人々を"覚めない眠り"につかせてしまう毒を放つ「トビアスの木」という植物が宇宙全体に広まってしまった世界。 この作品はそんな世界を舞台に、各地に残された文化を記録・保存する企業に所属する「登録ナンバー303」と呼ばれる少年が星々を巡る様子を描く"宇宙の旅の記録"の物語です。 「トビアスの木」の毒により"覚めない眠り"についてしまった人間は、最後にはその人自身が「トビアスの木」に変わってしまい、その木には元の人間の記憶が詰まった赤い実が成るといいます。 そんな「トビアスの木」と共存しながら"緩やかに眠りゆく世界"で生きる人々を、優しくおだやかに、だけど少しの切なさを交えながら描かれます。 また、星々を旅する「登録ナンバー303」にはとある秘密があり、彼のミステリアスな雰囲気と各地の人々との交流も魅力的に描かれている作品です。 1巻まで読了
誰もが一度は聞いたことがある「学校の七不思議」。 しかし、その七不思議の元となる怪異たちは、人間たちがウワサを信じてくれないと消えてしまう存在です。 この作品の舞台である九景(くげ)高校の七不思議のひとつである"イヌ人間"は、まさに生徒たちに忘れ去られようとしている怪異でした。 そんな"イヌ人間"の目の前に現れたのが2年C組の転校生・その名も「五寸釘子」。 彼女は"イヌ人間"に関するちょっと変わったウワサを流して、生徒たちの興味を引くことに成功していました。 そのウワサをというのが《夜な夜な教室で「わん子」という"イヌ人間"の撮影会が開かれる》というウワサ。 こうして「推し怪異」という新たな形で復活を遂げた"イヌ人間"改め「わん子」と、わん子だけに飽き足らず様々な怪異を「推し怪異」としてプロデュースしていく釘子の様子を描く、オカルトマンガなのに読むとニコニコになれる作品です!
もしかしたら1巻読んだだけではこの「恋じゃねえから」と言うタイトルがピンとこない人もいるかもしれませんが、これ以上内容を簡潔かつ的確にあらわすタイトルはないかも、と思います。 こういう、世間一般に根付いてる「○○ってそういうものだから」という思い込みやバイアスによって世の中から見えづらくなっているものを掘り起こして提示するって、もの凄く精神的なしんどさがあるけど、個人的にはこうして漫画として存在してることにとても意味を感じます。本作には、創作物でよくある「教師と生徒の恋愛」を、エンタメとして消費する前に知るべきことが描いてあるはずです。 主人公が40歳なのも、先に書いた“見えづらさ”を描くのに適していると思う。歳を取れば取るほど過去を振り返るのに体力がいるから。 読むのがしんどいという感想が多いかもしれないし自分も同様の思いはあるけど、主人公たちが立ち上がってどこまで行けるのか見届けたい気持ちがなによりも強い。
田舎を飛び出した女子高生が、従姉妹の紹介で女性ラノベ作家の住み込み家政婦として働くお話。1巻は二人の会話が楽しいコメディの中に、同性愛の切ない感情が織り込まれて、やり取りに引き込まれました。 厳しい家で育てられた女子高生と、お金持ちな作家の思考のギャップや、純粋な女子高生をからかう作家のやりとりが面白い。 時折、女子高生が作家に寄せる恋心が見えるのですが、それが「同性愛である」事で色々鬱屈してしまっているのが、さらに切ないのです。 田舎で受けた心無い差別。居場所を求めて逃げてきたはずなのに、受け入れられるために同性愛を隠したい気持ち。それでも止められない恋心。彼女が東京で幸せになるのを、願いたくなります。 一方作家はというと、他人にも自分にも期待していない節がある。冷めた心で生きる作家にとって、女子高生がどんな存在になれるのか……二人のパートナーシップに、熱い可能性の予感です。 現実世界を描きながら、登場人物は女性ばかりの物語。男はいらない!という百合好きにも(1巻時点では)おすすめします。
