VRで彼女を作ろう
※ネタバレを含むクチコミです。
<カラー5ページ増量!!>ダメ男・坂本拓郎が30歳の誕生日に出会った運命の彼女。それはバーチャルリアリティーのゲーム世界の中で生活する、AIキャラクター・月子だった!「現実を直視しろ。おれ達にはもう仮想現実しかないんだ」友人にも背中を押され、どんどん月子に惹かれていく拓郎だったが‥‥‥月子には他に好きな人がいる? もしかして現実世界が見えている!?謎だらけの彼女の存在には、この世界の秘密が隠されていた……!!※本商品は過去に発行されていた商品の収録内容から変更はありませんので(カラー増量ページ除く)、重複購入にご注意ください。
おもしろいから読んでみなよと言われたのが、2016年くらい。借りて読んだら、たしかにおもしろかった。設定に目新しさはないけれど。
そう、VRとかMRとか、身近にたくさん出始めた2016年頃だと、設定に目新しさはなかった。
しかし、他の方も書いているように、「ルサンチマン」は2004年にコミックス化した漫画。
2000年代半ばはまだ、VRゴーグルやヘッドギアなんて、普通に生活していたら出会わない。
発行年を知ったあと、「目新しさはない」だなんて大きな勘違いだったと知った。
それこそ映画「バーバレラ」をありきたりの設定詰め合わせのB級映画と思ってしまうくらい、わかっていなかった。
2004年当時に読んだ人たちは、もっと強い衝撃を受けたと思う。
いったいどうして、ヘッドギアをつけて部屋の中を動き回って遊べて、さらに専用グローブで仮想空間の女の子に触れるギャルゲーだなんて、あの頃描けたんだろう。
そして主人公は、団塊ジュニア世代の悲哀を感じるおじさん(でもまだ30歳になっていない)。
なんだか清潔感を感じない見た目。
人を馬鹿にしていても自分も同類。
生活が生活故に、漏れ出てしまう感情。
誰とでもないけど、既視感を覚えてしまうおじさん。
でも、このおじさん(今考えるとまだ若手)がかっこよく見えるときがあるのだから、花沢健吾先生の漫画は不思議だ。
「おもしろいよ」と勧めてもらったとおり、おもしろくて楽しめる漫画。
もし読まれる際は、これが2004年当時の漫画だと念頭に入れて読んでいただけたら、いろいろなシーンで、よりくすっとできると思う。