会社からもらった長めの夏休みに帰省した主人公は、相変わらず無職でポテチを箸で食う35歳の兄を目の当たりにし、不安がつのるばかり。しかも見たところ母親は要介護状態。父親の姿は見えず。
この兄が、これから何かしでかすのか、しでかさないのか。予想がつかないのが怖いです。あとタイトルの「住みにごり」の意味もわからず、それも怖い。

毎回ヤバさの新記録を軽く更新してくるから
読んでて戦慄する
い、一体俺たちは何を読んでいるんだ

この漫画、好きだけど単行本になったらもっと色んな人に知られるんだと考えたらなんか怖くなってきた

そんな真っ当な人間が、しんどい1人暮らしとあの機能不全家族(っていいのかわからんが)を天秤にかけて実家選ぶの地獄の2択すぎる…。

まあ末吉にとっては実家とは「そういうもの」としか感じてないのかもしれないけど。

今回読んで思ったんだけど、末吉って名前大昔みたいな付け方で愛情が全然感じられないわ…

トメとかスエって子供はこれで打ち止めみたいな意味じゃん?

お姉ちゃんは長月、兄貴はフミヤで出生順が入りつつ(たぶん)ちゃんと今っぽい感じだからなおさら…

・お母さんが要介護で兄貴はニートだからあんな親父でもいないと生計が成り立たない
・2人を連れて逃げる体力も精神力もお姉ちゃんと末吉にはない
・仮に逃げられたとして姉ちゃんと末吉で養わなくてはならないがそんな経済力はないしそれに自分の人生かけられない

どんづまりの住みにごり
本当にすげーよこの漫画

住みにごり

ギャグなのかホラーなのか漂う狂気に翻弄される

住みにごり たかたけし
六文銭
六文銭

引きこもりの兄、要介護の母、アル中の父、モラハラ気質でバツイチの姉。 そして、都落ちして絶賛失業中の主人公。 この時点で濃度マシマシな家族構成だが、主人公が実家に帰省したところから始まる本作。 田舎出身の自分的には、あながち非現実的とも言えないのが、興味をそそりました。 言葉は一切発しないが、謎の存在感がある兄を軸に物語は展開されるのですが、冒頭でその兄が通り魔殺人を犯している夢を主人公がみていて、それが全話通して、こびりついて離れないんですよね。 兄の容姿も、ちびまる子の永沢くん(玉ねぎ)みたいに一見ギャグっぽい感じなのですが、この最初の光景のせいで逆に狂気すら覚えます。 ところどころ、例えばキャベツを部屋で千切りしてたり(それに血がついていたり)、主人公の同級生(女性)の名札でいかがわしいことしたり、狂気じみたことをしているので、あながち間違いではないのですが、それ以上のことをしそうな雰囲気が、常にある。 引きこもりかつ無口ってのが、否が応でも、その手の妄想をかきたてます。 似たように、父親もヤバいし、唯一家族の中でまともだと思った母親も、意外とキレてやらかすから、もうザワつきっぱなしです。 家族からみたら当たり前だったことが、世間では当たり前じゃないことって少なからずあると思うのですが、それを実際にありそうな絶妙なラインで、まざまざと見せつけられている、そんな作品です。 家族を再構築していく話なのか、それとも崩壊していく話なのか、ぜひ見届けたいです。

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