----- ★特撮好きさんへ ----- 登場人物名をご覧下さい。 ●海城あかね ●本郷苺 ●早田唯 ●芹沢博見(部長) さあ、この作品の特撮愛、伝わりましたよね?読んでみて下さい! ----- ★その他の方 ----- ここからは普通にクチコミ書きますね。 特撮作品研究部の女子高生四人が、特撮作品を作ろうと奮闘する物語。そこには様々な特撮愛があるのですが、面白いのは特撮好き同士が、必ずしも仲良しこよし、ではないところ。 造形の先輩と音響の後輩は解釈違いでいがみ合いながら、愛がある事で繋がれるケンカ百合。顧問の教師は特撮を愛するのに何故か敵対する。そこにあるのは、強すぎる拘り。 しかし初心者が受け入れられるのは良い感じ。身体能力が高い初心者は、カッコいい事をやりたいという強い思いがある。それを掬い上げる仲間達は、互いに熱を伝え合う。 制作に邁進する四人。特撮の制作や特撮愛について、熱いものが読める。絵柄のガチャガチャ感が楽しさとカッコよさを増し、そしてキックが美しい!情動がガバガバになっていく様子も熱さを増す。特撮ファンは絶対楽しいし、百合ファンとしてはちょっと変わった関係性構築が楽しめる作品です。
恋を知らないOLが家の前で拾った少女を飼育する物語は、全編に渡る濃厚な百合エロ表現に、恋に抗えない女性達の描写が加わり、エロスに拍車をかける。 とにかく展開が速い。一目惚れからの速攻キス、翌日には性行為。ライバルを見つけるや即行動、と展開が転がる転がる。途中何度もえっ……えっ?と声が出てしまった。 OLに恋する上司や、少女に恋する女子など、現れては行為、行為。絡むのは女性だけなので、エロを摂取したい百合好きさん万人におすすめできる(甘い物ばかりでは無いのでそこは注意)。 当初は甘い二人の多幸感が物凄いが、その後は次第にどす黒くなる。荒み、壊れる表現もとても強い。エロと暗い心が絡み合ってドライブする、アクセルベタ踏み大爆走のスリル。 そして……なんだこのラスト!2巻が気になる!
#1巻応援 何何、この物語は続きが気になって仕方がない。 面白いし興味深い作品だ。 消えたいと思う少女と、彼女の身体に入り込んだ灰田、二人の物語。少女は透明人間になってしまった。 色々な事情がありそうだし、絡んでいそう。 白蛾先生は、何で透明人間になったゆずが見えるのか。 1巻でも伏線がたくさん散りばめられているので、2巻以降が楽しみな作品。
