無抵抗主義

無抵抗主義

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この作品は、『フィール・ヤング』で掲載された読み切り3作品を収録した短編集です

3本の物語に共通しているのは、登場人物がみんな一筋縄ではいかない型破りなキャラクターということです。
例えば表題作である『無抵抗主義』の主人公は、来るもの拒まずの"無抵抗主義"の考え方が行き過ぎた結果、20人もの女性と付き合っている時坂真也という男子大学生です。
そんな彼の身を案じた幼なじみが彼をある女性の元に連れていきます。
それが"西棟の魔女"という異名のついた薬学部の先輩・小津叶絵。
彼女は自身で作った謎の薬を使い、時坂の彼女全員から"彼の記憶を消して"しまいます。

といった感じで、ともすればファンタジーのような、現実感を感じられないかもしれないストーリーとぶっ飛んだキャラクターで作品が展開していくのですが、物語の最後にはそれら全てに綺麗に辻褄の合った、強いカタルシスを与える美しい結末が待っています。
この感動はそれぞれの物語を最後まで読まないと味わえないので、試し読みなどではなく、騙されたと思って単行本を買って作品を読んでみてほしい、そんな短編集です。

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