カワイイに負けたくない!

タイトルそういう意味か!

カワイイに負けたくない!
名無し
12ヶ月前

人はカワイイものをみると自然に表情筋が緩んで間抜けな顔になるけれど、自分はそうはならない!と心に決めている少年が、クラスメイトのかわいい子に対して顔に出ないように日々奮闘するという話。 この話に出てくるかわいい女の子が、ニコニコして愛想が良いザ・女の子って感じではなく、常に表情筋が緩んでいるボーっとした子なのがとてもいい。わかってらっしゃる。 でも当の主人公少年本人は、実は彼女の本質を見ようとせずに表面的な部分だけを見てかわいいと思っていたことに気付くという展開。案外深い話なのがとてもよかったです。

飾り窓に乙女

アンドロイドと人間のあいだに友情は成立するのか

飾り窓に乙女
名無し
12ヶ月前

「挑発」がプログラムされているアンドロイド、めちゃくちゃいいですね。需要ありそう…だけどああやって暴力のはけ口として使われるのは良くないな。 アンドロイド本人には痛覚も感情の動きもなくても、それを間接的に見たり聞いたりする人間は傷つく、というのはその通りだなと思いました。同時に、人間も人間扱いされなくなった瞬間に暴力の標的になるんだなと。 ふたりのあいだに友情のようなものがあるのかわからないけど、「同僚」として今までよりもいい関係が築けそうですね。

あの子は少女の振りをして

破滅的で文学的な女子校の王子様 #1巻応援

あの子は少女の振りをして
兎来栄寿
兎来栄寿
12ヶ月前

『SHAMAN KING FAUST8 永遠のエリザ』、『歌舞伎町ブルーフィルムの花嫁』、『箱庭遊戯』などの田中文さんが新たに描く、現代文学的な作品。 とある過去の事情により女性との関わり合いに困難を抱える男性教師・筧皇清が、女子校に赴任することになってしまうところからこの不穏な物語は幕を開けます。 もうひとりの主人公は、表では成績優秀かつフェンシング選手としても全国有数で学園の王子様として大人気でありがら心の中には深い闇を抱えている蛭間聖。聖はとある理由により担任の皇清のことを見初め、距離を縮めようとしてきます。彼女との出逢いが、皇清の運命を大きく歪めていきます。 人間のフリをすることはできても、本当の意味で人間にはなれず、人間とは繋がれず、人と人との間で存在できる人間としてはこの世界にいられない。形は違えど、行為に倫理的な問題はあれど、そんな孤独に共感する人は少なからずいることでしょう。誰にも理解されない感情を理解してもらえる……かもしれない。それは、儚い希望、あるいは思い込みであったとしても依存するに十分な理由たり得ます。 また、皇清は聖のアプローチに困惑しながらも、一方で園芸部の顧問に就任して蛇田と作業をする時間は想像だにしていなかった得難い安寧を得るという対照があるのもこの作品を面白くしているポイントです。 白と黒のコントラストがパキッと利いている田中文さんの綺麗な絵も、この光と影のある物語にぴったり合っています。 "人間"を描いてるなぁとしみじみ思う内容、また「卯の花腐し」や「犯文乱理」といったサブタイトルの語彙や作中の隠喩なども含めた全体の雰囲気などから、陰鬱な文学が好きな人にも親和性があると感じる作品です。

love puppet

便利だなあスマホは、まったくもう!

love puppet
ゆゆゆ
ゆゆゆ
12ヶ月前

ファンタジー風なのにスマートフォン状の物体。 連絡手段はLONE。 違和感なく読めたのは、姫も勇者も悪者役もみんな独特のテンポでいるからだろうか。 名前も秀逸。 ニーブイなんて名前で、勇者は鈍いやつだと予告してくる。 姫のラブが突き抜けたラブコメというのもおもしろい。 モブ悪役のことも忘れないように、読み直した。 読み直してもやっぱりおもしろい。 勇者も勇者だし、姫も姫だ。

この部屋から東京タワーは永遠に見えない

タワマンを通して描く人間模様

この部屋から東京タワーは永遠に見えない
六文銭
六文銭
11ヶ月前

タワマン文学なる、格差社会にルサンチマンこじらせたようなものがSNS界隈で話題になった。 そのコミカライズな本作。 テーマ的にあまり興味がなかったのだが、アプリで読んでいて特に添付画像にある2話目がよくてハマってしまった。 結局自分は、男側がうらぶれて、女性が現実をみて早々に見切りをつけて去っていく展開に弱いのだと思う。 それだけだと、男性がいつまで変わらず思い続ける純情っぽく描かれ、他方、女性が変わってしまい不純というか強かというかの対比になりがちですが、本作がグッときたのは 「自分の幸せを自分で選んだ」 というセリフ。 これがキツイ。 変わってないから純情とかではなく、ただその状態を、ともすれば結果的に不幸になってしまう状態でも、怠惰だとか思想に合わないからやりたくないだとか自己を正当化して選択しているだけに過ぎないことを突きつけられる。 そりゃフラれるし、そんな自分に酔っている感じが痛々しい。 (でも、自分はやっぱりこういう男主人公話が好きだったりします。) こんな感じで、うまくいかない人間関係や、一見順調そうにみえて裏がある人間模様をタワマンという現代の成功の象徴通して描かれる作品です。 題材を今っぽくしてますが、本質的なものはあまりかわらない感じが文学だなと感じました。