時はコロナ禍の現在。経営の苦しいライブハウス存続をかけて、女性店長はカレーに詳しい駆け出し女性ミュージシャンにスパイスカレー作りを教わる、という本作。現実的な問題に対してリアルさを失わずに、希望のある解決を見せて楽しい。 舞台は渋谷、ライブハウスとミュージシャンの苦境は報道と同じ。マスク率が高いのも含めてエッセイコミック的な現実感だ。 登場するスパイスカレーのレシピは本格的だが、料理を少しする身としては何となくできそうな気がしてくる。その辺は、スパイス監修として関わっておられる印度カリー子さんの、レシピの考え方が分かりやすいためかもしれない。そして美味しそう……。 コミカルに進む二人のカレー作り。その中で美味しいと言ってもらえる喜び、誰かと共に味わう喜び、相手のためになりたい思いなど、二人の女性の想い合いは強くなる……ので、百合とまでは言わないが、軽いロマンシス物としても時折グッと来る。 音楽も食も、日常を少し彩るスパイス。カレーを通じて食の意味を知るこのマンガも、楽しさと未知への興味と世情の緊張感を織り込んだ複雑なスパイスのような彩りを、脳にもたらしてくれた。
舞台は伊豆大島。引っ越してきた小学五年生女子を待っていたのは、カレー屋を始めたい同級生たち……という事ですが、とにかく要素が多い! スパイスカレーのレシピ、伊豆大島、お嬢様、温泉、制服、宝探し、アニメ……こうして並べると一見ガチャガチャ。それぞれ体験しながら仲を深める構図ですが、みんなそれぞれ、少しずつ苦手や引っ込み思案があって、互いに補い合いながらいつの間にか打ち解けているのが良い。 愛らしいキャラクター達がドタバタと、未知の場所を探検し、新しい事に挑戦する……何とも楽しそうです。 これなら、覚えきれないほど沢山の要素も、今後の楽しみにしかならない!どのように掛け合わせるかで新たな味と深みを得る、スパイスのような作品になる予感。末長く応援したいです。
※ネタバレを含むクチコミです。
主人公の17歳の少女・迫田つむぎは、死んだ母親の作っていた1000万円もの借金を背負わされ、高校にも通わずにバイトで食い繋ぐ日々を過ごしていました。 そんな彼女の唯一の癒しとなっていたのが、彼女が思いを寄せる隣人・白樫善の存在。 しかし実は彼の正体はつむぎを見守るために派遣された神波組というヤクザの幹部でした というのもつむぎの母親は神波組の組長の愛人で、つむぎは組長の唯一の血の繋がりのある子どもだったのです。 その組長もすでに亡くなっており、つむぎは組長代理だという男から、会ったこともない組の若頭と結婚してほしいと頼まれてしまいます。 この作品は、その若頭との結婚を承諾することで、神波組の人間として善のそばにいることを望んだつむぎと、 つむぎの幸せを純粋に願いながらも、ただの親愛以上の異常な執着を見せる善、 そして後に現れるつむぎの結婚相手となる若頭・内海武虎などの登場人物が紡ぐ、複雑な人間模様を描いていくラブロマンスです。 1巻まで読了
憧れの優等生・二年生の周防先輩は、いっぱいいっぱいだった!彼女が保健室で泣いているのを見つけた一年生の雛森さん、思わず先輩を甘やかしたら、先輩に懐かれた?! 優等生を保つために努力し続ける周防先輩。まぁ、頑張り続ければ疲れもするよね……と可哀想になるけど、雛森さんの前での様子は正直ウザ(かわい)い。 雛森さん的には、憧れの先輩の思わぬ姿に混乱、困惑。それでも「甘えたい!」という先輩を無碍にできずにいるうちに、赤面しながら先輩を猫可愛がりする、ヘンテコな関係に。先輩も雛森さんも異様な感情の振れ方をするのが面白く、そしてあま〜い!!! いい年になっても、どこかで甘やかされたい気持ちがあったりする、そんな心にどストライクなお話。1巻では女子しか出てこなくて女子同士の恋愛が当たり前の様子なので、今のところ全百合好きにおすすめできる作品です!
