サトラレ

発想でもう大勝利

サトラレ
狐優曇華
狐優曇華
1年以上前

自分の心の声が周りに聞こえてるかも、と言う誰もが思う不安を具体化した時点でもう面白い。 サトラレがどうやったら成立して、どんな問題があるかまで深く洞察している作品なので、読んでてリアル感がある。 普段の生活で「もしかしたら俺サトラレかも・・・」って定期的に思うようになってしまった。どうしてくれる。スピンオフ的な作品や続編もある名作です。

新装版 BLAME!

硬派SFを絵に落としたらこうなるという

新装版 BLAME!
狐優曇華
狐優曇華
1年以上前

序盤は本当に硬派なSFでこんなのよく連載続いたな、アフタヌーンえらいぞっと思える。 中盤からは次第にセリフも増えてきて登場人物も長生きしたりストーリーらしきものが削り出されてくるのでわかりやすいと言えるがそれでもやはり硬派感がすごい 最後まで説明らしき説明はないし、とても淡々と進む物語なんだけど、アニメ化したりフォロワーも多く、この作品の成功によって勇気づけられて生まれた作品も多そうだ。そういう意味でパイオニア的存在に思える。

ただいま収蔵品整理中! 学芸員さんの細かすぎる日常

楽しそうな人たちと仕事

ただいま収蔵品整理中! 学芸員さんの細かすぎる日常
hysysk
hysysk
1年以上前

資料館の職員の仕事ぶりが細かく描かれた4コマ漫画。フィクションではあるが実際の作業は忠実に描いているとのこと。 これを読む前は失礼ながら暇そうで楽そうな仕事と思っていたが、展示の構成や導線の設計からキャプション作り、虫害対策やお祓いなど、やることは多いし専門性も高い。使える薬剤も時代と共に変わっていくし、法律の知識も要求される。その割に予算がないので、アイディアと体力が必要。 どうしても興味・関心は新しく作るものに向かいがちだが、こういった保存や継承を丁寧にすることも同じくらい大切で、将来に大きな価値を生む可能性も秘めている。近所の資料館に行って話を聞いてみたくなった。

付き合ってあげてもいいかな

恋は苦くて苦しいもの

付き合ってあげてもいいかな
野愛
野愛
1年以上前

わりとライトにちょっとエッチなかわいい女の子のイチャイチャを楽しみたいと思って読み始めたけどそういうんじゃなかった。 付き合うきっかけこそライトだったけど、知れば知るほど好きになればなるほどどんどん苦しくなる感じに思わず頭を掻きむしってしまった。 女同士という困難や葛藤、好奇や悪意ある視線、そういったものの上で生きてきたからこそ出来上がってしまった自分という鎧…などなど。わかるよ、と安易に言っていいかわからなくなってしまう。 自信なさげで無防備なみわにも、お調子者の鎧で本心を見せない冴子にもイライラしてモヤモヤして、でも嫌いになれなくて幸せになってほしいと強く思う。 恋なんて幸せなのは最初の浮かれてるときだけで、近づいて好きになって失いたくないなんて思っちゃうと苦しくて苦しくて仕方ないよなあ。でもそれすらも愛おしかったりするからタチが悪いんだよなあ。苦しいなあ。

ダブル・フェイス

現代社会と勧善懲悪とマジックがテーマの長編

ダブル・フェイス
マンガトリツカレ男
マンガトリツカレ男
1年以上前

連載中も読んでいたが、いまいち内容を理解しきてれいなかったのとちょうど細野不二彦の長編にハマっているので読み返した。 最初は主人公である消費者金融の春居筆美(ハリー・フーディーニのもじり)が裏の顔であるDr.WHOOになり悪事や不祥事を負債と捉えてその債権を回収する話で始まっていく。途中からDr.WHOOの所属している謎の機関である黒淵機関や黒淵機関の情報を狙うシラフジ会、Dr.WHOOの過去を探るジャーナリスト 有坂憲などは入り混じりつつ伏線を回収しながら最後に向かっていく。ところどころあるDr.WHOOの奇術の説明や俺の好きな人情回、月影ファイナンスでの色々な人間模様といい最初から最後まで面白かった。

卒業

ちばてつや賞準入選「卒業」

卒業
名無し
1年以上前

土田世紀が17歳の時に描いてちばてつや賞準入選だった「卒業」が単行本のタイトルになっているけど、メインで収録されているのは「ハタチ」という連載作。先にデビュー作の「未成年」を読んでいるので、たった数年でここまで商業作家として腕を上げてすごいな…という感想だったが、あとがきには漫画家にはなれたが自分の実力不足を痛感していたと書いてあった。この時に初めて原稿を落とす経験もしたらしい。もう一つ「tell.me」という作品も収録されているが、これはある事件に対する怒りで描いたらしい。土田世紀らしくない暗い作品だと思ったけど、彼なりの正しさがこういう表現になったんだなと後から納得した。

