、力石の死を生かす道と説く葉子や段平の忠告で、ジョーの心に、再びリングへの意欲が蘇ってきた。対戦相手を次々にKOして、一見順調なカムバックぶりを見せていたジョーだったが、力石の死の影は消えなかった。無意識のうちに、ジョーは相手の顔面を、攻撃できなくなっていた。
あしたのジョー 1巻

ある日ふらりと下町のドヤ街に現れた、天涯孤独の少年・矢吹丈。腕っぷしの強さが元ボクシングジム会長の飲んだくれオヤジ、丹下段平の目に止まる。段平は丈に自分の果たせなかった夢を託し、名ボクサーに育てようと熱心に面倒を見る。しかし、段平の願いをよそに、丈は毎日、ドヤ街の子供達を引き連れ、無法な行動を繰り返すのだった。漫画史上の最高傑作、ついに登場!!ジョー、そのパンチで叩き出すんだ、すばらしい明日を!

あしたのジョー 2巻

数々の非行を繰り返すジョーは、ついに逮捕され、少年鑑別所へと送られてしまう。段平は、面会できないジョーのため、「あしたのために」と記し、ボクシングの練習方法を書いた手紙を送った。鑑別所でも問題ばかり起こすジョーは、更正施設の東光特等少年院に収容されることとなった。ジョーはそこで、生涯のライバル・力石徹に出会う…!

あしたのジョー 3巻

ライバル・力石との出会いがジョーを変えた!力石のクロス・カウンターで昏倒させられたジョーは、リベンジに燃える。院生たちの慰問に現れた白木葉子を巡り、再び力石とジョーは拳を交えることになった。「1週間後の日曜日」、残された時間は余りにも少ない。段平はジョーの体に、必殺のパンチを刻み込むが…

あしたのジョー 4巻

力石に挑戦したジョーは、数えきれぬダウンをしながらも、試合を引き分けた。院内の寮対抗ボクシング試合で、ジョーと力石は引き分け試合の決着をつけようと練習にはげむ。しかし、段平は、ジョーのコーチを断り、院内一の弱虫・青山のコーチに熱を入れるのだった。試合が始まり、青山はジョーが段平から教わっていない戦法を次々と繰り出して…!?

あしたのジョー 5巻

ジョーと力石は寮対抗のボクシング大会で、決勝戦に勝ち残り、試合が1週間後に行われることになった。しかし、その直後、力石の出所が三日後と決まり、勝負の決着を急ぐ二人は決闘をはじめた!葉子や段平の説得で、たがいに出所後、プロボクサーとして堂々と対決することになった…。そして、ジョーにも待ちに待った出所の日がやってきた…

あしたのジョー 6巻

泪橋の下に作られた丹下拳闘クラブから、プロボクサーへの道を歩き始めたジョーと西。だが、ボクシング界から追放された段平が作った拳闘クラブは、ボクシング協会から認められず、ジョーたちはプロボクサーへの道を閉ざされてしまう。全日本新人王決定戦、ジョーはある策を秘めて会場に乗り込んだ。バンタム級の新人王、ウルフ金串の楽屋でクロス・カウンターを決めたジョーは…!?

あしたのジョー 7巻

新人王決定戦で、ウルフ金串を相手に一策を講じ、ついにプロのリングへ上がったジョー。力石と葉子の見つめる前で、ジョーは必殺のクロス・カウンターを放ち、見事プロ初勝利をKOで飾った!破竹の連勝を続けるジョーに、因縁の相手・ウルフ金串がクロス・カウンター破りの秘策を胸に挑戦してきた。相手の手の内が読めない段平とジョーは、イライラを募らせるが…

あしたのジョー 8巻

ウルフ金串との壮絶な試合はジョーのKO勝ちで幕を下ろした。連戦連勝をしていながら、ジョーとの対戦に執念を燃やす力石は、体重をジョーと同じバンタム級に下げるために、飢えと乾きの耐えがたい減量と戦いながら練習を続けていた。一方、ジョーも力石のアッパーカットを封じるため、血ヘドを吐いて練習していた。ジョーVS力石、宿命の対決の火蓋がついに落とされる!

あしたのジョー 9巻

死闘が続いたジョーVS力石の試合だったが、最終回、ジョーは力石にKOされ、無念の涙を呑んだ。しかし、勝った力石は、ジョーの強打と、あまりにも過酷な減量による体力の消耗が元で息絶え、宿命の一戦は悲壮な幕切れとなった…力石が死んだ…!!ライバルの悲壮な最期に、ジョーは返らぬ友への痛恨の情と、はげしい虚脱感におそわれ、リング生活をすてる決意をする…

あしたのジョー 10巻

力石の死のショックから、自暴自棄の放浪生活を続けていたジョー。しかし、リングへの復帰こそ、力石の死を生かす道と説く葉子や段平の忠告で、ジョーの心に、再びリングへの意欲が蘇ってきた。対戦相手を次々にKOして、一見順調なカムバックぶりを見せていたジョーだったが、力石の死の影は消えなかった。無意識のうちに、ジョーは相手の顔面を、攻撃できなくなっていた。

あしたのジョー 11巻

チャンピオンのタイガー尾崎との試合をむかえたが、強打を失ったジョーはもろくもTKOで敗れ、続く対原島戦では、相手をダウンさせながら、突然、原因不明のはき気におそわれて、リング上に倒れてしまった。そして、むかえた対南郷戦、とどめを打てないことを承知でリングに立とうとするジョーを、段平や西は止めようとするが…ジョーは南郷と戦っているのではない。力石の亡霊と戦っているのだ!

