この作品のメインの登場人物は4人。 まず、画家を目指しているがうまくいかず、有名な作品のニセモノを描く“贋作家”として生計を立てているウォルトという男。 彼の描く贋作を高く売りつけている詐欺師の男・エド。 そして、どうやらエドが抱える借金を取り立てようとしているらしいアイクとジョニーというギャング2人組。 現在の活動に罪悪感を抱きながらオリジナルの絵を描けないでいるウォルトと、人当たりは良いけど何か秘密を抱えている雰囲気のエド。 そんな2人とアイク・ジョニーのコンビがそれぞれ別々の形で出会い、やがて4人の運命が大きく変わる事件へと発展していきます。 ウォルトとエド、、アイクとジョニーという2組の関係性が面白く、それを独特のコマ割りとスタイリッシュな絵柄で絵柄で描き出しています。 電子書籍限定での発売ですが、ぜひこの物語の結末が生み出す大きなカタルシスを体感してみてほしい作品です。
主人公のサラリーマン・望月朋和は友人に無理やり予約をされ、デリヘル嬢を呼ぶことになってしまいます。 しかし彼は、やってきた女の子が中学の後輩・江野明日花だと気付きます。 結局その時は話をするだけで明日花を帰らせてしまった朋和ですが、後日、どうやら彼女が交際相手にDVを受けているかもしれないと知ります。 それから朋和は明日花を助けるためにある行動を起こすのですが、そこからこの物語は彼の思わぬ方向にどんどん転がっていくことになります。 1つだけ言えるのは、明日花は朋和の助けを望んでいなかった可能性が高いということ。 果たしてタイトルの『君がそれを愛と呼んでも』の「それ」とは何を指しているのか、2人の過去も絡んだこの倒錯した愛の物語は一体どこへ向かっていくのか、続きが非常に気になる作品です! 1巻まで読了
この作品は恋愛対象が女性である著者の藤生さんが日常のいろいろな場面で遭遇する恋の様子を描くコミックエッセイです。 自らのことを"恋多きマンガ家"という藤生さんが様々な場面で出会うトキメキの数々を、最短で2ページのマンガでテンポよく、でも彼女の恋や人生の核心にある部分は逃さず描いていく作品です。 また、彼女がルームシェアしている"同居人先生"やこの作品の担当編集、彼女の夜遊び友達の先輩など様々な人物が登場し、彼女の恋についてあれやこれや語り合う、そんな様子も楽しい作品です ちなみに前作『えりちゃんちはふつう』を連載していた関係だと思いますが、同時期に楽園で『ろみちゃんの恋、かな?』を連載していた武田春人さんとのエピソードも登場するというちょっとしたサプライズもあります。 1巻まで読了
水族館の館長の孫と、アイドルの夢を失った女子が、水族館の危機に立ち向かう物語。困難を乗り越えようとする二人の強い連帯の予感が、1巻からひしひしと感じられる。 諦められた古い水族館だが、そこに思い入れのある若者達の復活への夢は途絶えない。そこに失意の中、参加する元アイドル。厳しい現実の中、前を向こうと足掻く物語は苦いけれど、基本明るい彼ら、その先への期待感は強い。 辛い現実を癒すのは、水族館の生き物達と、精霊による幻視。夢の光景は美しく、こんな不思議が本当に起こりそうな沖縄に、非現実的な夢を見てしまう。 2021年にオリジナルアニメが放送された本作。コミカライズ担当の桜木蓮先生は現在『アネモネは熱を帯びる』を連載中。 『アネモネ〜』で感じていたのは、曲線の描線が美しいという事。そしてそれは本コミカライズにて驚く程、高い効果を発揮していると感じる。女性の髪、滑らかな肌表現はもとより、水族館の魚やペンギン、水流や水泡の表現、そしてそれらが組み合わさった幻視の美しい事といったら……。 アニメに関して当初、界隈で発生していた懸念は放送後聞かれなくなった。女性の連帯を描く作品として、今後も期待したい。 (ちなみに私はアニメ未視聴です)
