フリーターでも人生楽しめる
タワマン文学なるものが、まことしやかに囁かれている昨今。 つまり、人より良い暮らしを演じる(もしくは目指す)ために、色々犠牲になって自分らしさを失っている人を面白おかしく描いたものだが(たぶん)、本作はその真逆をいっている感じで、たいへん自分好みでした。 フリーターといえど高収入な方も登場しますが、いずれにせよ、自分の中の価値を犠牲にしたり、誰かと比較して優劣つけたりなんてせず、たんたんと自分の好きなことを好きなだけして、自由に生活しているさまは読んでいて、学ぶことが多かった。 「〇〇じゃなきゃダメ」 と、〇〇が世間一般の評価だったり、多くの人がその道を通るやり方だったり、いつの間にかそういうもので凝り固まっていた感覚を再認識しました。 本作に出てくる勝ち組フリーターの方のように、もう少し肩の力を抜いていいんだ、それでも生活できるんだと教えてくれます。 個人的に洞窟おじさんの話が、生い立ちが凄まじいのですが(13歳で家出し43年間も山の中で生活した人)その後のエピソード含めて好きですね。