高校2年生の佐藤くんは、隣の席の如月さんのことが気になっていました。 というのも、彼女は前髪がすごく長く、素顔が見えない状態だったので、彼女の素顔を見たことがなかったのです。 そんなある日、2人が話しているときに偶然、佐藤くんは如月さんの素顔を見てしまいます。 如月さんは「目つきが悪くて顔を見られたくない」から前髪で隠していたというのですが、佐藤くんは彼女の目を素直にカッコいいと思ったのでした。 この作品はそんな2人を描くラブコメ作品です。 顔を隠しているせいでミステリアスな雰囲気を醸し出していますが、 少し気弱で優しい性格の如月さん そんな彼女の2つの意味での"素顔"に触れた佐藤くんが、彼女と少しずつ仲良くなっていく様子が描かれる、初々しさの溢れる作品です。 1巻応援
この作品は大手広告代理店に務める高坂みつばが、会社の飲み会の二次会で偶然入ったカジノバーでテキサスホールデムポーカーと出会う物語です。 みつばの持つ大きな特徴が、めちゃくちゃ数字に強いということ。 その強さは初めてのポーカーのプレイ中に「最初に配られた2枚がペアである確率」を一瞬で計算できてしまうほど。 その数字の強さと持ち前の負けず嫌いさでポーカーの魅力にハマっていき、その過程で少しずつ、ポーカーで勝つために数字以外に大切なことを知っていきます そして、この物語における重要な要素の1つが彼女の上司・剣崎拓海の存在です。 職場でも有能な彼でしたが実はその界隈では有名なポーカープレイヤーで、物語の途中でプロのポーカープレイヤーになるために会社を辞めることになります。 その経緯からも彼の存在は、ポーカープレイヤーとしてだけではなく、職場の上司としても大きな影響を与えることになります ということでこの作品は、みつばがポーカープレイヤーとして成長していく姿と、拓海が辞めたあとの会社でみつばが社会人として成長していく姿、その両方を描いていく作品で、そのためポーカーが好きな人にも未経験の人にも刺さる熱量を持っている作品です。 1巻まで読了
ティコという街には星座に関わる名前にちなんだ不思議な力を持つ「星獣」と、星獣たちの力を呼び起こすことのできる星使いが共に暮らしていました。 しかし、ある日、そんな街を謎の災厄が襲い、星獣たちが世界各地に飛ばされてしまいました。 この作品は、その災厄を逃れていた星使いの少女・セレナが、唯一街に残ったポンプ座の星獣・アントリアとともに星獣を探す旅に出るという物語です 世界中に飛ばされてしまった星獣たちは、その不思議な力を使って飛ばされた先々でいろんな事件を起こしていました。 そんな事件の数々がセレナの前に立ちはだかるのですが、最初はアントリアの力を、そして途中からは助けた他の星獣の力を借りながら少しずつ星獣たちを取り戻していきます。 この作品はそんな星獣の不思議な力と冒険が入り乱れる王道ファンタジーです! 1巻まで読了
この作品は、『フィール・ヤング』で掲載された読み切り3作品を収録した短編集です 3本の物語に共通しているのは、登場人物がみんな一筋縄ではいかない型破りなキャラクターということです。 例えば表題作である『無抵抗主義』の主人公は、来るもの拒まずの"無抵抗主義"の考え方が行き過ぎた結果、20人もの女性と付き合っている時坂真也という男子大学生です。 そんな彼の身を案じた幼なじみが彼をある女性の元に連れていきます。 それが"西棟の魔女"という異名のついた薬学部の先輩・小津叶絵。 彼女は自身で作った謎の薬を使い、時坂の彼女全員から"彼の記憶を消して"しまいます。 といった感じで、ともすればファンタジーのような、現実感を感じられないかもしれないストーリーとぶっ飛んだキャラクターで作品が展開していくのですが、物語の最後にはそれら全てに綺麗に辻褄の合った、強いカタルシスを与える美しい結末が待っています。 この感動はそれぞれの物語を最後まで読まないと味わえないので、試し読みなどではなく、騙されたと思って単行本を買って作品を読んでみてほしい、そんな短編集です。
人類の絶滅に関する全四編の物語のうち、三編はそれぞれ別の主人公二人組が描かれる。二人の女性体……生殖で産まれたヒト、クローン、そしてアンドロイドまで。 終末世界を生きる物語には、「死」へ向かう切迫感と悲しみがうっすらとある。どこまで行けるのだろう、終わりは目の前なのではないか……それでも生きるために、そして何らかの目的のために進む彼女達。そこには切なさもあるが、それを癒す穏やかな楽しさもたくさんある。それはやはり、異性間で必ず沸き起こる「生殖」の緊張感とは無縁なせいでもあるだろう。 同じ世界の別時間・別空間を生きる二人組×3の物語は次第に交錯する。この世界の秘密、旅の意味と運命の人、そこにある大きな絶望と微かな希望……生殖ではなくてクローン、アンドロイドといった方法で大きな意志を受け継いでゆく百合アポカリプスSFストーリーに、深い感慨の溜息が出る。 ●再定義する希望 不意に再起動したアンドロイドのラリベルタは、ママと呼ばれるロボットと暮らすクローン人間体・スペランツァと出会う。外に出られないスペランツァはラリベルタとの会話を楽しむが……。 ●継ぎ接ぎの希望を抱いて 地球浄化理論を打ち立てた天才科学者と研究所員。愛し合う二人の女性は二人で生きるために研究に打ち込むが、人類滅亡のタイムリミットはすぐそこに迫っていた。 ●灯火の機械たち クローン人間体のミミとアンドロイドのユユはとある目的で旅をしている。そんな二人が迷い込んだ地下世界には、アンドロイドが一人で生存していた。 ●きみと世界を終りを訪ねて ミミとユユは遂に目的の手がかりを得る。目的の相手とは、そしてその出会いがもたらす物とは……?
