「なぜ今!?」と思ったが実は2019年からピッコマで連載されていたらしい。当時気付いていたとしても「なぜ今!?」って言ったとは思うが。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000784.000012109.html 海外ドラマに疎い方でも名前は聞いたことがあるぐらいには大ヒットしたと思われる『プリズン・ブレイク』だが、実際どれくらい「今なの!?」かを振り返るとファーストシーズンが制作されたのは2005年、ファイナルシーズンである第4シーズンの放送が2009年である。 当時はご家庭にDVDの再生環境が整い始めていた時期であり『24』『LOST』と合わせて「三大海外ドラマ」的なイメージで何度目かのジャンルブームになっていた気がする。が、数多ある配信サービスで無限とも言える海外ドラマが常時見られる2022年からすると「三作品あればブームになってしまう」のも隔世の感がある。俺たち(TSUTAYAに通っていたあの頃から)随分遠くまで来たんだなマイケル…。 そんなわけで久しぶりに『プリズン・ブレイク』に触れたわけですが、やっぱり面白い。自分がドラマを観たのはちょうど『ストーンオーシャン』を読破したかしなかったかの頃で、刑務所モノが初めてというわけでもなかったけどやっぱり映像がスタイリッシュで、脱獄のためのミッションをクリアする緊張感と、それを数珠つなぎのように少しずつ繋げていく達成感はこのマンガ版でも間違いなく魅力的なものとして味わえる。 英語圏のドラマや映画はいわゆる「アメコミ」のかたちでコミカライズされたり、そもそも原作がコミックだったり…ということは意外と多く、実はそこそこの作品数が流通している。が、やはり「アメコミ」なので日本ではそちらに馴染みのない人が多いこともあって、ドラマのファンであっても手を出すひとは珍しい気がする(加えて、流通しているとは言うものの、邦訳版となると数は限られてくる)。 その点、本作は元から日本語で執筆されているので、原作ドラマや現地の佇まいをちゃんと備えながらも、日本の読者にも親しみやすい読み心地になっているのでおすすめしやすいと思う。 『プリズン・ブレイク』を観たことのない人にとってはマンガ版を読むだけで本作がどういった点で話題になったのか、視聴者を惹き込んだのかがよくわかるだろうし、観たことのある人なら自分のように当時を懐かしみつつ、都合のいい塩梅でストーリー展開を忘れているので新鮮な気持ちで楽しめるはず。 もちろん現在進行系※でシリーズを推しているファンの肥えた目も満足させられる仕上がりだと思う。 ※「今なの!?」と冒頭に書いたが『プリズン・ブレイク』、実は第5シーズンが2017年に制作されていて最終更新地点でいうとそこそこ新しい作品でもあったりする。ファイナルじゃなかったんかい。 とにかく「いいコミカライズですよ!」という話でした。
この作品は人の心に灯る“火”を求めてさまよう妖怪・焔(ほむら)と、焔と出会った人々との物語を綴った連作短編集です。 登場人物はみな日々生きる中に様々な息苦しさを感じていながら、その感情に蓋をして過ごしていました。 その蓋をしていた感情、心に灯る“火”が消えそうになる、そんなときに、僅かな“火”の気配を感じ取った焔が登場人物の目の前に現れ、その“火”に薪をくべるかのように彼らの心に変化を与えていきます。 そして、その結果、登場人物たちはほかの誰でもない自分自身で生きる道を選び、最後には心の“火”を大きく燃え立たせていきます。 1巻完結ながら450ページ近い大ボリュームのこの作品は、様々なしがらみのあるこの世界で生きていくなかで自分が自分でいるための道標 になってくれる、そんな1冊です。
日本将棋連盟所属のプロ棋士・花つみれ四段は、対局中は真剣なように見えて実は対局とは全然関係ないことに気を取られてしまう癖がありました 対戦相手のYouTube活動のことやや携帯のアラームを切ったかどうかなど、いろんなことに気移りしている花四段と、特徴的なキャラクターをもつ他の棋士や兄弟弟子たちとの絡みを面白おかしく描いてく “非”本格将棋マンガです 1巻まで読了