あしたのジョー 12巻

ついに、連戦連敗のジョーをリングにあげるプロモーターはいなくなり、段平はジムをたたもうとする。それでもリングを捨てられないジョーは、ドサまわりのボクサーに転落する。しかし、南米ベネズエラから来日したカーロス・リベラの試合を見たジョーは、リベラの恐るべき力を見抜き、異常な闘志をかきたてられる!ジョーは葉子を訪ね、リベラのスパークリング・パートナーを申し出るが…!?

あしたのジョー 13巻

カーロス・リベラはジョーが連敗した相手と次々に試合をして勝った。日本での契約を終了したリベラは、ベネズエラへ帰国する予定だったが、ジョーが試合を申し込み、特別試合の四回戦として、開催されることとなった。完全に“野生の男”によみがえったジョーは、“戦慄の男”リベラに、猛烈な闘志で立ち向かう!リングの上と下、ダブルノックダウンとなったジョーとリベラだったが…!?

あしたのジョー 14巻

ジョーとリベラの特別試合の四回戦は、興奮した段平の不注意からジョーの失格となった。納得のいかないリベラは試合続行を要求し、葉子の特別のはからいによって、ジョーVSリベラの十回戦が行われることになった。“野生の男”によみがえったジョーは、不屈の闘志でリベラに立ち向かう!後楽園特設リングを血に染めて、ジョーとリベラの凄惨な死闘が続く!!

あしたのジョー 15巻

世界六位のリベラと死闘の末、引き分けて見事カムバックしたジョー。その後のジョーは連戦連勝、その勢いは、東洋・世界チャンピオンへの飛躍を噂されるほどであった。世界チャンピオンのホセ・メンドーサにひそかに闘志を燃やすジョーだったが、東洋チャンピオン・金竜飛との対戦が決定する。ところが、ジョーの体は成長し、バンタム級にとどまれなくなっていて…

あしたのジョー 16巻

韓国の金竜飛に挑戦し、はじめてのタイトルマッチを行うことになったジョー。しかし、成長期のジョーの体重はいつしかバンタム級をはるかにオーバーしていた。きびしい食事制限とトレーニング、地獄のような減量苦の日が続いたが、ジョーは不屈の精神で克服した。氷のようなチャンピオンと王座をかけた一戦は開始されたが、ジョーは金が冷血漢である理由を知って…!?

あしたのジョー 17巻

激闘の末、金竜飛をKOしたジョーは東洋チャンピオンの座を獲得した。まもなく、ジョーを後援するテレビ関東が海外遠征を企画し、ハワイで“シンガポールの妖星”と呼ばれるピナン・サラワクを相手に、初の東洋タイトル防衛戦が行われることになった。ジョーは不敵にも第二ラウンドでKOすると予告をする!一方、葉子はジョーにパンチドランカーの症状が出ているのではないかと疑う。

あしたのジョー 18巻

東洋タイトル防衛戦のため、ハワイに遠征したジョーは、ピナン・サラワクと対戦し、二ラウンドKOの予告宣言を実行して、観客を湧かせた。勝利と祝福に包まれて帰国したジョーだったが、その心は早くもボクサーとしての最大の夢、世界タイトルマッチへととんでいた。しかし、ホセ・メンドーサの試合興行権を持つ白木プロモーションは、マレーシアから怪物・ハリマオを招いて…!?

あしたのジョー 19巻

世界チャンピオン、ホセ・メンドーサとの対戦に執念を燃やすジョーだったが、試合興行権を持つ白木プロモーションは、マレーシアからハリマオを招き、ジョーの世界タイトル戦の前哨戦として、ハリマオとの東洋タイトル戦が行われることになった。ふたりの対戦はファンの異様な興味と関心を集め、ついに決戦の火蓋が切られた!反則もゴングも関係ない、まさに野獣のようなハリマオを相手にジョーは…!?

あしたのジョー 20巻

荒れ狂う怪物・ハリマオを血祭りにあげ、残るは世界王座――。ついにジョーVS世界チャンピオン、ホセ・メンドーサ、世紀の一戦が行われることになった!しかし、この時、ジョーの体は数々の激戦によって危険なパンチドランカー症状にむしばまれていた。葉子は試合を中止させようと、ジョーに必死の勧告をしたが、この試合に命を賭けるジョーは、決然とリングに臨むのだった…!!

あしたのジョー

初めて読んだ感想

あしたのジョー ちばてつや 高森朝雄
かしこ
かしこ

ジョーってこんなに不良だったんだ…って思いました。有名作品なのでキャラクターの名前と名セリフくらいは知ってましたが、実際に読むまでジョーってもっといい子だと思ってました。力石徹との出会いも少年院なんですね。自分みたいに勘違いしてる人は世の中にたくさんいそうです。恥ずかしながら力石の死がクライマックスだと思ってたので、終生のライバルがこんなに早く死んでしまうのかと驚きました。でもそこから力石に致命傷を与えて殺してしまったトラウマをジョーが乗り越えていくという、さらに踏み込んだ物語になっていくのがすごく面白かったです。トラウマがフラッシュバックしてリングでジョーが吐いてしまうシーンが印象的でした。ジョー以外は黒塗りのシンプルな見開きなんですけど、ジョーのショックの大きさが見えて辛い、けどそれを乗り越えていかなきゃいけないんだって思いました。もう一つ好きなのはやっぱり紀ちゃんとデートするシーンです。あれも存分にページを取って一日デートした最後に「わたしついていけそうにない…」と紀ちゃんが言うなんてガーンときますね。これもちばてつや先生がよくおっしゃってる漫画の「間」の効果なのでしょうか。前半は自分が感情移入しやすかったのでチビ連のサチが好きでしたが、脇役って言っちゃうのが失礼なくらい全員が登場人物として必要なキャラになっているので、読み終わると全員好きになりますね。こんなにどのキャラも人生を持ってる漫画は初めて読みました。