秋の日は釣瓶落とし

どうしようもなくなってしまった夫婦の不和

秋の日は釣瓶落とし
名無し
1年以上前

週刊漫画アクションに掲載されたものの長いこと単行本化されていなかった作品だそうです。岡崎京子作品を全部読もうと思ってコツコツ読み進めているけど、今まで読んできた作品のどれとも違う印象を持った。暴力的な残酷さがないからかもしれない。かといって楽しい話な訳でもないのだが。漫画雑誌よりも文芸誌に掲載されたと言われた方がピンとくる感じがした。向田邦子っぽい。岡崎京子もこういうの描くんだな〜という新鮮さがあった。最後の著者紹介のところに「家族とのチャンネル争いを繰り広げながらも、笑いが絶えない。お肌の調子良好。健康良好。」と書いてあったのが微笑ましかった。

バベルの図書館

結末が二重にある

バベルの図書館
名無し
1年以上前

みんながつばな先生を面白いと言っている理由を今更ながら理解した。絵柄がほわ〜んとして可愛いので今まで食わず嫌いしてしまっていたが、そんな自分を恥じたい…!「バベルの図書館」は紙に書かれた文字なら何でも読み取ることが出来てしまう不思議な超能力を持った男の子と、この世ではない世界に憧れていて自分の想像の天使を信仰している女の子の話で、スラスラ読めるのにどんどん内容がダークになっていって、最終的には意外な結末にたどり着くのが面白かった。SFが好きな人、短編が好きな人にはもちろんだけど、ストーリーテーリングに興味がある人にぜひ読んでもらいたいと思いました。

賭ケグルイ

一味違うギャンブル漫画

賭ケグルイ
狐優曇華
狐優曇華
1年以上前

可愛い主人公がキャッキャしながらギャンブルする・・・んじゃないことは1巻の表紙を見て明らかだと思いますが、表紙の狂気具合を裏切らない内容。 独自のギャンブルで、人間心理を描いているようですが、何しろ主人公のぶっ飛び具合が面白い 描もすごく良くて狂気具合をひしひしと感じることができます。 スピンオフの双も面白いです。

インドへ馬鹿がやって来た

インド人もびっくり!

インドへ馬鹿がやって来た
かしこ
かしこ
1年以上前

一攫千金を狙ってインドで劇画漫画を売ろうとしたけど失敗した実話です。お金儲けの参考には全くなりませんが、英語もヒンドゥー語も喋れないのにインドに渡って、部屋を探して、現地で人を探して漫画を翻訳して、日本と同じように製本して、道端で売る…結果として失敗に終わったとしても、この偉業をたった一人で成し遂げたガッツには見所があり過ぎるくらいあります。インドに来てから帰るまで、交渉、交渉、交渉…の日々なんですが、それがスムーズにいかないのが当たり前で、私なんかは読んでるだけで体力を消耗してしまいました(何度も単語が出てくるので「ナヒーン(ダメ)」を覚えてしました)。でも山松ゆうきちさんにはお金を儲けたいのと同じくらいの気持ちで「俺が面白いと思う漫画を面白がってくれる奴がインドにもいるはずだ」と思っているピュアなところがあるので、最後まで見届けたくなるんです。スラム街に住んでいるタフなインド人と対等にやっていけるんだもん、あらゆる面でただ者じゃないです。私は自分のことを感覚的に生きる右脳タイプの人間だな〜と思ってたのですが、山松さんの生き方を見ていて自分はまだまだ理性的だったことを悟らされました…。

諍い・ハーレム

こんな"異世界転生"アリですか!? #1巻応援

諍い・ハーレム
sogor25
sogor25
1年以上前

主人公のプログラマーの男は、お盆休みの帰省中にイノシシに轢かれて死んでしまい、その結果、自身が開発に携わるゲーム「ファイナル・ドラゴン」の世界に転生してしまいます。 開発途中なだけあって、キャラクターの姿がダミーの画像だったり、転生直後に出会ったヒーラーの女性の名前が仮で付けられた「田中」だったりと世界観はどうにも締まらない感じ。 それでもなんとかこの世界で幸せに生きることを望んでいた主人公なのですが、様々なトラブルに襲われながら、“勇者ルート”としてこの世界を救う冒険の旅へと巻き込まれていくという物語です。 この作品、主人公の名前が「ルート権限」の"ルート"から来ていたり、道中で見かけたバグをデバッガーの如く修正して回ったりと、ゲームネタが多く盛り込まれている作品です。 いろんな種類のバグが現れては主人公にトラブルをもたらす、その様子も転生モノとしての目新しさを感じさせる作品なのですが、それ以上にタイトルにもある"ハーレム"の要素が1話の途中から強烈に打ち出され、作品の世界観は一気にアダルトな方向、シギサワカヤ作品の世界観に引き込まれます。 ファンタジーの世界にバグなどのゲームの要素、そして主人公を取り巻く愛憎劇と様々な要素が混じり合った唯一無二の世界観の作品です。 1巻まで読了