スーパーで働くサラリーマンの佐伯航には2つの大きな悩みがありました。 1つは、アパートの向かいの部屋に住んでいる若宮冬子という女性に一目惚れをしたこと。そこそそ親密な関係を築いてはいますが、冬子がシングルマザーということもあっていろいろなことを気にしてあと一歩が踏み出せずにいました。 そしてもう1つの悩みが、ある時から自分の部屋にいる男の幽霊が見えるようになってしまったこと。 部屋でコンタクトレンズを外したときにだけ見えるその幽霊は、航が冬子のことを気に掛けていることにも気づいていて、航の恋を応援していると言いながら彼のことをやたらと煽り立ててきます。 そんな感じで、一目惚れの相手と幽霊という不思議な板挟みの中で、航が大きな一歩を踏み出そうとする、甘酸っぱさともどかしさの入り混じった大人の恋愛模様を描いていく作品です。 1巻まで読了
この物語は吸血鬼の少女達がひっそりと暮らす学園が舞台となっており、14歳を迎えた生徒は上級生と姉妹関係を結ぶ所謂"スール制度"が存在し14歳となった主人公の【エミル・フローレンス】は悪名高い上級生の【イブ・ウィンター】と姉妹の契りを結ぼうとする所から物語は始まりますがそこから魅せる吸血鬼や学園ならではのストーリーが展開して行きますが中々に良く期待が膨らんだ作品となっておりましたね その物語ですが上級生【イブ】の過去の生い立ちや他の女生徒達との感情やバランスの行き先だけでな無く主人公含めた吸血鬼達を狩る"ヴァンパイアハンター"の存在と言った多くの要素や謎が秘められており第1巻ではそれらの表面的部分にしか触れられておらずそれらの不穏さや謎や結末がどう描かれるかが非常に気になったタイトルでもあり期待の新星"春花あや"先生の手腕が試される百合作品でもありましたので姉妹百合・吸血鬼百合が気に入っている方は是非とも購入してみてはいかがでしょうか?
※ネタバレを含むクチコミです。
余命宣告を受けた合気道の達人のおじいちゃんが異世界に転生して無双する話…と単純に書いちゃうと「よくあるやつじゃん」となってしまうのでとにかく試し読みしてほしいです。主人公がおじいちゃんというところは捻りつつも、ストーリーラインや演出はド真ん中なのが気持ちいいんですよね…。 武道の達人であるカイチさん、物理的にも精神的にも本当にしっかりしているので安定感がすごくて、地に足ついた異世界の世界観をよりドッシリと感じさせてくれます。やはり体幹、体幹は全てを解決する。 カイチさんはファンタジー系の知識に疎いんですが、相棒の看護師トキちゃんはその手の専門家で、ふたりのやり取りもコミカルで楽しいです。とにかく色んな敵をびしばしスカッと倒して異世界ロードを邁進してほしい。 変化球と見せかけて王道な異世界ファンタジー、これ系に飽きている人こそ読んでみてほしい!
自分は不幸だと思いながら生きる現代人が異常に増えてしまったせいで、エネルギーを摂りすぎてそこそこふくよかなボディになってしまった厄病神のアラクシュミは、このままでは死ぬぞと宣告されてから本来の仕事とは真逆の“善行”によってダイエット!という話。 アラクシュミが痩せられるかどうかというより、エネルギーの出入りによって腹のぽよぽよ具合に変化が起きる、それを楽しむ漫画かなと思って読んでます。なかなかこのくらい良い腹を持つ主人公居ないですよね。いい意味で自分の見た目を気にしてない所も良いなと思いました。美醜は関係なくとにかく「死なないため」に痩せるという。かといって死に物狂いで頑張ったりもしない。笑 妹分?のラクシュミちゃんの重すぎる愛も見どころです。同担拒否ってワードが普通に出てくるの面白すぎる。新キャラも出てくるのでこれからどんどん賑やかになる予感。