表紙から得られるイメージよりも、主人公・下辺の恋をしっかりと描いている漫画だなと思いました。 表ではかわいい顔を振りまいてるメイドさん・まいちゃんが休憩時にはギャンギャンにタバコをふかしている(しかもまあまあなニコチン中毒)という落差の激しさが笑えますが、オンオフの切り替えを徹底しメイド喫茶の仕事に真面目に取り組む姿勢がある意味プロフェッショナルだとも言えるので好感しかありません。 そんなまいちゃんのギャップにやられて片想い中のバイト・下辺との絶妙な距離感も楽しみだし(何せ男スタッフがメイドさんに手を出すことは御法度)、日常コメディ色強めかと思いきや1巻の最後「あっ!」という展開もあり、とにかく今後が期待の一作です。
世界観や時代設定は開拓時代のアメリカがベースになっていて、西部劇の雰囲気とガンガンぽいファンタジーのノリの噛み合い方が絶妙。 会話シーンが多いのは人によっては好き嫌い分かれるところな気もしますが(多分1巻だからというのもある)、自分はバーダのキャラがよく出てて好きです。口調変わるの好き。 早く続き読みたいな〜。
表紙とタイトルからサスペンス・ホラーかな?と思ったら、 最終的にただのラブコメだったので、安心してお読みください。 見知らぬ女子高生が主人公を監禁し、包丁で脅しつつにマンガを描かせる・・・という流れが徐々に、部屋の中は自由に移動させてくれたり、ご飯つくってくれたり、一緒にお風呂はいったり、買い物したり・・・ え、なにこの天国(血涙) となります。 基本的には、上記のように監禁なのかよくわからないまま、主人公が女子高生がイチャコラしはじめるので、心臓の弱い方はお気をつけください。 ツンデレというかヤンデレ?というほど、キツくもないので、その中間くらいの存在です。 主人公に褒められると、露骨に喜ぶ様が可愛いです。 なぜ監禁したのかは、本作の最後に出てきて 一応その謎が解明されるとともに監禁が終わる?ようなのですが、2巻あるのかな?二人の関係がどうなるのか気になるので、あると思いたいです。
※ネタバレを含むクチコミです。
じぶんが生まれ育った場所や今暮らしている場所がある日突然“被災地”になって、長い期間、もしくは一生離れなければならなくなったら、自分ならどう思ってどうしていただろうとあらためて考えるきっかけになる一冊です。 2011年3月11日に起こった東日本大震災を描いているのでフラッシュバック等が心配される方にはお勧めできませんが、リアルな津波描写はなく、津波被害地域外にいて怪我もなく無事だった女性が主人公の物語です。しかし彼女は恋人が震災によって亡くなっている可能性が高いという設定です。 主に、東日本大震災によって故郷が被災地となってしまった人々のその後の生活や知られざる苦労、どうにかして再生しようともがく姿を描いています。 あれから11年経ちましたが、20年30年経っていようがこういう漫画の存在は必要だなと思います。
ツルゲーネフのそれではなくて、父と子の日常を描いたほのぼのエッセイです。 自分自身父なのと、家族のエッセイは沢山あるのですが、父親と息子の構図って珍しいなと思い読んでみました。 そして、すごく癒やされました。 最初、父と子なので父子家庭だったらどうしようとビクビクしてましたがーなんというか、母親がいない、それでも気丈にふるまう子供(特に男の子)の姿って、それだけで切なくないですか?ーお母さん海外にいるだけなので安心してお読みください。 息子(はーちゃん)を想うお父さんの姿と、はーちゃんのお父さんの好き具合がタマらないです。 また、お父さんが無口なのもいいですね。 言葉の代わりに、きちんと行動や態度で愛情を示しているのが、ぐっと伝わってきます。 同じ年頃の子を持つ父親は読んだ後、抱きしめたくなること請け合いです。 続刊あるのかわからない終わりかたですが、次の巻はお母さん帰ってくるのかな? 家族3人のやりとりもみてみたいなと純粋に思いました。