アックス

「アックス」vol.154(2023)感想

アックス
名無し
12ヶ月前

アックスはたまに買っているのだが、ここであまり感想を見ないので ちょっとそれらしいのを書いてみようの巻。 2023年154号で表紙になっている森口裕二と逆柱いみりの往復書簡で、逆柱が「グローバルな活動」を視野に入れて性器の描写を修正している・・というのが面白かった。しかし海外で逆柱作品を読もう人がそんな点を気にするかはやや疑問だぜ。 前号に引き続き掲載の、ツージーQ「青いレインコート」後編は貧しい女性のきらきらしていない暮らしと心のひだを丁寧に描いていて、まさに王道のガロど真ん中を射抜いてくる。暗い話なのだが、どこか明るさがあってその形作る叙情にじーんとくる。めっちゃイイ。本作が、この号では一番良かった。どんな感じか気になる人もいると思うので47ページ(と46ページの一部)を引用する。 髙山和雅の「機械仕掛けのツァラトゥストラ」も後編。全裸のキャラがこれでもかと出てくる趣味全開な思弁・バイオレンスSFで、ややオープンエンドぽい終わり方も許せるぐらいの勢いを感じさせます。しかしこれ続くのかな? ほか、三本義治の哀愁に満ちたヤクザ介護漫画「ヤ・ク・ザ」堀道広のオムニバス「月刊どうすれば」9話、そして具伊井戸夫の「消えたウナギ」が印象に残った。 次号は駕籠真太郎特集。

COJI-COJI

思い出の言葉は??

COJI-COJI
wayway
5ヶ月前

####_「ジョニー、げんきんだしな」_ この言葉は、ジョニーくんを励ますために、 ジョニーくん宛の手紙にコジコジが書いた言葉です。 (コジコジは「元気だしな」と伝えたかったw) なんで思い出かというと、僕が小学生の時に 友達に電話した時に、友達が電話にでたと思って 開口一番に _「げんきんだしな」_ と言ったら、 電話に出たのは、友達のお父さんで _「なんだお前は?(怒)」_ と言われて怒られて、 以来、その家族からずっとネタにされたため思い出に残っています。 コジコジには名言などはたくさんあると思うのですが、 皆さんは何か思い出という観点で何か心に残っている言葉や セリフはありますか? ※思入れが深いのでつい長々と書いちゃいましたが、皆さんフランクにテキトーに書いていただければです。

対岸のメル 幽冥探偵調査ファイル

対岸のメル待望の連載化

対岸のメル 幽冥探偵調査ファイル
名無し
12ヶ月前

読切を経て連載化!嬉しい。 読切の方を読まなくてもまあ大丈夫な内容ですが、読まないよりは読んだほうがいいと思います。ただwebで公開されてないっぽいのでハルタの87号を買うしかない、のかもしれない。 連載1話ではいきなり死んだメルちゃんパパが出てきて、しかも死んだ理由が…というわりと衝撃的なものでした。メルちゃんの根拠のない無敵感がいい。

あのエロい映画なんだっけ?

エロという無限の海の広さと深さ #1巻応援

あのエロい映画なんだっけ?
兎来栄寿
兎来栄寿
10ヶ月前

『おしえて! ギャル子ちゃん』の鈴木健也さんによる傑作短編です。 「映画の中のエロ」というテーマを軸に、何の映画だったかは覚えていないものの断片的なキーワードを入力することでその映画を推測して当ててくれるサイト、そしてそのユーザーを巡る物語となっています。 皆さんは、まだ無垢な子供のころにうっかり観てしまい強烈に胸に刻まれたシーンはあるでしょうか。私も映画の名前は解りませんが未就学児だったころに観たシーンが今でも脳裏に焼き付いています。マンガでも同様のことは起こりがちですよね。 「人によってエロいと感じるものは違う」 「そもそもエロいとは何か」 という深淵にも光が当てられていきます。 その結果、最初は胸の大きな女性が出てくる映画だけを登録するユーザー(おっぱいは大きければ大きいほどいいが貴賤はないという哲学の持ち主)や、顔も体も良い男が最高として上質な裸の男が出てくる映画ばかり登録する女子高生(自称:皇帝のような暮らし)など比較的メジャーな性癖の持ち主が登場しますが、女性に金玉が蹴られているシーンのある映画だけを選出する老女を始め段々とコアな性癖の持ち主が登場してきます。 そういった作品を観たことでそんな性癖になったのか、あるいは、元からあった性癖がそれをきっかけに掘り起こされたのか。鶏と卵のどちらが先かはわかりませんが……ともあれ世界に存在する多様性の趣深さを短い中でも感じられる作品です。 それに加えて最後には謎の感動もあり、ワンコインかつ短時間で読める短編としては高い満足度を得られます。

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