極めて王道的な中華風後宮ファンタジーですが、このジャンルに馴染みがある方もそうでない方も楽しめるであろう傑作です。 近隣諸国を次々と落とす南の大国である煌燿国の源族が世界の中心となっており、北の小国である天河国の姫である主人公・サラーナは齢14にして和平のために煌燿国の後宮へと嫁ぐことに。 正規の妃の座を狙う他の姫たちとのドロドロとした争いや、聡明で高潔ながら外の世界を知らない皇帝とのロマンスなど、押さえるべきポイントはしっかり押さえられています。 サラーナは馬と共に生きることを誉とする一族であり、乗馬が得意であるなど持ち前の逞しさが魅力的です。表紙にも描かれている狼が可愛くて、死なないことを祈りながら読んでいました。 この1巻は「天翔ける狼」と「白玉牡丹」の2本の中編でそれぞれ完結しているのですが、特に後者の方が胸に迫り、強く惹かれました。 1冊でも十分まとまっていて楽しめますが、現在続きも描かれており秋には2巻も発売予定ということで非常に楽しみです。
「君はたまたまここになじめなかった それだけのことさ なら別の場所に行けばいい ″生まれた場所″(ここ)は世界の全てじゃない 居場所を作るんだ」 いつの時代にも、世界のどこの場所でも、自分の居場所がなくて苦しんでいる人はいます。そんな時に、こんな言葉を掛けてくれる人がいたら。 時は大正9年。大阪の船場で自分の居場所の無さに喘いでいた少年が、とあるきっかけでイタリアへと渡りエチオピア人の少年、ナポリの少年とバチカンで生活を共にして新たな居場所を得ていく物語です。 全く新しい環境で文化も規律も何もわからない所で始まる新生活を、違う時代に生きる私たちは主人公と同じ目線で興味深く眺めることができます。そこにはもちろん苦労もあり、アジア人であったり肌が黒いということであったりで謂れのない迫害を受ける時代の雰囲気も存在していますが、天真爛漫な主人公の性格が周りの人々にも影響を与えながら良い方向へと進んで行く感触が気持ち良いです。 煌びやかなベネツィアや荘厳さに震えるほどだったバチカンに行った時のことを思い出しながら、またイタリアに行ってジェラートを頬張りたいなと思わせられました。 世の中には幸せで愛しい窮屈さもある。そんな窮屈さを感じられる瞬間、それを生んでくれる周りの人々を大事にしたいものです。
魅力溢れる主人公が、バッサバッサと悪党を斬り倒していく。正に時代劇の真骨頂と爽快感がここにあります。 本作の主人公・堤平九郎が営むのは表向きは飴屋、しかし真の姿は「くらまし屋」。高額な報酬と引き換えに人間を「くらます」ことを生業としています。手練れが跋扈する江戸の街でそんな芸当を可能にするのは驚くべき彼の設定。現代的に言えば「チート」とも表現できるその部分はぜひ読んで確かめてみてください。男の子はこういうの大好きなんですよ。 また、本作は『Driving Doctor 黒咲』でも秀逸だった、ユウダイさんの画力の高さが非常に光ります。男は格好良く、女の子はかわいい。そして、江戸の街の風景や小道具までが非常に写実的に描かれていて目だけでも楽しめます。 ヒロインの七瀬はかわいいだけではなく頭も切れて参謀役となっているところも非常に魅力的です。派手な殺陣もありつつ、頭脳的にピンチを切り開いていくシーンもあり、抑揚のついたエンターテインメントとして楽しめます。 非常に上質な時代物で、このまま実写化されてもまったくおかしくないなと思える作品です。
まず、1話目の「エミリーは魔女」を読んで「ズルい! こんなの皆大好きでしょ!?(キレ気味かつ満面の笑み)」となりました。 そのテンションがずっと続いていくのか、とドキドキしながら入った2話目の「イースターエッグをみつけて」では奥深い人間の心の機微に触れるお話が描かれており、「ああ、この作品はこの後もきっとこのような感慨を様々に与えてくれるのだろうなあ……」と、半ば確信めいた期待が芽生え、そしてそれは見事に満たされていきます。 恋愛が主軸の良い少女マンガをお求めの方には、2022年でも筆頭として推したいです。 大上貴子さん、これが初コミックスとは思えない素晴らしき一冊で、今後もぜひご自身の萌えを世界に解き放っていただきたいです。あなたのマンガで皆が幸せになります。
家事はあきらめって、本当に分かる。 きっとズボラくらいが日々続けていくコツなんだなとこの漫画を読んで思った。 丁寧な暮らしって憧れるけど頭に描くけど。。ってやつなんだよ〜と、分かるなぁ〜しか思いが出てこなかったけどこれくらいでいいのだと思えたので有難い作品でした。 #1巻応援