主人公の女子高生・ひまりには煌という幼馴染がいましたが、幼いころは優しかったのにいつの間にか彼はひまりに冷たく接してくるようになり、気付くと2人は疎遠になっていました。 ある日、そんな煌が突然ひまりの家にやってきて、謎の古風なイヤリングを渡しただけで帰ってしまいます。 その不審な様子が気になったひまりは彼の後を追ったのですが、彼がとある神社の鳥居をくぐった先に消えてしまうのを見つけます。 慌てて後を追った彼女が鳥居をくぐると、そこは古代日本のような異世界でした。 この作品はそんな経緯で異世界に送られ元の世界に帰れなくなってしまったひまりと、どうやらその異世界では“若様”と呼ばれる存在らしい煌が異世界で暮らしていく様子を描く作品です。 1巻まで読了
この作品は、さまざまな登場人物たちの恋の駆け引きの様子を「その裏で人知れず行われている"キューピッドたち"のバトル」とともに描くオムニバス作品です この作品で描かれているのは、雨の日に雨宿り先で偶然出会った高校生たちや、同じ会社で働く同僚のことを異性として意識し始めた瞬間、さらには定年を過ぎた老夫婦の日常のひとコマなど、文字通り老若男女さまざまな登場人物の駆け引きの様子です。 そしてその登場人物の心の動きを、その背後で行わているキューピッドたちのバトルとリンクする形で描いていて、普通の恋愛マンガ以上に登場人物の感情がバチバチ伝わってくる、そんな作品になっています。 1巻まで読了
良い!面白い。薫子、可愛い(でも何かまだ隠していそうな雰囲気ある) 隣同士の高校って設定なのも面白いけど(やんちゃ高とお嬢様高)絵も可愛いし、凛太郎と薫子の会話がとても素敵〜 初々しいのもあるんだけど、王道恋愛マンガ!ってだけじゃない人間味溢れた内容で読んでいて、色んな感情にさせてくれる内容でした。 高校生の恋愛って、正直自分には若すぎてどうかなと思ったけど、読んで良かった! 続き楽しみだな〜
『衛宮さんちの今日のごはん』で料理監修をされている只野まこと先生の正体が本作の十駒マコト先生だと知ってマジでビビり散らかしました。料理もできて絵も描ける、無敵だ!!! https://manba.co.jp/boards/144665/import_links/9450 さて、『衛宮ごはん』は「ワンランク上のおうちごはん」がテーマのグルメ漫画然とした作品でしたが、本作はFateを通じて世界各地の食の文化と歴史を学べる学習まんがといった趣。 Fateシリーズのサーヴァント自体は歴史上の人物を元にしているとはいえ相当アクロバティックなアレンジが加わっているわけですが、存外こうしたテーマの入り口にはぴったりというか、元からこのマンガのために居たのか?というくらいのフィット感。 コラムや注釈も充実の情報量で、古今東西さまざまな文化圏の英霊が登場するFGOの強みをガッツリ真面目方面に生かした作品と言えます。 なかでも注目すべき話数はプロトタイプとして描かれたという「ウルク飯」かと思います。バビロニアのアニメでも食事シーンが随分話題になりましたが、生活をしっかり描いたシリーズだけあり、古代メソポタミアのメシの解像度が上がる恩恵は大きいですね。 時間も空間も大きく離れた当時の食文化が今でもこれだけ分かっていることそのものへ驚きと、食べてみたい!と思わせるほど魅力的に描かれていること、両面からすごいなと思う次第です。 『衛宮ごはん』ファンはもちろん、全くFate知らん人が本作を入り口にするのもアリなのかもと思うくらい、しっかりした作品ですよ!
私は琵琶湖周辺を撮る写真家・今森光彦さんのファンだったり、用事の空き時間に立ち寄った近江八幡に魅了されたりと、プチ滋賀県ファンだったりします。琵琶湖、好きです。 そんな滋賀で同居する、OLの春川さんと小説家の秋山さん。二人は日々の合間に滋賀の良い所に触れるのですが、『たびみまん』のタイトル通り、旅とも言えない程少しの移動で滋賀を楽しむ、力の抜け方が良いです。 琵琶湖は大きくて穏やかだし、滋賀は風景も良いし歴史もある。地味そうでいて見所たっぷりの滋賀を、めんどくさがりの秋山先輩を連れて回る春川さんは、実は秋山先輩がかなり好きな様子。では秋山先輩は……? 二人の関係に注目しつつ、くるくる変わる春川さんの表情と滋賀散歩にほっこりしましょ!
