あらすじ

いまさらですが、一升庵(いっしょうあん)の若女将・おせんさんはお酒が大好き。日本酒、泡盛、焼酎の類(たぐい)、とりわけ好きなのは昼麦酒(ビール)。飲んだ翌日の朝風呂の後に控えるは、なんといっても冷たい麦酒!!しか~し、今日に限ってお店に麦酒が一本たりとも残っていない。なぜなら昨晩、大盤振る舞いで全部飲んじゃったから!!かくして旨(うま)い麦酒を求めて、町を彷徨(さまよ)うおせんと江崎のグリコさん。自分の欲望に忠実に、しかし美学は崩さずに。おせんの希望ははたして叶うのか?
おせん 1巻

笠置(かさぎ)の宿場町にある老舗料理屋「一升庵(いっしょうあん)」の若女将、おせんこと半田仙(はんだ・せん)。日頃はノンベエでぐうたらだけど、いざお客様のためならば、一肌でもふた肌でも脱ぎやしょう!世間の流行に流されず、自分の良いと思うものだけを信じるおせんの作り出す料理は、みんなのお腹と心を幸せで満たしてくれる。帳場見習いで修行に来た江崎(グリコ)と一緒に、グルメ漫画とは一味もふた味も違う、“本物”の世界をご堪能ください!

おせん 2巻

笠置(かさぎ)の老舗料理屋「一升庵(いっしょうあん)」の若女将、おせんこと半田仙(はんだ・せん)。一級品の目利きと絶品料理、そしてなによりお客様を大事にするおせんには、“和の美”が生きている!超合理主義のスーパーウーマン・山口が、会社の歓迎会で一升庵を訪れた。日本人的優柔不断が許せない彼女は、部下たちと大喧嘩、チームワークもバラバラ。よっしゃ、わっちが一肌脱ぎましょう!おせんの美意識とおもてなしが、お堅い頭をやわらかくトロかす。今宵も極上の夢をお届けいたしやしょう――。

おせん 3巻

ニッポン再発見!陶器の目利き、料理の拵(こさ)え方、人をもてなすということ。老舗料理屋「一升庵(いっしょうあん)」の看板女将・おせんの立ち居振る舞いや思いには、連綿と受け継がれてきた「日本の心」が息づいている。現代に生きる私たちが忘れかけていた古き良き日本の心を、ほら、あなたの遺伝子が知りたがっていますよ。今回は、旨い料理に舌鼓を打ちながら、一升庵男衆の粋でせつない恋話に耳を傾けてくださいなぁ。

おせん(4)

一升庵(いっしょうあん)がある笠置(かさぎ)の宿のご近所さん、赤木の若旦那は町内でも一、二を争うカタブツ。そんな彼が恋をした相手は、お茶のお師匠さん!人間国宝の茶碗を携えプロポーズするも、「あなたらしいお茶碗でお手前してちょうだい」と断られてしまう。そんな彼を連れて骨董市に出かけたおせんこと半田仙(はんだ・せん)たちは、彼に、世間の評判や資産価値なんかでは測れない、自分の価値観を大事にすることの楽しさを教える。“和の心”を愛するおせんが、本当の豊かさをお届けします!

おせん(5)

老舗料理屋「一升庵(いっしょうあん)」では、朝と夜は板場が、昼は仲居の女性陣が持ち回りで賄(まかな)い料理を作っている。料理の腕も上がり、食材や調理の情報共有もでき、みんなの心がひとつになる。これが賄いの素晴らしき効用。おせんの人気を頼って、料理学校の校長がおせんに先生を頼みに来た。なぜか対決することになったのは、スピード料理で人気の桜井三千子(さくらい・みちこ)。料理に一番大事なことは、スピード?アイデア?それとも……?おせんのおもてなしの心、あなたにも届きますように。

おせん(6)

「一升庵(いっしょうあん)」の若女将、おせんさんを和食の師匠と仰ぐ、英国テーブルウエアメーカーのプロデューサー、リーチさん。総責任者を務めるレストランでランチをはじめるのだが、扱うお米の銘柄でスタッフの間は大騒動。ササニシキがいいか、コシヒカリがいいか。優劣なんてつけられないけど、そんなら食べ比べてもらいやしょう。素材の良さを最大限に生かした、状況にあったおもてなし!だけど一番おいしいのは、「おいしくなあれ、おいしくなあれ」と心をこめて握った、おせんさんのシンプル塩結び。

おせん(7)

三度の飯より仲人(なこうど)好きの大河原さんの奥様。記念すべき100組目の縁談に、おせんさんをセッティング!相手は、日本美術史研究の権威である大河原教授の愛弟子で、有名料理旅館の御曹司、千堂(せんどう)。なかば強引に行われたお見合いで、おせんに興味を持った千堂は、一升庵(いっしょうあん)にご来店~。おせんの心をこめたおもてなしを受け、彼の心は動く動く!笠置小町おせんを取られちゃなるめぇと、町の男衆はヤキモキ。さてさてこの顛末(てんまつ)、いったいどうなることやら。

おせん(8)