基本的にこの類(NTR)は、趣味の範囲ではないのですが、本作はグッときました。 絵柄がキレイなのも、理由の一つなのですが、設定の背徳感がスゴク良い。 内容は、主人公に初めて彼女ができたが、その彼女の友人から陰で言い寄られるという話。 友人の彼氏じゃないと興奮しないのだという。 そして、彼女と違って、なんとも、まぁ色々とエロい。 挑発してくる仕草だったり、シチュエーションだったり、とにかく過激。 主人公はギリギリたえますが、1巻の終わりではついに・・・ 主人公の彼女も一途なおバカキャラっぽくて、憎めないからよりツライ。 良い子を裏切るのってしんどいっすよね。 この先、3人の関係がどうなるのか、めっちゃ気になります。
主人公は普通の人には見えない「神様」が視える少年・環春。 彼はある日、自身のことを「八百万の神の一介の神」だという少女・カズラと出会います。 人ではない何かから追われる彼女を正義感から助けようとする環でしたが、その過程で彼は謎の穴に飲み込まれて神々の棲む土地"高天原"に迷い込んでしまいます。 この作品の肝となる部分は環が助けようとしたカズラが一体どういう神様なのかというところにあります その正体自体は1話で明かされるのですが、その後の展開で少しずつカズラの出自と彼女が抱えている変えようのない宿命を環は知ることになります。 果たして高天原に迷い込んでしまった環は元の世界に戻ることができるのか、そしてカズラの運命はどこに向かっていくのか、続きが楽しみな神話ファンタジーです。 1巻まで読了
この作品は年々増え続ける心霊トラブルに対応するため区役所に設置された“第六感部助霊課”、通称「ロクレイ」を舞台にした物語です。 ロクレイに所属するのは課長の末広光永と非常勤の霊媒師である払田(はらだ)来太、そして自称”頭脳担当”の女子高生幽霊・ゆゆ女(ゆゆめ)の3人。 この3人がロクレイに舞い込んでくる心霊がらみのトラブルに対し、人と霊の双方が納得する形での解決を目指し、“除霊”ではなく”助霊”を掲げた活動をしていきます。 霊媒師なのに極度のビビりな来太と関西弁でまくし立ててくるゆゆ女のコンビにより、 どのページをめくってもとにかく情報量の多いハイテンションなドタバタコメディをが繰り広げられます。 しかし、いざという時には来太とゆゆ女のコンビがとんでもない力を発揮していて、トラブル解決の瞬間にはこの上ない爽快感のある作品です! 1巻まで読了
絵が目に触れてくる。それはとても豊かな体験だ。カバーのデザインから目に嬉しい。そしてどのページも、質感で充実している。 緻密なペン画で描かれる背景には、リアリティと台北の湿度がある。大胆な白地とのコントラストが生み出す気持ち良い光景。 そしてそのペン画で描かれる人物は、手を伸ばせば触れられそうだ。漫画的表現のまま実態を持った人物、その内面描写はナイーブで、儚げな表情に心を持っていかれる。 描かれる現状への落ち着かなさ、制御できない恋と自意識、そんなものであてどなく彷徨い続ける様子は、私の知る限りだと『神戸在住』の主人公のような不安定さだ。 音楽の感じ方、細野晴臣への信仰告白のような強い思いの表出、行き場なくかすかに震える初々しい感性……この青春の手触りは、柔らかいけれど、刺すように痛い。
宇宙貨物船の乗組員、モモ艦長は気になる本や鉄道模型をスーパー電子レンジで出力して船内で好き勝手過ごすのが至上命題。電子レンジを動かすには宇宙船の航行に必要な電力を余分に使うことになるので、目的地にギリギリ到着できるだけの「残電高」を残すための節電テクニックが必要になる。 照明を落としたり自動ドアの電源を切ったりといったハイテク宇宙船にしては笑ってしまうようなせせこましい努力と、ともあれやっぱり宇宙空間なので少しの油断が命の危険につながる緊張感とのギャップが面白い。宇宙での節約は命がけなのだ。 ビビったのはモモ艦長が最初から最後までマジでずっっっと裸だということ。衣服の洗濯に電力を使うのがもったいないとかそういう理屈なのかもしれんが、恐れ入った…。