舞台は数百年前に人類が滅亡した世界。 廃墟となった工場で長いスリープ状態から再起動したアンドロイドのラリベルタは 人間の少女・スペランツァと出会います。 彼女は自分の世話をするロボットを「ママ」と呼び、たった2人で過ごしていたようでした。 ラリベルタはスペランツァたちと共に過ごすことにするのですが、ある時スペランツァが「海を見てみたい」と言い出し、それをきっかけにこの物語は大きく動き始めることになります 人間としてただ1人生き残っていたスペランツァにまつわる真実や、彼女に出会ったラリベルタの思い、そして滅んでしまったこの世界全体の秘密などが連作短編という形で綴られていきます。 そしてその物語が全て語られた後にラリベルタとスペランツァの2人はある決断を下すことになります。 ポストアポカリプスを描くSFとしての面白さもありつつ、2人の決断によって訪れる結末は美しい余韻を残す、そんな物語です。
この作品の舞台は、温暖化や資源の枯渇等、様々な要因から世界情勢が悪化し、世界中で戦争が行われるようになってしまった世界。 そんな世界で生活する人々を描く連作短編集です。 全ての物語に大きく関わってくるのが、単行本の最初に収録されている物語『アップルピエタ』の主人公である赤井柊という男性です。 彼は父親が38人もの人間を殺害した快楽殺人犯で、そのせいで学校を卒業したあとの進路が制限されてしまっていました。 そんな彼と、ある組織が研究していた戦争用の人造人間の試作品「インク」との出会いが描かれる物語ですが、物語の導入からは予想することができない真実がこの物語には隠されています。 この物語を筆頭に、終末世界を舞台にしたSF的な要素を織り交ぜながら、人と人の結びつきや生きる上での倫理観を揺さぶる、そんなエネルギーを秘めた短編集です。
まず、出てくる女子中高生達が、自らの性を使ってしか自己肯定感を保てていないのが辛い。原因となる歪んだ家庭環境の描写も苦しさを増す。そんな1巻通して救いの無い物語はそれでも、未知の領域へ私を連れて行ってくれそうな誘引力を持つ。 この作品には人の肉体を食する怪物が登場するが、それらは同時に性欲も満たそうとする。それに立ち向かう主人公は売春相手に薬を盛る様な人物だがたまたま魔法少女になり、体の一部を消費する事で怪物を倒す。 それは「体と引き換えに」目的を達成しようとしている点では、売春と同じ様だ……漂う絶望感。 彼女の目的は、自殺した愛する親友の再生。しかし消費した肉体分しか再生しない親友。到底目的は達成できそうも無い。ではどうする? 親友を救えなかった自責の念に苛まれる主人公。次第に迫ってゆく自殺の真相。そこにある大きな歪みの物語……そこにいる少女が、どう身体を使い、一人の死者の復活によって何を取り戻すのか。取り敢えず第1巻、打ちのめされるつもりで読んでみていただきたい。