老舗料理屋「一升庵(いっしょうあん)」の隠れた才人・メシ炊き名人テル子さん。彼女の炊くお米は、みんなの心を幸せにする。それに惚れ込んだ人気料理雑誌の編集長とカメラマンは、彼女の実家の農家を訪れた。もちろん、おせんさんも一緒。昔ながらの手刈りに稲のわらごと干す天日干し、手間隙かけて育てたお米のおいしさ、「わら」の偉さをみんなにも思い出していただきやしょう!おせんの料理とおもてなしの心で、昔から生きる“和”の知恵、ご堪能くださいな。

おせん(9)

お店のお得意さん、光北電機の大久保さんのお誘いで、沖縄・石垣島にやってきた一升庵(いっしょうあん)ご一行。美しい海と自然、おいしい料理に心はメロメロ、すっかり石垣のトリコ。そんななか、東京の大企業音羽フーズの若社長が新規開拓にやってきた。石垣の味を広めたい地元振興会の平良(たいら)は、一生懸命もてなすが、逆に侮辱されて商談はパァに。お世話になった友人たちの一大事!地元のよさを最大限にいかしたおもてなし、おせんが存分にお目にかけやしょう!!女衆の水着姿も拝める、貴重な一冊。

おせん(10)

千成さんの裏にある大沢じいさんの竹林。そこで穫れる筍(たけのこ)は、天下一品でぃ!しかしその竹林が、バイパス道路予定地に決まったっていうから穏やかじゃない。遠くの名産より近くの掘りたて、一升庵(いっしょうあん)でしか食べられない絶品筍料理の危機。大沢じいさんのためにも、おせんの拵(こしら)えを楽しみにしているみんなのためにも、しっかりきっちり気張りやしょう!!おせんさんの中学高校時代の思い出話も垣間見られる、お腹も心もしあわせになる第10巻。

おせん(11)

いまさらですが、一升庵(いっしょうあん)の若女将・おせんさんはお酒が大好き。日本酒、泡盛、焼酎の類(たぐい)、とりわけ好きなのは昼麦酒(ビール)。飲んだ翌日の朝風呂の後に控えるは、なんといっても冷たい麦酒!!しか~し、今日に限ってお店に麦酒が一本たりとも残っていない。なぜなら昨晩、大盤振る舞いで全部飲んじゃったから!!かくして旨(うま)い麦酒を求めて、町を彷徨(さまよ)うおせんと江崎のグリコさん。自分の欲望に忠実に、しかし美学は崩さずに。おせんの希望ははたして叶うのか?

おせん(12)

火事と喧嘩は江戸の華!だけど、おせんのいる笠置「一升庵(いっしょうあん)」の前で、不埒(ふらち)な真似はゆるさねぇ!!その一声で騒動終結、千成の弁天様おせんはみんなの元気の源です。おせんとサンタクロースの不思議な交流を描いた「今宵聖夜を告げる鐘」編のほか、水を一滴も使わない「おせん流“アンコウのどぶ汁”」など、垂涎必至の料理もてんこ盛り。今宵もおせんの料理と心意気に、ちょいと酔いしれてくださいな。

おせん(13)

老舗料理屋「一升庵(いっしょうあん)」の若女将、おせんさんは豊かなストレートの黒髪がトレードマーク。お店の女の子たちが衣替えにあわせて髪を切っても、「わっちには関係ありやせん」。だけどおせんも女の子、ちと流行(はや)りのコスプレなどを……。しかも、か、髪の毛を切った~!!そんなイメチェンおせんが教えてくれる、日本の伝統文化お中元の正しい贈り方。そして江戸から続くスローフード、本来の日本食の技と味……。日本人なら誰もが享受し、表現できる和の心、おせんさんが思い出させてくれました。

おせん(14)

東京に珍しく大雪が降った日。一升庵(いっしょうあん)のみんなはお正月休みの旅行におでかけ。おせんさんひとりがお留守番です。そこにやって来たのは、小さい男の子雪ぼんぼっこ。亡くなった祖母の思い出に浸りながら過ごす、豊かであったかな冬の一日……。同じあったかでも、こちらは、離婚の危機という夫婦に贈る、旦那(だんな)さまの思い出がいっぱい詰まったカレーパン。純和風の一升庵の厨房で繰り広げられる、前代未聞の愛の修復カレーパンつくり!そして今回はなんと、おせんさんの爆弾宣言もあり!必見!!

おせん(15)

珍品堂さんとこの弟子、目利きの真子ちゃんにお見合い話が持ち上がる。だけど彼女は浮かぬ顔、だって本当はグリコさんが好きなんだもの。不器用な2人の愛の行方はいかに!?そして、一升庵(いっしょうあん)の板前・留さんのお姉さん登場~。彼女の勤め先、鰹節工場の危機を救うため、おせんさん&一升庵御一行様、鹿児島の山川(やまがわ)へ!!そこでは、留の旧友であるサトルが、本枯節と呼ばれる最高級の鰹節に情熱を注いでいたが……。おせんさん、日本料理のダシ、その根本である鰹節の魂を守れ!

おせん(16)

本枯節を愛する心。しかし、その一方で、企業の道理、時代の趨勢――昔ながらの日本の味は消えようとしている!?鹿児島は山川が誇る鰹節の中の鰹節『本枯れ節』を守るため、真っ当な想いを繋ぐため、おせん、動きます!!鰹節編、完全決着!!そして、「おせん」第1幕完!!別冊モーニングで描かれた、きくち正太の究極のエロス!「萬屋先生道行恋の春絵巻よひわひな」も特別収録!!