この作品は前年に美大受験に失敗し、一浪して予備校に通いながら再受験を目指す今正孝を中心にして描かれる青春群像劇です。 近年増えてきた”美術”をテーマにした作品ですが、この作品の舞台は「美術予備校」。 登場人物も正孝をはじめほとんどが美大受験を目指し浪人しているといた状態です。 そのため、生徒たちは既にある程度美術の知識や技術を持った状態で物語が始まるので、将来への不安や画力が伸び悩む自身への焦りなど、登場人物たちの感情がより鮮明に描かれていきます。 年齢的には成人しているけどまだまだ大人になり切れていない、でもだからこそ目標に向かって突き進む中で大きく成長する姿が垣間見える、そんな正孝たちの泥臭さと瑞々しさの入り混じった群像劇です。 1巻まで読了
この作品は「この世のものとは思えないほど美しい宝石を売っているが金銭は受け取らない」という不思議な宝石商を営む男と、彼が出会う様々な登場人物が織りなす物語です。 この宝石商の持つ石櫃には特別な力が宿っていて、石櫃に入れたものが”持ち主にとってどれだけ価値があるか”を反映して入れたものを宝石に変えることができるというのです。 この作品ではそんな石櫃を持つ宝石商と出会い、さまざまな理由から自身の”大切なもの”を宝石と変える人々のドラマが描かれていきます。 オムニバス形式で展開するこの作品は、土地も時代も飛び越えた多種多様な舞台が登場し、作中で登場する”宝石”にも引けを取らないほど美しい絵で物語が描かれています。 また、物語によっては史実に沿っているような展開を見せるものもありハッとするような仕掛けもたくさん仕込まれている、そんな作品です。 1巻まで読了
この作品はクラスのお嬢様・一条夜永が実は吸血鬼であることを知ってしまった男の子、真広俊を描くラブコメ作品です。 普段は同じクラスの友達にバレないようにお昼の時間になると一人でこっそり旧校舎に行って家から持ってきたネズミの血を飲んでいた一条さん。 そんな場面に偶然遭遇してしまった真広くんは、彼女とその秘密を共有するようになります しかし、普段動物の血しか飲んでない一条さんは人間の血に興味津々で、しかも真広くんにすぐ気づかれてしまうほどそれが表情に出てしまいます。 そんな感じでちょっと油断すると吸血鬼だとバレてしまうような言動をしてしまう一条さんと、一条さんに気を配りながら彼女と仲良くなりたい真広くんとの初々しさ溢れるラブコメ作品です。 1巻まで読了
主人公はリディル王国の魔術師の頂点である七賢人の1人に数えられる魔女モニカ・エヴァレット。 彼女は世界で唯一、魔術式を無詠唱で魔術を発動することができるため、「沈黙の魔女」という二つ名で呼ばれていました。 しかし、そんな彼女はの素顔は極度の人見知りで、彼女の代名詞である無詠唱魔術も実は人前で言葉を発することができなかったために身に付けた術でした。 そんなモニカが王国の第二王子の護衛任務を命じられたことで物語が動き始めます。 第二王子は全寮制の名門校に通う18歳ということで、モニカに与えられた任務は「第二王子本人にも気づかれぬよう彼を護衛すること」。 そんな経緯で、天才魔女だけど人とのコミュニケーションが苦手なモニカの、第二王子の通う学校への潜入生活が始まるという物語です。 1巻まで読了
舞台は19世紀初頭、鎖国中の日本において唯一、出島での貿易により異国との接触があった長崎の町。 この町には人やモノに紛れ、異国から“人ならざる怪異”が入り込んでいました。 この作品はそんな怪異たちから長崎の町を人知れず守る、丸山遊郭の遊女・菊花太夫と「かむろ(禿)」と呼ばれる遊女見習いの幼女3人、そして奉行所付の隠密同心である相模壮次郎の活躍を描く作品です。 江戸時代の長崎が舞台ということで、美しい和装や刀による戦闘に加えて異国から入り込んだ西洋の怪異や銃などの武器の登場と、和洋それぞれの文化が入り混じった独特の世界観が構築されていて、それを作画コストの高い緻密な絵柄で描いていく作品です さらに 物語が進むにつれて、怪異との戦闘では協力体制にある菊花太夫たちと壮次郎との微妙な関係性や、菊花太夫を純粋に慕っているように見える3人のかむろが抱える因縁など、ストーリーにもどんどん深みが出てきて、読み進めるごとに面白さが見えてくる、そんな作品です。 1巻まで読了
