爆破により要所・居庸関に突破口が開く。金国になだれ込む蒙古兵たち。それはモンゴルの更なる膨張を伝える狼煙であった。「焼け野はどこまでも走れる」大ハンとユルールのけっして交じわらぬ対話が尽きたとき、ナランの想定どおり、シュトヘル、ハラバルが姿を現し、一堂が会した食料庫は戦場と化す。しかし唯一、想定外であった双子の皇子・トルイがその場に駆けつけたことで、誰もが想像していなかった事態が起こる。「生が死の先を走る」事態に気付いた蒙古兵たちが、シュトヘルたちの居るもう一つの戦場に押し寄せて来た時、命を賭した者たちの戦いは終焉を迎える。生き残ったのは果たして……
現代と昔のモンゴルを行き来してなおかつ西夏の文字がテーマなので複雑です。 でもその複雑さと読むのが煩わしいと一瞬でも思わない表現力、さすがとしか言いようがありません。 バトルのスピード感のある筆の運び、めちゃくちゃ好きです。