完璧な第1話から始まる最高の妖怪譚
これを超える妖怪・怪奇漫画はなかなか無いと思う。まずとにかく第1話「精進おとしの客」が最高すぎる。 「小説を書くために妖魔と取引していた」と言われた主人公の祖父は、自分の死後にすべき事を言い残して死ぬ。精進落としの日、幼い主人公は魔除けの赤い着物を着せられ、客間には7つの膳が用意された。すると家に8人の妖怪が現れて…というあらすじ。 http://sonorama.asahi.com/comic/post.html 強い力を持っていた祖父。 身を守るための迷信。 妖怪との約束…。 妖怪話に求めるロマンがここぞとばかりに詰まっただけでなく、衝撃の事実が明らかになったり、主人公がうまく立ち回ったりカタルシスも大きい。 「この物語はこういう話ですよ」と簡潔に自己紹介するかのような見事な導入で、ガンガン読み進めて気づいたら全巻買っていた。 作中には様々な霊や妖怪が登場するけれど、そのどれもが「本当に郷土史に残ってそう」と思わせる説得力があるのがたまらない。 間違いなく少女漫画の名作なので、まだの人は死ぬ前に読んでみてください…! ▽『百鬼夜行抄』今市子 第1話(このページだけでもう好き)