小さいころに母親がいなくなってから父親と2人暮らしをしている16歳の芳川ヒロ。 彼女は大人っぽい同級生の女子・遊木かりんに恋をしていました。 この作品はそんなヒロが父親と2人で行くはずだったキャンプに、道中で偶然出会ったかりんが参加することになる場面から始まります 好きな相手と一日一緒に過ごせることになりドキドキしっぱなしのヒロでしたが、その日の夜、テントでかりんと一緒に寝ているときに彼女は、かりんと”若いころの父親”が肩を寄せ合っているような場面の夢を見ます。 かりんに対して恋をしているのと同じくらい父親のことも好きなヒロでしたが、その夢のせいで父親に対するかりんの目線がどうにも気になってしまいます。 そんな謎の夢に惑わされながらもかりんを想う気持ちを止められないヒロの、すこしふしぎ、だけどとてもピュアな恋物語です 1巻まで読了
「なぜ今!?」と思ったが実は2019年からピッコマで連載されていたらしい。当時気付いていたとしても「なぜ今!?」って言ったとは思うが。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000784.000012109.html 海外ドラマに疎い方でも名前は聞いたことがあるぐらいには大ヒットしたと思われる『プリズン・ブレイク』だが、実際どれくらい「今なの!?」かを振り返るとファーストシーズンが制作されたのは2005年、ファイナルシーズンである第4シーズンの放送が2009年である。 当時はご家庭にDVDの再生環境が整い始めていた時期であり『24』『LOST』と合わせて「三大海外ドラマ」的なイメージで何度目かのジャンルブームになっていた気がする。が、数多ある配信サービスで無限とも言える海外ドラマが常時見られる2022年からすると「三作品あればブームになってしまう」のも隔世の感がある。俺たち(TSUTAYAに通っていたあの頃から)随分遠くまで来たんだなマイケル…。 そんなわけで久しぶりに『プリズン・ブレイク』に触れたわけですが、やっぱり面白い。自分がドラマを観たのはちょうど『ストーンオーシャン』を読破したかしなかったかの頃で、刑務所モノが初めてというわけでもなかったけどやっぱり映像がスタイリッシュで、脱獄のためのミッションをクリアする緊張感と、それを数珠つなぎのように少しずつ繋げていく達成感はこのマンガ版でも間違いなく魅力的なものとして味わえる。 英語圏のドラマや映画はいわゆる「アメコミ」のかたちでコミカライズされたり、そもそも原作がコミックだったり…ということは意外と多く、実はそこそこの作品数が流通している。が、やはり「アメコミ」なので日本ではそちらに馴染みのない人が多いこともあって、ドラマのファンであっても手を出すひとは珍しい気がする(加えて、流通しているとは言うものの、邦訳版となると数は限られてくる)。 その点、本作は元から日本語で執筆されているので、原作ドラマや現地の佇まいをちゃんと備えながらも、日本の読者にも親しみやすい読み心地になっているのでおすすめしやすいと思う。 『プリズン・ブレイク』を観たことのない人にとってはマンガ版を読むだけで本作がどういった点で話題になったのか、視聴者を惹き込んだのかがよくわかるだろうし、観たことのある人なら自分のように当時を懐かしみつつ、都合のいい塩梅でストーリー展開を忘れているので新鮮な気持ちで楽しめるはず。 もちろん現在進行系※でシリーズを推しているファンの肥えた目も満足させられる仕上がりだと思う。 ※「今なの!?」と冒頭に書いたが『プリズン・ブレイク』、実は第5シーズンが2017年に制作されていて最終更新地点でいうとそこそこ新しい作品でもあったりする。ファイナルじゃなかったんかい。 とにかく「いいコミカライズですよ!」という話でした。