ヒトという、幼い種族のジュブナイル
【5巻まで読了】 浅野いにお先生、達観しすぎて、言語化もビジュアル化もあまりに上手すぎて、才能が暴発しまくってる感じがあまりにも尊い。 世界をより高い視座から見渡すべきだというリベラルな思想と、それを万人たる読者に伝える難しさが、ある意味ハレーションを起こしたように、意地悪で冷笑的にも映る全方位射撃的な描かれ方が、序盤は特に強く感じられる。 しかし、ここまで散りばめられてきた伏線が回収され、少女が異邦人と果たして出逢い、ぼかされ続けた衝撃の真実が明かされた5巻は、感情を揺さぶる◯◯シーンで締めくくられる。 人間、特に現代人は、こと思想とかの話になると、言語化と説明能力(アカウンタビリティ)が不可欠であり、言語による対話の力を盲信しているフシがある。しかし実際には、身体感覚や感情の揺さぶりも同じくらい立派なコミュニケーションなのだ。 『デデデデ』は、お互いに言葉が通じない同士の、非言語コミュニケーションの物語であり、それがここまででもっともわかり易く表れた5巻だったように思う。
終わってしまった。「超展開、花沢健吾天才かよ」って言っておいてコレだもの、参った。
11巻の巻末話から「あれ?」って思ったら、案の定テラーとして本人の分身とも言える彼中心で動き始め、そして伏線回収へ。
流れはお見事としか言いようがない。
そして、確かに幸せな終わりを望んでた、望みながらずっと毎回読んでいた。
だからこの最終回も別に不満がある終わり方ではない。
でもなんか何故か「なんか浅野いにおっぽくない?」と何かが残ってしまう感じがある。
読者の心境にスッキリしきれない何かを残す、ここまで仕組まれてるんじゃないかって気がする。
そうであってほしいので、自分の中ではそうすることにします。信者なので。
そして画像は後付じゃなさそうだしマジかよと思ったところ。そういうことか、天才かよ。