殷代末から周建国までを描いているマンガ
横山光輝が殷代末から周建国までを描いたマンガで「武王伐紂平話」ベースにしているため、封神演義にくらべて道教の部分がすくなく歴史小説寄りになっている。仙人同士の戦いではなく、殷の紂王と周の武王の戦がメインになっている これ読む順番でかなり読んだ感じに差が出ると思っていて、先に藤崎竜の『封神演義』を読んでいるとすごい違和感を感じてしまうと思う。
聡明な名君と未来を嘱望されていた殷の第31代紂王は、殷の守護神・女禍御前に邪心を抱く。女禍は邪心に激怒し、守護神をやめ天界に去った。しかし、紂王は女禍を忘れられず、代わりに蘇護の娘・妲己を後宮入りさせる。しかし妖怪に魅入られた妲己は魔性の女に変身する…。横山光輝の遺作が登場!
今から3000年も前の話ですね。おそらく人間の形とかも今とは全然違ったでしょう。さすがに。
舞台は中国は殷の時代です。三国志とかそういう感じの作品と同じジャンルです。読み味も似ています。
ただ個人的には、同作者の史記・三国志・水滸伝・チンギズハーン・織田信長・豊臣秀吉・武田信玄あたりと比べてイマイチ入り込めませんでした。
やっぱ前提として登場人物のことを知らなかったんですよね。他のは光栄などのお陰で、かなり武力の値や兵科の種類などかなり知ったうえで読んでいたので、脳内で膨らませられたのだと思います。
そういった意味では、やはりマンガにおける登場人物の掘り下げって、すごく大事なんだなと気付かされた作品になりました。横山先生、死してなおありがとうございます。
あと紂王と妲己が本当にやばくて、早く倒してもらってスカッとしたかったのですが、まさか最終22巻までこの方達がラスボスとして居座り続けるとは思いませんでした。
まぁ史実(というか3000年前だと史実かすらもわからないですが)なのでしょうがないのですが、やはり当初のボスは、いい塩梅のところで倒されてもらって、その後さらに極悪で強いボスが登場する、という作りの方が物語としてはエモーションを感じますね。
でも読んでよかったと思ってます。