1 「孤高の人」「イノサン」を圧倒的な筆致で描いた坂本眞一先生が,今度はドラキュラを描いてみたというのが本作。もちろん最高です。 2 1巻の時点では,ストーリーは始まったばかりですが,この絵を見るためだけに買う価値があります。古書風の装丁も素敵です。私は当初電子書籍で買ったのですが,結局紙版も買ってしまいました。でも本当はもっと大きなサイズで売ってほしかった 3 第0回の原稿作成過程は,漫勉でも放送されましたね。そのうちまた再放送があるかもしれませんので,見てない方は是非見てみましょう。ここまで描かなくてもいいのに…というほどに緻密すぎる原稿作業の様子を覗くことができます https://www.nhk.jp/p/manben/ts/7W327R2Y4N/episode/te/14XZP33K91/
"21g"それはかつて実際に行われた実験で提唱された「人間の魂の重さ」。 現実では否定的に語られることの多い説ですが、この物語の舞台は人間が死ぬ瞬間に"未知の気体"が放出されることが判明した世界です。 しかもこの"魂のような何か"は大きなエネルギーを有していて、発電に利用可能だとのこと。 資源不足による需要の増加と、死体から採取した物質の利用という倫理的な問題、世論がその板挟みに揺れる中、大規模な発電所「魂発」を建設した孤島を舞台に、ある少女たちが事件に巻き込まれる様子を描く作品です。 前述のようなSF的要素も含みつつ、孤島という舞台も相まって主人公たちの青春の瑞々しさも強く打ち出されていて、様々な要素が1つの物語に集約された満足度の高い1巻完結の作品です。
とある離島を舞台に、学校帰りのバス停でたむろしている女子高生の日常を描く作品。 離島が舞台のため、バスは数十分に1本しか来ない上にバス停の周りの人通りも全くなし。 そんなバス停で時間を潰しているのは島育ちの夏美と関東から引っ越してきた美咲、そこにたまに黒髪メガネの千秋やクール系の銀髪女子・ロッタが現れたりもして、個性豊かなキャラクターがバスが来るまでの間、他愛もない会話劇を繰り広げるという日常コメディです。 1巻まで読了
いとこ同士で同居している36歳の常磐と一回り年下の浅葱。2人にはそれぞれ自身の存在に関わる大きな秘密がありました。 常磐の秘密は「前世3つ前までの前世をあわせた4回分の記憶があること」。 そして浅葱は「1年ごとに違う時代に時間跳躍をしてしまう"タイムトラベラー"だということ」。 普段は会社員とフリーターとして普通に生きている彼らでしたが、ただの同居人だった2人の人生の歯車は物語が進むにつれて少しずつ噛み合い始めます。 また、2人の過去と現在を描いていく中で、2人の周囲の人々も彼らの物語に大きく関わってきて、さながら群像劇のような雰囲気も醸し出して来ます。 物語の歩みとともに徐々に情報が明かされていくこの物語の先に「全員が幸せになる結末」が待っているのかは分かりませんが、結末に至るまでの少しの間、その重厚なストーリーを楽しみたいと思います。 2巻まで読了。
まんまるポタジェが好きだったので、こちらも見つけて読んでみた。 中々のありえない展開の数々。笑 長森くん、実家大好きすぎだし、マザコンにシスコンにカナちゃんは良くこの人と結婚できるなぁ。笑 いやしかし、不思議と長森くんのキャラ憎めない。。 全体的にほんわ〜かしている雰囲気で休日に読みたくなるあいざわ遥先生の漫画、私は好きです。
この作品は、ある目的のために配達人として各地を旅する少年・唐草ジンと、彼に助けられたことで彼の旅に同行することとなった少女・緋鯉ココロの物語です。 この世界は"忍者"が人々の生活を脅かす悪党として幅をきかせていて、ジンたちも旅の途中でしばしばその悪行に遭遇します。 その度にジンは無愛想なオーラを放ちながらも、忍者を退治するために人肌脱いでくれます。 大ゴマで描かれる彼の必殺技には注目です。 また、今は悪党としてのさばっている忍者たちですが、かつては正義の戦士として活躍をしていて、さらにそんな忍者の存在がジンの旅の目的や、ココロの出生の秘密にも関わっていることが明かされていきます。 旅が進むにつれてそれらがどう結びついていくかも楽しみな作品です。 1巻まで読了
