「夢を諦めさせる」新しい教師像にコメントする
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人気のコメント

吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前
めちゃくちゃ面白いですねー! これは令和の新しい教師像とも言えるんじゃないでしょうか。 学校の先生といえば、「夢を持て」とか「諦めるな」とか「夢の力を信じろ」とか力強く生徒の背中を押すような熱い言葉をかけるのが一般的なイメージがあります。 でも、このマンガは一味違って、夢を見る残酷さ、そのリスクを先生が徹底的に調べ上げて、夢を否定してるとも取れるような手厳しいことを言ってくるんですね。 挙句の果てには「夢にはくれぐれも気をつけてください」、「夢は人を殺しかねない」と生徒に言う。 そして、この先生が何故こういう指導方法なのかというと、実は元キャリアコンサルタントなんですね。 だから生徒にとっては厳しいかもしれないけど、敢えて良い部分だけじゃなくて客観的な事実としての夢の危険性を伝えてたってことが分かるんです。 夢を追いかけるリスクを聞いても夢に突き進む生徒たちですが、一時的に望んだ仕事をできるようになっても仕事によっては数年後に心身ともにボロボロになってたりする。 そんなときにそっと会いに来て前向きに諦めることを教えてくれて、新しい道を一緒に探す手助けをする。 夢を諦める手助けをする教師って聞かないので新しいし、面倒見よくていいですよね! 「ビッコミ」でも読めますね! https://bigcomics.jp/series/a9c40aa96eed5/
COBRA THE SPACE PIRATE

夢と呼ぶにはあまりに厳しく余りに哀しい影に向かってのオデッセイ

COBRA THE SPACE PIRATE
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)

著者のライフワークなので一言で括れない幅がある作品で、私は 1.手塚治虫的なタッチが残り奇想展開なアイディアの楽しい「少年ジャンプ初期」(「コブラ復活」~「ラグボール」) 2.線がややソリッドになりシニカルな描写の増えた「少年ジャンプ中期」(「二人の軍曹」~「黄金の扉」) 3.ヒロイックな描写の光る「少年ジャンプ後期」(「神の瞳」~「リターンコブラ」) 4.「聖なる騎士伝説」 5.CGフルカラー期 で分けている。どの期間も見るべき所のある漫画であるが、4.の「聖なる騎士伝説」について書きたい。  「聖なる騎士伝説」は青年誌に掲載された長編で他の話より暗く、いつもよりシリアスでアダルトな展開や描写が多い異色のエピソード(何てったって、レディーさえ出てこない) だ。ここでは新世界の興奮は悪鬼に蹂躙され、コブラのいつもの剽軽な態度やヒロイックな勇気は鳴りを潜め、笑みは嘗て見られなかった暗い影を忍ばせている。絵の線もどの辺よりも細く、陰影もまた濃く、混沌とした悪意蔓延る世界をこれでもかと描き出す。筋も宝や冒険ではなく悪鬼の暗殺と言う剣呑な代物で、終盤に明かされる種も周到に張られた伏線もあり陰惨な世界観を補強する。  今までのスペースオペラと比べると余りにもノワールであり、退廃的でもあるが、それだけに強烈であり、私はこのエピソードが一番好きだ。けだし、このノワールが単なる露悪に終わらず、コブラが常に世を儚むようなニヒルな皮肉を呟きながら銃をぶっ放しながらもどこか善や正義を諦めきれていないからではないかと思う。有名なコマでもある様にコブラは終盤、実際には何の利益を齎さなかった教会を批判し「神か……最初に罪を考え出したつまらん男さ」と呟いてみせたが、これはやはり神や正義についてどこか夢を持っている証拠に他ならないと思う。さもなくばこんなセリフは決して言わないだろう。  コブラの海賊としてのアウトローな性格や享楽主義は上記の理想主義的な思想やストイックさに支えられている。寺沢武一は彼の初期作品を「思弁的」と批評していた記憶があるが、そういった性格が彼の作品から消えた事は一度も無かったことは確かだろう、そしてそれこそがこの漫画をいつまでも輝かせているのだろう。海賊と言う自由とギルドに対抗する高潔な戦士の顔を持つあの男のとこしえの旅に祝福を。

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