まんが親

漫画家夫婦(揃って大酒のみで不条理系)の育児漫画

まんが親
名無し
1年以上前

吉田戦車先生の漫画は好きだった。 「戦え!軍人君」「伝染るんです。」とか連載時に リアルタイムで読んでいたし。 そのころに勤務していた会社での 営業車のキーには、かわうそ君キーホルダーをつけていたし。 好きだった、と過去形で書いたがべつにそのあとに 嫌いになったわけではない。 なんとなく手にする雑誌や本に吉田戦車先生の連載がなかった、 みたいな感じで気が付いたらずいぶん読んでいないなあ、 と思う感じになっていた。 そんな感じで何十年もたって、そしたら あの不条理漫画のパイオニアの吉田先生が なんと「育児漫画」を描いている、と知り、 驚いて読んでみた。 想像していたよりもかなり良いお父さん、 楽しい育児日記、で面白かった。 現実には育児は凄く大変だったりしたのだろうけれど。 それでもなお、あの不条理テイストも時々混じった 独特な育児漫画で、ああ吉田先生、健在だな、 とチャンと楽しめてホットした(笑) 他にも、 ・奥様の伊藤理佐先生も相当に個性的な人であり、  なおかつ夫婦ともに大酒飲みなのに、とりあえず  飲むときは飲む飲まないときは飲まない、という  育児優先での生活をしたのは立派。 ・ところどころで親交のある漫画家の先生が  ゲスト参加みたいに登場してきて面白かった。 などとも感じました。 まだ第一巻しか読んでいませんが、結構ハイペースで 第一巻で妊娠・出産・新生児から一人歩きするところまで 行っています。 全5巻だから小学校に通うくらいまで漫画になっているのかな? この先も読むのが楽しみです。

しーちゃんのごちそう

古き良き、でも変わらないもの

しーちゃんのごちそう
野愛
野愛
1年以上前

飯系コンビニコミックにはだいたいこの漫画が掲載されていて、読むたびに優しい世界に心癒されます。 お父ちゃんとお母ちゃんに愛されてのびのび暮らすしーちゃんがかわいいんです。わたしは幼い頃からしーちゃんと呼ばれていたのでよけいに懐かしいし大好きなのですが、昭和に思い入れがあるひともないひとも、懐かしくてあったかい気持ちになりはずです。 (昭和生まれではあるけど)小さい頃からトーストはトースターで焼いてたしインスタントラーメンもパスタも炊飯器もあったけど、新しい食べ物や生活に憧れる気持ちは今も変わらないと思います。お洒落なものに憧れながらも、お母ちゃんの作る素朴なごはんがいちばん美味しかったり…。これっていつの時代にも通じるあるあるなんじゃないかなあ。というか、時代が変わっても家族や大切な人とごはんを食べるあたたかさは変わらないでほしいなあと思いました。

うみそらかぜに花

息苦しさから開放されるような漫画 #1巻応援

うみそらかぜに花
nyae
nyae
1年以上前

始まったばかりなのにもう「終わってほしくない」と思ってしまうような、眩しくて純粋で懐かしい青春物語。少女漫画とはまた違う意味で胸と脳がキュンとする良さがありますね。こういうのは自分が何歳になろうと読めるし、読みたい。 親の再婚によって同居することになった男子と女子ふたりが主人公だけど、そういう設定から想像できるストーリー展開はほぼないと言っていいです。男はこう・女はこうという古い既成概念に全くとらわれないキャラクターづくりもとても魅力的。女の子の主人公・アミさんは北海道訛りが爆発しているけど、完全に彼女の個性として確立してるし、それぞれがそれぞれに夢中になれる世界を持っていて、その世界を壊すような人は出てこない(1巻の時点では)。 あまりにもキャラクターたちが自由に動き回って楽しく暮らしてくれるので、こちらも日々の息苦しさや締め付けから開放されるような気分になりますね。

異剣戦記ヴェルンディオ

面白くなる要素が多くてこれからが楽しみ

異剣戦記ヴェルンディオ
名無し
1年以上前

異剣っていうめちゃ強武器というファンタジー要素、その剣が各地で戦争を引き起こしてるっていう戦記要素、食い扶持稼ぐために偶然発見した古城を拠点に荒野を開拓しながら酒場を開くビルダーズ要素、取り立てて強みはないように見えるのになにやら運命を託された主人公という王道要素など、面白くなりそうな要素がたくさんで今後が楽しみ。今も十分面白いけど、仲間が増えていけばますます面白くなっていきそう。まだ出たばっかりだから、長く続いて欲しい。

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