この作品は、人付き合いが苦手な少年・須月 吾由(すづき あゆ)が、おつかいの途中に出会ったネコに導かれて、近くにある寂れた商店街「こもれび商店街」の中にあった不思議な世界に迷い込むという物語です。 現実ではほとんど人がいないこもれび商店街ですが、ひとたび不思議な世界に迷い込むと、そこにはたくさんの住人がいました。 そんな世界を舞台に吾由は、実は人間の姿になることができる最初に出会ったネコ・マリーとともに、行方不明になった女王を探すこととなります。 異世界は表紙の通り幻想的で美しく描かれていて、そんな中、女王探しの過程で少しずつ成長していく吾由が描かれてくファンタジー作品です。 1巻まで読了
あとがきで作者に「楽しんでいただけましたでしょうか」と問われて「これはそもそも、楽しむものなのか…」と考えてしまう。 というよりはこの作品は、重い物を「突きつけられる」のを好む人向けだろう。キャラのポジティブな魅力や尊い関係性といった楽しみの代わりに、人間が皆持つ駄目さ・面倒さを「突きつけ」て物語に誘引する。 自分の物を全て……挙句は男さえも奪ってゆく妹に、嫉妬する姉。母の遺した一軒家だけは死守しようとする姉を最初は応援したくなるが、すぐに見方は変わる。妹の言い分、姉の恨みの執拗さ。さらに妹のパートナー・元彼に接近する姉。 よく見ると、姉も妹も自分の主張ばかりで、お互いの思考に考えを巡らす事は一度たりとて無い。よく学校で言われた「相手の立場になって」という教訓は、二人には全く活かされない。そしてその姿は、かつての・そしてこれからも変わらない、私の姿だ。 私は今後もこの作品を読みながら、争いを止めない身勝手な人の性を見続ける事になるだろう。それを追っていった先に、彼女達が変化する事はあるのか?変われないまま壊滅的な破局を迎えるのか?いずれにせよ、この酷い姉妹関係の結末が気になって仕方がない。 タバコの煙、靡くリボンで覆われた画面に幻惑されながら、面倒臭い人のための私小説を読む様に、次巻も読むのを止められそうもない。
幼なじみがイケメンというので、男キャラ(あおい)がイケメンかなと思ったら、ヒロイン(いつき)もイケンメン(精神的に)だったという話。 ヒロインがイケメンというのは、いうなれば宝塚の男役のような、女性が女性に惚れる的な格好良さ。 そして、その二人、なんと両思い。 普段のわたしなら、爆発して欲しいなと怨嗟が渦を巻くのですが、 この二人は格別です。 というのも、あおいもいつきも お互いにとって、ふさわしい人間になるべく鍛えようとする という、なんとも古臭・・・もとい奥ゆかしい姿勢。 イケメンや美女に無条件で愛されちゃう~といったハーレム系作品とは一線を画します。 かくして、ふさわしい人間になるべく、二人の努力は続く。 この向上心、素敵ですね。 この流れから察するように、基本的にちょっと常人とはズレた二人の天然ボケ路線ですすむギャグテイストなのですが、これがなんともいえず素敵です。 二人とも、性格が真っ直ぐな才色兼備なので、邪悪な心をもった自分には眩しすぎて、ホント尊い。 二人が、本作のクラスメイトたちのいわゆる「推し」と化しているのもうなずけます。 恋愛よりもラブコメ的な展開ですが、絵もキレイで、今後が楽しみな作品です。
この作品のメインの登場人物は4人。 まず、画家を目指しているがうまくいかず、有名な作品のニセモノを描く“贋作家”として生計を立てているウォルトという男。 彼の描く贋作を高く売りつけている詐欺師の男・エド。 そして、どうやらエドが抱える借金を取り立てようとしているらしいアイクとジョニーというギャング2人組。 現在の活動に罪悪感を抱きながらオリジナルの絵を描けないでいるウォルトと、人当たりは良いけど何か秘密を抱えている雰囲気のエド。 そんな2人とアイク・ジョニーのコンビがそれぞれ別々の形で出会い、やがて4人の運命が大きく変わる事件へと発展していきます。 ウォルトとエド、、アイクとジョニーという2組の関係性が面白く、それを独特のコマ割りとスタイリッシュな絵柄で絵柄で描き出しています。 電子書籍限定での発売ですが、ぜひこの物語の結末が生み出す大きなカタルシスを体感してみてほしい作品です。