ショタくんとおじさんでおなじみtunralさんの新作。これまたかわいいショタボーイ・くじらくんと、髪の毛が真っ白な青年・シロくんの日常を描いてます。シロくんは最初、外界との接触を拒む引きこもりかと思ったのですが、家族とのやりとりや突然現れた幼児への対応力などを見て、あ違うんんだとすぐに気づきます。今のところはただの無職らしい。 普通は家にいきなり元気100倍の幼児が来たらてんやわんやの生活が始まりそうなところですが、くじらくんとシロくんの相性が抜群なのか、ずっと続いてほしいと思える平和な光景が続きます。世話をするというか、年の差がある友達って感じです。ただくじらくんは前に通っていた幼稚園で起こった問題?によって転園を余儀なくされて急遽シロくんの家へ来たっぽい。 見え隠れする色んな要素に注目すれば、キャラクターそれぞれに平坦ではなかった過去があるんだろうと想像できますし、それによって物語が上っ面だけじゃないものなってると感じました。 こういうテンションのマンガって多分他にもあるけど、いくらでもあってくれと思えるくらい好きですね。いくらでもあってほしいし、永遠に続いてほしい。
1話1話とても丁寧で、優しい気持ちになれます。 人情味溢れる、あぁ大切な誰かと食べるご飯って、とても貴重でかけがえのない時間なんだなって。 忘れかけてるものを、ハッと思い出させてくれるような漫画って良いなぁ。 ホロリするお話の数々で、人の温かさが感じられて癒されました。
JKハルのヒットを受けてか、nakamiというかXPJboxというか平鳥コウが今度は漫画原作者に挑戦して出た作品、まあ作風からも1巻の時点では様子見にならざるを得ないが、正直連載時は微妙に感じた部分も有る。 内容自体はタイトル通りの異世界転移物でJKハルをさらにライトで爽快な作風にしてきたというか、アイナがこの状況楽しんでて中々面白いし、出てくる男は有能なのに単純で手玉に取られてるし、よくぞここまでエンタメに振って来たなと驚いているが 第3話からのページ数というか構成が…どう原作してるのかは分からないけど、なんか妙なタイミングで切ってたり、話の詰め方にかなり違和感がある。 作画に顔見せと状況の説明もしっかりしてるし、1巻は正にプロローグと言った風情だがこの構成の違和感がどうなるかは気になる。 JKハルは小説のコミカライズという形だったからなのか、こんな違和感を覚えなかったのだが、原作者という形に慣れてない可能性を感じる。 現時点ではアイナが最強なのでストレスも無いし、悲壮感もだらける気もなく、気合い入れて男を魅了するやる気と向上心に溢れていて、転移前に身に付けてるものだけでチート能力も無いと、本当に原作者が平鳥コウなのか驚くが、新境地ならばそれはそれで温かく見守りたいし、最後にどんでん返しを入れて「またか!」食らうのもそれはそれで楽しみである。
人々を"覚めない眠り"につかせてしまう毒を放つ「トビアスの木」という植物が宇宙全体に広まってしまった世界。 この作品はそんな世界を舞台に、各地に残された文化を記録・保存する企業に所属する「登録ナンバー303」と呼ばれる少年が星々を巡る様子を描く"宇宙の旅の記録"の物語です。 「トビアスの木」の毒により"覚めない眠り"についてしまった人間は、最後にはその人自身が「トビアスの木」に変わってしまい、その木には元の人間の記憶が詰まった赤い実が成るといいます。 そんな「トビアスの木」と共存しながら"緩やかに眠りゆく世界"で生きる人々を、優しくおだやかに、だけど少しの切なさを交えながら描かれます。 また、星々を旅する「登録ナンバー303」にはとある秘密があり、彼のミステリアスな雰囲気と各地の人々との交流も魅力的に描かれている作品です。 1巻まで読了