あらすじ駿米大ミス研夏合宿へ! 待望の第7集!! 米国からの非難が激しさを増す中、それでもS.E.S社と歩みを共にする日本―― そんな日本に夏が来る。「嫌な予感」が… 胸騒ぎが止まらないおんたんは、駿米大学ミステリー研究会と共に夏合宿へと向かう。彼の地で尾城先輩が探る十年前の真相とは。おんたんと大葉君が海辺で見つけたのは。世界を狂気へと誘う『母艦』『侵略者』の真実への扉が開こうとしている。「8・31」から数年。絶望が麻痺した世界を生きる少女達のデストピア青春譜。待望の第7集!!
【5巻まで読了】 浅野いにお先生、達観しすぎて、言語化もビジュアル化もあまりに上手すぎて、才能が暴発しまくってる感じがあまりにも尊い。 世界をより高い視座から見渡すべきだというリベラルな思想と、それを万人たる読者に伝える難しさが、ある意味ハレーションを起こしたように、意地悪で冷笑的にも映る全方位射撃的な描かれ方が、序盤は特に強く感じられる。 しかし、ここまで散りばめられてきた伏線が回収され、少女が異邦人と果たして出逢い、ぼかされ続けた衝撃の真実が明かされた5巻は、感情を揺さぶる◯◯シーンで締めくくられる。 人間、特に現代人は、こと思想とかの話になると、言語化と説明能力(アカウンタビリティ)が不可欠であり、言語による対話の力を盲信しているフシがある。しかし実際には、身体感覚や感情の揺さぶりも同じくらい立派なコミュニケーションなのだ。 『デデデデ』は、お互いに言葉が通じない同士の、非言語コミュニケーションの物語であり、それがここまででもっともわかり易く表れた5巻だったように思う。